3.5. セキュリティードメインのキャッシングの設定
セキュリティードメインのキャッシュを指定して、認証チェックにかかる時間を短縮できます。デフォルトでは、セキュリティードメインは簡単なマップをキャッシュとして使用します。このデフォルトのキャッシュは、最大エントリー数が 1000 件の LRU (Least Recently Used) キャッシュです。または、Infinispan キャッシュを使用するようセキュリティードメインを設定するか、キャッシュを完全に無効することができます。
3.5.1. セキュリティードメインのキャッシュタイプの設定
前提条件
セキュリティードメインを Infinispan キャッシュを使用するように設定する場合は、まず、セキュリティードメインが使用するデフォルトのキャッシュが含まれる
security
という名前の Infinispan キャッシュコンテナーを作成する必要があります。重要セキュリティードメインと併用するには Infinispan キャッシュ設定は 1 つだけ定義できます。Infinispan キャッシュを使用するセキュリティードメインは複数設定できますが、セキュリティードメインごとに 1 つの Infinispan キャッシュ設定から、独自のキャッシュインスタンスが作成されます。
キャッシュコンテナーの作成 に関する詳細は、JBoss EAP 設定ガイドを参照してください。
管理コンソールまたは管理 CLI を使用してセキュリティードメインのキャッシュタイプを設定できます。
管理コンソールを使用する場合は、以下を実行します。
- Configuration → Subsystems → Security (Legacy) の順に移動します。
- 一覧からセキュリティードメインを選択し、View をクリックします。
- Edit をクリックし、Cache Type フィールドでは default または infinspan を選択します。
- Save をクリックします。
管理 CLI を使用する場合は、以下のコマンドを使用します。
/subsystem=security/security-domain=SECURITY_DOMAIN_NAME:write-attribute(name=cache-type,value=CACHE_TYPE)
たとえば、
other
セキュリティードメインが Infinispan キャッシュを使用するように設定するには、次のコマンドを実行します。/subsystem=security/security-domain=other:write-attribute(name=cache-type,value=infinispan)
3.5.2. プリンシパルの表示とフラッシュ
キャッシュのプリンシパルの一覧表示
以下の管理 CLI コマンドを使用して、セキュリティードメインのキャッシュに保存されているプリンシパルを確認できます。
/subsystem=security/security-domain=SECURITY_DOMAIN_NAME:list-cached-principals
キャッシュからのプリンシパルのフラッシュ
必要に応じて、セキュリティードメインのキャッシュからプリンシパルをフラッシュできます。
特定のプリンシパルをフラッシュするには、以下の管理 CLI コマンドを使用します。
/subsystem=security/security-domain=SECURITY_DOMAIN_NAME:flush-cache(principal=USERNAME)
キャッシュからすべてのプリンシパルをフラッシュするには、以下の管理 CLI コマンドを使用します。
/subsystem=security/security-domain=SECURITY_DOMAIN_NAME:flush-cache
3.5.3. セキュリティードメインのキャッシングの無効化
管理コンソールまたは管理 CLI を使用してセキュリティードメインのキャッシュを無効にできます。
管理コンソールを使用する場合は、以下を実行します。
- Configuration → Subsystems → Security (Legacy) の順に移動します。
- 一覧からセキュリティードメインを選択し、View をクリックします。
- Edit をクリックし、Cache Type には空白値を選択します。
- Save をクリックします。
管理 CLI を使用する場合は、以下のコマンドを使用します。
/subsystem=security/security-domain=SECURITY_DOMAIN_NAME:undefine-attribute(name=cache-type)