11.3.6. フィルター式

フィルター式は filter-spec 属性を使用して設定され、さまざまな基準に基づいてログメッセージを記録するために使用されます。フィルターチェックは、常に未フォーマットの raw メッセージに対して行われます。ロガーまたはハンドラーのフィルターを含めることができますが、ハンドラーに配置されたフィルターよりもロガーフィルターが優先されます。

注記

ルートロガーに対して指定された filter-spec は他のロガーによって継承されません。ハンドラーごとに filter-spec を指定する必要があります。

表11.3 ロギングのフィルター式

フィルター式説明

accept

すべてのログメッセージを許可します。

deny

すべてのログメッセージを拒否します。

not[filter expression]

単一のフィルター式の逆の値を返します。以下に例を示します。

not(match("WFLY"))

all[filter expression]

フィルター式のコンマ区切りリストから連結された値を返します。以下に例を示します。

all(match("WFLY"),match("WELD"))

any[filter expression]

フィルター式のコンマ区切りリストから 1 つの値を返します。以下に例を示します。

any(match("WFLY"),match("WELD"))

levelChange[level]

指定のレベルでログレコードを更新します。以下に例を示します。

levelChange(WARN)

levels[levels]

レベルのコンマ区切りリストにあるレベルの 1 つでログメッセージをフィルターします。以下に例を示します。

levels(DEBUG,INFO,WARN,ERROR)

levelRange[minLevel,maxLevel]

指定されたレベル範囲内でログメッセージをフィルターします。[ および ] は、含まれるレベルを示すために使用されます。( および ) は除外されるレベルを示すために使用されます。以下に例を示します。

  • levelRange[INFO,ERROR]

    • 最小レベルは INFO 以上で、最大レベルは ERROR 以下でなければなりません。
  • levelRange[DEBUG,ERROR)

    • 最小レベルは DEBUG 以上で、最大レベルは ERROR 未満でなければなりません。

match["pattern"]

提供される正規表現を使用してログメッセージをフィルターします。以下に例を示します。

match("WFLY\d+")

substitute["pattern","replacement value"]

最初にパターン (最初の引数) と一致した値を代替テキスト (2 番目の引数) に置き換えるフィルター。以下に例を示します。

substitute("WFLY","EAP")

substituteAll["pattern","replacement value"]

パターン (最初の引数) と一致したすべての値を代替テキスト (2 番目の引数) に置き換えるフィルター。以下に例を示します。

substituteAll("WFLY","EAP")

注記

管理 CLI を使用してフィルター式を設定する場合、値が文字列として正しく処理されるよう、フィルターテキストのコンマと引用符を必ずエスケープしてください。コンマと引用符の前にバックスラッシュ (\) を付け、式全体を引用符で囲む必要があります。以下は substituteAll("WFLY","YLFW") を適切にエスケープした例になります。

/subsystem=logging/console-handler=CONSOLE:write-attribute(name=filter-spec, value="substituteAll(\"WFLY\"\,\"YLFW\")")