3.3. Red Hat Insights for OpenShift

3.3.1. Advisor

Update Risk - 一般提供 (GA)

Update Risk は、OpenShift サブスクリプションの一部として、すべての OpenShift のお客様の Red Hat Hybrid Cloud Console で利用できるようになりました。Update Risk (以前は “Upgrade risk” としてプレビュー環境で利用可能でした) により、セルフマネージド OpenShift クラスターを使用するお客様は、更新を実行する前にクラスターの状態を評価できます。接続されているすべてのクラスターからのデータでトレーニングされたマシンモデルに、クラスター上の既知のリスクのリストが表示されます。リストには、Operator の障害状態、アラート、およびその他のメトリクスが含まれます。Insights は、よりスムーズで安全な更新に向けて、これらの阻害要因を除去するための手順を提供します。

OpenShift Update risks example

3.3.2. Cost Management

vCPU 数、RAM、ストレージ容量のレポート

デフォルトでは、Cost Management は実効 CPU 使用率に基づいてコストを配分します。OpenShift コストモデルを追加すると、Cost Management が認識しているコストを、要求済み、使用済み、または実効 CPU/RAM 使用率に基づいて配分するように変更できます。

IT ワークロードと IT 部門には常に追加コストが発生します。サブスクリプション、変動費が掛かる外部サービス (Google マップなど)、外注、IT 従業員のコストなどです。これらのコストを配分するためのポリシーはお客様ごとに異なります。コストを配分する一般的な方法の 1 つは、“Cost Management が OpenShift ワークロードに対して行うのと同じことを実施すること” です。そのためには、OpenShift ノードとクラスターに搭載され使用されている CPU コアとメモリーの数を把握し、それらの数を他のコストに合わせて増やせるようにする必要があります。

CPU コア時間と RAM GB 時間を月の時間数で割ることで概算値を得ることができますが、オートスケーラーを使用している場合、これらの数値は正しくありません。オートスケーラーによって随時容量が変更される可能性があるため、Insights は CPU コアと RAM の数を報告し、この数が最大値であることをユーザーに通知するようになりました。

report with CPU and Memory details

Settings ページの再デザインおよび移動

Settings ページが Cost Management 内に移動し、見つけやすくなりました。Tag Management と Cost Categories のサブページにも機能拡張があります。コストモデルページも Settings ページ内に移動しました。Settings ページを Cost Management 内に移動すると同時に、Insights は権限も緩和し、Cost Price List Administrator の権限のみが必要になるようになりました。以前は、Cost Management の設定を変更するには、Hybrid Cloud Console 全体の Organization Administrator 権限が必要でしたが、タグマネージャーが制御および表示できる度合いが大きすぎたため、一部のお客様に不快感を与えていました。

Settings tab within Cost Management panel

オーバーヘッドコストを表示するオプション

OpenShift でワークロードを実行する場合、ワークロードのコストが関心の的になりがちですが、コントロールプレーンのコストと未割り当ての容量のコスト (“オーバーヘッドコスト”) も考慮する必要があります。Insights Cost Management はコストモデルを強化し、2023 年初頭の時点でオーバーヘッドコストを報告するようになりました。この更新により、コストを配分したり、オーバーヘッドコストの配分の有無を動的に切り替えてコストを表示したりすることができます。

Options to distribute through cost models or to not distribute through cost models in Insights OpenShift Cost Management

大規模なお客様のデータパイプライン

Insights Cost Management を使用する組織の多くは大規模なお客様ですが、インフラストラクチャーの規模に関係なく、Insights はお客様のニーズに対応できます。

Insights Cost Management の最新リリースでは、お客様の規模に応じて個別のパイプラインが実装されています。そのため、一部の大規模なお客様が 1,000 のクラスターの 1 カ月分のデータを同時に送信した場合でも、Cost Management はすべてのお客様からのデータを処理して管理します。

関連情報

ブログ: What’s new in Red Hat Insights Cost Management in Q3 2023 (Pau Garcia Quiles、2023 年 10 月 3 日)