2.7. 移行の分析および計画
アプリケーションとサーバー設定はそれぞれ異なるため、移行を始める前に既存のアプリケーションとサーバープラットフォームのコンポーネントおよびアーキテクチャーを十分に理解する必要があります。移行計画にはテストの詳細なロードマップが含まれる必要があり、以下の情報を考慮して実稼働に展開する必要があります。
- 移行責任者の特定
- ステークホルダー、プロジェクトマネージャー、開発者、管理者、およびその他の移行責任者を特定します。
- アプリケーションサーバープラットフォーム設定とハードウェアの確認
既存のアプリケーションサーバーとプラットフォーム設定を検証し、JBoss EAP 7 の今後の変更がどのように影響するかを判断します。以下の項目が含まれる必要があります。
- オペレーティングシステムおよびバージョン
- アプリケーションによって使用されるデータベース
- Web サーバー
- セキュリティーアーキテクチャー
- プロセッサーの数およびタイプ
- メモリーの容量
- 物理ディスクストレージの容量
- データベースまたはメッセージングデータの移行
- 移行の影響を受ける可能性があるその他のコンポーネント
- 現在の本番環境の確認
移行プロセスのテストおよびステージングでは、できるだけ本番環境に近い状態を再現するように計画を立てる必要があります。
- クラスタリング設定を考慮します。クラスターの移行方法に関する詳細は、JBoss EAP『パッチおよびアップグレードガイド』の「クラスターのアップグレード」を参照してください。
- 現在、大型の管理対象ドメインを実行している場合は、段階的な移行方法を考慮してください。
- データベースまたはメッセージングデータの移行が必要であるかどうかを判断します。
- 既存アプリケーションの検証および理解
既存の JBoss EAP 6 アプリケーションを完全に検証します。以下を含むアーキテクチャー、関数、機能、およびコンポーネントについて完全に理解してください。
- JVM バージョン
- 他の Red Hat アプリケーションサーバーミドルウェアコンポーネントとの統合
- プロプライエタリーサードパーティーソフトウェアとの統合
- 代替機能が必要となる非推奨機能の使用
- デプロイメント記述子、JNDI、永続性、JDBC 設定およびプーリング、JMS トピックおよびキュー、ロギングを含むアプリケーション設定
JBoss EAP 7 への移行中に変更が必要な互換性のないコードまたは設定を特定
- 詳細テストプランの作成
- 計画には、回帰テストと受け入れ基準の要件が含まれる必要があります。
- パフォーマンステストが含まれる必要もあります。
- 本番環境へロールアウトする前に移行をテストするため、できるだけ本番環境に近くなるようステージング環境を設定します。
- 必ず、バックアップおよびバックアウト計画を作成してください。
- 移行プロセスに使用できるリソースの確認
- 開発チームのスキルを評価し、トレーニングまたは追加のコンサルティングを計画します。
- 移行プロセス中は完了まで、ステージングやテストで追加のハードウェアやその他のリソースが必要になることにも注意してください。
- 正式なトレーニングが必要であるかどうかを判断します。必要な場合はスケジュールに追加します。
- 計画の遂行
- 必要なリソースを確保し、移行計画を実行します。
重要
必ずバックアップコピーを作成してからアプリケーションに変更を加えるようにしてください。