12.5. Jakarta Persistence EntityManager

Jakarta Persistence エンティティーマネージャーは、永続コンテキストへの接続を表します。エンティティーマネージャーを使用して永続コンテキストによって定義されるデータベースの読み書きが可能です。

永続コンテキストは、javax.persistence パッケージの Java アノテーション @PersistenceContext を介して提供されます。エンティティーマネージャーは、Java クラス javax.persistence.EntityManager を介して提供されます。管理対象 bean では、以下のように EntityManager インスタンスをインジェクトできます。

例: エンティティーマネージャーのインジェクション

@Stateless
public class UserBean {
    @PersistenceContext
    EntityManager entitymanager;
    ...
}

12.5.1. アプリケーション管理の EntityManager

アプリケーション管理のエンティティーマネージャーは基盤の永続プロバイダーである org.hibernate.jpa.HibernatePersistenceProvider への直接アクセスを提供します。アプリケーション管理のエンティティーマネジャーの範囲は、アプリケーションによって作成された時からアプリケーションによってクローズされるまでです。@PersistenceUnit アノテーションを使用して、永続ユニットを javax.persistence.EntityManagerFactory インターフェイスにインジェクトできます。これにより、アプリケーション管理のエンティティーマネジャーが返されます。

アプリケーション管理のエンティティーマネージャーは、特定の永続ユニットにて EntityManager インスタンスすべてで Jakarta Transactions トランザクションを使用して伝搬されていない永続コンテキストへアプリケーションがアクセスする必要があるときに使用できます。この場合、各 EntityManager インスタンスは新たに分離された永続コンテキストを作成します。EntityManager インスタンスと関連する PersistenceContext は、アプリケーションによって明示的に作成および破棄されます。EntityManager インスタンスはスレッドセーフではないため、EntityManager インスタンスを直接インジェクトできないときにアプリケーション管理のエンティティーマネージャーを使用することもできます。EntityManagerFactory はスレッドセーフです。

例: アプリケーション管理のエンティティーマネージャー

@PersistenceUnit
EntityManagerFactory emf;
EntityManager em;
@Resource
UserTransaction utx;
...
em = emf.createEntityManager();
try {
    utx.begin();
    em.persist(SomeEntity);
    em.merge(AnotherEntity);
    em.remove(ThirdEntity);
    utx.commit();
}
catch (Exception e) {
    utx.rollback();
}

12.5.2. コンテナー管理の EntityManager

コンテナー管理のエンティティーマネージャーは、アプリケーションの基盤となる永続プロバイダーを管理します。トランザクションスコープの永続コンテキストまたは拡張永続コンテキストを使用できます。コンテナー管理のエンティティーマネージャーは、必要に応じて基盤となる永続プロバイダーのインスタンスを作成します。基盤の永続プロバイダー org.hibernate.jpa.HibernatePersistenceProvider インスタンスが新たに作成されるたびに、新しい永続コンテキストも作成されます。