第3章 インストールオプション

Red Hat JBoss BPM Suite には、以下の 2 つのバージョンがあります。
  • Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (EAP) 6.1.1 にインストールするための実行可能 jar インストーラー。
  • 以下の 2 つのバージョンがある zip ファイルインストール。
    • jboss-bpms-6.MINOR_VERSION-redhat-x-deployable-eap6.x.zip: Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (EAP 6.1.1) でのデプロイメント用のバージョン。
    • jboss-bpms-6.MINOR_VERSION-redhat-x-deployable-generic.zip: Red Hat JBoss Web Server (WS)、Apache Tomcat 6、および Apache Tomcat 7 上のデプロイメントに適した追加ライブラリーが含まれるデプロイ可能バージョン。
ご使用の環境に応じて、プロジェクトに最も適したインストールオプションを選択してください。

3.1. EAP6 バンドルのインストール

本項では、Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (EAP) にデプロイ可能な Red Hat JBoss BPM Suite パッケージのインストールについて説明します。

注記

Red Hat JBoss BPM Suite のインストールでは Red Hat JBoss EAP 6.1.1 以上がサポート対象となり、6.1.0 以下はサポート対象外になります。

3.1.1. EAP6 パッケージのダウンロード

JBoss Enterprise Application Platform 向けのデプロイ可能な Red Hat JBoss BPM Suite パッケージをダウンロードするには、以下の手順に従います。
  1. Red Hat Customer Portal にアクセスし、ログインします。
  2. DownloadsRed Hat JBoss MiddlewareDownload Software の順に選択します。
  3. Product ドロップダウンメニューより BPM Suite を選択します。
  4. Version ドロップダウンメニューより製品のバージョンを選択します。
  5. 表の Red Hat JBoss BPM Suite 6.0.2 Deployable for EAP 6.1.1 の行に移動し、Download をクリックします。

3.1.2. EAP6 パッケージのインストール

未設定の EAP 向けのデプロイ可能なパッケージをインストールするには、以下の手順に従います。
  1. Red Hat カスタマーポータル からダウンロードした、EAP にデプロイ可能な zip パッケージを展開します。
  2. EAP にデプロイ可能な zip パッケージを展開した後、EAP の SERVER_HOME ディレクトリーへマージします。

    警告

    この手順は、EAP のインストールに使用した同じユーザーアカウントで実行する必要があります。このアカウントは、スーパーユーザーアカウント以外でなければなりません。
  3. この処理では、EAP の SERVER_HOME ディレクトリーのファイルが複数上書きされますが、パッケージの展開処理によってこれらのファイルが上書きされる必要があります。上書きされるファイルの 1 つが SERVER_HOME/bin/product.conf ファイルです。マージに成功した後、このファイルに slot=bpms という文字列が含まれる必要があります。このファイルを開くと、ファイルが正常に上書きされたことを確認できます。
Red Hat Enterprise Linux では、zip ファイルをダウンロードしたディレクトリーで次のコマンドを実行すると、BPMS zip ファイルの展開とサーバーディレクトリーへのマージを一度に行えます。
unzip -u jboss-bpms-VERSION-TYPE.zip -d SERVER_HOME_PARENT_DIR

例3.1 unzip コマンド

unzip -u jboss-bpms-6.0.2-redhat-7-deployable-eap6.x.zip -d /home/john/myServers/
サーバー起動時に、Red Hat JBoss BPM Suite がデプロイされます。
設定済みの EAP 向けのデプロイ可能なパッケージをインストールするには、以下の手順に従います。
  1. Red Hat カスタマーポータル からダウンロードした、EAP にデプロイ可能な zip パッケージを展開します。
  2. ダウンロードした zip アーカイブを展開しますが、ファイルを上書きしないでください。以下のファイルを手作業で SERVER_HOME ディレクトリーにマージします。
    • jboss-eap-6.1/domain/configuration/* - (BPMS には JMS が必要なため、BPMS ディストリビューションによって提供される domain.xml にあるすべてのプロファイルに JMS がデフォルトで追加されることに注意してください)
    • jboss-eap-6.1/standalone/configuration/* - (BPMS には JMS が必要なため、BPMS ディストリビューションによって提供されるすべてのプロファイル設定ファイル (特に standalone.xml および standalone-ha.xml 内) にデフォルトで JSM が追加されることに注意してください)
    • jboss-eap-6.1/modules/layers.conf
    • jboss-eap-6.1/bin/product.conf
  3. 目的の EAP のデプロイメントに、競合する名前が含まれないようにしてください。BPMS ディストリビューションから、フォルダー jboss-eap-6.1/standalone/deploymentsEAP_HOME ディレクトリーにコピーします。
  4. BPMS という名前の EAP モジュールレイヤーが存在しないことを確認し、フォルダー jboss-eap-6.1/modules/system/layers/bpms を EAP 6.1.1 フォルダーにコピーします。

3.1.3. ロールの定義

サーバーを起動して Business Central へログインする前に、ユーザーアカウントを作成する必要があります。本項では、Red Hat JBoss BPM Suite で使用されるユーザーロールについて説明します。
  • admin: admin ロールを持つユーザーは、アプリケーションの管理者です。管理者は、ユーザーやリポジトリー (作成およびクローン) を管理でき、アプリケーションに必要な変更を加えるため完全アクセスを持ちます。管理者はシステム内のすべてのエリアにアクセスできます。
  • developer: 開発者はほとんどの機能にアクセスでき、ルール、モデル、プロセスフロー、フォーム、およびダッシュボードを管理できます。資産リポジトリーを管理でき、プロジェクトの作成、構築、およびデプロイが可能です。また、Red Hat JBoss Developer Studio を使用してプロセスを表示できます。developer ロールは、新規リポジトリーの作成やクローンなど、管理機能の一部のみを使用できません。
  • analyst: analyst ロールは、プロジェクトをモデル化および実行するため、すべての高レベル機能へアクセスできます。しかし、analyst ロールを持つユーザーは AuthoringAdministration へアクセスできません。また、DeploymentArtifact Repository など、開発者を対象とする低レベル機能の一部にもアクセスできません。しかし、Project Editor を使用すると、Build & Deploy ボタンを使用できます。
  • user: ユーザーまたはビジネスユーザーは、特定プロセスを操作するために使用されるビジネスタスクリストの作業を行います。このロールを持つユーザーは、ダッシュボードへのアクセスやプロセスの管理が可能です。
  • manager: マネージャーはシステムを確認します。ビジネスプロセスに関する統計、ビジネスプロセスのパフォーマンス、ビジネスインディケーター、およびシステムのその他のレポート内容に関心があります。このロールを持つユーザーは BAM のみにアクセスできます。

注記

上記のロールは、ユーザー作成のプロセス中に入力します。

3.1.4. ユーザーの作成

新規ユーザーを追加するには、EAP の bin ディレクトリーより add-user.sh スクリプト (Unix システムの場合) または add-user.bat ファイル (Windows システムの場合) を実行する必要があります。
  1. Unix システムの場合は ./add-user.sh を、Windows システムの場合は add-user.bat を bin ディレクトリーより実行します。
  2. ユーザータイプ入力のプロンプトが表示されたら「b」を入力して Application User を選択し、Enter キーを押します。
  3. Enter を押してデフォルトのレルム (ApplicationRealm) を許可します。
  4. ユーザー名入力のプロンプトが表示されたら、ユーザー名を入力し (例: helloworlduser)、確認します。
  5. パスワード入力のプロンプトが表示されたらユーザーのパスワードを入力し (例: Helloworld@123)、再入力します。

    注記

    パスワードは 8 文字以上で、アルファベットの大文字と小文字 (A-Z、a-z)、1 文字以上の数字 (0-9)、および 1 文字以上の特殊文字 (~ ! @ # $ % ^ * ( ) - _ + =) が含まれる必要があります。
  6. ロール入力のプロンプトが表示されたら、ユーザーが必要となるロールのコンマ区切りリストを入力します (「ロールの定義」 を参照してください)。
    Business Central のユーザーには最低でも analyst ロールが必要で、ダッシュビルダーのユーザーには admin ロールが必要となります。ロールはコンマ区切りリストで入力する必要があります。
  7. ユーザーを追加することを確認します。
  8. 次のプロンプトで「yes」を入力します (これにより、必要な場合にクラスタリングを有効にします)。