第11章 JGroups サブシステムの調整
ネットワークのパフォーマンスを最適化するため、UDP マルチキャストをサポートする環境では JGroups に UDP マルチキャストを使用することが推奨されます。
TCP はエラーのチェック、パケットの順番、および輻輳制御を処理するため、TCP のオーバーヘッドは UDP よりも大きく、速度も遅くなると考えられます。JGroups は UDP のこれらの機能を処理しますが、TCP はこれらの機能を独自で処理します。信頼できないネットワークや輻輳度の高いネットワークで JGroups を使用する場合やマルチキャストが使用できない場合は、TCP を選択するとよいでしょう。
本章では、JGroups スタックトランスポートプロトコル (UDP または TCP) と JGroups クラスターの通信で使用される通信プロトコルが選択済みであることを前提としています。JGroups でのクラスター通信に関する詳細は、JBoss EAP『設定ガイド』を参照してください。
11.1. JGroups 統計の監視
jgroups
サブシステムの統計を有効にして、JBoss EAP のクラスタリングを監視するには、管理 CLI を使用するか、 JMX を経由します。
統計を有効にすると、パフォーマンスに悪影響が及びます。必要時のみ統計を有効にします。
以下のコマンドを使用して JGroups チャネルの統計を有効にします。
注記管理対象ドメインの場合はコマンドの前に
/profile=PROFILE_NAME
を追加してください。/subsystem=jgroups/channel=CHANNEL_NAME:write-attribute(name=statistics-enabled,value=true)
たとえば、以下のコマンドを使用して、デフォルトの
ee
チャネルの統計を有効にします。/subsystem=jgroups/channel=ee:write-attribute(name=statistics-enabled,value=true)
JBoss EAP サーバーをリロードします。
reload
JVM 監視ツールで管理 CLI を使用または JMX を経由すると、JGroups の統計を表示できるようになります。
管理 CLI を使用する場合は、統計を表示する JGroups チャネルまたはプロトコルで
:read-resource(include-runtime=true)
コマンドを使用します。注記管理対象ドメインでは、コマンドの前に
/host=HOST_NAME/server=SERVER_NAME
を追加します。例を以下に示します。
ee
チャネルの統計を表示するには、以下のコマンドを使用します。/subsystem=jgroups/channel=ee:read-resource(include-runtime=true)
ee
チャネルのFD_ALL
プロトコルの統計を表示するには、以下のコマンドを使用します。/subsystem=jgroups/channel=ee/protocol=FD_ALL:read-resource(include-runtime=true)
- JVM 監視ツールを使用して JBoss EAP に接続する場合は、「パフォーマンスの監視」を参照してください。JMX 接続を介して JGroups MBean の統計を表示できます。