Red Hat Training
A Red Hat training course is available for Red Hat JBoss Enterprise Application Platform
第6章 その他の変更
6.1. JBoss EAP ネイティブおよび Apache HTTP Server の提供に関する変更
JBoss EAP 7 ネイティブは、これまでのリリースとは異なる方法で提供されます。一部のネイティブは、多くの Red Hat JBoss ミドルウェア製品に共通する補完ソフトウェアセットである、新規の Red Hat JBoss Core Services 製品に同梱されるようになりました。新製品では更新のより迅速な配布と一貫性のある更新が可能になります。JBoss Core Services 製品は、Red Hat カスタマーポータルの別の場所からダウンロードできます。
以下の表では、リリースごとの提供方法の違いを示しています。
パッケージ JBoss EAP 6 JBoss EAP 7 メッセージング用 AIO ネイティブ
別個の "ネイティブユーティリティー" ダウンロードで製品とともに提供。
JBoss EAP ディストリビューションに含まれます。他のダウンロードは必要ありません。
Apache HTTP Server
別個の "Apache HTTP Server" ダウンロードで製品とともに提供。
新しい JBoss Core Services 製品とともに提供されます。
mod_cluster、mod_jk, isapi、および nsapi コネクター
別個の "Webserver コネクターネイティブ" ダウンロードで製品とともに提供。
新しい JBoss Core Services 製品とともに提供されます。
JSVC
別個の "ネイティブユーティリティー" ダウンロードで製品とともに提供。
新しい JBoss Core Services 製品とともに提供されます。
OpenSSL
別個の "ネイティブユーティリティー" ダウンロードで製品とともに提供。
新しい JBoss Core Services 製品とともに提供されます。
tcnatives
別個の "ネイティブコンポーネント" ダウンロードで製品とともに提供。
これは JBoss EAP 7 では廃止されました
以下の変更点にも注意してください。
Red Hat Enterprise Linux RPM チャンネルからの Apache HTTP Server と使用される mod_cluster および mod_jk コネクターのサポートは廃止されました。Red Hat Enterprise Linux RPM チャンネルから Apache HTTP Server を実行し、JBoss EAP 7 サーバーの負荷分散を設定する必要がある場合は、以下の 1 つを行います。
- JBoss Core Services によって提供される Apache HTTP Server を使用します。
- フロントエンドロードバランサーとして動作するよう JBoss EAP 7 を設定できます。詳細は JBoss EAP『設定ガイド』の「JBoss EAP をフロントエンドロードバランサーとして設定」を参照してください。
- 認証済みのサポートされるマシンに Apache HTTP Server をデプロイした後、そのマシンでロードバランサーを実行することができます。サポートされる構成の一覧は、JBoss EAP 『設定ガイド』の「HTTP コネクターの概要」を参照してください。
HP-UX Web Server Suites からの Apache HTTP Server と使用される mod_cluster および mod_jk コネクターのサポートは廃止されました。HP-UX Web Server Suites から Apache HTTP Server を実行し、JBoss EAP 7 サーバーの負荷分散を設定する必要がある場合は、以下の 1 つを行います。
- フロントエンドロードバランサーとして動作するよう JBoss EAP 7 を設定できます。詳細は JBoss EAP『設定ガイド』の「JBoss EAP をフロントエンドロードバランサーとして設定」を参照してください。
- 認証済みのサポートされるマシンに Apache HTTP Server をデプロイした後、そのマシンでロードバランサーを実行することができます。サポートされる構成の一覧は、JBoss EAP『設定ガイド』の「HTTP コネクターの概要」を参照してください。
- 詳細は、『Apache HTTP Server Installation Guide』の「JBoss Core Services」を参照してください。
6.2. Amazon EC2 でのデプロイメントの変更
JBoss EAP 7 では、Amazon Machine Images (AMI) に複数の変更が加えられました。ここでは、これらの変更の一部を簡単に説明します。
- 非クラスターおよびクラスターの JBoss EAP インスタンスおよびドメインを Amazon EC2 で起動する方法が大幅に変更されました。
-
JBoss EAP 6 では JBoss EAP の設定に
User Data:
フィールドが使用されました。JBoss EAP 7 では、User Data:
フィールドの設定を分析した AMI スクリプトと、インスタンスの起動時に自動的にサーバーを起動した AMI スクリプトが削除されました。 - JBoss EAP のこれまでのリリースでは、Red Hat JBoss Operations Network エージェントがインストールされましたが、JBoss EAP 7 では個別にインストールする必要があります。
Amazon EC2 での JBoss EAP 7 のデプロイに関する詳細は、『Deploying Red Hat JBoss Enterprise Application Platform on Amazon EC2』を参照してください。
6.3. 共有モジュールが含まれるアプリケーションのアンデプロイ
JBoss EAP 7.1 サーバーと Maven プラグインが変更されたため、アプリケーションをアンデプロイしようとすると以下のエラーが発生する可能性があります。このエラーは、アプリケーションに相互に対話または依存するモジュールが含まれると発生します。
WFLYCTL0184: New missing/unsatisfied dependencies
たとえば、アプリケーションに application-A
と application-B
の 2 つの Maven WAR プロジェクトモジュールが含まれ、これらのモジュールは data-sharing
モジュールが管理するデータを共有するとします。
このアプリケーションをデプロイする場合、最初に共有された data-sharing
モジュールをデプロイした後、そのモジュールに依存するモジュールをデプロイする必要があります。デプロイメントの順番は、親の pom.xml
ファイルの <modules>
要素に指定されます。これは、JBoss EAP 6.4 から 7.1 まで該当します。
それ以前の JBoss EAP リリースでは、以下のコマンドを使用すると、親プロジェクトのルートからそのアプリケーションのアーカイブをすべてアンデプロイできます。
$ mvn wildfly:undeploy
JBoss EAP 7.1 では、最初に共有されたモジュールを使用するアーカイブをアンデプロイした後、共有されたモジュールをアンデプロイする必要があります。プロジェクトの pom.xml
ファイルを使用してアンデプロイの順序を指定できないため、手作業でモジュールをアンデプロイする必要があります。これには、親ディレクトリーのルートから以下のコマンドを実行します。
$ mvn wildfly:undeploy -pl application-A,application-B $ mvn wildfly:undeploy -pl data-shared
このアンデプロイの動作はより適切で、デプロイメントが不安定な状態にならないようにします。
6.4. JBoss EAP スクリプトの変更
パスワードポリシーが変更になったため、JBoss EAP 7 では add-user
のスクリプト動作が変更になりました。JBoss EAP 6 のパスワードポリシーは厳格であったため、add-user
スクリプトは最低要件に満たない弱いパスワードを拒否しました。JBoss EAP 7 では、弱いパスワードは許可されますが、警告が出力されます。詳細は、JBoss EAP『設定ガイド』の「Add-User ユーティリティーのパスワード制限の設定」を参照してください。
6.5. OSGi サポートの廃止
JBoss EAP 6.0 GA の最初のリリースには、OSGi 仕様の実装である JBoss OSGi がテクノロジープレビューとして含まれていました。JBoss EAP 6.1.0 では、JBoss OSGi はテクノロジープレビューからサポート対象外に格下げされました。
JBoss EAP 6.1.0 では、configadmin
および osgi
拡張モジュールとスタンドアロンサーバーのサブシステム設定が個別の EAP_HOME/standalone/configuration/standalone-osgi.xml
設定ファイルに移されました。サポート対象外であるこの設定ファイルを移行すべきではないため、JBoss OSGi サポートの廃止はスタンドアロンサーバー設定の移行には影響しないはずです。他のスタンドアロン設定ファイルを編集して osgi
または configadmin
を設定した場合は、その設定を削除する必要があります。
管理対象ドメインでは、 JBoss EAP 6.1.0 リリースで osgi
拡張およびサブシステム設定が EAP_HOME/domain/configuration/domain.xml
ファイルから削除されました。しかし、configadmin
モジュール拡張およびサブシステム設定は EAP_HOME/domain/configuration/domain.xml
ファイルから削除されていません。この設定は JBoss EAP 7 ではサポートされないため、削除する必要があります。