1.3. ユースケース: 銀行ローンのプロセスベースソリューション

Red Hat JBoss BPM Suite (BPMS) をデプロイして、銀行のローン承認プロセスなどのビジネスプロセスを自動化できます。これは、BPM を企業全体に採用するための最初のステップとなる、典型的な「特定プロセスベース」のデプロイメントです。この場合、BPM と BPMS のビジネスルール機能の両方を利用します。
銀行は、期間や資格要件が異なる複数のローン商品を提供します。ローンを必要とする顧客は、銀行へローンの申込書を提出します。申し込み後、銀行は複数の手順で申し込みを処理し、資格の検証、期間の判断、不正行為の確認、および適切なローン商品の決定を行います。ローンの承認後、銀行は申込者のローン口座を作成し、入金を行います。その後、申込者はその資金を使用できます。銀行は、プロセスの各手順が対象となるすべての銀行規則に適合しているか確認し、ローンのポートフォリオを管理して利益を最大化する必要があります。各手順でデシジョンメーキング (意思決定) を手助けするためにポリシーが使用され、これらのポリシーは銀行の業績を最大化するため管理されます。
銀行のビジネスアナリストは、BPM Suite の BPMN2 オーサリングツール (プロセスデザイナー) を使用して、ローン申し込みプロセスをモデル化します。
ハイレベルのローン申し込みプロセスフロー

図1.1 ハイレベルのローン申し込みプロセスフロー

ポリシーを実行し、デシジョンメーキングを行うため、ビジネスルールは BPM Suite のルールオーサリングツールで開発されます。ルールはプロセスモデルへリンクされ、プロセスの各手順で正しいポリシーが実行されます。
銀行の IT 部門が BPM Suite をデプロイし、ローン申し込みのプロセス全体が自動化されるようにします。
ローン申し込みプロセスの自動化

図1.2 ローン申し込みプロセスの自動化

銀行のビジネスアナリストは、ローンプロセスおよびルールのすべてをいつでも編集できます。銀行は、変化する規則に常時準拠できます。また、競争優位を保ち、収益を向上させるために、ローンの新商品をすばやく導入し、ローンのポリシーを改善できます。