6.5. HA シングルトンデプロイメント

JBoss EAP 7 には、該当するアプリケーションをシングルトンデプロイメントとしてデプロイする機能が追加されます。

クラスタ化されたサーバーのグループにデプロイされる場合、シングルトンデプロイメントでは該当するタイミングで単一のノードにのみデプロイされます。デプロイメントがアクティブなノードが停止または失敗すると、デプロイメントは別のノードで自動的に開始されます。

HA シングルトンの動作を制御するポリシーは、新しい singleton サブシステムによって管理されます。デプロイメントは特定のシングルトンポリシーを指定するか、デフォルトのサブシステムポリシーを使用します。デプロイメントは、デプロイメントオーバーレイとして既存のデプロイメントに最も簡単に適用される META-INF/singleton-deployment.xml デプロイメント記述子を使用して、シングルトンデプロイメントとして識別されます。また、必要なシングルトン設定を既存の jboss-all.xml ファイル内に組み込むこともできます。

シングルトンデプロイメントの定義または選択

  • デプロイメントをシングルトンデプロイメントとして定義するには、アプリケーションアーカイブに META-INF/singleton-deployment.xml 記述子を含めます。

    例: シングルトンデプロイメント記述子

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <singleton-deployment xmlns="urn:jboss:singleton-deployment:1.0"/>

    例: 特定のシングルトンポリシーを使用したシングルトンデプロイメント記述子

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <singleton-deployment policy="my-new-policy" xmlns="urn:jboss:singleton-deployment:1.0"/>

  • または、singleton-deployment 要素を jboss-all.xml 記述子ファイルに追加することもできます。

    例: jboss-all.xml での singleton-deployment の定義

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <jboss xmlns="urn:jboss:1.0">
        <singleton-deployment xmlns="urn:jboss:singleton-deployment:1.0"/>
    </jboss>

    例: 特定のシングルトンポリシーを使用した jboss-all.xml での singleton-deployment の定義

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <jboss xmlns="urn:jboss:1.0">
        <singleton-deployment policy="my-new-policy" xmlns="urn:jboss:singleton-deployment:1.0"/>
    </jboss>

シングルトンデプロイメントの作成

JBoss EAP は、以下の 2 つの選択ポリシーを提供します。

  • 単純な選択ポリシー

    simple-election-policyposition 属性で示された特定のメンバーを選択します (該当するアプリケーションがデプロイされます)。position 属性は、降順の経過時間でソートされた候補のリストから選択するノードのインデックスを決定します (0 は最も古いノード、1 は 2 番目に古いノード、-1 は最も新しいノード、-2 は 2 番目に新しいノードを示します)。指定された位置が候補の数を超えると、モジュロ演算が適用されます。

    例: 管理 CLI を使用して simple-election-policy で新しいシングルトンポリシーを作成し、位置を -1 に設定

    batch
    /subsystem=singleton/singleton-policy=my-new-policy:add(cache-container=server)
    /subsystem=singleton/singleton-policy=my-new-policy/election-
    policy=simple:add(position=-1)
    run-batch

    注記

    新しく作成されたポリシー my-new-policy をデフォルトとして設定するには、以下のコマンドを実行します。

    /subsystem=singleton:write-attribute(name=default, value=my-new-policy)

    例: standalone-ha.xml で位置を -1 として simple-election-policy を設定

    <subsystem xmlns="urn:jboss:domain:singleton:1.0">
       <singleton-policies default="my-new-policy">
          <singleton-policy name="my-new-policy" cache-container="server">
             <simple-election-policy position="-1"/>
          </singleton-policy>
       </singleton-policies>
    </subsystem>

  • ランダムな選択ポリシー

    random-election-policy は、該当するアプリケーションがデプロイされるランダムなメンバーを選択します。

    例: 管理 CLI を使用して random-election-policy で新しいシングルトンポリシーを作成

    batch
    /subsystem=singleton/singleton-policy=my-other-new-policy:add(cache-container=server)
    /subsystem=singleton/singleton-policy=my-other-new-policy/election-policy=random:add()
    run-batch

    例: standalone-ha.xml を使用した random-election-policy の設定

    <subsystem xmlns="urn:jboss:domain:singleton:1.0">
       <singleton-policies default="my-other-new-policy">
          <singleton-policy name="my-other-new-policy" cache-container="server">
             <random-election-policy/>
          </singleton-policy>
       </singleton-policies>
    </subsystem>

    注記

    ポリシーを追加する前に、cache-containerdefault-cache 属性を定義する必要があります。定義しないと、カスタムキャッシュコンテナーを使用する場合に、エラーメッセージが表示されることがあります。

設定

また、シングルトン選択ポリシーを使用して、クラスターの 1 つ以上のメンバーの優先順位を指定することもできます。優先順位は、ノード名またはアウトバウンドソケットバインド名を使用して定義できます。ノードの優先順位は、常に選択ポリシーの結果よりも優先されます。

例: 管理 CLI を使用した既存のシングルトンポリシーの優先順位の指定

/subsystem=singleton/singleton-policy=foo/election-policy=simple:list-add(name=name-preferences, value=nodeA)

/subsystem=singleton/singleton-policy=bar/election-policy=random:list-add(name=socket-binding-preferences, value=binding1)

例: 管理 CLI を使用して simple-election-policy および name-preferences で新しいシングルトンポリシーを設定

batch
/subsystem=singleton/singleton-policy=my-new-policy:add(cache-container=server)
/subsystem=singleton/singleton-policy=my-new-policy/election-policy=simple:add(name-preferences=[node1, node2, node3, node4])
run-batch

注記

新しく作成されたポリシー my-new-policy をデフォルトとして設定するには、以下のコマンドを実行します。

/subsystem=singleton:write-attribute(name=default, value=my-new-policy)

例: standalone-ha.xml を使用した socket-binding-preferences での random-election-policy の設定

<subsystem xmlns="urn:jboss:domain:singleton:1.0">
   <singleton-policies default="my-other-new-policy">
      <singleton-policy name="my-other-new-policy" cache-container="server">
         <random-election-policy>
            <socket-binding-preferences>binding1 binding2 binding3 binding4</socket-binding-preferences>
         </random-election-policy>
      </singleton-policy>
   </singleton-policies>
</subsystem>

クォーラムの定義

ネットワークパーティションは、シングルトンデプロイメントに対して特に問題となります。これは、同時に実行する同じデプロイメントに対して複数のシングルトンプロバイダーをトリガーできるためです。このような状況を回避するために、シングルトンポリシーはシングルトンプロバイダーの選択が行われる前に、最小数のノードが存在することを必要とするクォーラムを定義できます。典型的なデプロイメントでは、N/2 + 1 をクォーラムとして使用します (ここで、N は予想されるクラスターサイズです)。この値は実行時に更新でき、対応するシングルトンポリシーを使用するすべてのシングルトンサービスに即時反映されます。

例: standalone-ha.xml ファイルでのクォーラム宣言

<subsystem xmlns="urn:jboss:domain:singleton:1.0">
   <singleton-policies default="default">
      <singleton-policy name="default" cache-container="server" quorum="4">
         <simple-election-policy/>
      </singleton-policy>
   </singleton-policies>
</subsystem>

例: 管理 CLI を使用したクォーラム宣言

/subsystem=singleton/singleton-policy=foo:write-attribute(name=quorum, value=3)

シングルトンデプロイメントを使用したクラスター全体のシングルトンとしてアプリケーションにパッケージ化されたサービスの完全な作業例は、JBoss EAP に同梱される ha-singleton-deployment クイックスタートを参照してください。