12.10. データソースセキュリティー

データソースセキュリティーとは、データソース接続のパスワードを暗号化したり分かりにくくすることを言います。これらのパスワードはプレーンテキストで設定ファイルに保存できますが、セキュリティーリスクが高くなります。

データソースセキュリティーに使用できるメソッドは複数あります。以下には、各メソッドの例が含まれています。

セキュリティードメインを使用したデータソースのセキュア化

データソースのセキュリティードメインが定義されます。

 <security-domain name="DsRealm" cache-type="default">
  <authentication>
    <login-module code="ConfiguredIdentity" flag="required">
      <module-option name="userName" value="sa"/>
      <module-option name="principal" value="sa"/>
      <module-option name="password" value="sa"/>
    </login-module>
  </authentication>
</security-domain>
注記

セキュリティードメインが複数のデータソースと使用される場合は、セキュリティードメインでキャッシュを無効にする必要があります。キャッシュを無効にするには、 cache-type 属性の値を none に設定するか、この属性を削除します。しかし、キャッシュが必要な場合は、各データソースに個別のセキュリティードメインを使用する必要があります。

DsRealm セキュリティードメインはデータソース設定によって参照されます。

<datasources>
  <datasource jndi-name="java:jboss/datasources/securityDs"
    pool-name="securityDs">
    <connection-url>jdbc:h2:mem:test;DB_CLOSE_DELAY=-1</connection-url>
      <driver>h2</driver>
      <new-connection-sql>select current_user()</new-connection-sql>
      <security>
        <security-domain>DsRealm</security-domain>
      </security>
    </datasource>
</datasources>

セキュリティードメインの使用に関する詳細は、『How to Configure Identity Management』を参照してください。

パスワード Vault を使用したデータソースのセキュア化

<security>
  <user-name>admin</user-name>
  <password>${VAULT::ds_ExampleDS::password::N2NhZDYzOTMtNWE0OS00ZGQ0LWE4MmEtMWNlMDMyNDdmNmI2TElORV9CUkVBS3ZhdWx0}</password>
</security>

パスワード vault の使用に関する詳細は、JBoss EAP『How to Configure Server Security』の「Password Vault」の項を参照してください。

認証情報ストアを使用したデータソースのセキュア化

認証情報ストアを使用してパスワードを提供することもできます。elytron サブシステムを使用すると、認証情報ストアを作成してパスワードをセキュアに保存し、JBoss EAP 全体でパスワードを使用することができます。認証情報ストアの作成および使用に関する詳細は、JBoss EAP『How to Configure Server Security』の「Credential Store」を参照してください。

認証情報ストア参照を ExampleDS に追加

/subsystem=datasources/data-source=ExampleDS:write-attribute(name=credential-reference,value={store=exampleCS, alias=example-ds-pw})

認証コンテキストを使用したデータソースのセキュア化

Elytron 認証コンテキストを使用して、ユーザー名とパスワードを提供することもできます。

以下の手順にしたがって、データソースセキュリティーの認証コンテキストを設定および使用します。

  1. passworduser-name を削除します。

    /subsystem=datasources/data-source=ExampleDS:undefine-attribute(name=password)
    /subsystem=datasources/data-source=ExampleDS:undefine-attribute(name=user-name)
  2. データソースの Elytron セキュリティーを有効にします。

    /subsystem=datasources/data-source=ExampleDS:write-attribute(name=elytron-enabled,value=true)
    
    reload
  3. 認証情報の authentication-configuration を作成します。

    認証設定には、接続時にデータソースに使用させる認証情報が含まれています。以下の例は、認証情報ストアへの参照を使用しますが、Elytron セキュリティードメインを使用することもできます。

    /subsystem=elytron/authentication-configuration=exampleAuthConfig:add(authentication-name=sa,credential-reference={clear-text=sa})
  4. authentication-context を作成します。

    /subsystem=elytron/authentication-context=exampleAuthContext:add(match-rules=[{authentication-configuration=exampleAuthConfig}])
  5. 認証コンテキストを使用するよう、データソースを更新します。

    以下の例は、認証コンテキストを使用するよう、ExampleDS を更新します。

    /subsystem=datasources/data-source=ExampleDS:write-attribute(name=authentication-context,value=exampleAuthContext)
    
    reload
    注記

    authentication-context が設定されておらず、elytron-enabledtrue に設定された場合、JBoss EAP は現在のコンテキストを使用して認証を行います。

Kerberos を使用したデータソースの保護

kerberos 認証を使用してデータソースを保護にするには、以下の設定が必要です。

  • Kerberos がデータベースサーバーに設定されている。
  • JBoss EAP ホストサーバーには、データベースサーバーのキータブエントリーがある。

kerberos を使用してデータソースを保護にするには、以下を実行します。

  1. Kerberos を使用するよう JBoss EAP を設定

    /system-property=java.security.krb5.conf:add(value="/path/to/krb5.conf")
    /system-property=sun.security.krb5.debug:add(value="false")
    /system-property=sun.security.spnego.debug:add(value="false")

    デバッグを行う場合は、sun.security.krb5.debugsun.security.spnego.debug の値を trueに変更します。本番環境では、値を false に設定することが推奨されます。

  2. セキュリティーを設定します。

    データソースを保護にするには、レガシーセキュリティーまたは Elytron セキュリティーを使用できます。

    • レガシーのセキュリティーで kerberos を使用するには、以下の手順に従います。

      1. 期限切れのチケットをキャッシュから定期的に削除するように infinispan キャッシュを設定します。

        batch
        /subsystem=infinispan/cache-container=security:add(default-cache=auth-cache)
        /subsystem=infinispan/cache-container=security/local-cache=auth-cache:add()
        /subsystem=infinispan/cache-container=security/local-cache=auth-cache/expiration=EXPIRATION:add(lifespan=3540000,max-idle=3540000)
        /subsystem=infinispan/cache-container=security/local-cache=auth-cache/eviction=EVICTION:add(strategy=LRU, max-entries=1000)
        run-batch

        以下の属性はチケットの有効期限を定義します。

        • lifespan: KDC から新しい証明書を要求する間隔 (ミリ秒単位)。KDC で定義される lifespan 条件よりも小さい値になるように、lifespan 属性 の値を設定します。
        • max-idle: 未使用の場合に、有効なチケットがキャッシュから削除される間隔 (ミリ秒単位)。
        • max-entries: キャッシュに保持する kerberos チケットの最大コピー数。この値は、データソースで設定された接続の数に対応します。

          エビクションの詳細は、『Infinispan』ユーザーガイドの「Eviction and Data Container」以下の項を参照してください。

      2. セキュリティードメインを作成します。

        batch
        /subsystem=security/security-domain=KerberosDatabase:add(cache-type=infinispan)
        /subsystem=security/security-domain=KerberosDatabase/authentication=classic:add
        /subsystem=security/security-domain=KerberosDatabase/authentication=classic/login-module="KerberosDatabase-Module":add(code="org.jboss.security.negotiation.KerberosLoginModule",module="org.jboss.security.negotiation",flag=required, module-options={ "debug" => "false", "storeKey" => "false", "useKeyTab" => "true", "keyTab" => "/path/to/eap.keytab", "principal" => "PRINCIPAL@SERVER.COM", "doNotPrompt" => "true", "refreshKrb5Config" => "true", "isInitiator" => "true", "addGSSCredential" => "true", "credentialLifetime" => "-1"})
        run-batch
        • SQL サーバーに Microsoft JDBC ドライバーを使用する場合は、module-options に属性と "wrapsphinx" ⇒ "true" の値を追加します。
        • デバッグするには、module-optionsdebug 属性の値を true に変更します。
    • Elytron で kerberos を使用するには、以下を行います。

      1. Elytron で kerberos ファクトリーを設定します。

        /subsystem=elytron/kerberos-security-factory=krbsf:add(debug=false, principal=PRINCIPAL@SERVER.COM, path=/path/to/keytab, request-lifetime=-1, obtain-kerberos-ticket=true, server=false)
        • デバッグを行う場合は、属性および debug = true の値を追加します。

          対応している属性の一覧は、『How to Configure Server Security』の「Kerberos Security Factory Attributes」を参照してください。

      2. kerberos ファクトリーを使用するよう認証設定を作成します。

        /subsystem=elytron/authentication-configuration=kerberos-conf:add(kerberos-security-factory=krbsf)
      3. authentication-context を作成します。

        /subsystem=elytron/authentication-context=ds-context:add(match-rules=[{authentication-configuration=kerberos-conf}])
  3. データソースを kerberos で保護します。

    • レガシーのセキュリティーを使用する場合:

      1. セキュリティードメインを使用するようにデータソースを設定します。

        /subsystem=datasources/data-source=KerberosDS:add(connection-url="URL", min-pool-size=0, max-pool-size=10, jndi-name="java:jboss/datasource/KerberosDS", driver-name=<jdbc-driver>.jar, security-domain=KerberosDatabase, allow-multiple-users=false, pool-prefill=false, pool-use-strict-min=false, idle-timeout-minutes=2)
      2. ベンダー固有の接続プロパティーを設定します。

        /subsystem=datasources/data-source=KerberosDS/connection-properties=<connection-property-name>:add(value="(<kerberos-value>)")

        例: Oracle データベースの接続プロパティー。

        /subsystem=datasources/data-source=KerberosDS/connection-properties=oracle.net.authentication_services:add(value="(KERBEROS5)")
    • Elytron を使用する場合:

      1. 認証コンテキストを使用するようにデータソースを設定します。

        /subsystem=datasources/data-source=KerberosDS:add(connection-url="URL", min-pool-size=0, max-pool-size=10, jndi-name="java:jboss/datasource/KerberosDS", driver-name=<jdbc-driver>.jar, elytron-enabled=true, authentication-context=ds-context, allow-multiple-users=false, pool-prefill=false, pool-use-strict-min=false, idle-timeout-minutes=2)
      2. ベンダー固有の接続プロパティーを設定します。

        /subsystem=datasources/data-source=KerberosDS/connection-properties=<connection-property-name>:add(value="(<kerberos-value>)")

        例: Oracle データベースの接続プロパティー

        /subsystem=datasources/data-source=KerberosDS/connection-properties=oracle.net.authentication_services:add(value="(KERBEROS5)")

      kerberos 認証を使用する場合は、データソースに以下の属性と値を使用することが推奨されます。

      • pool-prefill=false
      • pool-use-strict-min=false
      • idle-timeout-minutes

    対応している属性のリストは、「データソース属性」を参照してください。