6.3. Red Hat Insights for OpenShift
6.3.1. Advisor
新しい推奨事項
推奨事項は、Red Hat によって開発および提供される製品およびコンポーネントであるコア OpenShift コンポーネントに対して利用できます。マネージド OpenShift では、ワークロードのベストプラクティスに焦点を当てた追加の推奨事項セットが利用可能です。
推奨事項は、Operator 設定に関するさまざまな潜在的な問題をカバーし、重大度の高いアラートと追加のクラスター情報を照合して、お客様を潜在的な問題の根本原因に導きます。
新しい推奨事項には以下が含まれます。
- 非推奨の API およびサポートされていないバージョンのコンポーネントの使用についてユーザーに警告する
- ノードの最小要件を確認する
- 認証と自動スケーリングのセキュアな設定
- 設定間の競合の可能性について通知する
- クラスター上の証明書の状態を確認する
- クラスターコンポーネントの設定を検証する
OpenShift 4.13 では、カスタマーサポートチーム、エンジニア、アーリーアダプターから報告された問題の防止に重点を置いた新しい推奨事項を追加しました。
- Red Hat OpenShift Data Foundation (ODF) をサポートするための推奨事項を追加しました。
- Cluster Version Operator によって管理されるコンポーネントのアップグレードの問題を防ぐための推奨事項を改善、追加しました。
- OpenShift Cluster Autoscaler Operator をより効果的に活用するための推奨事項を追加しました。
すべての Insights の推奨事項には、Red Hat Hybrid Cloud Console の OpenShift Advisor サービスからアクセスできるほか、OpenShift WebConsole からも直接アクセスできます。
また、Red Hat Hybrid Cloud Console の Cluster History タブにメッセージを追加しました。このタブには、クラスターからのすべての重要なイベントが収集されます。
6.3.2. Cost Management
リソースの最適化 (プレビュー)
Red Hat は、新しいリソース最適化機能をコスト管理と統合して、コストレポートによる IT ガバナンスを可能にし、推奨事項によってリソースを最大化するためのより良い方法を開発者に提供します。
OpenShift のリソース最適化は、コンテナーレベルでの最適化の観点を提供するため、Red Hat OpenShift ユーザーはサブスクリプションを最大限に活用できます。より高い抽象レベルの推奨事項は、今後数カ月以内に追加される予定です。
リソースの最適化では、過去のデータと現在のデータを使用して各リソースパラメーターをスコア化し、アプリケーションライフサイクルのすべてのセグメントを通じて適切なサイズの OpenShift クラスターを推奨します。クラウドリソースの実際のコストや何が効率的に使用されていないのかを可視化し、使用状況を最適化する方法を推奨します。これは、支出の削減を意味する場合もありますが、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるために支出を増やすことを意味する場合もあります。ガイダンスは時間を重視した具体的なものであるため、開発者は最長過去 15 日間のデータに基づいて、いつどのようなアクションを実行すべきかを正確に知ることができます。
この機能とアクセスをリクエストする方法の詳細は、ブログ記事 Red Hat Insights で Red Hat Openshift にリソース最適化を導入 を参照してください。
過去のデータのアップロード
Cost Management Metrics Operator (CMMO) は、クラスターから Prometheus メトリックを収集し、それらを Cost Management にアップロードします。
これまで、CMMO はインストール以後のデータのみをアップロードしていました。クラスター上で実行されている Prometheus はデフォルトで 2 週間分のデータを保存するように設定されているため、Red Hat は Prometheus で検出されたすべてのデータをアップロードできるように Operator を拡張しました。
たとえば、ユーザーがすでにしばらく実行されていたクラスターに CMMO をインストールした場合、Cost Management は 2 週間前からその時までのコストとリソースの最適化情報をレポートします。
過去のデータをアップロードできる機能は、Cost Management Operator を誤って停止またはアンインストールした場合、またはアップグレードで問題が発生した場合にも役立ちます。このようなギャップは、アプリケーションの全体的なコストの精度に影響を与えます。新しいメカニズムは、不足しているデータをアップロードし、ギャップを埋めるものです。これにより、データの一部が不足している場合のレポートの継続性と正確性が向上します。