24.3.7. Infinispan パーティションの処理
Infinispan クラスターは、データが保存される複数のノードで構築されます。複数のノードに障害が発生した場合のデータの損失を防ぐため、Infinispan は複数のノードで同じデータをコピーします。このレベルのデータ冗長性は owners
属性を使用して設定されます。設定されたノードの数未満のノードが同時にクラッシュしても、Infinispan はデータのコピーを利用できます。
しかし、クラスターから大量のノードが消滅すると最悪の事態を招く可能性があります。
- スプリットブレイン
スプリットブレインはクラスターを独立して動作する 2 つ以上のパーティションまたはサブクラスターに分割します。このような場合、異なるパーティションから読み書きする複数のクライアントが同じキャッシュエントリーの異なるバージョンを見ることになり、多くのアプリケーションにとって問題となります。
注記スプリットブレインの発生を軽減する方法には、冗長化ネットワークや IP ボンディング などがあります。 しかし、これらの方法は問題発生のリードタイムを削減するだけです。
- 複数ノードの連続クラッシュ
- 複数のノード (所有者の数) が連続してクラッシュし、Infinispan がクラッシュ間の状態を適切に調整する時間がない場合、結果として部分的なデータの損失が発生します。
スプリットブレインや複数ノードの連続クラッシュが原因で、不適切なデータがユーザーに返されないようにすることが大切です。
24.3.7.1. スプリットブレイン
スプリットブレインが発生した場合、各ネットワークパーティションが独自の JGroups ビューをインストールし、他のパーティションからノードを削除します。パーティションはお互いを認識しないため、クラスターが 2 つ以上のパーティションに分割されたかどうかを直接判断することはできません。そのため、明示的な脱退メッセージを送信せずに、1 つ以上のノードが JGroups クラスターから消滅した場合にクラスターが分割されたと判断します。
パーティション処理が無効の場合、各パーティションは継続して独立したクラスターとして機能します。各パーティションはデータの一部のみを認識できる可能性があり、競合する更新をキャッシュに書き込む可能性があります。
パーティション処理が有効の場合、スプリットを検出したときに各パーティションは即座にリバランスを行わず、degrade モードにするかどうかを最初にチェックします。
- 1 つ以上のセグメントがすべての所有者を失った場合 (最後に行ったリバランスが完了した後に指定した所有者の数以上が脱退した場合)、パーティションは degrade モードになります。
- 最新の安定したトポロジーでパーティションに単純多数のノード (floor(numNodes/2) + 1) が含まれない場合も、パーティションは degrade モードになります。
- その他の場合は、パーティションは通常通り動作し、リバランスを開始します。
安定したトポロジーは、リバランス操作が終了するたびに更新され、コーディネーターによって他のリバランスが必要ないと判断された場合に毎回更新されます。これらのルールは、1 つのパーティションが available モードを維持し、他のパーティションが degraded モードになるようにします。
パーティションが degraded モードの場合、完全に所有されたキーへのアクセスのみを許可します。
- このパーティション内のノード上のコピーをすべて持つエントリーのリクエスト (読み取りおよび書き込み) は許可されます。
-
消滅したノードによって完全所有または一部所有されたエントリーのリクエストは
AvailabilityException
によって拒否されます。
これにより、パーティションが同じキーに異なる値を書き込めないようにし (キャッシュの一貫性を保つ) 、さらにパーティションが他のパーティションで更新されたキーを読み取れないようにします (陳腐データをなくす)。
2 つのパーティションは分離して開始できます。これらのパーティションはマージされなければ不整合なデータを読み書きできます。 将来的に、この状況に対処できるカスタムの可用性ストラテジーが許可される可能性があります (例: 特定のノードがクラスターの一部であるかを確認、外部のマシンにアクセスできるかどうかを確認など)。