第7章 アプリケーションのデプロイ

JBoss EAP には、管理者向けと開発者向けのアプリケーションデプロイメントおよび設定オプションが多くあります。管理者は、管理コンソールのグラフィカルインターフェースや管理 CLI のコマンドラインインターフェースを使用して本番環境のアプリケーションデプロイメントを管理できます。開発者は、設定可能なファイルシステムのデプロイメントスキャナーHTTP API、Red Hat JBoss Developer Studio などの IDE、および Maven などを含む、多くのテストオプションをアプリケーションのデプロイメントで使用できます。

アプリケーションをデプロイするときにデプロイメント記述子の検証を有効にするには、org.jboss.metadata.parser.validate システムプロパティーを true に設定します。これには、以下の方法の 1 つを使用します。

  • サーバー起動時

    $ EAP_HOME/bin/standalone.sh -Dorg.jboss.metadata.parser.validate=true
  • 以下の管理 CLI コマンドでサーバー設定に追加

    /system-property=org.jboss.metadata.parser.validate:add(value=true)

7.1. 管理 CLI を使用したアプリケーションのデプロイ

管理 CLI を使用してアプリケーションをデプロイすると、単一のコマンドラインインターフェースでデプロイメントスクリプトを作成および実行できます。このスクリプト機能を使用して、特定のアプリケーションデプロイメントおよび管理シナリオを設定できます。スタンドアロンサーバーとして稼働している場合は単一サーバーのデプロイメント状態を管理でき、管理対象ドメインで稼働している場合はサーバーのネットワーク全体のデプロイメントを管理できます。

7.1.1. 管理 CLI を使用したアプリケーションのスタンドアロンサーバーへのデプロイ

アプリケーションのデプロイ

管理 CLI で deploy コマンドを使用し、アプリケーションデプロイメントへのパスを指定します。

deploy /path/to/test-application.war

正常にデプロイされると、管理 CLI には何も出力されませんが、サーバーログにデプロイメントメッセージが記録されます。

WFLYSRV0027: Starting deployment of "test-application.war" (runtime-name: "test-application.war")
WFLYUT0021: Registered web context: /test-application
WFLYSRV0010: Deployed "test-application.war" (runtime-name : "test-application.war")

また、ワイルドカード (*) を使用すると、無効化されたアプリケーションをすべて再デプロイできます。

deploy --name=*
アプリケーションのアンデプロイ

管理 CLI で undeploy コマンドを使用し、デプロイメント名を指定すると、デプロイメントのコンテンツが削除されます。アンデプロイ時にデプロイメントのコンテンツを保持する場合は、「アプリケーションの無効化」を参照してください。

undeploy test-application.war

正常にアンデプロイされると、管理 CLI には何も出力されませんが、サーバーログにアンデプロイメントメッセージが記録されます。

WFLYUT0022: Unregistered web context: /test-application
WFLYSRV0028: Stopped deployment test-application.war (runtime-name: test-application.war) in 62ms
WFLYSRV0009: Undeployed "test-application.war" (runtime-name: "test-application.war")

また、ワイルドカード (*) を使用するとすべてのデプロイメントをアンデプロイできます。

undeploy *
アプリケーションの無効化

リポジトリーからデプロイメントのコンテンツを削除せずにアプリケーションをアンデプロイします。これは、管理コンソールからデプロイメントを無効化することと同じです。

undeploy test-application.war --keep-content

また、ワイルドカード (*) を使用するとすべてのデプロイメントを無効にできます。

undeploy * --keep-content
デプロイメントの一覧表示

管理 CLI で deployment-info コマンドを使用して、デプロイメントの情報を表示します。

deployment-info

出力には、ランタイム名、状態、有効であるかどうかなど、各デプロイメントの詳細が表示されます。

NAME                 RUNTIME-NAME         PERSISTENT ENABLED STATUS
helloworld.war       helloworld.war       true       true    OK
test-application.war test-application.war true       true    OK

--name 引数を使用すると、名前でデプロイメントの表示を絞り込むこともできます。

7.1.2. 管理 CLI を使用した管理対象ドメインでのアプリケーションのデプロイ

アプリケーションのデプロイ

管理 CLI で deploy コマンドを使用し、アプリケーションデプロイメントへのパスを指定します。また、アプリケーションをデプロイするサーバーグループを指定する必要があります。

  • すべてのサーバーグループにアプリケーションをデプロイする場合

    deploy /path/to/test-application.war --all-server-groups
  • 特定のサーバーグループにアプリケーションをデプロイする場合

    deploy /path/to/test-application.war --server-groups=main-server-group,other-server-group

正常にデプロイされると、管理 CLI には何も出力されませんが、サーバーログに各サーバーのデプロイメントメッセージが記録されます。

[Server:server-one] WFLYSRV0027: Starting deployment of "test-application.war" (runtime-name: "test-application.war")
[Server:server-one] WFLYUT0021: Registered web context: /test-application
[Server:server-one] WFLYSRV0010: Deployed "test-application.war" (runtime-name : "test-application.war")

また、ワイルドカード (*) を使用すると、無効化されたアプリケーションをすべて再デプロイできます。

deploy --name=* --all-server-groups
アプリケーションのアンデプロイ

管理 CLI で undeploy コマンドを使用し、デプロイメント名を指定します。また、アプリケーションをアンデプロイするサーバーグループを指定する必要もあります。特定のサーバーグループからのアンデプロイについては、「アプリケーションの無効化」を参照してください。

すべてのサーバーグループからアプリケーションをアンデプロイします。

undeploy test-application.war --all-relevant-server-groups

正常にアンデプロイされると、管理 CLI には何も出力されませんが、サーバーログに各サーバーのアンデプロイメントメッセージが記録されます。

[Server:server-one] WFLYUT0022: Unregistered web context: /test-application
[Server:server-one] WFLYSRV0028: Stopped deployment test-application.war (runtime-name: test-application.war) in 74ms
[Server:server-one] WFLYSRV0009: Undeployed "test-application.war" (runtime-name: "test-application.war")

また、ワイルドカード (*) を使用するとすべてのデプロイメントをアンデプロイできます。

undeploy * --all-relevant-server-groups
アプリケーションの無効化

特定のサーバーグループからアプリケーションをアンデプロイします。そのデプロイメントの他のサーバーグループのコンテンツをリポジトリーに保持する必要があるため、--keep-content パラメーターが必要になります。これは、管理コンソールからデプロイメントを無効化することと同じです。

undeploy test-application.war --server-groups=other-server-group --keep-content

また、ワイルドカード (*) を使用するとすべてのデプロイメントを無効にできます。

undeploy * --server-groups=other-server-group --keep-content
デプロイメントの一覧表示

管理 CLI で deployment-info コマンドを使用して、デプロイメントの情報を表示します。デプロイメント名またはサーバーグループでデプロイメント情報を絞り込むことができます。

以下のコマンドは、名前を指定してデプロイメント情報を表示します。

deployment-info --name=helloworld.war

出力には、デプロイメントと各サーバーグループでの状態が表示されます。

NAME               RUNTIME-NAME
helloworld.war     helloworld.war

SERVER-GROUP       STATE
main-server-group  enabled
other-server-group added

以下のコマンドは、サーバーグループを指定してデプロイメント情報を表示します。

deployment-info --server-group=other-server-group

出力には、デプロイメントと、指定のサーバーグループに対する状態が表示されます。

NAME                 RUNTIME-NAME         STATE
helloworld.war       helloworld.war       added
test-application.war test-application.war enabled

deploy -l コマンドを使用して、ドメインのデプロイメントをすべて表示することもできます。

7.2. 管理コンソールを使用したアプリケーションのデプロイ

管理コンソールを使用してアプリケーションをデプロイすると、使用が簡単なグラフィカルインターフェースを利用することができます。サーバーまたはサーバーグループにデプロイされたアプリケーションを一目で確認できるほか、必要に応じてアプリケーションを有効または無効にしたり、アプリケーションをコンテンツリポジトリーから削除したりすることができます。

7.2.1. 管理コンソールを使用したアプリケーションのスタンドアロンサーバーへのデプロイ

JBoss EAP 管理コンソールの Deployments タブからデプロイメントを表示および管理できます。

アプリケーションのデプロイ

追加ボタンをクリックし、新規 Deployment ウィザードを使用してアプリケーションをデプロイします。新規デプロイメントのアップロード または 未管理のデプロイメント作成 を選択してアプリケーションをデプロイできます。デプロイメントはデフォルトで有効になっています。

  • 新規デプロイメントのアップロード

    サーバーのコンテンツリポジトリーにコピーされ、JBoss EAP によって管理されるアプリケーションをアップロードします。

  • 未管理のデプロイメント作成

    デプロイメントの場所を指定します。このデプロイメントはサーバーのコンテンツリポジトリーにはコピーされず、JBoss EAP によって管理されません。

アプリケーションのアンデプロイ

デプロイメントを選択し、削除オプションを選択してアプリケーションをアンデプロイします。これにより、デプロイメントがアンデプロイされ、コンテンツリポジトリーから削除されます。

アプリケーションの無効化

デプロイメントを選択し、無効オプションを選択してアプリケーションを無効にします。これにより、デプロイメントがアンデプロイされますが、コンテンツリポジトリーから削除されません。

アプリケーションの置換

デプロイメントを選択し、置換オプションを選択します。元のバージョンと同じ名前を持つ新しいバージョンのデプロイメントを選択し、Finish をクリックします。これにより、元のバージョンのデプロイメントがアンデプロイおよび削除され、新しいバージョンがデプロイされます。

7.2.2. 管理コンソールを使用した管理対象ドメインでのアプリケーションのデプロイ

JBoss EAP 管理コンソールの Deployments タブではデプロイメントを表示および管理できます。

  • Content Repository

    管理されるデプロイメントと管理されないデプロイメントはすべて Content Repository セクションで表示されます。ここで、デプロイメントを追加したり、デプロイメントをサーバーグループに割り当てることができます。

  • 未割り当てのコンテンツ

    サーバーグループに割り当てられていないデプロイメントは未割り当てのコンテンツ セクションにリストされます。ここで、デプロイメントをサーバーグループに追加したり、削除したりすることができます。

  • Server Groups

    1 つまたは複数のサーバーグループに割り当てられたデプロイメントは Server Groups セクションにリストされます。ここで、デプロイメントを直接サーバーグループに追加したり、有効にしたりすることができます。

アプリケーションのデプロイ
  1. Content Repository追加ボタンをクリックします。
  2. 新規デプロイメントのアップロード または 未管理のデプロイメント作成 を選択し、アプリケーションをデプロイします。
  3. プロンプトに従ってアプリケーションをデプロイします。

    デプロイメントを有効にするには、デプロイメントをサーバーグループに割り当てる必要があります。

また、Server Groups でデプロイメントを追加すると、デプロイメントの追加、サーバーグループへの割り当て、および有効化を同時に行うことができます。

アプリケーションのサーバーグループへの割り当て
  1. 未割り当てのコンテンツ でデプロイメントを選択し、割り当てボタンをクリックします。
  2. このデプロイメントを割り当てるサーバーグループを 1 つ以上選択します。
  3. 選択したサーバーグループのデプロイメントを有効にするオプションを任意で選択することもできます。
アプリケーションのサーバーグループ割り当ての解除
  1. Server Groups で適切なサーバーグループを選択します。
  2. サーバーグループの割り当てを解除するデプロイメントを選択し、 割り当ての解除 をクリックします。

また、Content Repository でデプロイメントの 割り当ての解除 を選択すると、複数のサーバーグループへの割り当てを同時に解除することができます。

アプリケーションのアンデプロイ
  1. それでもデプロイメントがサーバーグループに割り当てられている場合は、デプロイメントの割り当てを解除します。
  2. Content Repository でデプロイメントを選択し、削除 を選択します。

これにより、デプロイメントがアンデプロイされ、コンテンツリポジトリーから削除されます。

アプリケーションの無効化
  1. Server Groups で適切なサーバーグループを選択します。
  2. 無効にするデプロイメントを選択し、無効 を選択します。

これにより、デプロイメントがアンデプロイされますが、コンテンツリポジトリーから削除されません。

アプリケーションの置換
  1. Content Repository からデプロイメントを選択し、置換ボタンをクリックします。
  2. 元のバージョンと同じ名前を持つ新しいバージョンのデプロイメントを選択し、完了 をクリックします。

これにより、元のバージョンのデプロイメントがアンデプロイおよび削除され、新しいバージョンがデプロイされます。

7.3. デプロイメントスキャナーを使用したアプリケーションのデプロイ

デプロイメントスキャナーは、デプロイするアプリケーションのデプロイメントディレクトリーを監視します。デフォルトでは、デプロイメントスキャナーは 5 秒ごとに EAP_HOME/standalone/deployments/ をスキャンし、変更を確認します。デプロイメントの状態を示し、アンデプロイや再デプロイなどのデプロイメントに対するアクションをトリガーするため、マーカーファイルが使用されます。

本番環境では、アプリケーションのデプロイメントに管理コンソールまたは管理 CLI の使用が推奨されますが、デプロイメントスキャナーは開発者の便宜を図るために提供されます。これにより、ペースの早い開発サイクルに適した方法でアプリケーションを構築およびテストできます。デプロイメントスキャナーは、他のデプロイメント方法と併用しないでください。

デプロイメントスキャナーは JBoss EAP をスタンドアロンサーバーとして実行している場合のみ利用できます。

7.3.1. デプロイメントスキャナーを使用したアプリケーションのスタンドアロンサーバーへのデプロイ

デプロイメントスキャナーを設定して XML 、zip 形式、および展開形式のコンテンツの自動デプロイメントを有効または無効にすることができます。自動デプロイメントが無効の場合、マーカーファイルを手作業で作成してデプロイメントのアクションをトリガーする必要があります。利用できるマーカーファイルタイプやそれらの目的に関する詳細は、「デプロイメントスキャナーのマーカーファイル」の項を参照してください。

デフォルトでは、XML および zip 形式のコンテンツの自動デプロイメントは有効になっています。各コンテンツタイプの自動デプロイメントの設定に関する詳細は「デプロイメントスキャナーの設定」を参照してください。

警告

デプロイメントスキャナーを使用したデプロイメントは開発者の便宜を図るために提供され、本番環境での使用は推奨されません。デプロイメントスキャナーは他のデプロイメント方法と併用しないでください。

アプリケーションのデプロイ

コンテンツをデプロイメントフォルダーにコピーします。

$ cp /path/to/test-application.war EAP_HOME/standalone/deployments/

自動デプロイメントが有効の場合、このファイルは自動的に選択され、デプロイされます。さらに、.deployed マーカーファイルが作成されます。自動デプロイメントが無効の場合、.dodeploy マーカーファイルを手作業で追加し、デプロイメントをトリガーする必要があります。

$ touch EAP_HOME/standalone/deployments/test-application.war.dodeploy
アプリケーションのアンデプロイ

.deployed マーカーファイルを削除して、アンデプロイメントをトリガーします。

$ rm EAP_HOME/standalone/deployments/test-application.war.deployed

自動デプロイメントが有効な場合、アンデプロイメントをトリガーする test-application.war ファイルを削除することもできます。これは、展開形式のデプロイメントには適用されないことに注意してください。

アプリケーションの再デプロイ

.dodeploy マーカーファイルを作成し、再デプロイを開始します。

$ touch EAP_HOME/standalone/deployments/test-application.war.dodeploy

7.3.2. デプロイメントスキャナーの設定

デプロイメントスキャナーは管理コンソールまたは管理 CLI を使用して設定できます。スキャンの間隔、デプロイメントフォルダーの場所、特定のアプリケーションファイルタイプの自動デプロイメントなど、デプロイメントスキャナーの動作を設定できます。また、デプロイメントスキャナーを完全に無効にすることもできます。

利用できるデプロイメントスキャナー属性の詳細は、「デプロイメントスキャナーの属性」の項を参照してください。

以下の管理 CLI コマンドを使用してデフォルトのデプロイメントスキャナーを設定します。

デプロイメントスキャナーの無効化
/subsystem=deployment-scanner/scanner=default:write-attribute(name=scan-enabled,value=false)

default デプロイメントスキャナーが無効になります。

スキャン間隔の変更
/subsystem=deployment-scanner/scanner=default:write-attribute(name=scan-interval,value=10000)

スキャンの間隔が 5000 ミリ秒 (5 秒) から 10000 ミリ秒 (10 秒) に変更されます。

デプロイメントフォルダーの変更
/subsystem=deployment-scanner/scanner=default:write-attribute(name=path,value=/path/to/deployments)

デプロイメントフォルダーの場所がデフォルトの EAP_HOME/standalone/deployments から /path/to/deployments に変更されます。

relative-to 属性が指定されていない場合、path の値は絶対パスになります。relative-to 属性が指定されている場合は相対パスになります。

展開形式のコンテンツの自動デプロイメントの有効化
/subsystem=deployment-scanner/scanner=default:write-attribute(name=auto-deploy-exploded,value=true)

デフォルトで無効になっている展開形式のコンテンツの自動デプロイメントを有効にします。

zip 形式のコンテンツの自動デプロイメントの無効化
/subsystem=deployment-scanner/scanner=default:write-attribute(name=auto-deploy-zipped,value=false)

デフォルトで有効になっている zip 形式のコンテンツの自動デプロイメントを無効にします。

XML コンテンツの自動デプロイメントの無効化
/subsystem=deployment-scanner/scanner=default:write-attribute(name=auto-deploy-xml,value=false)

デフォルトで有効になっている XML コンテンツの自動デプロイメントを無効にします。

7.3.3. カスタムデプロイメントスキャナーの定義

新しいデプロイメントスキャナーを追加するには、管理 CLI を使用するか、管理コンソールの Configuration タブから Deployment Scanners サブシステムに移動します。デプロイメントを確認するためにスキャンする新しいディレクトリーを定義します。デフォルトのデプロイメントスキャナーは EAP_HOME/standalone/deployments を監視します。既存のデプロイメントスキャナーの設定に関する詳細は「デプロイメントスキャナーの設定」を参照してください。

以下の管理 CLI コマンドは、EAP_HOME/standalone/new_deployment_dir を 5 秒ごとにチェックしてデプロイメントを確認する新しいデプロイメントスキャナーを追加します。

/subsystem=deployment-scanner/scanner=new-scanner:add(path=new_deployment_dir,relative-to=jboss.server.base.dir,scan-interval=5000)
注記

指定のディレクトリーがすでに存在しないと、このコマンドに失敗し、エラーが発生します。

新しいデプロイメントスキャナーが定義され、デプロイメントを確認するために指定のディレクトリーが監視されます。

7.4. Maven を使用したアプリケーションのデプロイ

Apache Maven を使用してアプリケーションをデプロイすると、JBoss EAP へのデプロイメントを簡単に既存の開発ワークフローに取り入れることができます。

アプリケーションをアプリケーションサーバーにデプロイおよびアンデプロイする簡単な操作を提供する WildFly Maven Plugin を使用すると、Maven を使用してアプリケーションを JBoss EAP にデプロイできます。

7.4.1. Maven を使用したアプリケーションのスタンドアロンサーバーへのデプロイ

以下の手順では、Maven を使用して JBoss EAP の helloworld クイックスタートをスタンドアロンサーバーにデプロイおよびアンデプロイする方法を示します。

JBoss EAP クイックスタートの詳細は、JBoss EAP『スタートガイド』の「クイックスタートサンプルの使用」を参照してください。

アプリケーションのデプロイ

Maven pom.xml ファイルで WildFly Maven Plugin を初期化します。これは、JBoss EAP クイックスタートの pom.xml ファイルで設定されているはずです。

<plugin>
  <groupId>org.wildfly.plugins</groupId>
  <artifactId>wildfly-maven-plugin</artifactId>
  <version>${version.wildfly.maven.plugin}</version>
</plugin>

helloworld クイックスタートディレクトリーで以下の Maven コマンドを実行します。

$ mvn clean install wildfly:deploy

デプロイする Maven コマンドの実行後、ターミナルウインドウにはデプロイメントの成功を表す以下の出力が表示されます。

[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] BUILD SUCCESS
[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] Total time: 2.981 s
[INFO] Finished at: 2015-12-23T15:06:13-05:00
[INFO] Final Memory: 21M/231M
[INFO] ------------------------------------------------------------------------

アクティブなサーバーインスタンスのサーバーログでデプロイメントの成功を確認することもできます。

WFLYSRV0027: Starting deployment of "helloworld.war" (runtime-name: "helloworld.war")
WFLYUT0021: Registered web context: /helloworld
WFLYSRV0010: Deployed "helloworld.war" (runtime-name : "helloworld.war")
アプリケーションのアンデプロイ

helloworld クイックスタートディレクトリーで以下の Maven コマンドを実行します。

$ mvn wildfly:undeploy

アンデプロイする Maven コマンドの実行後、ターミナルウインドウにはアンデプロイメントの成功を表す以下の出力が表示されます。

[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] BUILD SUCCESS
[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] Total time: 1.237 s
[INFO] Finished at: 2015-12-23T15:09:10-05:00
[INFO] Final Memory: 10M/183M
[INFO] ------------------------------------------------------------------------

アクティブなサーバーインスタンスのサーバーログでアンデプロイメントの成功を確認することもできます。

WFLYUT0022: Unregistered web context: /helloworld
WFLYSRV0028: Stopped deployment helloworld.war (runtime-name: helloworld.war) in 27ms
WFLYSRV0009: Undeployed "helloworld.war" (runtime-name: "helloworld.war")

7.4.2. Maven を使用した管理対象ドメインでのアプリケーションのデプロイ

以下の手順では、Maven を使用して管理対象ドメインで JBoss EAP の helloworld クイックスタートをデプロイおよびアンデプロイする方法を示します。

JBoss EAP クイックスタートの詳細は、JBoss EAP『スタートガイド』の「クイックスタートサンプルの使用」を参照してください。

アプリケーションのデプロイ

管理対象ドメインでアプリケーションをデプロイする場合、アプリケーションをデプロイするサーバーグループを指定する必要があります。これは、Maven の pom.xml ファイルで設定されます。

pom.xml の以下の設定は WildFly Maven Plugin を初期化し、main-server-group をアプリケーションがデプロイされるサーバーグループとして指定します。

<plugin>
  <groupId>org.wildfly.plugins</groupId>
  <artifactId>wildfly-maven-plugin</artifactId>
  <version>${version.wildfly.maven.plugin}</version>
  <configuration>
    <domain>
      <server-groups>
        <server-group>main-server-group</server-group>
      </server-groups>
    </domain>
  </configuration>
</plugin>

helloworld クイックスタートディレクトリーで以下の Maven コマンドを実行します。

$ mvn clean install wildfly:deploy

デプロイする Maven コマンドの実行後、ターミナルウインドウにはデプロイメントの成功を表す以下の出力が表示されます。

[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] BUILD SUCCESS
[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] Total time: 4.005 s
[INFO] Finished at: 2016-09-02T14:36:17-04:00
[INFO] Final Memory: 21M/226M
[INFO] ------------------------------------------------------------------------

アクティブなサーバーインスタンスのサーバーログでデプロイメントの成功を確認することもできます。

WFLYSRV0027: Starting deployment of "helloworld.war" (runtime-name: "helloworld.war")
WFLYUT0021: Registered web context: /helloworld
WFLYSRV0010: Deployed "helloworld.war" (runtime-name : "helloworld.war")
アプリケーションのアンデプロイ

helloworld クイックスタートディレクトリーで以下の Maven コマンドを実行します。

$ mvn wildfly:undeploy

アンデプロイする Maven コマンドの実行後、ターミナルウインドウにはアンデプロイメントの成功を表す以下の出力が表示されます。

[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] BUILD SUCCESS
[INFO] ------------------------------------------------------------------------
[INFO] Total time: 1.750 s
[INFO] Finished at: 2016-09-02T14:45:10-04:00
[INFO] Final Memory: 10M/184M
[INFO] ------------------------------------------------------------------------

アクティブなサーバーインスタンスのサーバーログでアンデプロイメントの成功を確認することもできます。

WFLYUT0022: Unregistered web context: /helloworld
WFLYSRV0028: Stopped deployment helloworld.war (runtime-name: helloworld.war) in 106ms
WFLYSRV0009: Undeployed "helloworld.war" (runtime-name: "helloworld.war")

7.5. HTTP API を使用したアプリケーションのデプロイ

HTTP API を使用してアプリケーションを JBoss EAP にデプロイするには、curl コマンドを使用します。HTTP API の使用に関する詳細は、「HTTP API」を参照してください。

7.5.1. HTTP API を使用したアプリケーションのスタンドアロンサーバーへのデプロイ

デフォルトでは、HTTP API は http://HOST:PORT/management でアクセスできます (例: http://localhost:9990/management)。

アプリケーションのデプロイ
$ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "composite", "address" : [], "steps" : [{"operation" : "add", "address" : {"deployment" : "test-application.war"}, "content" : [{"url" : "file:/path/to/test-application.war"}]},{"operation" : "deploy", "address" : {"deployment" : "test-application.war"}}],"json.pretty":1}'
アプリケーションのアンデプロイ
$ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "composite", "address" : [], "steps" : [{"operation" : "undeploy", "address" : {"deployment" : "test-application.war"}},{"operation" : "remove", "address" : {"deployment" : "test-application.war"}}],"json.pretty":1}'

JSON リクエストをプログラムで生成する方法の詳細は、この Red Hat ナレッジベースの記事を参照してください。

7.5.2. HTTP API を使用した管理対象ドメインでのアプリケーションのデプロイ

デフォルトでは、HTTP API は http://HOST:PORT/management でアクセスできます (例: http://localhost:9990/management)。

アプリケーションのデプロイ
  1. デプロイメントをコンテンツリポジトリーに追加します。

    $ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "add", "address" : {"deployment" : "test-application.war"}, "content" : [{"url" : "file:/path/to/test-application.war"}],"json.pretty":1}'
  2. デプロイメントを指定のサーバーグループに追加します。

    $ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "add", "address" : {"server-group" : "main-server-group","deployment":"test-application.war"},"json.pretty":1}'
  3. サーバーグループにアプリケーションをデプロイします。

    $ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "deploy", "address" : {"server-group" : "main-server-group","deployment":"test-application.war"},"json.pretty":1}'
アプリケーションのアンデプロイ
  1. 割り当てられたサーバーグループすべてからデプロイメントを削除します。

    $ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "remove", "address" : {"server-group" : "main-server-group","deployment":"test-application.war"},"json.pretty":1}'
  2. コンテンツリポジトリーからデプロイメントを削除します。

    $ curl --digest -L -D - http://HOST:PORT/management --header "Content-Type: application/json" -u USER:PASSWORD -d '{"operation" : "remove", "address" : {"deployment" : "test-application.war"}, "json.pretty":1}'

7.6. デプロイメントの動作のカスタマイズ

7.6.1. デプロイメントコンテンツのカスタムディレクトリーの定義

JBoss EAP では、デプロイされたコンテンツを格納する場所をカスタマイズし、定義できます。

スタンドアロンサーバーでのカスタムディレクトリーの定義

デフォルトでは、スタンドアロンサーバーのデプロイされたコンテンツは EAP_HOME/standalone/data/content ディレクトリーに格納されます。この場所を変更するには、サーバーの起動時に -Djboss.server.deploy.dir 引数を渡します。

$ EAP_HOME/bin/standalone.sh -Djboss.server.deploy.dir=/path/to/new_deployed_content

選択する場所は JBoss EAP インスタンスすべてで一意になる必要があります。

注記

jboss.server.deploy.dir プロパティーは、管理コンソールまたは管理 CLI を使用してデプロイされたコンテンツの格納に使用されるディレクトリーを指定します。デプロイメントスキャナーによって監視されるカスタムデプロイメントディレクトリーを定義する場合は、「デプロイメントスキャナーの設定」を参照してください。

管理対象ドメインでのカスタムディレクトリーの定義

デフォルトでは、管理対象ドメインのデプロイされたコンテンツは EAP_HOME/standalone/data/content ディレクトリーに格納されます。この場所を変更するには、ドメインの起動時に -Djboss.domain.deployment.dir 引数を渡します。

$ EAP_HOME/bin/domain.sh -Djboss.domain.deployment.dir=/path/to/new_deployed_content

選択する場所は JBoss EAP インスタンスすべてで一意になる必要があります。

7.6.2. デプロイメント順序の制御

JBoss EAP では、サーバー起動時にアプリケーションがデプロイされる順序を細かく制御できます。複数の EAR ファイルに存在するアプリケーションのデプロイメント順序を徹底することができ、再起動後の順序を永続化することもできます。

jboss-all.xml デプロイメント記述子を使用してトップレベルのデプロイメント間で依存関係を宣言できます。

たとえば、 最初にデプロイされた framework.ear に依存する app.ear がある場合、以下のように app.ear/META-INF/jboss-all.xml ファイルを作成できます。

<jboss umlns="urn:jboss:1.0">
  <jboss-deployment-dependencies xmlns="urn:jboss:deployment-dependencies:1.0">
    <dependency name="framework.ear" />
  </jboss-deployment-dependencies>
</jboss>
注記

デプロイメントのランタイム名を jboss-all.xml ファイルの依存名として使用することができます。

これにより、app.ear の前に framework.ear がデプロイされます。

重要

jboss-all.xml ファイルや他のデプロイメント記述子では、宣言しないとサーバーが検出しない依存関係を宣言できますが、これは厳格な順序付け機能ではありません。JBoss EAP は、デプロイメント記述子で指定されたすべての依存関係はデプロイ済みで利用可能であると仮定します。不足している依存関係がある場合、JBoss EAP はそれらの依存関係を自動的にデプロイせず、デプロイメントは失敗します。

7.6.3. デプロイメントコンテンツのオーバーライド

デプロイメントオーバーレイ を使用すると、デプロイメントアーカイブのコンテンツを物理的に変更せずに既存デプロイメントにコンテンツをオーバーレイすることができます。これにより、アーカイブを再構築せずに実行時にデプロイメント記述子、JAR ファイル、クラス、 JSP ページ、およびその他のファイルをオーバーライドできます。

これは、異なる設定が必要な異なる環境にデプロイメントを適応する必要がある場合に便利です。たとえば、アプリケーションのライフサイクルに従って開発からテスト、ステージ、および実稼働とデプロイメントを移動する場合、目的の環境に応じてデプロイメント記述子の交換、アプリケーションのブランディングを変更するための静的 Web リソースの変更、JAR ライブラリーの別バージョンへの置き換えなどを行う可能性があります。また、方針やセキュリティーの制限によりアーカイブを変更できない、設定変更が必要なインストールにも便利な機能です。

デプロイメントオーバーレイを定義する場合、デプロイメントアーカイブのファイルを置き換える、ファイルシステム上のファイルを定義します。さらに、デプロイメントオーバーレイの影響を受けるデプロイメントを指定する必要もあります。変更を有効にするには、影響を受けるデプロイメントを再デプロイする必要があります。

deployment-overlay add 管理 CLI コマンドを使用してデプロイメントオーバーレイを追加します。

deployment-overlay add --name=new-deployment-overlay --content=WEB-INF/web.xml=/path/to/other/web.xml --deployments=test-application.war --redeploy-affected
注記

管理対象ドメインでは、--server-groups を使用して該当するサーバーグループを指定するか、--all-server-groups を使用してすべてのサーバーグループを指定します。

作成後、既存のオーバーレイへのコンテンツの追加、オーバーレイのデプロイメントへのリンク、またはオーバーレイの削除を行うことができます。使用方法の詳細を表示するには deployment-overlay --help を実行してください。

パラメーター

name
デプロイメントオーバーレイの名前。
content
ファイルシステム上のファイルをアーカイブの置き換えるファイルにマップするカンマ区切りリスト。各エントリーの形式は ARCHIVE_PATH=FILESYSTEM_PATH です。
deployments
このオーバーレイがリンクされるデプロイメントのカンマ区切りリスト。
redeploy-affected
影響を受けるデプロイメントをすべて再デプロイします。

7.6.4. ロールアウト計画の使用

ロールアウト計画

管理対象ドメインでは、ドメインまたはホストレベルのリソースで目的となる操作は複数のサーバーに影響する可能性があります。このような操作には、サーバーに適用される操作の順序を説明するロールアウト計画や、一部のサーバーで実行に失敗した場合に操作を元に戻すかどうかを指示するポリシーなどが含まれます。指定されたロールアウト計画がない場合、デフォルトのロールアウト計画 が使用されます。

以下は 5 つのサーバーグループが関係するロールアウト計画の例になります。操作は順次 (in-series) または同時 (concurrent-groups) にサーバーグループへ適用することができます。構文の詳細は「ロールアウト計画の構文」を参照してください。

{"my-rollout-plan" => {"rollout-plan" => {
    "in-series" => [
        {"concurrent-groups" => {
            "group-A" => {
                "max-failure-percentage" => "20",
                "rolling-to-servers" => "true"
            },
            "group-B" => undefined
        }},
        {"server-group" => {"group-C" => {
            "rolling-to-servers" => "false",
            "max-failed-servers" => "1"
        }}},
        {"concurrent-groups" => {
            "group-D" => {
                "max-failure-percentage" => "20",
                "rolling-to-servers" => "true"
            },
            "group-E" => undefined
        }}
    ],
    "rollback-across-groups" => "true"
}}}

上記の例を見ると、3 つの段階を経てドメインのサーバーに操作が適用されることが分かります。あるサーバーグループのポリシーによってサーバーグループ全体で操作のロールバックが引き起こされると、他のサーバーグループもすべてロールバックされます。

  1. サーバーグループ group-Agroup-B には同時に操作が適用されます。 group-A のサーバーには操作が順次適用され、group-B のすべてのサーバーは操作を同時に処理します。group-A で操作の適用に失敗したサーバーが 20 % を超えると、グループ全体でロールバックが実行されます。group-B で操作を適用できなかったサーバーがあると、このグループ全体でロールバックが実行されます。
  2. group-Agroup-B のすべてのサーバーが完了すると、group-C のサーバーに操作が適用されます。これらのサーバーは操作を同時に処理します。group-C では操作を適用できなかったサーバーが 2 台以上あると、グループ全体でロールバックが実行されます。
  3. group-C のすべてのサーバーが完了すると、操作が group-Dgroup-E に同時に適用されます。group-D のサーバーには操作が順次適用され、group-E のすべてのサーバーは操作を同時に処理します。 group-D で操作の適用に失敗したサーバーが 20 % を超えると、グループ全体でロールバックが実行されます。group-E で操作を適用できなかったサーバーがあると、このグループ全体でロールバックが実行されます。
ロールアウト計画の構文

ロールアウト計画は以下のいずれかの方法で指定できます。

上記の方法で最初に使用するコマンドは異なりますが、どちらも rollout 操作ヘッダーを使用してロールアウト計画を定義します。以下の構文を使用します。

rollout (id=PLAN_NAME | SERVER_GROUP_LIST) [rollback-across-groups]
  • PLAN_NAME は、rollout-plan コマンドを使用して保存されたロールアウト計画の名前です。
  • SERVER_GROUP_LIST はサーバーグループのリストです。各サーバーグループで操作を順次実行する場合はコンマ (,) を使用して複数のサーバーグループを区切ります。各サーバーグループで同時に操作を実行する場合はキャレット (^) を区切り文字として使用します。

    • 各サーバーグループでは、以下のポリシーをかっこで囲んで設定します。複数のポリシーはコンマで区切ります。

      • rolling-to-servers: ブール値。true に設定すると、操作はグループの各サーバーに順次適用されます。false に設定した場合、または指定がない場合は、操作はグループのサーバーに同時に適用されます。
      • max-failed-servers: 整数値。グループにおける操作の適用に失敗したサーバーの最大数で、失敗したサーバーの台数がこの値を超えるとグループのすべてのサーバーが元に戻されます。指定がない場合のデフォルト値は 0 で、操作の適用に失敗したサーバーが 1 台でもあるとグループ全体でロールバックが引き起こされます。
      • max-failure-percentage: 0 から 100 までの整数値。グループにおける操作の適用に失敗したサーバー合計数の最大率 (パーセント) で、失敗したサーバーの率がこの値を超えるとグループのすべてのサーバーが元に戻されます。指定がない場合のデフォルト値は 0 で、操作の適用に失敗したサーバーが 1 台でもあるとグループ全体でロールバックが引き起こされます。

        注記

        max-failed-serversmax-failure-percentage の両方がゼロ以外の値に設定された場合、max-failure-percentage が優先されます。

  • rollback-across-groups: ブール値。1 つのサーバーグループのサーバーすべてで操作をロールバックする必要があると、すべてのサーバーグループでロールバックの実行を引き起こすかどうかを指定します。デフォルトは false です。
ロールアウト計画を使用したデプロイ

ロールアウト計画の完全詳細を直接 deploy コマンドに提供するには、rollout 設定を headers 引数に渡します。形式の詳細は「ロールアウト計画の構文」を参照してください。

以下の管理 CLI コマンドは、順次のデプロイメントに rolling-to-servers=true を指定するデプロイメント計画を使用して、アプリケーションを main-server-group サーバーグループにデプロイします。

deploy /path/to/test-application.war --server-groups=main-server-group --headers={rollout main-server-group(rolling-to-servers=true)}
保存したロールアウト計画を使用したデプロイ

ロールアウト計画は複雑になることがあるため、ロールアウト計画の詳細を保存するオプションがあります。これにより、毎回ロールアウト計画の完全詳細を必要とせずに、ロールアウト計画を使用するときにロールアウト計画の名前を参照することができます。

  1. rollout-plan 管理 CLI コマンドを使用してロールアウト計画を保存します。形式の詳細は「ロールアウト計画の構文」を参照してください。

    rollout-plan add --name=my-rollout-plan --content={rollout main-server-group(rolling-to-servers=false,max-failed-servers=1),other-server-group(rolling-to-servers=true,max-failure-percentage=20) rollback-across-groups=true}

    これにより、以下のデプロイメント計画が作成されます。

    "rollout-plan" => {
        "in-series" => [
            {"server-group" => {"main-server-group" => {
                "rolling-to-servers" => false,
                "max-failed-servers" => 1
            }}},
            {"server-group" => {"other-server-group" => {
                "rolling-to-servers" => true,
                "max-failure-percentage" => 20
            }}}
        ],
        "rollback-across-groups" => true
    }
  2. アプリケーションのデプロイ時に保存されたロールアウト計画名を指定します。

    以下の管理 CLI コマンドは、保存されたロールアウト計画 my-rollout-plan を使用してすべてのサーバーグループにアプリケーションをデプロイします。

    deploy /path/to/test-application.war --all-server-groups --headers={rollout id=my-rollout-plan}
保存されたロールアウト計画の削除

削除するロールアウト計画の名前を指定して rollout-plan 管理 CLI コマンドを使用すると、保存されたロールアウト計画を削除できます。

rollout-plan remove --name=my-rollout-plan
デフォルトのロールアウト計画

複数のサーバーに影響する操作はすべてロールアウト計画を使用して実行されます。操作リクエストにロールアウト計画が指定されていない場合は、デフォルトのロールアウト計画が生成されます。計画には以下の特徴があります。

  • ハイレベルなフェーズは 1 つのみです。操作に影響するすべてのサーバーグループには同時に操作が適用されます。
  • 各サーバーグループ内では、操作がすべてのサーバーに同時に適用されます。
  • サーバーグループのいずれかのサーバーに操作を適用できないと、グループ全体でロールバックが実行されます。
  • あるサーバーグループに操作を適用できないと、他のすべてのサーバーグループでロールバックが実行されます。

7.7. 展開形式のデプロイメントの管理

JBoss EAP 7.1 以前では、ファイルシステム上のファイルを操作するのが展開形式のデプロイメントを管理する唯一の方法でした。JBoss EAP 7.1 では、管理インターフェースを使用して展開形式のデプロイメントを管理できるようになりました。これにより、新しいバージョンのアプリケーションをデプロイしなくても、展開形式のアプリケーションのコンテンツを変更できるようになりました。

注記

JavaScript や CSS ファイルなど、デプロイメントの静的ファイルが更新されると、即座に更新が反映されます。Java クラスなどの他のファイルが変更された場合は、変更の反映にアプリケーションの再デプロイが必要になることがあります。

最初に、空のデプロイメント を使用するか、既存のアーカイブデプロイメントを展開した後、コンテンツを追加または削除します。

デプロイメントのコンテンツの表示」を参照してデプロイメントのファイルを閲覧するか、ファイルのコンテンツを読み取ります。

空の展開形式のデプロイメントを作成

必要時にコンテンツを追加できる空の展開形式のデプロイメントを作成できます。以下の管理 CLI コマンドを使用して空の展開形式のデプロイメントを作成します。

/deployment=DEPLOYMENT_NAME.war:add(content=[{empty=true}])

empty=true オプションは、空のデプロイメントの作成を確認するために必要です。

既存のアーカイブデプロイメントの展開

既存のアーカイブデプロイメントを展開してコンテンツを更新できます。展開する前にデプロイメントを無効化する必要があります。以下の管理 CLI コマンドを使用してデプロイメントを展開します。

/deployment=ARCHIVE_DEPLOYMENT_NAME.ear:explode

これで、このデプロイメントのコンテンツを追加または削除できるようになります。

注記

管理コンソールから既存のアーカイブデプロイメントを展開することもできます。Deployments タブからデプロイメントを選択し、ドロップダウンメニューで Explode を選択します。

展開形式のデプロイメントへのコンテンツの追加

デプロイメントにコンテンツを追加するには、add-content 管理 CLI 操作を使用します。コンテンツを追加するデプロイメントの場所へのパスを指定し、アップロードするコンテンツを提供します。アップロードするコンテンツは、ローカルファイルストリーム、URL、JBoss EAP コンテンツリポジトリーにすでに存在するコンテンツのハッシュ、またはコンテンツのバイトアレイとして提供できます。以下の管理 CLI コマンドは、input-stream-index オプションを使用してローカルファイルのコンテンツをデプロイメントにアップロードします。

/deployment=DEPLOYMENT_NAME.war:add-content(content=[{target-path=/path/to/FILE_IN_DEPLOYMENT, input-stream-index=/path/to/LOCAL_FILE_TO_UPLOAD}]
注記

add-content 操作を使用してコンテンツをデプロイメントに追加するとき、デプロイメントのコンテンツはデフォルトで上書きされます。この挙動を変更するには、overwrite オプションを false に設定します。

展開形式のデプロイメントのコンテンツの削除

デプロイメントからコンテンツを削除するには、remove-content 管理 CLI 操作を使用し、デプロイメントの削除するコンテンツへのパスを指定します。

/deployment=DEPLOYMENT_NAME.war:remove-content(paths=[/path/to/FILE_1, /path/to/FILE_2])

7.8. デプロイメントのコンテンツの表示

JBoss EAP の管理インターフェースを使用すると、管理されたデプロイメントのファイルに関する情報を閲覧 し、ファイルの内容を読み取る ことができます。

7.8.1. デプロイメントのファイルの閲覧

管理されたデプロイメントのファイルやディレクトリーを閲覧するには、browse-content 操作を使用します。引数を指定しないと、デプロイメント構造全体が返されます。特定のディレクトリーへのパスを指定するには、path 引数を使用します。

注記

また、管理コンソールからデプロイメントの内容を閲覧することもできます。Deployments タブに移動してデプロイメントを選択し、ドロップダウンメニューで Browse Content を選択します。

/deployment=helloworld.war:browse-content(path=META-INF/)

上記は、helloworld.war デプロイメントの META-INF/ ディレクトリーにあるファイルとディレクトリーを表示します。

{
    "outcome" => "success",
    "result" => [
        {
            "path" => "MANIFEST.MF",
            "directory" => false,
            "file-size" => 827L
        },
        {
            "path" => "maven/org.jboss.eap.quickstarts/helloworld/pom.properties",
            "directory" => false,
            "file-size" => 106L
        },
        {
            "path" => "maven/org.jboss.eap.quickstarts/helloworld/pom.xml",
            "directory" => false,
            "file-size" => 2713L
        },
        {
            "path" => "maven/org.jboss.eap.quickstarts/helloworld/",
            "directory" => true
        },
        {
            "path" => "maven/org.jboss.eap.quickstarts/",
            "directory" => true
        },
        {
            "path" => "maven/",
            "directory" => true
        },
        {
            "path" => "INDEX.LIST",
            "directory" => false,
            "file-size" => 251L
        }
    ]
}

以下の引数を browse-content 操作に指定することもできます。

archive
アーカイブファイルのみを返すかどうか。
depth
返すファイルの深さを指定します。

7.8.2. デプロイメントコンテンツの読み取り

管理されたデプロイメントでファイルの内容を読み取るには、read-content 操作を使用します。引数を指定しないと、デプロイメント全体が返されます。特定のファイルへのパスを指定するには path 引数を使用します。

/deployment=helloworld.war:read-content(path=META-INF/MANIFEST.MF)

上記は、管理 CLI に表示 または ファイルシステムに保存 できるファイルストリームを返します。

{
    "outcome" => "success",
    "result" => {"uuid" => "24ba8e06-21bd-4505-b4d4-bdfb16451b95"},
    "response-headers" => {"attached-streams" => [{
        "uuid" => "24ba8e06-21bd-4505-b4d4-bdfb16451b95",
        "mime-type" => "text/plain"
    }]}
}

7.8.2.1. ファイルの内容の表示

attachment display コマンドを使用して MANIFEST.MF ファイルの内容を読み取ります。

attachment display --operation=/deployment=helloworld.war:read-content(path=META-INF/MANIFEST.MF)

上記は、helloworld.war デプロイメントからの MANIFEST.MF ファイルの内容を管理 CLI に表示します。

ATTACHMENT db9e83f5-de8e-4cdb-818e-6b177c16012d:
Manifest-Version: 1.0
Implementation-Title: JBoss EAP Quickstart: helloworld
Implementation-Version: 7.1.0.GA
Java-Version: 1.8.0_131
Built-By: username
Scm-Connection: scm:git:git@github.com:jboss/jboss-parent-pom.git/quic
 kstart-parent/helloworld
Specification-Vendor: JBoss by Red Hat
...

7.8.2.2. ファイルの内容の保存

attachment save コマンドを使用して、MANIFEST.MF ファイルの内容をファイルシステムに保存します。

attachment save --operation=/deployment=helloworld.war:read-content(path=META-INF/MANIFEST.MF) --file=/path/to/MANIFEST.MF

上記は、helloworld.war デプロイメントからの MANIFEST.MF ファイルを path/to/MANIFEST.MF のファイルシステムに保存します。--file 引数を使用してファイルパスを指定しないと、一意な添付 ID を使用してファイル名が付けられ、管理 CLI の作業ディレクトリー (デフォルトは EAP_HOME/bin/) に保存されます。