第5章 JBoss Server Migration Tool の設定
5.1. JBoss Server Migration Tool プロパティーの設定
プロパティーを使用して JBoss Server Migration Tool のロギングとレポート出力を設定し、移行するコンポーネントおよび設定を決定します。以下のメソッドの組み合わせを使用すると、これらのプロパティーを設定できます。
- ツール内で定義されたプロパティーファイル を設定できます。
- コマンドラインでユーザープロパティーを 渡すことができます。
- システム環境変数 を設定できます。
5.1.1. ツールプロパティーを使用した JBoss Server Migration Tool の設定
JBoss Server Migration Tool は、EAP_HOME/migration/configuration/
ディレクトリーにある environment.properties
ファイルを使用して設定できます。この標準的な Java プロパティーファイルは、ターゲットサーバーへの移行時に設定可能なすべての有効なプロパティーのデフォルト値を提供します。デフォルト値を変更するには、プロパティーの前にあるコメント文字 #
を削除し、必要な値に設定します。
5.1.2. ユーザープロパティーを使用した JBoss Server 移行ツールの設定
JBoss Server Migration Tool の設定プロパティーを定義する標準の Java プロパティーファイルを作成し、--environment
や -e
引数を使用してコマンドラインでそのパスを渡すこともできます。このパスは、現在のディレクトリーに対する絶対パスまたは相対パスになります。
$ EAP_HOME/bin/jboss-server-migration.sh --source EAP_PREVIOUS_HOME --environment path/to/my-server-migration.properties
--environment
や -e
引数を使用してコマンドラインで渡されるファイルで定義されたプロパティーは、EAP_HOME/migration/configuration/environment.properties
ファイルで定義されているものを上書きします。
5.1.3. システムプロパティーを使用した JBoss Server Migration Tool の設定
以下の構文を使用して、JBoss Server Migration Tool をコマンドラインにシステムプロパティーを渡すと設定できます。
$ EAP_HOME/bin/jboss-server-migration.sh --source EAP_PREVIOUS_HOME -Djboss.server.migration.PROPERTY_NAME=PROPERTY_VALUE
システムプロパティー名は、環境プロパティー名と連結された jboss.server.migration.
に環境変数名を指定する必要があります。以下の例では、JBoss Server Migration Tool の起動時に XML レポートの名前を migration-report.xml
として指定する方法を表しています。
$ EAP_HOME/bin/jboss-server-migration.sh --source EAP_PREVIOUS_HOME -Djboss.server.migration.report.xml.fileName=migration-report.xml
コマンドラインで指定された環境プロパティーは、ユーザー設定プロパティーおよびツール設定プロパティーの両方を上書きします。
コマンドラインでシステムプロパティーを渡すことで JBoss Server Migration Tool を設定すると、以下のプロパティーで動作しません。
-
report.html.fileName
-
report.html.maxTaskPathSizeToDisplaySubtasks
-
report.html.templateFileName
-
report.summary.maxTaskPathSizeToDisplaySubtasks
-
report.xml.fileName
これは、次のバージョンの JBoss EAP で対処される既知の問題です。この問題の詳細は JBEAP-12901 を参照してください。