8.5.3. ホストコントローラーがドメインコントローラーとして動作するよう昇格
主要のドメインコントローラーに問題が発生した場合に、ホストコントローラーがドメインコントローラーとして動作するよう昇格できます。ホストコントローラーを 昇格 する前に、ドメインコントローラーから ドメイン設定をローカルでキャッシュ する必要があります。
ドメイン設定のキャッシュ
ドメインコントローラーとして使用したいホストコントローラーに --backup
オプションを使用します。
$ EAP_HOME/bin/domain.sh --host-config=host-slave.xml --backup
これにより、ドメイン設定全体のコピーが含まれる EAP_HOME/domain/configuration/
ディレクトリーに domain.cached-remote.xml
ファイルが作成されます。この設定は、ホストコントローラーがドメインコントローラーとして動作するよう再設定された場合に使用されます。
ignore-unused-configuration
属性は、特定のホストがキャッシュする設定の範囲を判断するために使用されます。true
を指定すると、このホストコントローラーに関係する設定のみがキャッシュされ、ドメインコントローラーとして引き継ぐことはできません。false
を指定すると、ドメイン設定全体がキャッシュされます。
The --backup
引数はデフォルトでこの属性の値を false
とし、ドメイン全体をキャッシュします。しかし、この属性を host.xml
ファイルで設定した場合は、その値が使用されます。
また、--cached-dc
オプションのみを使用して、ドメイン設定のコピーを作成できますが、host.xml
で ignore-unused-configuration
の値を false
と設定し、ドメイン全体をキャッシュする必要があります。以下に例を示します。
<domain-controller> <remote username="$local" security-realm="ManagementRealm" ignore-unused-configuration="false"> <discovery-options> ... </discovery-options> </remote> </domain-controller>
ホストコントローラーをドメインコントローラーに昇格
- 元のドメインコントローラーが停止した状態であることを確認します。
- 管理 CLI を使用して、新しいドメインコントローラーとなるホストコントローラーへ接続します。
以下のコマンドを実行してホストコントローラーを設定し、新しいドメインコントローラーとして動作するようにします。
/host=backup:write-attribute(name=domain-controller.local, value={})
以下のコマンドを実行し、ホストコントローラーをリロードします。
reload --host=HOST_NAME
このホストコントローラーがドメインコントローラーとして動作するようになります。