5.3. モジュール移行の設定

JBoss Server Migration Tool は、モジュールがターゲットサーバーに既にインストールされていない限り、ソースサーバーにインストールされているモジュールを移行することができます。モジュールの移行はリクエストによって明示的または暗黙的に行うことができます。これは、他のモジュールや移行されたサーバー設定はそれに依存するためです。

5.3.1. モジュール環境プロパティー

モジュールは modules.includes および modules.excludes 環境プロパティーを使用して移行するかどうかを制御できます。モジュール ID の構文は name:slot です。:slot は任意です。指定されない場合はデフォルトで main に設定されます。

  • ID が modules.excludes 環境プロパティーによって参照されるモジュールは移行されません。
  • ID が modules.includes 環境プロパティーで参照されるモジュールは、modules.excludes 環境プロパティーによって参照されない限り常に移行されます。

5.3.2. モジュールプロパティーの設定

モジュールの移行に使用する環境プロパティーは、以下のいずれかの方法で設定できます。

  • プロパティーはツールの EAP_HOME/migration/configuration/environment.properties ファイルで設定できます。

    modules.includes=com.example.moduleA,com.example.moduleB
    modules.excludes=com.example.moduleC
  • 独自のカスタムプロパティーファイルに上記のプロパティーを追加してから、--environment 引数を使用してコマンドラインでプロパティーファイル名を渡すことができます。

    $ EAP_HOME/bin/jboss-server-migration.sh --source EAP_PREVIOUS_HOME --environment PATH_TO_MY_PROPERTIES_FILE
  • システムプロパティーを使用して、コマンドラインで情報を渡すことができます。環境プロパティー名には、jboss.server.migration. を接頭辞に指定する必要があります。

    $ EAP_HOME/bin/jboss-server-migration.sh --source EAP_PREVIOUS_HOME -Djboss.server.migration.modules.includes="com.example.moduleA" -Djboss.server.migration.modules.excludes="com.example.moduleC,com.example.moduleD"
警告

JBoss Server Migration Tool は、ソースモジュールがターゲットサーバーと互換性のあることを確認しません。互換性のない移行モジュールにより、ターゲットサーバーが誤作動したり、全く機能しなくなることがあります。モジュールは、ソースサーバーとターゲットサーバーの両方にインストールされるモジュールの依存関係が原因で互換性がない可能性があります。ただし、各サーバーに異なるリソースを含めたり、公開したりすることができます。