4.2.7. トランザクション境界を表す Debezium MongoDB コネクターによって生成されたイベント

Debezium は、トランザクションメタデータ境界を表すイベントを生成でき、データイベントメッセージを補完できます。

Debezium がトランザクションメタデータを受信する場合の制限

Debezium は、コネクターのデプロイ後に発生するトランザクションに対してのみメタデータを登録し、受信します。コネクターをデプロイする前に発生するトランザクションのメタデータは利用できません。

Debezium はすべてのトランザクションの BEGIN および END に対して、以下のフィールドが含まれるイベントを生成します。

status
BEGIN または END
id
一意のトランザクション識別子の文字列表現。
event_count (END イベント用)
トランザクションによって出力されるイベントの合計数。
data_collections (END イベント用)
指定のデータコレクションからの変更によって出力されたイベントの数を提供する data_collectionevent_count のペアの配列。

以下の例では、一般的なメッセージを示します。

{
  "status": "BEGIN",
  "id": "1462833718356672513",
  "event_count": null,
  "data_collections": null
}

{
  "status": "END",
  "id": "1462833718356672513",
  "event_count": 2,
  "data_collections": [
    {
      "data_collection": "rs0.testDB.collectiona",
      "event_count": 1
    },
    {
      "data_collection": "rs0.testDB.collectionb",
      "event_count": 1
    }
  ]
}

transaction.topic オプションでオーバーライドされない限り、トランザクションイベントは database.server.name.transaction という名前のトピックに書き込まれます。

変更データイベントのエンリッチメント

トランザクションメタデータを有効にすると、データメッセージ Envelope は新しい transaction フィールドでエンリッチされます。このフィールドは、複合フィールドの形式ですべてのイベントに関する情報を提供します。

id
一意のトランザクション識別子の文字列表現。
total_order
トランザクションによって生成されたすべてのイベントを対象とするイベントの絶対位置。
data_collection_order
トランザクションによって出力されたすべてのイベントを対象とするイベントのデータコレクションごとの位置。

以下は、メッセージの内容の例です。

{
  "patch": null,
  "after": "{\"_id\" : {\"$numberLong\" : \"1004\"},\"first_name\" : \"Anne\",\"last_name\" : \"Kretchmar\",\"email\" : \"annek@noanswer.org\"}",
  "source": {
...
  },
  "op": "c",
  "ts_ms": "1580390884335",
  "transaction": {
    "id": "1462833718356672513",
    "total_order": "1",
    "data_collection_order": "1"
  }
}