7.3. JBoss EAP 7.2 のホスト設定の JBoss EAP 7.3 への移行

JBoss Server Migration Tool はデフォルトで、ホストサーバー設定を JBoss EAP 7.2 から JBoss EAP 7.3 に移行するときに以下のタスクを実行します。

7.3.1. 参照済みモジュールの移行

ソースサーバーからターゲットサーバーに移行される設定が、ターゲットサーバーにインストールされていないモジュールを参照したり、これに依存する可能性があります。JBoss Server Migration Tool はこれを検知し、参照されるモジュールと、その依存関係モジュールをソースサーバーからターゲットサーバーに自動的に移行します。

ホストサーバー設定で参照されるモジュールは、以下のプロセスを使用して移行されます。

  • セキュリティーレルム設定で参照されるモジュールは、プラグインモジュールとして移行されます。

コンソールは、移行されるモジュールのモジュール ID を示すメッセージをログに記録します。modules.excludes 環境プロパティーにモジュール ID を指定して、特定モジュールの移行を除外できます。詳細は、モジュールの移行の設定 を参照してください。

7.3.2. 参照パスの移行

ソースサーバーからターゲットサーバーへの移行される設定は、ターゲットサーバーにも移行する必要があるファイルパスとディレクトリーを参照したり、これらに依存する可能性があります。JBoss Server Migration Tool は絶対パス参照を移行しません。ソース設定との関連として設定されるファイルやディレクトリーのみを移行します。コンソールは、移行される各パスを示すメッセージをログに記録します。

JBoss Server Migration Tool は以下のパス参照を自動的に移行します。

  • vault キーストアおよび暗号化されたファイルのディレクトリー。

参照パスの移行を省略するには、paths.migrate-paths-requested-by-configuration.vault.skip 環境プロパティーを true に設定します。

7.3.3. 互換性のあるセキュリティーレルムの移行

JBoss EAP 7.3 のセキュリティーレルム設定は JBoss EAP 7.2 セキュリティーレルム設定と完全に互換性があります。そのため、JBoss Server Migration Tool では更新は必要ありません。ただし、application-users.propertiesapplication-roles.propertiesmgmt-users.propertiesmgmt-groups.properties ファイルが絶対パスで参照されていない場合、このツールは移行された設定ファイルによって想定されるパスにコピーします。

セキュリティーレルムの移行を省略するには、security-realms.migrate-properties.skip environment 環境プロパティーを true に設定します。