第6章 管理 CLI の設定
管理 CLI の特定の設定は、設定ファイル jboss-cli.xml
でカスタマイズできます。このファイルは EAP_HOME/bin
ディレクトリーか、jboss.cli.config
システムプロパティーで指定されたカスタムディレクトリーに存在する必要があります。
jboss-cli.xml
ファイルでは以下の要素を設定できます。
default-protocol
-
プロコトルの指定がない状態でコントローラーアドレスが提供された場合に使用するデフォルトのプロトコル。デフォルトは
remote+http
です。ポート9990
が使用され、プロトコルの指定がない場合はuse-legacy-override
属性がfalse
に設定されていない限り、プロトコルは自動的にデフォルトのremoting
に指定されます。 default-controller
connect
コマンドがパラメーターの指定なしで実行された場合に接続するコントローラーの設定。管理 CLI が引数--controller=
またはcontroller=
で開始された場合、引数に指定された値は設定のdefault-controller
定義よりも優先されます。-
protocol
- コントローラーのプロトコル名。指定のない場合、default-protocol
の値が使用されます。 -
host
- コントローラーのホスト名。デフォルトはlocalhost
です。 -
port
- コントローラーに接続するポート番号。デフォルト値は9990
です。
-
controllers
jboss-cli.xml
ファイルに接続コントローラーのエイリアスを定義できます。以下に例を示します。<!-- The default controller to connect to when 'connect' command is executed w/o arguments --> <default-controller> <host>localhost</host> <port>9990</port> </default-controller> <!-- CLI connection controller aliases --> <controllers> <controller name="ServerOne"> <protocol>remoting</protocol> <host>192.168.3.45</host> <port>9990</port> </controller> <controller name="ServerTwo"> <protocol>http-remoting</protocol> <host>192.168.3.46</host> </controller> </controllers>
コントローラー要素の
name
属性は、--controller=
引数の値として使用する必要があります。例:--controller=ServerTwo
validate-operation-requests
-
実行のリクエストをコントローラーに送信する前に、操作リクエストのパラメーターリストを検証するかどうか。デフォルトは
true
です。 history
CLI コマンド履歴ログの設定。
-
enabled
-history
を有効にするかどうか。デフォルトはtrue
です。 -
file-name
- 履歴を保存するファイル名。デフォルトは.jboss-cli-history
です。 -
file-dir
- 履歴が保存されるディレクトリー。デフォルトはユーザーのホームディレクトリーです。 -
max-size
- 履歴ファイルに格納されるコマンドの最大数。デフォルトは500
です。
-
resolve-parameter-values
-
操作のリクエストをコントローラーに送信する前に、コマンド引数 (または操作パラメーター) の値として指定されたシステムプロパティーを解決するかどうか。デフォルトは
false
です。 connection-timeout
-
コントローラーで接続を確立できる期間 (ミリ秒単位)。デフォルトは
5000
です。 ssl
SSL に使用されるキーストアおよびトラストストアの設定。
警告Red Hat では、影響するすべてのパッケージで TLSv1.1 または TLSv1.2 を利用するために SSLv2、SSLv3、および TLSv1.0 を明示的に無効化することを推奨しています。
-
vault
- vault の設定。code
とmodule
の指定がない場合、デフォルトの実装が使用されます。code
は指定され、module
は指定されていない場合、Picketbox モジュールで指定されたクラスを探します。module
とcode
が指定されている場合、module によって指定されたモジュールのコードによって指定されたクラスを探します。 -
key-store
- キーストア。 -
key-store-password
- キーストアのパスワード。 -
alias
- エイリアス。 -
key-password
- キーのパスワード。 -
trust-store
- トラストストア。 -
trust-store-password
- トラストストアのパスワード。 -
modify-trust-store
-true
に設定された場合、ユーザーに認識できない証明書が受信されたことを通知し、それらの証明書はトラストストアに格納することができます。デフォルトはtrue
です。
-
silent
-
ターミナルに情報およびエラーメッセージを書き込むかどうか。デフォルトは
false
です。 access-control
-
現在のユーザーに付与されたパーミッションを基にして管理関連のコマンドおよび属性をフィルターすべきかどうか。たとえば、
true
の場合、ユーザーのアクセスが許可されていないコマンドおよび属性はタブ補完では表示されません。デフォルトはtrue
です。 echo-command
-
非対話モードで実行されたコマンドの出力にプロンプトおよびコマンドを含むかどうか。デフォルトは
false
です。 command-timeout
-
コマンドが完了するまで待機する最大時間。
0
の値はタイムアウトにならないことを意味します。デフォルトではタイムアウトは発生しません。 output-json
- 操作の応答を純粋な JSON 形式で表示するかどうか。デフォルトでは、操作の応答は DMR 形式で表示されます。
color-output
CLI のログ出力をログメッセージの出力タイプに応じて色付けするかどうか。使用できる色は
black
、blue
、cyan
、green
、magenta
、red
、white
、およびyellow
です。-
enabled
- カラー出力を有効にするかどうか。デフォルトはtrue
です。 -
error-color
- デフォルトはred
です。 -
warn-color
- デフォルトはyellow
です。 -
success-color
- デフォルトはdefault
で、ターミナルのデフォルトのフォアグラウンドの色になります。 -
required-color
- デフォルトはmagenta
です。 -
workflow-color
- デフォルトはgreen
です。 -
prompt-color
- デフォルトはblue
です。
-
output-paging
-
管理 CLI は出力ページの表示後に一時停止するかどうか。出力の閲覧および検索が可能になります。このオプションが
false
に設定されている場合、出力全体がすぐに出力されます。デフォルトはtrue
です。
6.1. プロパティーの置換
JBoss EAP は、管理 CLI での事前設定の要素式およびプロパティー式の使用をサポートします。これらの式は、コマンドの実行中に定義された値に解決されます。
式を以下のプロパティーに置き換えることができます。
- 操作リクエストの操作アドレス部分 (ノード型、名前など)
- 操作名
- 操作パラメーター名
- ヘッダー名および値
- コマンド名
- コマンド引数名
デフォルトでは、管理 CLI は引数またはパラメーターの値以外の各行に対してプロパティーの置換を実行します。引数およびパラメーターの値は起動時にサーバーで解決されます。引数またはパラメーターの値のプロパティー置換を管理 CLI で行い、解決された値をサーバーに送信する必要がある場合は、以下の手順に従います。
-
管理 CLI 設定ファイル
EAP_HOME/bin/jboss-cli.xml
を編集します。 resolve-parameter-values
パラメーターをtrue
に設定します (デフォルトはfalse
です)。<resolve-parameter-values>true</resolve-parameter-values>
この要素は、操作リクエストのパラメーターの値とコマンド引数の値のみに影響します。他のコマンドラインには影響しません。そのため、パラメーターや引数の値でないコマンドライン上のシステムプロパティーは、resolve-parameter-values
要素の値に関係なく、行の解析中に解決されます。
管理 CLI コマンドで使用されるシステムプロパティーの値を解決するには、それらのプロパティーが定義されている必要があります。管理 CLI インスタンスの起動時にプロパティーファイル (--properties=/path/to/file.properties
) またはプロパティーと値のペア (-Dkey=value
) に渡す必要があります。プロパティーファイルは標準の KEY=VALUE
構文を使用します。
プロパティーキーは、以下の例のように ${MY_VAR}
構文を使用して管理 CLI コマンドで使用されます。
/host=${hostname}/server-config=${servername}:add(group=main-server-group)
その他の jboss-cli.xml 設定オプションは、管理 CLI の設定
を参照してください。