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インストールガイド

Red Hat Gluster Storage 3.4

Red Hat Gluster Storage 3.4 のインストール

概要

本書では、前提条件について説明し、さまざまな方法を使用して Red Hat Gluster Storage をインストールする手順をステップごとに説明します。

第1章 Red Hat Gluster Storage のインストール計画

本章では、Red Hat Gluster Storage Server 環境のインストール、設定、および操作を正常に行うための最小限のハードウェアおよびソフトウェアのインストール要件の概要を説明します。

1.1. Red Hat Gluster Storage について

Red Hat Gluster Storage は、柔軟性のあるエンタープライズ向けの非構造化データストレージを無理のない価格で提供するソフトウェアのみのスケールアウトストレージです。Red Hat Gluster Storage 3.4 は、データストレージとインフラストラクチャーの統合、パフォーマンスの向上、組織のストレージ課題と要件に対応する可用性および管理可能性を向上させる新しい機会を提供します。
GlusterFS は、Red Hat Gluster Storage の主要なビルディングブロックで、スタック可能なユーザー空間設計をベースとしており、さまざまなワークロードのために例外のパフォーマンスを提供できます。GlusterFS は、ネットワークで各種のストレージサーバーを集計し、それらを相互接続して 1 つの大きな並立ネットワークファイルシステムにします。POSIX に互換性のある GlusterFS サーバーは XFS ファイルシステム形式を使用してディスクにデータを保存し、これらのサーバーは NFS や CIFS を含む業界標準のアクセスプロトコルを使用してアクセスすることができます。
Red Hat Gluster Storage は、Red Hat Gluster Storage Server for On-Premise を使用してプライベートクラウドまたはデータセンターにデプロイできます。Red Hat Gluster Storage は、コモディティーサーバーおよびストレージハードウェアにインストールできるため、強力かつ拡張性が高く、可用性の高い NAS 環境を提供します。さらに、Red Hat Gluster Storage は、Amazon Web Services (AWS) クラウド内などに Red Hat Gluster Storage Server for Public Cloud を使用してパブリッククラウドにデプロイできます。これは、クラウドで非常に拡張性と可用性の高い NAS を提供することにより、プライベートクラウドまたはデータセンターで実現可能なすべての機能および機能性をパブリッククラウドに提供します。

Red Hat Gluster Storage Server for On-Premise

Red Hat Gluster Storage Server for On-Premise を使用すると、企業は、コモディティーサーバーおよびストレージハードウェアを使用し、物理ストレージを仮想化された、スケーラブルな、かつ一元管理されるストレージプールとして処理できます。

Red Hat Gluster Storage Server for Public Cloud

Red Hat Gluster Storage Server for Public Cloud は、AWS パブリッククラウドでスケーラブルな NAS をデプロイするために GlusterFS を Amazon Machine Image (AMI) としてパッケージ化します。この強力なストレージサーバーは、Amazon ユーザー向けに、可用性が高く、スケーラブルで仮想化および一元管理されたストレージのプールを提供します。

1.2. 前提条件

お使いの環境が以下の要件を満たしていることを確認してください。

1.2.1. マルチサイトクラスターのレイテンシー

マルチサイトクラスターのレイテンシーが 5ms 未満であることを確認します。各サイトで以下のコマンドを実行して、他のサイトとのレイテンシーを判別します。
# ping -c100 -q site_ip_address/site_hostname
注記
詳細は、KCS#413623 を参照してください。

1.2.2. ファイルシステムの要件

XFS: glusterFS ブリックに XFS を使用してバックエンドファイルシステムをフォーマットします。XFS はジャーナルメタデータをジャーナルに記録できます。これにより、より速くクラッシュから復旧できます。XFS ファイルシステムは、マウントされ、アクティブな状態でデフラグし、拡張できます。
注記
Red Hat では、ext3 または ext4 を使用している既存の Gluster Storage Software Appliance のお客様が、XFS バックエンドファイルシステムを使用してサポートされているバージョンの Red Hat Gluster Storage にアップグレードできるよう支援します。

1.2.3. 論理ボリュームマネージャー

インストールを実行できるように、論理ボリュームマネージャーで XFS を使用して glusterFS bricks をフォーマットします。

1.2.4. ネットワーク時間の設定

Network Time Protocol (NTP) または Chrony デーモンを使用して、すべての Red Hat Gluster Storage サーバーで時間を同期します。これらの機能の詳細は、NTP デーモンの選択について参照してください。

1.2.4.1. chrony を使用した時間同期の設定

すべての Gluster ノードの時刻同期に chrony を設定する方法は、「 chrony の使用 」を参照してください。
chrony を設定したら、プライマリーノードからその他のすべてのノードに対して以下のコマンドを使用して、すべての Gluster ノードについて時間が同期されていることを確認します。
# clockdiff node-hostname

1.2.4.2. Network Time Protocol を使用した時間同期の設定

Network Time Protocol (NTP) でリモートサーバーを使用し、システムクロオックを同期します。以下のように、ブートプロセス中に時間を自動的に同期できるように ntpd デーモンを設定します。
  1. vim、nano などのテキストエディターで NTP 設定ファイル /etc/ntp.conf を編集します。
    # nano /etc/ntp.conf
  2. 以下のように、ntp.conf ファイル内のパブリック NTP サーバーの一覧を追加または編集します。
    server 0.rhel.pool.ntp.org
    server 1.rhel.pool.ntp.org
    server 2.rhel.pool.ntp.org
    このファイルの Red Hat Enterprise Linux 6 バージョンには、すでに必要な情報が含まれています。カスタマイズが必要な場合は、このファイルの内容を編集します。特定の Red Hat Gluster Storage リリースについてサポートされる Red Hat Enterprise Linux バージョンについての詳細は、「Red Hat Gluster Storage のサポートマトリックス」を参照してください。
  3. オプションで、iburst ディレクティブを各行に追加して、初期の同期速度を引き上げます。
    server 0.rhel.pool.ntp.org iburst
    server 1.rhel.pool.ntp.org iburst
    server 2.rhel.pool.ntp.org iburst
  4. サーバーの一覧について完了したら、同じファイルに必要なパーミッションを設定します。localhost にのみ無制限のアクセスがあることを確認します。
    restrict default kod nomodify notrap nopeer noquery
    restrict -6 default kod nomodify notrap nopeer noquery
    restrict 127.0.0.1
    restrict -6 ::1
  5. すべての変更を保存してエディターを終了し、NTP デーモンを再起動します。
    # service ntpd restart
  6. 起動時に ntpd デーモンが起動することを確認します。
    # chkconfig ntpd on
NTP のワンタイム同期には、ntpdate コマンドを使用します。この機能の詳細は、『『Red Hat Enterprise Linux デプロイメントガイド』』を参照してください。

1.3. ハードウェアの互換性

ハードウェアの仕様はほぼ毎日変更されています。すべてのシステムの互換性を確認することが推奨されます。サポートされるハードウェアの最新の一覧は、『Red Hat Gluster Storage Server Compatible Physical, Virtual Server and Client OS Platforms List 』 (https://access.redhat.com/knowledge/articles/66206 にてオンラインで利用可能) を参照してください。お使いの環境が、この記事で説明されているハードウェアの互換性の条件を満たしていることを確認する必要があります。ハードウェア仕様の変更は迅速に行われ、完全互換性は保証されません。
ハードウェア互換性は、古いシステムまたはカスタム構築システムがある場合にとくに重要になります。

1.4. ポート情報

Red Hat Gluster Storage Server は、一覧表示されているポートを使用します。ファイアウォール設定が、これらのポートへのアクセスを妨げないようにしてください。
Red Hat Entperise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 では、ファイアウォール設定ツールが異なります。
Red Hat Enterprise Linux 6 の場合は、iptables コマンドを使用してポートを開きます。
# iptables -A INPUT -m state --state NEW -m tcp -p tcp --dport 5667 -j ACCEPT
# service iptables save
Red Hat Enterprise Linux 7 では、デフォルトポートが使用されている場合は、通常、ポートを開かずにサービスを追加する方が簡単です。
# firewall-cmd --zone=zone_name --add-service=glusterfs
# firewall-cmd --zone=zone_name --add-service=glusterfs --permanent
ただし、デフォルトのポートがすでに使用されている場合は、以下のコマンドで特定のポートを開くことができます。
# firewall-cmd --zone=zone_name --add-port=port/protocol
# firewall-cmd --zone=zone_name --add-port=port/protocol --permanent
以下に例を示します。
# firewall-cmd --zone=public --add-port=5667/tcp
# firewall-cmd --zone=public --add-port=5667/tcp --permanent

表1.1 すべてのストレージサーバーで以下のポートを開きます。

接続ソースTCP ポートUDP ポート推奨用途
有効な SSH キーを持つ認証されたネットワークエンティティー22-すべての設定geo レプリケーションを使用したリモートバックアップ
認証されたネットワークエンティティー。他の RPC サービスと競合しないように注意してください。111111すべての設定RPC ポートマッパーおよび RPC バインド
認証された SMB/CIFS クライアント139 および 445137 および 138SMB/CIFS を使用したストレージの共有SMB/CIFS プロトコル
認証された NFS クライアント20492049Gluster NFS または NFS-Ganesha を使用したストレージの共有NFS プロトコルを使用したエクスポート
Samba-CTDB クラスターのすべてのサーバー4379-SMB および Gluster NFS を使用したストレージの共有CTDB
認証されたネットワークエンティティー24007-すべての設定glusterd を使用した管理プロセス
認証されたネットワークエンティティー24009-すべての設定Gluster イベントデーモン
Nagios によって監視されるネットワークエンティティー5666-Red Hat Gluster Storage コンソールおよび Nagios を使用した監視NRPE サービス
NFSv3 クライアント662662NFS-Ganesha および Gluster NFS を使用したストレージの共有statd
NFSv3 クライアント3280332803NFS-Ganesha および Gluster NFS を使用したストレージの共有NLM プロトコル
マウント要求を送信する NFSv3 クライアント-32769Gluster NFS を使用したストレージの共有Gluster NFS MOUNT プロトコル
マウント要求を送信する NFSv3 クライアント2004820048NFS-Ganesha を使用したストレージの共有NFS-Ganesha MOUNT プロトコル
NFS クライアント875875NFS-Ganesha を使用したストレージの共有NFS-Ganesha RQUOTA プロトコル(クォータ情報の取得)
pacemaker/corosync クラスターのサーバー2224-NFS-Ganesha を使用したストレージの共有pcsd
pacemaker/corosync クラスターのサーバー3121-NFS-Ganesha を使用したストレージの共有pacemaker_remote
pacemaker/corosync クラスターのサーバー-5404 および 5405NFS-Ganesha を使用したストレージの共有corosync
pacemaker/corosync クラスターのサーバー21064-NFS-Ganesha を使用したストレージの共有dlm
SSL/TLS モードで gluster-swift プロキシーサーバーにアクセスするための承認されたネットワークエンティティー。SSL/TLS 証明書が必要です。443-オブジェクトストレージの設定HTTPS 要求
有効なオブジェクトサーバー gluster-swift 認証情報を使用した承認されたネットワークエンティティー6010-オブジェクトストレージの設定オブジェクトサーバー
有効なコンテナーサーバー gluster-swift 認証情報を使用した承認されたネットワークエンティティー6011-オブジェクトストレージの設定コンテナーサーバー
有効な gluster-swift アカウントクレデンシャルを使用した承認されたネットワークエンティティー6012-オブジェクトストレージの設定アカウントサーバー
有効な gluster-swift プロキシークレデンシャルを使用した承認されたネットワークエンティティー8080-オブジェクトストレージの設定プロキシーサーバー
認証されたネットワークエンティティー49152 - 49664-すべての設定ブリック通信ポート必要なポートの合計数は、ノード上のブリックの数によって異なります。マシンのブリックごとに 1 つのポートが必要です。

表1.2 NFS-Ganesha および Gluster NFS ストレージクライアントで以下のポートを開く

接続ソースTCP ポートUDP ポート推奨用途
NFSv3 サーバー662662NFS-Ganesha および Gluster NFS を使用したストレージの共有statd
NFSv3 サーバー3280332803NFS-Ganesha および Gluster NFS を使用したストレージの共有NLM プロトコル

表1.3 すべての Nagios サーバーで次のポートを開く

接続ソースTCP ポートUDP ポート推奨用途
コンソールクライアント80-Red Hat Gluster Storage コンソールおよび Nagios を使用した監視Nagios サーバーが Red Hat Gluster Storage サーバーで実行される場合の HTTP プロトコル
コンソールクライアント443-Red Hat Gluster Storage コンソールおよび Nagios を使用した監視Nagios サーバーが Red Hat Gluster Storage サーバーで実行される場合の HTTPS プロトコル
Nagios が監視するサーバー5667-Red Hat Gluster Storage コンソールおよび Nagios を使用した監視Nagios サーバーが Red Hat Gluster Storage サーバーで実行される場合の NSCA サービス

1.5. サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン

現在、Red Hat Gluster Storage(RHGS)のいくつかのバージョンがサポートされています。Red Hat Gluster Storage を他のソフトウェアと共にアップグレードまたは使用するには、各バージョンのサポートの詳細を把握しておく必要があります。以下の表は要約を示しています。

表1.4 バージョンの詳細

RHGS バージョンglusterfs および glusterfs-fuseRHGS op-versionSMBNFSgDeployAnsible
3.43.12.2-1831302SMB 1、2.0、2.1、3.0、3.1.1NFSv3, NFSv4gdeploy-2.0.2-27-
3.4 Batch 1 更新3.12.2-2531303SMB 1、2.0、2.1、3.0、3.1.1NFSv3, NFSv4gdeploy-2.0.2-30-
3.4 Batch 2 更新3.12.2-3231304SMB 1、2.0、2.1、3.0、3.1.1NFSv3, NFSv4gdeploy-2.0.2-31gluster-ansible-infra-1.0.2-2
3.4 Batch 3 更新3.12.2-4031305SMB 1、2.0、2.1、3.0、3.1.1NFSv3, NFSv4gdeploy-2.0.2-31gluster-ansible-infra-1.0.2-2
3.4 Batch 4 更新3.12.2-47 31305 SMB 1、2.0、2.1、3.0、3.1.1NFSv3, NFSv4gdeploy-2.0.2-32gluster-ansible-infra-1.0.3-3
3.4 非同期更新3.12.2-47.5 31306 SMB 1、2.0、2.1、3.0、3.1.1NFSv3, NFSv4gdeploy-2.0.2-32gluster-ansible-infra-1.0.3-3
注記
以前の Red Hat Gluster Storage リリースのバージョンについての詳細は、https://access.redhat.com/solutions/543123を参照してください。
パッケージをインストールするリポジトリーは、インストールされているパッケージバージョンに影響する可能性があり、その結果、システムの互換性に影響する可能性があります。Red Hat は、Red Hat Gluster Storage リポジトリーからクライアントをインストールすることを推奨します。
  • For Red Hat Enterprise Linux 7 clients: rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-client
  • For Red Hat Enterprise Linux 6 clients: rhel-x86_64-server-rhsclient-6

1.6. 機能互換性サポート

Red Hat Gluster Storage は多くの機能をサポートします。ほとんどの機能は他の機能でサポートされますが、一部の例外があります。本セクションでは、Red Hat Gluster Storage のデプロイメントの計画に役立つ、サポートされている機能、および他の機能と互換性のある機能について分かりやすく説明します。
重要
Red Hat Enterprise Linux 7.5 でサポートされる Virtual Data Optimizer (VDO) ボリュームは、現時点では Red Hat Gluster Storage でサポートされていません。VDO は、Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization 2.0 の一部として使用されている場合にのみサポートされます。詳細は、 VDO について参照してください。
以下の表の機能は、指定されたバージョン以降でサポートされています。

表1.5 Red Hat Gluster Storage バージョンでサポートされる機能

機能バージョン
Arbiter ブリック3.2
Bitrot 検出3.1
Erasure コーディング3.1
Google Compute Engine3.1.3
メタデータのキャッシュ3.2
Microsoft Azure3.1.3
NFS バージョン 43.1
SELinux3.1
シャード化3.2.0
スナップショット3.0
スナップショット、クローン作成3.1.3
スナップショット、ユーザーサービスが可能3.0.3
階層化3.1.2
Volume Shadow Copy (VSS)3.1.3

表1.6 ボリュームタイプ別にサポートされる機能

ボリュームタイプシャーディング階層化クォータスナップショットgeo-レプリケーションBitrot
Arbitrated-Replicatedはいいいえはいはいはいはい
Distributed (分散)いいえはいはいはいはいはい
Distributed-Dispersedいいえはいはいはいはいはい
Distributed-Replicatedはいはいはいはいはいはい
Replicated (レプリケート)はいはいはいはいはいはい
シャード化該当なしいいえいいえいいえはい
階層化該当なし限定的[a]制限[a]制限[a]制限[a]

表1.7 クライアントプロトコルでサポートされる機能

機能FUSEgluster-NFSNFS-GaneshaSMBSwift/S3
Arbiterはいはいはいはい
Bitrot 検出はいはいいいえはい
dm-cacheはいはいはいはいはい
暗号化 (TLS-SSL)はいはいはいはい
Erasure コーディングはいはいはいはい
Export サブディレクトリーはいはいはい該当なし該当なし
geo-レプリケーションはいはいはいはいはい
クォータはいはいはいはい
RDMAはいいいえいいえ該当なし
スナップショットはいはいはいはいはい
スナップショットのクローン作成はいはいはいはいはい
階層化はいはい該当なし該当なし該当なし

1.7. Red Hat Gluster Storage のサポートマトリックス

このセクションでは、特定の Red Hat Gluster Storage リリースについてサポートされているすべての Red Hat Enterprise Linux バージョンの一覧を示します。

表1.8 Red Hat Gluster Storage のサポートマトリックス

Red Hat Enterprise Linux のバージョン Red Hat Gluster Storage のバージョン
6.5 3.0
6.6 3.0.2、3.0.3、3.0.4
6.73.1、3.1.1、3.1.2
6.83.1.3
6.93.2
6.93.3
6.93.3.1
6.103.4
7.13.1、3.1.1
7.23.1.2
7.23.1.3
7.33.2
7.43.2
7.43.3
7.43.3.1
7.53.3.1、3.4
7.63.3.1、3.4

第2章 Red Hat Gluster Storage のインストール

Red Hat Gluster Storage は、Red Hat Gluster Storage Server On-Premise を使用してデータセンターにインストールできます。
本章では、Red Hat Gluster Storage Server のインストールの 3 つの方法 (ISO イメージの使用、PXE サーバーの使用、または Red Hat Satellite Server の使用) を説明します。
パブリッククラウド用に Red Hat Gluster Storage Server を起動することに関する情報は、『Red Hat Gluster Storage Administration Guide』を参照してください。
重要
  • テクノロジープレビューパッケージは、Red Hat Gluster Storage Server のこのインストールでもインストールされます。テクノロジープレビュー機能の一覧についての詳細は、『 『Red Hat Gluster Storage 3.4 リリースノート』』 の「 『テクノロジー』 プレビュー機能」の章を参照してください。
  • Red Hat Gluster Storage Server がインストールされている仮想マシンのクローンを作成する場合には、クローンを作成する前に /var/lib/glusterd/glusterd.info ファイル (ある場合) を削除する必要があります。このファイルを削除しないと、クローン作成されるマシンの UUID が同一になります。このファイルは、クローン作成された仮想マシン上の glusterd デーモンの初回起動時に UUID を使用して自動的に再作成されます。

2.1. Red Hat Gluster Storage の取得

本章では、Red Hat Gluster Storage ソフトウェアを取得する手順を説明します。

2.1.1. Red Hat Gluster Storage Server for On-Premise の取得

Red Hat カスタマーポータル の Software & Download Center (https://access.redhat.com/downloads) に移動し、Red Hat Gluster Storage Server for On-Premise インストールの ISO イメージファイルを取得します。有効な Red Hat サブスクリプションを使用して、完全なインストールファイルのダウンロードや、評価用の無料インストールの取得を行うか、またはこのページのリンクにアクセスして新規の Red Hat サブスクリプションを購入します。
Red Hat サブスクリプションまたは Red Hat Evaluation サブスクリプションを使用して Red Hat Gluster Storage Server のインストールファイルをダウンロードするには、以下を実行します。
  1. Red Hat カスタマーポータル (https://access.redhat.com/login) にアクセスし、ユーザー名およびパスワードを入力してログインします。
  2. Downloads をクリックし、 Software & Download Center に移動します。
  3. Red Hat Gluster Storage Server 領域で Download Software をクリックし、最新バージョンのソフトウェアをダウンロードします。

2.1.2. Red Hat Gluster Storage Server for Public Cloud の取得

Red Hat Gluster Storage for Public Cloud は事前に統合および検証されており、Amazon Machine Image (AMI) を実行できる状態です。この AMI は、Amazon Web Services (AWS) パブリッククラウドインフラストラクチャー向けの、完全に POSIX と互換性があり、可用性の高いスケールアウト NAS およびオブジェクトストレージソリューションを提供します。
AMI へのアクセスの取得に関する詳細は、 https://access.redhat.com/knowledge/articles/145693を参照してください。

2.2. ISO イメージからのインストール

2.2.1. Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降への Red Hat Gluster Storage 3.4 のインストール

ISO イメージから Red Hat Gluster Storage Server をインストールするには、以下を実行します。
  1. の説明に従って、Red Hat Gluster Storage Server の ISO イメージファイルをダウンロードします。 「Red Hat Gluster Storage の取得」
    ISO イメージファイルを使用してシステムを起動すると、インストールプロセスが自動的に起動します。
    Enter を押してインストールプロセスを開始します。
    注記
    ハイパーバイザーによっては、仮想マシンに Red Hat Gluster Storage をインストールする際に、基本的なビデオドライバーで Install System を選択する必要があります。
  2. Configure TCP/IP 画面が表示されます。
    コンピューターが TCP/IP をサポートするように設定するには、Internet Protocol Version 4(IPv4)および Internet Protocol Version 6(IPv6)のデフォルト値を受け入れ、OK をクリックします。または、Internet Protocol Version 4(IPv4)とインターネットプロトコルバージョン 6(IPv6)の両方のネットワーク設定を手動で設定できます。
    重要
    Red Hat Gluster Storage の NLM ロッキングプロトコル実装は、IPv6 上のクライアントをサポートしません。

    図2.1 TCP/IP の設定

    TCP/IP の設定
  3. Welcome 画面が表示されます。
    Next をクリックします。
  4. 言語の選択画面が 表示されます。インストールの優先言語とシステムのデフォルトを選択し、Next をクリックします。
  5. Keyboard Configuration 画面が表示されます。インストールのキーボードレイアウトとシステムのデフォルトを選択し、Next をクリックします。
  6. ストレージデバイス 画面が 表示されます。Basic Storage Devices を選択します。
    Next をクリックします。
  7. ホスト名 設定画面が表示されます。
    コンピューターのホスト名を入力します。必要に応じて、ネットワークインターフェースを設定することもできます。Next をクリックします。
  8. Time Zone Configuration 画面が表示されます。お使いのコンピューターの物理的な場所に最も近い都市を選択して、タイムゾーンを設定します。
  9. Set Root Password 画面が表示されます。
    root アカウントの認証情報は、パッケージのインストール、RPM のアップグレード、およびほとんどのシステムメンテナンスの実行に使用されます。そのため、root アカウントおよびパスワードの設定は、インストールプロセスで最も重要な手順の 1 つです。
    注記
    root ユーザー(スーパーユーザーとしても知られる)には、システム全体への完全なアクセスがあります。このため、システムのメンテナンスや管理を行うのは、root ユーザーとしてログインする だけ で済みます。
    Set Root Password 」画面では、システムの root パスワードを設定するように求められます。root パスワードを入力せずにインストールプロセスの次のステージに進むことはできません。
    root パスワード フィールドに root パスワードを 入力し ます。入力した文字はセキュリティー上の理由からマスクされます。次に、確認 フィールドに同じパスワードを入力して、パスワードが 正しく設定されていることを確認します。root パスワードを設定したら、Next をクリックします。
  10. パーティションタイプ 画面が 表示されます。
    パーティション設定により、ハードドライブを、それぞれが独自のハードドライブとして動作する分離セクションに分割できます。パーティション設定は、複数のオペレーティングシステムを実行する場合に特に便利です。システムのパーティション設定方法が分からない場合は、『 『Red Hat Enterprise Linux 6 インストールガイド』』 の「 『ディスクパーティションの概要』 」を参照してください。
    重要
    Red Hat Enterprise Linux 7.5 でサポートされる Virtual Data Optimizer (VDO) ボリュームは、現時点では Red Hat Gluster Storage でサポートされていません。VDO は、Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization 2.0 の一部として使用されている場合にのみサポートされます。詳細は、 VDO について参照してください。
    この画面では、デフォルトのパーティションレイアウトを 4 種類の方法で作成することも、カスタムレイアウトを作成するために手動でストレージデバイスを選択したりすることもできます。
    システムのパーティション設定に慣れていない場合は、最初の 4 つのオプションから 1 つ選択します。このオプションを使用すると、ストレージデバイスをパーティション設定しなくても自動インストールを実行できます。選択したオプションに応じて、どのデータがシステムから削除されるかを制御できます。オプションは以下のとおりです。
    • すべてのスペースを使用する
    • 既存の Linux システムの置き換え
    • 現在のシステムの縮小
    • 空き領域の使用
    • カスタムレイアウトの作成
    ダイアログボックスで説明の左側にあるラジオボタンをクリックして、希望のパーティション方法を選択します。
    選択した後に Next をクリックします。ディスクパーティション 『設定』 の詳細は、『 『Red Hat Enterprise Linux 6 インストールガイド』』 の「ディスクパーティションの設定」を参照してください。
    重要
    • ログファイルには十分な大きさ (50GB - 100GB) の別個の /var パーティション、geo-レプリケーション関連の各種ファイルおよびその他のファイルを作成することが推奨されます。
    • ユーザーが カスタムレイアウトの作成 を選択しない場合は、接続済み/検出されたすべてのディスクが / および / home ファイルシステムのボリュームグループで使用されます。
  11. Boot Loader 画面にデフォルト設定が表示されます。
    Next をクリックします。
  12. 最小選択画面が 表示されます。
    Next をクリックしてデフォルトの選択を維持し、インストールを続行します。
    • パッケージセットをさらにカスタマイズするには、Customize now オプションを選択して Next をクリックします。これにより、ソフトウェアの選択 画面のカスタマイズ が表示されます。
      Next をクリックしてデフォルトの選択を維持し、インストールを続行します。
    • Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba パッケージが必要な場合は、「 ソフトウェアの選択のカスタマイズ」画面で RH-Gluster-Samba-Server コンポーネントを選択するようにして ください。gluster との samba アクティブディレクトリー統合が必要な場合は、RH-Gluster-AD-Integration コンポーネントを選択してください。NFS-Ganesha の場合は RH-Gluster-NFS-Ganesha を選択します。

      図2.2 パッケージのカスタマイズ

      パッケージのカスタマイズ
  13. Package Installation 画面が表示されます。
    Red Hat Gluster Storage Server は、システムに選択したパッケージをインストールすると、画面に進捗を報告します。
  14. 正常に完了すると、Installation Complete の画面が表示されます。
  15. Reboot をクリックしてシステムを再起動し、Red Hat Gluster Storage Server のインストールを完了します。
    インストールメディアが再起動時に自動的に検出されない場合は、必ず削除してください。
    お疲れさまでした。これで、Red Hat Gluster Storage Server のインストールが完了しました。
Samba のインストールに関する詳細は、3章Samba の Red Hat Gluster Storage へのデプロイを参照してください。
NFS-Ganesha のインストールについての詳細は、4章NFS-Ganesha の Red Hat Gluster Storage への NFS-Ganesha へのデプロイを参照してください。

2.2.2. Red Hat Enterprise Linux 7.5 以降への Red Hat Gluster Storage 3.4 のインストール

重要
Red Hat Enterprise Linux 7.5 でサポートされる Virtual Data Optimizer (VDO) ボリュームは、現時点では Red Hat Gluster Storage でサポートされていません。VDO は、Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization 2.0 の一部として使用されている場合にのみサポートされます。詳細は、 VDO について参照してください。
Red Hat Gluster Storage 3.4 を Red Hat Enterprise Linux 7.5 以降にインストールするには、以下を実行します。
  1. 「Red Hat Gluster Storage の取得」に説明されているように Red Hat Gluster Storage Server の ISO イメージファイルをダウンロードします。
  2. Welcome to Red Hat Gluster Storage 3.4 画面で、残りのインストールに使用する言語を選択し、Continue をクリックします。この選択内容が、後に変更しない限り、インストール済みシステムのデフォルトになります。
    注記
    1 つの言語が一覧の上部に事前に設定されます。この時点でネットワークアクセスが設定されている場合 (たとえば、ローカルメディアではなくネットワークサーバーから起動した場合など)、事前に選択した言語は、GeoIP モジュールの使用による場所の自動検出に基づいて決定されます。
  3. Installation Summary 画面で、主なインストール設定を行います。

    図2.3 インストールの概要

    インストールの概要
    連続して画面を指定する代わりに、Red Hat Enterprise Linux 7.5 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 インストールプログラムでは、選択した順序でインストールを設定できます。
    インストールのセクションを設定するためにメニュー項目を選択します。セクションの設定が完了した後にそのセクションを後で完了することを希望する場合は、画面左上にある Done ボタンをクリックします。
    警告シンボルのマークが付いたセクションのみが必須です。画面の下部の注で警告されているように、これらをインストールを開始する前に選択する必要があります。残りのセクションはオプションです。各セクションのタイトルの下には、現在の設定の概要が示されます。これを使用して、追加で設定するセクションに移動する必要があるかどうかを判断できます。
    以下の一覧は、Installation Summary 画面の各メニュー項目の簡単な要約を示します。
    • 日付と時間

      重要
      Gluster インストールには、NTP の設定が必須です。
      NTP を設定するには、以下の手順を実行します。
      1. Date & Time をクリックし、システムクロックの精度を維持するためにタイムゾーンを指定します。
      2. Network Time スイッチを ON に切り替えます。
        注記
        デフォルトで、ネットワークに接続している場合は Network Time スイッチが有効になります。
      3. 設定アイコンをクリックして新しい NTP サーバーを追加するか、または既存のサーバーを選択します。
      4. 追加または選択が完了したら、Done をクリックして Installation Summary 画面に戻ります。
      注記
      NTP サーバーはインストール時に利用できない場合があります。この場合、これらを有効にしても時間は自動的に設定されません。サーバーが利用可能になると、日付と時刻が更新されます。

    • 言語サポート

      追加のロケールおよび言語のサポートをインストールするには、Language Support を選択します。

    • キーボード設定

      複数のキーボードレイアウトをシステムに追加するには、Keyboard を選択します。

    • インストールソース

      Red Hat Enterprise Linux のインストール元となるファイルまたは場所を指定するには、Installation Source を選択します。この画面では、DVD や ISO ファイル、またはネットワークの場所など、ローカルで利用可能なインストールメディアを選択できます。

    • ネットワークおよびホスト名

      システムに必要なネットワーク機能を設定するには、Network & Hostname を選択します。

      重要
      Red Hat Enterprise Linux 7.5 のインストールで Red Hat Gluster Storage 3.4 が終了し、システムを初めて起動すると、インストール中に設定したネットワークインターフェースがすべてアクティベートされます。ただし、インストールは、一般的なインストールパス上でネットワークインターフェースを設定するように要求しません。たとえば、Red Hat Gluster Storage 3.4 を DVD からローカルのハードドライブにインストールする場合などです。
      ローカルのインストールソースからローカルストレージデバイスに Red Hat Gluster Storage 3.4 を Red Hat Enterprise Linux 7.5 にインストールする場合は、システムの初回起動時にネットワークアクセスが必要な場合には、ネットワークインターフェースを手動で設定する必要があります。また、設定を編集した場合は、起動後に自動で接続が行われるよう接続の設定もしておく必要があります。
    • ソフトウェアの選択

      インストールするパッケージを指定するには、Software Selection を選択します。以下のオプションのアドオンが必要な場合は、必要なアドオンを選択して Done をクリックします。

      • RH-Gluster-AD-Integration
      • RH-Gluster-NFS-Ganesha
      • RH-Gluster-Samba-Server
    • インストール先

      ディスクを選択し、Red Hat Gluster Storage をインストールするストレージ領域のパーティションを設定するには、Installation Destination を選択します。詳細は、Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイドの『Installation Destination』を参照してください。

    • Kdump

      kdump は、カーネルクラッシュをダンプするメカニズムであり、システムクラッシュが発生時にクラッシュの原因を判別するのに極めて重要となる情報をキャプチャーします。このオプションは、システムで Kdump を使用するかどうかを選択する場合に使用します。

  4. 必要な設定を行ったら、インストール Installation Summary 画面で Begin Installation をクリックします。
    警告
    インストールプロセスのこの時点では、永続的な変更はコンピューターに加えられていません。Begin Installation をクリックすると、インストールプログラムはハードドライブの領域を割り当て、Red Hat Gluster Storage をこの領域に移動します。選択するパーティショニングオプションによっては、このプロセスにコンピューター上にすでに存在するデータの消去が含まれる場合があります。
    この時点までに行った選択のいずれかを変更するには、Installation Summary 画面の該当セクションに戻ります。インストールを完全に中止するには、Quit をクリックするか、コンピューターの電源を切ります。
    インストールのカスタマイズを終了し、インストールを続行する場合は、Begin Installation をクリックします。
    Begin Installation をクリックした後に、インストールプロセスを完了させます。たとえば、コンピューターの電源をオフにしたり、コンピューターをリセットしたり、電源異常が発生するなどでプロセスが中断された場合、Red Hat Gluster Storage のインストールプロセスを再開し、これを完了するまで、てコンピューターを使用できない可能性があります。
  5. Begin Installation をクリックすると、進捗画面が表示されます。Red Hat Gluster Storage では、選択したパッケージをシステムに書き込む際に画面にインストールの進捗が報告されます。以下は、この画面上のオプションの簡単な説明です。
    • root パスワード

      Root Password メニュー項目は、root アカウントのパスワードを設定するために使用されます。root アカウントは、重要なシステム管理および管理タスクを実行するために使用されます。パスワードは、パッケージのインストール中またはその後に設定可能ですが、これが設定されるまでインストールプロセスを完了できません。

    • ユーザーの作成

      ユーザーアカウントの作成はオプションであり、インストール後に実行できますが、この画面上で行うことが推奨されます。ユーザーアカウントは、通常の作業やシステムへのアクセスに使用されます。ベストプラクティスとして、root アカウントではなく、ユーザーアカウントを使用して常にシステムにアクセスすることが推奨されます。

  6. インストールが完了したら、Reboot をクリックしてシステムを再起動し、Red Hat Gluster Storage の使用を開始します。

2.3. Red Hat Gluster Storage Server の Red Hat Enterprise Linux へのインストール (階層化インストール)

階層型インストールでは、Red Hat Enterprise Linux に Red Hat Gluster Storage がインストールされます。特定の Red Hat Gluster Storage リリースについてサポートされる Red Hat Enterprise Linux バージョンについての詳細は、「Red Hat Gluster Storage のサポートマトリックス」を参照してください。
重要
Red Hat Enterprise Linux 7.5 でサポートされる Virtual Data Optimizer (VDO) ボリュームは、現時点では Red Hat Gluster Storage でサポートされていません。VDO は、Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization 2.0 の一部として使用されている場合にのみサポートされます。詳細は、 VDO について参照してください。
重要
ログファイルには十分な大きさ (50GB - 100GB) の別個の /var パーティション、geo-レプリケーション関連の各種ファイルおよびその他のファイルを作成することが推奨されます。
  1. Red Hat Enterprise Linux Server のベースインストールの実行

    Red Hat Gluster Storage には、カーネルバージョン 2.6.32-431.17.1 以降が必要です。これは、Red Hat Enterprise Linux 6.5 以降、および Red Hat Enterprise Linux 7 で利用できます。
  2. システムの Subscription Manager への登録

    以下のコマンドを実行して、システムを Red Hat Network に登録するために必要な Red Hat Network のユーザー名およびパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  3. 利用可能なエンタイトルメントプールの特定

    以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーが含まれるエンタイトルメントプールを見つけます。
    # subscription-manager list --available
  4. システムへのエンタイトルメントプールのアタッチ

    先の手順で特定したプール ID を使用して、Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Gluster Storage のエンタイトルメントをシステムにアタッチします。以下のコマンドを実行してエンタイトルメントをアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=[POOLID]
    以下に例を示します。
    # subscription-manager attach --pool=8a85f9814999f69101499c05aa706e47
  5. 必要なチャンネルの有効化

    Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降における Red Hat Gluster Storage 3.4 向け

    1. 以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rhel-scalefs-for-rhel-6-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rhs-3-for-rhel-6-server-rpms
      
    2. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-6-server-rpms
      Samba のインストールに関する詳細は、3章Samba の Red Hat Gluster Storage へのデプロイを参照してください。
    3. NFS-Ganesha は、Red Hat Enterprise Linux 6 ベースのインストールではサポートされません。

    Red Hat Enterprise Linux 7.x 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 の場合

    1. 以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-for-rhel-7-server-rpms
    2. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
      Samba のインストールに関する詳細は、3章Samba の Red Hat Gluster Storage へのデプロイを参照してください。
    3. NFS-Ganesha が必要な場合には、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-nfs-for-rhel-7-server-rpms --enable=rhel-ha-for-rhel-7-server-rpms
      NFS-Ganesha のインストールについての詳細は、4章NFS-Ganesha の Red Hat Gluster Storage への NFS-Ganesha へのデプロイを参照してください。
  6. チャンネルが有効であるかどうかの確認

    以下のコマンドを実行して、チャンネルが有効であるかどうかを確認します。
    # yum repolist
  7. カーネルバージョンの要件

    Red Hat Gluster Storage では、kernel-2.6.32-431.17.1.el6 バージョン以降をシステムで使用する必要があります。以下のコマンドを実行して、インストール済みの実行中のカーネルのバージョンを確認します。
    # rpm -q kernel
    kernel-2.6.32-431.el6.x86_64
    kernel-2.6.32-431.17.1.el6.x86_64
    # uname -r
    2.6.32-431.17.1.el6.x86_64
  8. すべてのパッケージの更新

    以下のコマンドを実行して、すべてのパッケージが最新の状態であることを確認します。
    # yum update
    重要
    いずれかのカーネルパッケージを更新した場合は、以下のコマンドを実行してシステムを再起動します。
    # shutdown -r now
  9. Red Hat Gluster Storage のインストール

    以下のコマンドを実行して Red Hat Gluster Storage をインストールします。
    # yum install redhat-storage-server
    1. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のコマンドを実行して Samba をインストールします。
      # yum groupinstall RH-Gluster-Samba-Server
    2. Samba Active Directory の gluster との統合が必要な場合は、以下のコマンドを実行します。
      # yum groupinstall RH-Gluster-AD-Integration
    3. NFS-Ganesha をインストールするには、4章NFS-Ganesha の Red Hat Gluster Storage への NFS-Ganesha へのデプロイを参照してください。
  10. 再起動

    システムを再起動します。

2.4. PXE サーバーからのインストール

PXE サーバーを使用してコンピューターを起動するには、適切に設定されたサーバーと、PXE に対応するコンピューターのネットワークインターフェースが必要になります。
ネットワークインターフェースから起動するようコンピューターを設定します。このオプションは BIOS にあり、Network Boot または Boot Services のラベルを付けられる場合があります。PXE ブートを適切に設定すると、コンピューターは他のメディアなしで Red Hat Gluster Storage Server インストールシステムを起動できます。
PXE サーバーからコンピューターを起動するには、以下を実行します。
  1. ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。コンピューターの電源がオンになっていない場合でも、ネットワークソケットのリンクインジケーターのライトがオンになっているはずです。
  2. コンピューターの電源を入れます。
  3. メニュー画面が表示されます。優先オプションに対応する数字キーを押します。
コンピューターが netboot サーバーから起動しない場合は、コンピューターが正しいネットワークインターフェースから最初に起動するように BIOS が設定されていることを確認してください。BIOS システムによっては、ブートデバイスとしてネットワークインターフェースを指定していても、PXE 標準に対応していない場合があります。詳細は、お使いのハードウェアのドキュメントを参照してください。

2.5. Red Hat Satellite Server からのインストール

必要なポートがオープンしているようにファイアウォール設定が設定されていることを確認します。ポート番号の一覧については、「ポート情報」を参照してください。

2.5.1. Red Hat Satellite Server 6.x の使用

注記
Satellite の詳細な手順については、Red Hat Satellite のドキュメントを参照してください。
  1. 新規マニフェストファイルを作成し、Satellite 6 サーバーにマニフェストをアップロードします。
  2. 必要な Red Hat Gluster Storage リポジトリーを検索し、それらを有効にします。
  3. Red Hat Gluster Storage について有効にされているすべてのリポジトリーを同期します。
  4. 新規のコンテンツビューを作成し、必要なすべての製品を追加します。
  5. コンテンツビューを公開し、アクティベーションキーを作成します。
  6. 必要なクライアントの登録
    # rpm -Uvh satellite-server-host-address/pub/katello-ca-consumer-latest.noarch.rpm
    # subscription-manager register --org=”Organization_Name” --activationkey=”Activation_Key
  7. 利用可能なエンタイトルメントプールの特定
    # subscription-manager list --available
  8. システムへのエンタイトルメントプールのアタッチ
    # subscription-manager attach --pool=Pool_ID
  9. 必要なチャンネルのサブスクライブ
    1. RHEL および Gluster チャンネルの有効化
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms --enable=rh-gluster-3-for-rhel-7-server-rpms
    2. Samba が必要な場合は、そのリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
    3. NFS-Ganesha が必要な場合は、そのリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-nfs-for-rhel-7-server-rpms
    4. HA が必要な場合は、そのリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-ha-for-rhel-7-server-rpms
    5. gdeploy が必要な場合は、Ansible リポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-ansible-2-rpms
    6. Web 管理が必要な場合は、「Web 管理 のインストール」を参照してください。
  10. Red Hat Gluster Storage のインストール
    # yum install redhat-storage-server

2.5.2. Red Hat Satellite Server 5.x の使用

アクティベーションキーの作成

アクティベーションキーの作成方法について詳しくは、『 『Red Hat Network Satellite リファレンスガイド』』 の「 『アクティベーションキー』 」を参照してください。

  • Activation Keys 画面の Details タブで、Base Channels ドロップダウンリストから Red Hat Enterprise Linux Server (v.6 for 64-bit x86_64) を選択します。

    図2.4 ベースチャンネル

    ベースチャンネル
  • Activation Keys 画面の Child Channels タブで、以下の子チャンネルを選択します。
    RHEL Server Scalable File System (v. 6 for x86_64)
    Red Hat Gluster Storage Server 3 (RHEL 6 for x86_64)
    
    Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba パッケージが必要な場合は、以下の子チャンネルを選択します。
    Red Hat Gluster 3 Samba (RHEL 6 for x86_64)

    図2.5 子チャンネル

    子チャンネル
  • Activation Keys 画面の Packages タブで、以下のパッケージ名を入力します。
    redhat-storage-server

    図2.6 Package

    Package
    • Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降の場合は、Samba パッケージが必要な場合は、以下のパッケージ名を入力します。
      samba

キックスタートプロファイルの作成

キックスタートプロファイルの作成方法は、『 『Red Hat Network Satellite リファレンスガイド』』 の「 『キック』 スタート」を参照してください。

  • キックスタートプロファイルを作成する場合は、以下の Base Channel および Tree を選択する必要があります。
    Base Channel: Red Hat Enterprise Linux Server(64 ビット x86_64 の場合は v.6)
    Tree: ks-rhel-x86_64-server-6-6.5
  • 子チャンネルはキックスタートプロファイルに関連付けないでください。
  • 以前に作成したアクティベーションキーをキックスタートプロファイルに関連付けます。
重要
  • デフォルトで、キックスタートプロファイルは、ユーザーパスワードのハッシュアルゴリズムとして md5 を選択します。
    キックスタートプロファイルの Kickstart DetailsAdvanced Options ページの auth フィールドに以下の設定を指定し、このアルゴリズムを sha512 に変更する必要があります。
    --enableshadow --passalgo=sha512
  • キックスタートプロファイルを作成したら、キックスタートプロファイルの Kickstart DetailsAdvanced Options ページで root パスワードを変更し、準備済みの sha512 ハッシュアルゴリズムに基づいて root パスワードを追加する必要があります。

キックスタートプロファイルを使用した Red Hat Gluster Storage Server のインストール

キックスタートプロファイルを使用して Red Hat Gluster Storage Server をインストールする方法は、『 『Red Hat Network Satellite リファレンスガイド』』 の「キックスタート」を参照してください。『

2.6. Red Hat Gluster Storage Server チャンネルのサブスクライブ

Red Hat Gluster Storage を正常にインストールしたら、必要なチャンネルにサブスクライブする必要があります。
注記
Red Hat Satellite またはレイヤー化されたインストール方法を使用して Red Hat Gluster Storage 3.0 をインストールした場合は、本章の手順を省略できます。階層型インストールについての詳細は、「Red Hat Gluster Storage Server の Red Hat Enterprise Linux へのインストール (階層化インストール)」を参照してください。

Subscription Manager の使用

  1. システムの Subscription Manager への登録

    以下のコマンドを実行して、Red Hat Network のユーザー名およびパスワードを入力して、システムを Subscription Manager に登録します。
    # subscription-manager register
  2. 利用可能なエンタイトルメントプールの特定

    以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーが含まれるエンタイトルメントプールを見つけます。
    # subscription-manager list --available | grep -A8 "Red Hat Enterprise Linux Server"
    # subscription-manager list --available | grep -A8 "Red Hat Storage"
  3. システムへのエンタイトルメントプールのアタッチ

    先の手順で特定したプール ID を使用して、Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Gluster Storage のエンタイトルメントをシステムにアタッチします。以下のコマンドを実行してエンタイトルメントをアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=[POOLID]
    以下に例を示します。
    # subscription-manager attach --pool=8a85f9814999f69101499c05aa706e47
  4. Red Hat Enterprise Linux で Red Hat Gluster Storage に必要なチャンネルの有効化

    Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降における Red Hat Gluster Storage 3.4 向け

    1. 以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rhel-scalefs-for-rhel-6-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rhs-3-for-rhel-6-server-rpms
      
    2. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-6-server-rpms
    3. NFS-Ganesha は、Red Hat Enterprise Linux 6 ベースのインストールではサポートされません。

    Red Hat Enterprise Linux 7.5 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 の場合

    1. 以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-for-rhel-7-server-rpms
    2. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
    3. Red Hat Gluster Storage 3.4 では、NFS-Ganesha が必要な場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-nfs-for-rhel-7-server-rpms --enable=rhel-ha-for-rhel-7-server-rpms
    4. Red Hat Gluster Storage 3.4 では、CtrlC が必要な場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
  5. チャンネルが有効であるかどうかの確認

    以下のコマンドを実行して、チャンネルが有効であるかどうかを確認します。
    # yum repolist
    

Red Hat Satellite Server の使用

  1. Red Hat Satellite にアクセスするためのクライアントシステムの設定

    Red Hat Satellite にアクセスできるようにクライアントシステムを設定します。『『Red Hat Satellite 5.6 Client Configuration Guide』』の「『Registering Clients with Red Hat Satellite Server』」のセクションを参照してください。
  2. Red Hat Satellite Server への登録

    以下のコマンドを実行して、システムを Red Hat Satellite Server に登録します。
    # rhn_register
    
  3. 標準ベースチャンネルへの登録

    利用可能なオペレーティングシステムのリリースページで、すべての 利用可能な更新 を選択し、プロンプトに従ってシステムを RHEL 6 - rhel-x86_64-server-6 の標準のベースチャンネルに登録します。RHEL 7 の標準ベースチャンネルは RHEL7-rhel-x86_64-server-7 です。
  4. 必要な Red Hat Gluster Storage Server チャンネルのサブスクライブ

    Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降における Red Hat Gluster Storage 3.4 向け

    1. 以下のコマンドを実行して、必要な Red Hat Gluster Storage サーバーチャンネルにシステムをサブスクライブします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-6-rhs-3 --channel rhel-x86_64-server-sfs-6
    2. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のコマンドを実行して必要なチャネルを有効にします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-6-rh-gluster-3-samba
    3. NFS-Ganesha は、Red Hat Enterprise Linux 6 ベースのインストールではサポートされません。

    Red Hat Enterprise Linux 7.5 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 の場合

    1. 以下のコマンドを実行して、RHEL 7 に必要な Red Hat Gluster Storage サーバーチャネルにシステムをサブスクライブします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3
    2. Red Hat Gluster Storage 3.0.4 以降では、Samba が必要な場合は、以下のコマンドを実行して必要なチャネルを有効にします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-samba
    3. Red Hat Gluster Storage 3.4 では、NFS-Ganesha の場合は以下のチャネルを有効にします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-nfs --channel rhel-x86_64-server-ha-7
    4. Red Hat Gluster Storage 3.4 では、IaaS が必要な場合は、以下のチャンネルを有効にします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-samba
  5. システムが正常に登録されたかどうかを確認します。

    以下のコマンドを実行して、システムが正常に登録されていることを確認します。
    # rhn-channel --list
    rhel-x86_64-server-7
    rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3

2.7. glusterd サービスの管理

Red Hat Gluster Storage のインストール後に、glusterd サービスは、信頼できるストレージプールのすべてのサーバーで自動的に起動します。このサービスは、glusterd サービスのコマンドを使用して手動で起動および停止できます。信頼されたストレージプールの作成に関する情報は、『 『Red Hat Gluster Storage 3.4 Administration Guide :https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_gluster_storage/3.4/html-single/administration_guide/#idm140612789187008』 を参照してください。
Red Hat Gluster Storage を使用して、サーバーを再起動したり、クライアントにボリュームを再マウントせずに glusterFS ボリュームの設定を動的に変更します。glusterFS デーモンglusterd は柔軟性のあるボリューム管理を行います。
gluster CLI コマンドを使用して、物理ハードウェアから論理ボリュームを切り離します。これにより、ユーザーはアプリケーションのダウンタイムなしに、ストレージボリュームを拡張し、縮小し、移行することができます。ストレージがクラスターに追加されると、ボリュームはクラスター全体に分散されます。このディストリビューションでは、クラスターは基礎となるハードウェアに変更を加えても常に利用可能になります。

2.7.1. glusterd の手動による起動および停止

以下の手順に従って、glusterd サービスを手動で起動し、停止します。
  • 以下のように glusterd を手動で起動します。
    # /etc/init.d/glusterd start
    または
    # service glusterd start
  • 以下のように glusterd を手動で停止します。
    # /etc/init.d/glusterd stop
    または
    # service glusterd stop

2.8. Gdeploy をサポートする Ansible のインストール

注記
IT 部門に問い合わせ、組織でサポートされる Ansible のダウンロード手順を確認してください。
gDeploy は、Ansible を使用して Playbook およびモジュールを実行します。gDeploy を使用するには、Ansible 2.5 以降をインストールする必要があります。
  1. 以下のコマンドを実行して、Ansible のインストールに必要なリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-ansible-2-rpms
  2. 以下のコマンドを実行して、ansible をインストールします。
    # yum install ansible

2.9. ネイティブクライアントのインストール

ネイティブクライアントは、ユーザースペースの FUSE ベースのクライアントです。高いレベルの同時実行性と書き込みパフォーマンスが必要な場合に、ネイティブクライアントを使用して Red Hat Gluster Storage ボリュームにアクセスすることが推奨されます。ネイティブクライアントのインストールに関する詳細は、『 『Red Hat Gluster Storage Administration Guide』 』の「 Installing Native Client 」を参照してください。

第3章 Samba の Red Hat Gluster Storage へのデプロイ

Red Hat Gluster Storage は、Red Hat Enterprise Linux 6.6 に同梱されるものよりも新しいバージョンの Samba を提供します。これにより、Red Hat Gluster Storage は最新の機能および拡張機能を活用できます。これには、Red Hat Gluster Storage サーバーに直接アクセスするためのプラグインが含まれます。

3.1. 前提条件

Samba をRed Hat Gluster Storage にインストールするには、ISO または適切に設定されたソフトウェアリポジトリーを使用したインストールメディアへのアクセスが必要です。Red Hat Gluster Storage サーバーの要件は以下のとおりです。
  1. Red Hat Gluster Storage Server 3.0.4 をターゲットサーバーにインストールする必要があります。
    警告
    • Red Hat Gluster Storage の階層化インストールの場合、Red Hat Enterprise Linux から Samba または CTDB パッケージがインストールされていない状態で、デフォルトの Red Hat Enterprise Linux サーバーインストールのみがあることを確認します。
    • Samba バージョン 3 は、Red Hat Gluster Storage 3.0 Update 4 で非推奨にされていいます。samba-3.x では、それ以降の更新は提供されません。セキュリティー更新を含むすべての更新について、別のチャンネルまたはリポジトリーで提供される Samba-4.x にアップグレードすることが推奨されます。
    • CTDB バージョン 2.5 は、Red Hat Gluster Storage 3.1 Update 2 ではサポートされていません。Red Hat Gluster Storage 3.1.2 以降で CTDB を使用するには、システムを Red Hat Gluster Storage の Samba チャンネルで提供される CTDB 4.x にアップグレードする必要があります。
    • Samba 4.x から Samba 3.x への Samba のダウングレードはサポートされていません。
    • 同じクラスターで異なるバージョンの Samba を実行するとデータが破損するため、Samba がすべてのノードで同時にアップグレードされることを確認します。
  2. Samba パッケージが利用可能なチャンネルを有効にします。

    Red Hat Enterprise Linux 6.x 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 の場合

    1. Red Hat Subscription Manager を使用してマシンを登録した場合は、以下のコマンドを実行してリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-6-server-rpms
    2. Satellite サーバーを使用してマシンを登録している場合は、以下のコマンドを実行してチャンネルを有効にします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-6-rh-gluster-3-samba

    Red Hat Enterprise Linux 7.x 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 の場合

    1. Red Hat Subscription Manager を使用してマシンを登録した場合は、以下のコマンドを実行してリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
    2. Satellite サーバーを使用してマシンを登録している場合は、以下のコマンドを実行してチャンネルを有効にします。
      # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-samba

3.2. ISO を使用した Samba のインストール

Red Hat Gluster Storage のインストール時に、Customizing the Software Selection 画面で RH-Gluster-Samba-Server コンポーネントを選択してください。

図3.1 パッケージのカスタマイズ

詳細
ISO を使用した Red Hat Gluster Storage のインストールに関する詳細は、「ISO イメージからのインストール」を参照してください。

3.3. yum を使用した Samba のインストール

yum を使用して Samba をインストールするには、以下のコマンドを使用して Samba グループをインストールします。
# yum groupinstall RH-Gluster-Samba-Server
Samba Active Directory の gluster との統合が必要な場合は、以下のコマンドを実行します。
# yum groupinstall RH-Gluster-AD-Integration
yum を使用した Red Hat Gluster Storage のインストールに関する詳細は、「Red Hat Gluster Storage Server の Red Hat Enterprise Linux へのインストール (階層化インストール)」を参照してください。

Samba は、以下の手順に従ってインストールすることもできます。

  1. 基本的な Samba パッケージをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
    # yum install samba
  2. smbclient をサーバーで必要とする場合は、以下のコマンドを実行します。
    # yum install samba-client
  3. Active ディレクトリーの設定が必要な場合は、以下のコマンドを実行します。
    # yum install samba-winbind
    # yum install samba-winbind-clients
    # yum install samba-winbind-krb5-locator
  4. 以下のパッケージがインストールされているかどうかを確認します。
    samba-libs
    samba-winbind-krb5-locator
    samba-winbind-modules
    samba-vfs-glusterfs
    samba-winbind
    samba-client
    samba-common
    samba-winbind-clients
    samba

第4章 NFS-Ganesha の Red Hat Gluster Storage への NFS-Ganesha へのデプロイ

NFS-Ganesha は、以下のいずれかの方法でインストールすることができます。
  • yum を使用した NFS-Ganesha のインストール
  • ISO インストール時の NFS-Ganesha のインストール

4.1. 前提条件

NFS-Ganesha をRed Hat Gluster Storage にインストールするには、ISO または適切に設定されたソフトウェアリポジトリーを使用したインストールメディアへのアクセスが必要です。

Red Hat Enterprise Linux 7.x 上の Red Hat Gluster Storage 3.4 の場合

NFS-Ganesha パッケージが利用可能なチャンネルを有効にします。

  1. Red Hat Subscription Manager を使用してマシンを登録した場合は、以下のコマンドを実行してリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-nfs-for-rhel-7-server-rpms
    HA リポジトリーを追加するには、以下のコマンドを実行します。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms --enable=rhel-ha-for-rhel-7-server-rpms
  2. Satellite サーバーを使用してマシンを登録している場合は、以下のコマンドを実行してチャンネルを有効にします。
    # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-nfs
    HA チャンネルにサブスクライブするには、以下のコマンドを実行します。
    # rhn-channel --add --channel rhel-x86_64-server-ha-7

4.2. ISO インストール時の NFS-Ganesha のインストール

ISO イメージを使用して Red Hat Gluster Storage をインストールする方法は、「ISO イメージ 『からのインストール」を参照してください』。
  1. ISO を使用して Red Hat Storage をインストールする場合は、Customizing the Software Selection 画面で RH-Gluster-NFS-Ganesha を選択し、Next をクリックします。
  2. Red Hat Gluster Storage のインストールの残りのインストール手順に進んでください。ISO を使用して Red Hat Storage をインストールする方法についての詳細は、「ISO イメージからのインストール」を参照してください。

4.3. yum を使用した NFS-Ganesha のインストール

yum を使用して Red Hat Gluster Storage をインストールする方法は、「 『Installing Red Hat Gluster Storage Server on Red Hat Enterprise Linux』 」を参照してください。
NFS-Ganesha をインストールするために以下の手順を実行します。
  1. 以下のコマンドを使用して、glusterfs-ganesha パッケージをインストールできます。
    # yum install glusterfs-ganesha
    NFS-Ganesha は上記のパッケージと共にインストールされます。nfs-ganesha-gluster および HA パッケージもインストールされます。

第5章 Red Hat Gluster Storage への gstatus のデプロイ

Gstatus は、以下のいずれかの方法でインストールできます。
  • ISO インストール時の gstatus のインストール
  • yum または Red Hat Satellite Server または Red Hat Network を使用したインストール

5.1. ISO インストール時の gstatus のインストール

ISO イメージを使用して Red Hat Gluster Storage をインストールする方法は、「ISO イメージ 『からのインストール」を参照してください』。
  1. ISO を使用して Red Hat Storage をインストールする際に、ソフトウェアの選択画面のカスタマイズRed Hat Storage Tools グループ を選択し、Optional Packages をクリックします。
  2. パッケージ一覧から gstatus を選択し、Close をクリックします。
  3. Red Hat Storage のインストールには、残りのインストール手順に進んでください。ISO を使用して Red Hat Storage をインストールする方法の詳細は、「ISO イメージ 『からのインストール」を参照してください』。

5.2. yum または Red Hat Satellite Server または Red Hat Network を使用したインストール

gstatus パッケージは、以下のコマンドを使用してインストールできます。
# yum install gstatus
注記
Red Hat Network または Satellite を使用してインストールしている場合は、システムが必要なチャンネルにサブスクライブしていることを確認してください。
インストールを確認するには、以下のコマンドを実行します。
# yum list gstatus

Installed Packages
gstatus.x86_640.65-1@rhs-3-for-rhel-6-server-rpms

第6章 3.4.x から 3.4.y への Red Hat Gluster Storage の更新

ソフトウェアの更新は、機能、ソフトウェアの機能強化などに関するバグ修正が含まれるマイナーリリースです。Red Hat は、最新のセキュリティーパッチとアップグレードで定期的に Red Hat Gluster Storage ソフトウェアを更新することを強く推奨します。
Red Hat Gluster Storage システムを最新の状態に維持するには、システムを Red Hat Network またはローカルで管理されるコンテンツサービスに関連付けます。これにより、セキュリティーパッチおよびバグ修正により、システムが自動的に最新の状態に保たれます。
Red Hat Gluster Storage 3.4 インストールを更新する場合は、以下の点に注意してください。
  • これは、同じメジャーバージョンバージョンのマイナーリリース間の更新です。メジャーバージョン間のアップグレードを行う場合は、7章Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード を参照してください。
  • Red Hat Gluster Storage の非同期エラータ更新リリースには、最後にリリースしてから累積更新として非同期にリリースされた修正がすべて含まれます。
  • 非常に多くのブリックまたはスナップショットをホストする Red Hat Gluster Storage サーバーノードが更新されると、すべてのブリックおよびスナップショットに対してすべてのブリックプロセスを同時に開始しようとするため、クラスター管理コマンドは応答しなくなることがあります。250 を超えるブリックまたはスナップショットが 1 つのノードでホストされる場合、Red Hat は更新が完了するまでスナップショットを無効にすることを推奨します。
  • NFS-Ganesha のインサービスアップグレードを実行すると、新しい設定ファイルは /etc/ganesha フォルダーにganesha.conf.rpmnewという名前で保存されます。古い設定ファイルは、インサービスアップグレードプロセス時に上書きされません。ただし、アップグレード後、ganesha.conf.rpmnewから、/etc/ganeshaフォルダーにある既存のganesha.confファイルに、新しい設定変更を手動でコピーする必要があります。

6.1. アップデート前の注意事項

システムを更新する前に、信頼できるバックアップソリューションを使用して完全バックアップを作成します。このナレッジベースソリューションでは、次のような方法があり https://access.redhat.com/solutions/1484053 ます。
使用する方法に関係なく、以下を実行します。
  • オペレーティングシステムパーティションにない場所にバックアップします。
  • 完全バックアップに十分な空き領域があることを確認してください。
  • データファイルをコピーする前に、.glusterfs ディレクトリーをコピーします。
  • 以下の設定ディレクトリーおよびファイルがバックアップされていることを確認します。
    • /var/lib/glusterd
    • /etc/swift
    • /etc/samba
    • /etc/ctdb
    • /etc/glusterfs
    • /var/lib/samba
    • /var/lib/ctdb
    • /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha
    NFS-Ganesha を使用する場合は、全ノードの以下のファイルがバックアップされていることを確認します。
    • /etc/ganesha/exports/export.*.conf
    • /etc/ganesha/ganesha.conf
    • /etc/ganesha/ganesha-ha.conf
  • すべての拡張属性、ACL、所有者、グループ、シンボリックリンク、およびシンボリックリンクがバックアップされていることを確認します。
  • バックアップまたは更新プロセス時に、Red Hat Gluster Storage ファイルシステムに新しいファイルが作成されていないことを確認してください。
  • 更新を行う前に、バックアップが正常に復元されていることを確認します。
重要
以下に記載する Web 管理更新シーケンスは、Red Hat Gluster Storage 全体のオフライン更新の一部です。スタンドアロンコンポーネントとしての Web 管理の更新はサポートされていません。

Red Hat Gluster Storage Web Administration Update

最新バージョンへの更新を希望する Red Hat Gluster Storage Web 管理ユーザーは、『 Red Hat Gluster Storage Web Administration Quick Start Guide』の「Red Hat Gluster Storage Web Administration 3.4.x to 3.4.y 」セクションを参照してください。以下の手順に従って、Web 管理環境と共に Red Hat Gluster Storage システムを更新します。
  1. 要約された Web 管理更新シーケンスは、Red Hat Gluster Storage 全体のオフライン更新またはサービスの更新の一部です。スタンドアロンコンポーネントとしての Web 管理の更新はサポートされていません。
  2. このセクション 7.2 に戻ります。オフラインモードでの Red Hat Gluster Storage の更新 を参照してください。Red Hat Gluster Storage を 3.4.x から 3.4.y に更新し、『Red Hat Gluster Storage インストールガイド』の「オフラインまたはサービスの更新」に記載の手順を実行します。

6.2. オフラインモードでの Red Hat Gluster Storage の更新

重要
  • 更新プロセス中にボリュームがオフラインになると、オフラインの更新によりサーバーのダウンタイムが発生します。
  • クライアントを更新する前に、すべての Red Hat Gluster Storage サーバーに対して完全な更新を行います。

オフラインモードでの Red Hat Gluster Storage 3.4 の更新

  1. 「アップデート前の注意事項」 の説明に従って、作業用のバックアップがあることを確認します。
  2. すべてのボリュームを停止します。
    # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume stop $vol; sleep 2s; done
  3. 1 度に 1 つのサーバーで以下のコマンドを実行します。
    1. すべての gluster サービスを停止します。
      Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
      # systemctl stop glusterd
      # pkill glusterfs
      # pkill glusterfsd
      Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
      # service glusterd stop
      # pkill glusterfs
      # pkill glusterfsd
    2. この更新の一部として Gluster NFS から NFS Ganesha に移行する場合は、以下の追加の手順を実行します。
      1. stop および disable します。これにより、更新プロセス中に複数のバージョンの Samba がクラスターで実行されなくなり、データの破損を回避します。
        # systemctl stop ctdb
        # systemctl disable ctdb
      2. xmvn サービスおよび NFS サービスが停止していることを確認します。
        ps axf | grep -E '(ctdb|nfs)[d]'
      3. 以下のコマンドを実行してブリックボリュームを削除します。
        # gluster vol delete <ctdb_vol_name>
    3. システムを更新します。
      # yum update
      更新するパッケージを確認し、プロンプトが表示されたら y と入力して更新を続行します。
      更新が完了するまで待ちます。
    4. カーネルパッケージへの更新がある場合や、今回の更新の一部として Gluster NFS から NFS Ganesha に移行する場合は、システムを再起動します。
    5. glusterd を起動します。
      Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
      # systemctl start glusterd
      Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
      # service glusterd start
  4. すべてのサーバーを更新したら、以下のコマンドを実行してクラスターの操作バージョンを更新します。これにより、クラスター内の互換性の問題を防ぐことができます。
    # gluster volume set all cluster.op-version 31306
    注記
    31306 は、Red Hat Gluster Storage 3.4 Async Update の cluster.op-version の値に使用されます。他のバージョンの正しいcluster.op-version 値については、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 を参照してください。
  5. この更新の一部として Gluster NFS から NFS Ganesha に移行するには、4章NFS-Ganesha の Red Hat Gluster Storage への NFS-Ganesha へのデプロイ の説明に従って NFS-Ganesha パッケージをインストールして、『Red Hat Gluster Storage 3.4 管理ガイド』 の NFS Ganesha セクションにある情報を使用して NFS Ganesha クラスターを設定します。
  6. すべてのボリュームを起動します。
    # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume start $vol; sleep 2s; done
  7. 更新プロセスの一部として再起動しなかった場合は、以下のコマンドを実行してメタボリュームを再マウントします。
    # mount /var/run/gluster/shared_storage/
    このコマンドが機能しない場合は、/etc/fstab の内容を確認して、共有ストレージのエントリーが正しく設定されていることを確認して、mount コマンドを再実行します。/etc/fstab ファイルのメタボリュームの行は以下のようになります。
    hostname:/gluster_shared_storage   /var/run/gluster/shared_storage/   glusterfs   defaults   0 0
  8. Gluster NFS を使用してボリュームにアクセスする場合は、以下のコマンドを使用して Gluster NFS を有効にします。
    # gluster volume set volname nfs.disable off
    以下に例を示します。
    # gluster volume set testvol nfs.disable off
    volume set: success
  9. geo レプリケーションを使用する場合は、アップグレードが完了したら geo レプリケーションセッションを再起動します。
    # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL start
    状況によっては、force パラメーターを追加して正常に再起動する必要がある場合があります。詳細は、BZ#1347625 を参照してください。
注記
Web 管理環境を更新する場合は、手順 9 を実行した後、Red Hat Gluster Storage Web Administration 3.4.x から 3.4.y セクションに移動し、Web Administration Server および Red Hat Gluster Storage Servers(Part II)で 識別されるステップを実行して、Red Hat Gluster Storage および Web Administration の更新プロセスを完了します。

6.3. In-service Software Update from Red Hat Gluster Storage

重要
Red Hat Enterprise Linux 7 ベースの Red Hat Gluster Storage では、3.1 以上に更新するとファイアウォールのルールが再度読み込まれます。リロード前のランタイムのみの変更はすべて失われます。
重要
SMB サービスおよび xmvn サービスは、サービス内の更新をサポートしません。本セクションで説明している手順では、SMB サービスおよび Hadoop サービスへのサービス中断があります。
更新する前に、以下に注意してください。
  • クライアントを更新する前に、すべての Red Hat Gluster Storage サーバーに対して完全な更新を行います。
  • geo レプリケーションが使用されている場合は、マスターノードを更新する前に、すべてのスレーブノードに対して完全な更新を実行します。
  • disperse.optimistic-change-log および disperse.eager-lock オプションが off に設定されている場合に限り、イレイジャーコード化されたボリューム(disperspersed)ボリュームを更新できます。これらのオプションを無効にしてから 2 分間待機してからアップグレードを試行し、これらの設定の変更が I/O 操作で有効になるようにします。
  • Samba を更新する場合は、同じクラスターで異なるバージョンの Samba を実行する場合、データが破損するため、Samba がすべてのノードで同時にアップグレードされていることを確認します。
  • 更新を受け取るには、システムを Red Hat Network に登録しておく必要があります。詳細はを参照してください。 「Red Hat Gluster Storage Server チャンネルのサブスクライブ」
  • クラスターが更新されている間は、ボリュームの操作は実行しないでください。

サービスモードでの Red Hat Gluster Storage 3.4 の更新

  1. 「アップデート前の注意事項」 の説明に従って、作業用のバックアップがあることを確認します。
  2. 複製された設定がある場合は、レプリカセットのすべてのノードで以下の手順を実行します。
    分散複製設定がある場合は、すべてのレプリカセットに対して、レプリカセットに対してこれらのステップを一度に実行します。
    • Geo レプリケーションセッションを停止します。
      # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL stop
    • このノードが NFS-Ganehsa クラスターの一部である場合は、ノードをスタンバイモードにします。
      # pcs cluster standby
    • 保留中の自己修復がないことを確認します。
      # gluster volume heal volname info
      自己修復操作が完了するのを待機してから続行します。
    • このノードが NFS-Ganesha クラスターの一部である場合は、以下を実行します。
      1. PCS クラスターを無効にして、これが停止していることを確認します。
        # pcs cluster disable
        # pcs status
      2. nfs-ganesha サービスを停止します。
        # systemctl stop nfs-ganesha
    • イレイジャーコード(disperspersed)ボリュームを更新する必要がある場合は、disperse.optimistic-change-log および disperse.eager-lock オプションを off に設定します。これらのオプションを無効にしてから 2 分間待機してからアップグレードを試行し、これらの設定の変更が I/O 操作で有効になるようにします。
      # gluster volume set volname disperse.optimistic-change-log off
      # gluster volume set volname disperse.eager-lock off
    • 以下のコマンドを使用して、ストレージサーバー上の gluster サービスを停止します。
      Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
      # systemctl stop glusterd
      # pkill glusterfs
      # pkill glusterfsd
      Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
      # service glusterd stop
      # pkill glusterfs
      # pkill glusterfsd
    • Samba を使用する場合:
      1. 必要なリポジトリーを有効にします。
        Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降の場合:
        # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-6-server-rpms
        Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
        # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
      2. 以下のコマンドを使用して、Samba クラスターのすべてのノード全体でpid および SMB サービスを停止します。また、CtrlC サービスを停止すると、SMB サービスも停止します。
        Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
        # systemctl stop ctdb
        # systemctl disable ctdb
        Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
        # service ctdb stop
        # chkconfig ctdb off
        これにより、すべての Samba ノードが更新されるまで、異なるバージョンの Samba が同じ Samba クラスターで実行されないようにします。
      3. 以下のコマンドを実行して、CtrlC サービスおよび SMB サービスが停止していることを確認します。
        ps axf | grep -E '(ctdb|smb|winbind|nmb)[d]'
    • 以下のコマンドを使用してサーバーを更新します。
      # yum update
      更新しているパッケージを書き留めて、更新が完了するまで待ちます。
    • 直前の手順で更新プロセスの一部としてカーネルアップデートが含まれている場合は、サーバーを再起動します。
    • サーバーの再起動が必要ない場合は、以下のコマンドを使用してストレージサーバーで gluster サービスを起動します。
      Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
      # systemctl start glusterd
      Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
      # service glusterd start
    • Red Hat Gluster Storage サーバーの最新バージョンに更新されていることを確認します。
      # gluster --version
      出力と、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 で必要なバージョンを比較します。
    • すべてのブリックがオンラインであることを確認します。ステータスを確認するには、以下のコマンドを実行します。
      # gluster volume status
    • ボリュームで自己修復を開始します。
      # gluster volume heal volname
    • 以下のコマンドを使用して、レプリカで自己修復が完了していることを確認します。
      # gluster volume heal volname info
    • 共有ストレージがマウントされていることを確認します。
      # mount | grep /run/gluster/shared_storage
  3. ボリューム内の全ノードを更新したら、以下のコマンドを実行してクラスターの op-version を更新します。これにより、クラスター内の互換性の問題を防ぐことができます。
    # gluster volume set all cluster.op-version 31306
    注記
    31306 は、Red Hat Gluster Storage 3.4 Async Update の cluster.op-version の値に使用されます。他のバージョンの正しいcluster.op-version 値については、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 を参照してください。
  4. Samba を使用する場合:
    1. 以下のコマンドを実行して、getfacl を起動する前に /gluster/lock をマウントします。
      # mount -a
    2. SMB でアクセスしたボリュームをホストするすべてのサーバーが更新されている場合は、以下のコマンドを実行して、Samba サービスおよび Samba サービスを開始して再度有効にします。
      Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
      # systemctl start ctdb
      # systemctl enable ctdb
      Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
      # service ctdb start
      # chkconfig ctdb on
    3. CTDB サービスおよび SMB サービスが起動していることを確認するには、以下のコマンドを実行します。
      ps axf | grep -E '(ctdb|smb|winbind|nmb)[d]'
  5. このアップグレード前にメタボリュームを設定しており、アップグレードプロセスの一部として再起動しない場合は、メタボリュームをマウントします。
    # mount /var/run/gluster/shared_storage/
    このコマンドが機能しない場合は、/etc/fstab の内容を確認して、共有ストレージのエントリーが正しく設定されていることを確認して、mount コマンドを再実行します。/etc/fstab ファイルのメタボリュームの行は以下のようになります。
    hostname:/gluster_shared_storage   /var/run/gluster/shared_storage/   glusterfs   defaults   0 0
  6. このノードが NFS-Ganesha クラスターの一部である場合は、以下を実行します。
    1. SELinux を使用している場合は、ganesha_use_fusefs ブール値を on に設定します。
      # setsebool -P ganesha_use_fusefs on
    2. nfs-ganesha サービスを起動します。
      # systemctl start nfs-ganesha
    3. クラスターを有効にし、起動します。
      # pcs cluster enable
      # pcs cluster start
    4. ノードをスタンバイモードからリリースします。
      # pcs cluster unstandby
    5. PCS クラスターが実行中で、ボリュームが正しくエクスポートされていることを確認します。
      # pcs status
      # showmount -e
      上記の手順を実施した後、NFS-ganesha は短い猶予期間に入ります。I/O 操作はこの猶予期間に停止します。ganesha.log ファイルに NFS Server Now NOT IN GRACE が表示されるのを確認してから続行します。
  7. geo レプリケーションを使用する場合は、アップグレードが完了したら geo レプリケーションセッションを再起動します。
    # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL start
    注記
    BZ#1347625 では、状況によっては force パラメーターを使用して正常に再起動する必要がある場合があります。
    # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL start force
  8. イレイジャーコーディングされた(dispersed)ボリュームを更新するために disperse.optimistic-change-log オプションおよび disperse.eager-lock オプションを無効にしている場合は、これらの設定を再度有効にします。
    # gluster volume set volname disperse.optimistic-change-log on
    # gluster volume set volname disperse.eager-lock on
注記
NFS-Ganesha のインサービスアップグレードを実行すると、新しい設定ファイルは /etc/ganesha フォルダーにganesha.conf.rpmnewという名前で保存されます。古い設定ファイルは、インサービスアップグレードプロセス時に上書きされません。ただし、アップグレード後、ganesha.conf.rpmnewから、/etc/ganeshaフォルダーにある既存のganesha.confファイルに、新しい設定変更を手動でコピーする必要があります。
注記
Web 管理環境を更新する場合には、必要な手順の実行後に、Red Hat Gluster Storage Web Administration 3.4.x から 3.4.y セクションに移動し、Web Administration Server および Red Hat Gluster Storage Servers(Part II)で 識別されるステップを実行して、Red Hat Gluster Storage および Web Administration の更新プロセスを完了します。

第7章 Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード

本章では、Red Hat Gluster Storage 3.1、3.2、または 3.3 から Red Hat Gluster Storage 3.4 にアップグレードする方法を説明します。

アップグレードサポートの制限

  • Red Hat Enterprise Linux 6 ベースの Red Hat Gluster Storage から Red Hat Enterprise Linux 7 ベースの Red Hat Gluster Storage へのアップグレードはサポートされていません。
  • Red Hat Enterprise Linux 7.5 でサポートされる Virtual Data Optimizer (VDO) ボリュームは、現時点では Red Hat Gluster Storage でサポートされていません。VDO は、Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization 2.0 の一部として使用されている場合にのみサポートされます。詳細は、 VDO について参照してください。
  • クライアントをアップグレードする前に、サーバーをアップグレードする必要があります。
  • Red Hat Gluster Storage 3.1 Update 2 以前からアップグレードする場合は、サーバーとクライアントを同時にアップグレードする必要があります。
  • NFS-Ganesha を使用する場合、サポートされる Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレードパスは、アップグレード元のバージョンにより異なります。バージョン 3.1.x から 3.4 にアップグレードする場合は、「Red Hat Gluster Storage 3.4 へのオフラインアップグレード」 を使用します。バージョン 3.3 から 3.4 にアップグレードする場合は、「In-Service ソフトウェアの Red Hat Gluster Storage 3.3 から Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード」 を使用します。

7.1. Red Hat Gluster Storage 3.4 へのオフラインアップグレード

警告
アップグレードする前に、Red Hat Gluster Storage 3.1.3 の後のバージョンに変更された要件があるかどうかを注意して確認してください。Red Hat Gluster Storage 3.1.3 以降のサーバーが提供するボリュームにアクセスする場合は、クライアントが Red Hat Gluster Storage 3.1.3 以降も使用している必要があります。他のクライアントのバージョンからボリュームにアクセスすると、データが利用不可となり、ディレクトリー操作に関する問題が生じる可能性があります。この要件は Red Hat Gluster Storage 3.1.3 に Distributed Hash Table の機能に影響を与える多数の変更が含まれるために存在します。これは、ディレクトリーの整合性を改善し、BZ#1115367 および BZ#1118762 に示される影響を取り除くことを目的としています。
重要
Red Hat Enterprise Linux 7 ベースの Red Hat Gluster Storage 3.1 以降では、更新によりファイアウォールのルールが再度読み込まれます。リロード前のすべてのランタイムのみの変更は失われるため、保持する必要のある変更は永続的に保持できるようにします。

7.1.1. Red Hat Network にサブスクライブしているシステム向けの Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード

手順7.1 アップグレード前

  1. オペレーティングシステムパーティション上ではない場所に、設定ディレクトリーとファイルをバックアップします。
    • /var/lib/glusterd
    • /etc/swift
    • /etc/samba
    • /etc/ctdb
    • /etc/glusterfs
    • /var/lib/samba
    • /var/lib/ctdb
    • /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha
    NFS-Ganesha を使用する場合は、すべてのノードから以下のファイルをバックアップします。
    • /etc/ganesha/exports/export.*.conf
    • /etc/ganesha/ganesha.conf
    • /etc/ganesha/ganesha-ha.conf
  2. すべてのクライアントから gluster ボリュームをアンマウントします。クライアントで以下のコマンドを使用して、マウントポイントからボリュームをアンマウントします。
    # umount mount-point
  3. NFS-Ganesha を使用する場合は、gluster サーバーで以下のコマンドを実行して nfs-ganesha サービスを無効にします。
    # gluster nfs-ganesha disable
  4. gluster サーバーで、共有ボリュームを無効にします。
    # gluster volume set all cluster.enable-shared-storage disable
  5. すべてのボリュームを停止します。
    # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume stop $vol; sleep 2s; done
  6. すべてのボリュームが停止していることを確認します。
    # gluster volume info
  7. 以下のコマンドを使用してサーバーからデータパーティションをアンマウントします。
    # umount mount-point
  8. 以下のコマンドを使用して、すべてのサーバーで glusterd サービスを停止します。
    # service glusterd stop
    # pkill glusterfs
    # pkill glusterfsd
  9. pcsd サービスを停止します。
    # systemctl stop pcsd

手順7.2 yum を使用したアップグレード

  1. システムがレガシーの Red Hat Network Classic 更新システムにないことを確認します。
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --status
    Red Hat Network Classic を依然として使用している場合には、以下のコマンドを実行して Red Hat Subscription Manager に移行します。
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --rhn-to-rhsm
    次にステータスが変更されたことを確認します。
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --status
  2. Samba を使用する場合:
    1. Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降では、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-6-server-rpms
      Red Hat Enterprise Linux 7 の場合は、以下のリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
    2. 同じクラスターで異なるバージョンの Samba を実行するとデータが破損するため、Samba がすべてのノードで同時にアップグレードされることを確認します。
      xmvn サービスおよび SMB サービスを停止し、それらが停止していることを確認します。
      # service ctdb stop
      # ps axf | grep -E '(ctdb|smb|winbind|nmb)[d]'
  3. このアップグレードの一環として Gluster NFS から NFS Ganesha に移行する場合は、以下の追加の手順を実行します。
    1. stop および disable します。これにより、更新プロセス中に複数のバージョンの Samba がクラスターで実行されなくなり、データの破損を回避します。
      # systemctl stop ctdb
      # systemctl disable ctdb
    2. xmvn サービスおよび NFS サービスが停止していることを確認します。
      ps axf | grep -E '(ctdb|nfs)[d]'
    3. 以下のコマンドを実行してブリックボリュームを削除します。
      # gluster vol delete <ctdb_vol_name>
  4. サーバーを Red Hat Gluster Storage 3.4 にアップグレードします。
    # yum update
    更新が完了するまで待ちます。
  5. サーバーを再起動して、カーネルの更新が適用されるようにします。
  6. glusterd サービスおよび pcsd サービスが起動していることを確認します。
    # systemctl start glusterd
    # systemctl start pcsd
  7. すべてのノードがアップグレードされたら、以下のコマンドを実行してクラスターの op-version を更新します。これにより、クラスター内の互換性の問題を防ぐことができます。
    # gluster volume set all cluster.op-version 31306
    注記
    31306 は、Red Hat Gluster Storage 3.4 Async Update の cluster.op-version の値に使用されます。他のバージョンの正しいcluster.op-version 値については、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 を参照してください。
  8. このアップグレードの一環として Gluster NFS から NFS Ganesha に移行するには、4章NFS-Ganesha の Red Hat Gluster Storage への NFS-Ganesha へのデプロイ の説明に従って NFS-Ganesha パッケージをインストールして、『Red Hat Gluster Storage 3.4 管理ガイド』 の NFS Ganesha セクションにある情報を使用して NFS Ganesha クラスターを設定します。
  9. すべてのボリュームを起動します。
    # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume start $vol; sleep 2s; done
  10. NFS-Ganesha を使用している場合:
    1. ボリュームのエクスポート情報を ganesha.conf のバックアップコピーから、新しい /etc/ganesha/ganesha.conf ファイルにコピーします。
      バックアップファイルのエクスポート情報は、以下のようになります。
      %include "/etc/ganesha/exports/export.v1.conf"
      %include "/etc/ganesha/exports/export.v2.conf"
      %include "/etc/ganesha/exports/export.v3.conf"
    2. バックアップディレクトリーから以下のコマンドを実行し、バックアップボリュームのエクスポートファイルをバックアップディレクトリーから /etc/ganesha/exports にコピーします。
      # cp export.* /etc/ganesha/exports/
  11. 新しいサービスおよびポートのファイアウォール設定を有効にします。詳細は、『 『Red Hat Gluster Storage 3.4 管理ガイド』』 を参照し https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_gluster_storage/3.4/html/administration_guide/chap-getting_started てください。
  12. 共有ボリュームを有効にします。
    # gluster volume set all cluster.enable-shared-storage enable
  13. 共有ストレージボリュームがサーバーにマウントされていることを確認します。ボリュームがマウントされていない場合は、以下のコマンドを実行します。
    # mount -t glusterfs hostname:gluster_shared_storage /var/run/gluster/shared_storage
  14. /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha ディレクトリーが作成されていることを確認します。
    # cd /var/run/gluster/shared_storage/
    # mkdir nfs-ganesha
  15. NFS-Ganesha を使用する場合:
    1. ganesha.conf ファイルおよび ganesha-ha.conf ファイル、および /etc/ganesha/exports ディレクトリーを /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha ディレクトリーにコピーします。
      # cd /etc/ganesha/
      # cp ganesha.conf  ganesha-ha.conf /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha/
      # cp -r exports/ /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha/
    2. ganesha.conf ファイルのエクスポートエントリーのパスを更新します。
      # sed -i 's/\/etc\/ganesha/\/var\/run\/gluster\/shared_storage\/nfs-ganesha/' /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha/ganesha.conf
    3. 以下のコマンドを実行して、既存のクラスター設定をクリーンアップします。
      /usr/libexec/ganesha/ganesha-ha.sh --cleanup /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha
    4. Red Hat Enterprise Linux 7.4 以降にアップグレードする場合は、以下の SELinux ブール値を設定します。
      # setsebool -P ganesha_use_fusefs on
      # setsebool -P gluster_use_execmem on
  16. ctdb サービス (および使用している場合は nfs-ganesha サービス) を起動し、すべてのノードが機能していることを確認します。
    # systemctl start ctdb
    # gluster nfs-ganesha enable
  17. このデプロイメントで NFS-Ganesha を使用する場合は、すべてのボリュームで NFS-Ganesha を有効にします。
    # gluster volume set volname ganesha.enable on

7.1.2. Red Hat Network Satellite Server にサブスクライブしているシステム向けの Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード

手順7.3 アップグレード前

  1. オペレーティングシステムパーティション上ではない場所に、設定ディレクトリーとファイルをバックアップします。
    • /var/lib/glusterd
    • /etc/swift
    • /etc/samba
    • /etc/ctdb
    • /etc/glusterfs
    • /var/lib/samba
    • /var/lib/ctdb
    • /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha
    NFS-Ganesha を使用する場合は、すべてのノードから以下のファイルをバックアップします。
    • /etc/ganesha/exports/export.*.conf
    • /etc/ganesha/ganesha.conf
    • /etc/ganesha/ganesha-ha.conf
  2. すべてのクライアントから gluster ボリュームをアンマウントします。クライアントで以下のコマンドを使用して、マウントポイントからボリュームをアンマウントします。
    # umount mount-point
  3. NFS-Ganesha を使用する場合は、gluster サーバーで以下のコマンドを実行して nfs-ganesha サービスを無効にします。
    # gluster nfs-ganesha disable
  4. gluster サーバーで、共有ボリュームを無効にします。
    # gluster volume set all cluster.enable-shared-storage disable
  5. すべてのボリュームを停止します。
    # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume stop $vol; sleep 2s; done
  6. すべてのボリュームが停止していることを確認します。
    # gluster volume info
  7. 以下のコマンドを使用してサーバーからデータパーティションをアンマウントします。
    # umount mount-point
  8. 以下のコマンドを使用して、すべてのサーバーで glusterd サービスを停止します。
    # service glusterd stop
    # pkill glusterfs
    # pkill glusterfsd
  9. pcsd サービスを停止します。
    # systemctl stop pcsd

手順7.4 Satellite を使用したアップグレード

  1. Red Hat Satellite Server でアクティベーションキーを作成し、以下のチャンネルに関連付けます。詳細は、「Red Hat Satellite Server からのインストール」 を参照してください。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降の場合:
      Base Channel: Red Hat Enterprise Linux Server (v.6 for 64-bit x86_64)
      
      Child channels:
      RHEL Server Scalable File System (v. 6 for x86_64)
      Red Hat Gluster Storage Server 3 (RHEL 6 for x86_64)
      Samba を使用する場合は、以下のチャンネルを追加します。
      Red Hat Gluster 3 Samba (RHEL 6 for x86_64)
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
      Base Channel: Red Hat Enterprise Linux Server (v.7 for 64-bit x86_64)
      
      Child channels:
      RHEL Server Scalable File System (v. 7 for x86_64)
      Red Hat Gluster Storage Server 3 (RHEL 7 for x86_64)
      Samba を使用する場合は、以下のチャンネルを追加します。
      Red Hat Gluster 3 Samba (RHEL 6 for x86_64)
  2. 以下の手順を実行して、Red Hat Network Satellite からシステムの登録を解除します。
    1. Red Hat Network Satellite サーバーにログインします。
    2. 上部のナビゲーションバーの Systems タブをクリックし、System List で古いシステムまたは重複システムの名前をクリックします。
    3. ページの右上にある delete system リンクをクリックします。
    4. システムプロファイルの削除を確認するには、Delete System ボタンをクリックします。
  3. 先の手順で作成した認証情報とアクティベーションキーを使用して、Red Hat Gluster Storage サーバーで以下のコマンドを実行します。これにより、Red Hat Network Satellite Server の Red Hat Gluster Storage 3.4 チャンネルにシステムが再登録されます。
    # rhnreg_ks --username username --password password --force --activationkey Activation Key ID
  4. チャンネルのサブスクリプションが更新されていることを確認します。
    Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降では、Samba を使用する場合は、以下のチャンネルと、rhel-x86_64-server-6-rh-gluster-3-samba チャンネルを探します。
    # rhn-channel --list
    rhel-x86_64-server-6
    rhel-x86_64-server-6-rhs-3
    rhel-x86_64-server-sfs-6
    Red Hat Enterprise Linux 7 では、Samba を使用する場合は、以下のチャンネル、rhel-x86_64-server-7-rh-gluster-3-samba チャンネルを探します。
    # rhn-channel --list
    rhel-x86_64-server-7
    rhel-x86_64-server-7-rhs-3
    rhel-x86_64-server-sfs-7
  5. Red Hat Gluster Storage 3.4 にアップグレードします。
    # yum update
  6. サーバーを再起動して、ボリュームとデータの整合性チェックを実行します。
  7. すべてのノードがアップグレードされたら、以下のコマンドを実行してクラスターの op-version を更新します。これにより、クラスター内の互換性の問題を防ぐことができます。
    # gluster volume set all cluster.op-version 31306
    注記
    31306 は、Red Hat Gluster Storage 3.4 Async Update の cluster.op-version の値に使用されます。その他のバージョンの正しい 「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 の値は、cluster.op-version を参照してください。
  8. すべてのボリュームを起動します。
    # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume start $vol; sleep 2s; done
  9. NFS-Ganesha を使用している場合:
    1. ボリュームのエクスポート情報を ganesha.conf のバックアップコピーから、新しい /etc/ganesha/ganesha.conf ファイルにコピーします。
      バックアップファイルのエクスポート情報は、以下のようになります。
      %include "/etc/ganesha/exports/export.v1.conf"
      %include "/etc/ganesha/exports/export.v2.conf"
      %include "/etc/ganesha/exports/export.v3.conf"
    2. バックアップディレクトリーから以下のコマンドを実行し、バックアップボリュームのエクスポートファイルをバックアップディレクトリーから /etc/ganesha/exports にコピーします。
      # cp export.* /etc/ganesha/exports/
  10. 新しいサービスおよびポートのファイアウォール設定を有効にします。詳細は、『 『Red Hat Gluster Storage 3.4 管理ガイド』』 を参照し https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_gluster_storage/3.4/html/administration_guide/chap-getting_started てください。
  11. 共有ボリュームを有効にします。
    # gluster volume set all cluster.enable-shared-storage enable
  12. 共有ストレージボリュームがサーバーにマウントされていることを確認します。ボリュームがマウントされていない場合は、以下のコマンドを実行します。
    # mount -t glusterfs hostname:gluster_shared_storage /var/run/gluster/shared_storage
  13. /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha ディレクトリーが作成されていることを確認します。
    # cd /var/run/gluster/shared_storage/
    # mkdir nfs-ganesha
  14. NFS-Ganesha を使用する場合:
    1. ganesha.conf ファイルおよび ganesha-ha.conf ファイル、および /etc/ganesha/exports ディレクトリーを /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha ディレクトリーにコピーします。
      # cd /etc/ganesha/
      # cp ganesha.conf  ganesha-ha.conf /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha/
      # cp -r exports/ /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha/
    2. ganesha.conf ファイルのエクスポートエントリーのパスを更新します。
      # sed -i 's/\/etc\/ganesha/\/var\/run\/gluster\/shared_storage\/nfs-ganesha/' /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha/ganesha.conf
    3. 以下のコマンドを実行して、既存のクラスター設定をクリーンアップします。
      /usr/libexec/ganesha/ganesha-ha.sh --cleanup /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha
    4. Red Hat Enterprise Linux 7.4 以降にアップグレードする場合は、以下の SELinux ブール値を設定します。
      # setsebool -P ganesha_use_fusefs on
      # setsebool -P gluster_use_execmem on
  15. ctdb サービス (および使用している場合は nfs-ganesha サービス) を起動し、すべてのノードが機能していることを確認します。
    # systemctl start ctdb
    # gluster nfs-ganesha enable
  16. このデプロイメントで NFS-Ganesha を使用する場合は、すべてのボリュームで NFS-Ganesha を有効にします。
    # gluster volume set volname ganesha.enable on

7.2. In-Service ソフトウェアの Red Hat Gluster Storage 3.3 から Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード

重要
クライアントを更新する前に、すべての Red Hat Gluster Storage サーバーをアップグレードします。
インサービスソフトウェアアップグレードとは、クラスターでホストされるボリュームをオフラインにすることなく、新しいバージョンのソフトウェアで Red Hat Gluster Storage Server クラスターを段階的に更新する機能を指します。ほとんどの場合、クラスターが更新されている際にもボリュームでの通常の I/O 操作が継続されます。
CTDB を使用する I/O は、アップグレードまたは更新時に一時停止する可能性があります。これは、Gluster NFS または Samba を使用するクライアントに影響を与えます。
注記
NFS-Ganesha のインサービスアップグレードを実行すると、新しい設定ファイルは /etc/ganesha フォルダーにganesha.conf.rpmnewという名前で保存されます。古い設定ファイルは、インサービスアップグレードプロセス時に上書きされません。ただし、アップグレード後、ganesha.conf.rpmnewから、/etc/ganeshaフォルダーにある既存のganesha.confファイルに、新しい設定変更を手動でコピーする必要があります。

7.2.1. アップグレード前のタスク

インサービスソフトウェアアップグレードのプロセスに進む前に、以下の設定に基づく手順を実行します。

7.2.1.1. Red Hat Gluster Storage 3.4 のアップグレード要件

以下は、前述の更新から Red Hat Gluster Storage 3.4 にアップグレードするためのアップグレード要件です。
  • サービス内のソフトウェアのアップグレードは、レプリケート、分散複製、またはイレイジャーコード(disperspersed)ボリュームを持つノードでのみサポートされます。
  • 既存の環境にスナップショットを使用する場合は、各ブリックは独立したシンプロビジョニング論理ボリューム (LV) である必要があります。スナップショットを使用する予定がない場合、「シック」プロビジョニングされたボリュームは引き続きサポートされます。
  • ブリックを含む論理ボリュームは、その他の目的では使用できません。
  • Red Hat Gluster Storage 3.4 では、リニア LVM のみがサポートされます。詳細はを参照してください。 https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html/Logical_Volume_Manager_Administration/lv_overview.html#linear_volumes
  • サーバー側のクォーラム (定足数) が有効にされている場合、1 つのノードをダウンしてもサーバー側のクォーラム (定足数) に違反しないことを確認します。ダミーのピアを追加して、以下のコマンドを使用し、ローリングアップグレードが完了するまでサーバー側のクォーラム (定足数) の違反が生じないようにします。
    # gluster peer probe dummynode
    注記
    Geo レプリケーションセッションがある場合は、『 『Red Hat Gluster Storage Administration Guide』 』の「Start『Geo-replication for a New Brick or New Node』 」に記載されている手順に従います。
    たとえば、各マシンに 2 ノードと 1 ブリックのある単純なレプリケーションボリュームについてサーバー側のクォーラム (定足数) の割合がデフォルト値(>50%) に設定される場合、上記のコマンドを使用して、ブリックを含まないダミーノードを信頼できるストレージプールに追加し、ボリュームの高可用性を確保する必要があります。
    3 ノードで構成されるクラスターでは、サーバー側のクォーラム (定足数) の割合が 77% に設定される場合、1 つのノードがダウンするとサーバー側のクォーラム (定足数) の違反が生じます。このシナリオでは、サーバー側のクォーラム (定足数) を満たすために 2 つのダミーノードを追加する必要があります。
  • レプリカ 2 ボリュームの場合は、クライアント側のクォーラムを無効にします。レプリカ 3 ボリュームでは、スプリットブレインの状況開発のリスクが増大するため、これは推奨されません。
    # gluster volume reset <vol-name> cluster.quorum-type
  • マスターとスレーブ間で実行されている geo レプリケーションセッションを停止します。
    # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL stop
  • 以下のコマンドを使用して、インサービスソフトウェアアップグレードに進む前に保留中の自己修復がないことを確認します。
    # gluster volume heal volname info
  • Red Hat Gluster Storage サーバーが必要なチャンネルに登録されていることを確認します。
    Red Hat Enterprise Linux 6 の場合:
    rhel-x86_64-server-6
    rhel-x86_64-server-6-rhs-3
    rhel-x86_64-server-sfs-6
    Red Hat Enterprise Linux 7 の場合:
    rhel-x86_64-server-7
    rhel-x86_64-server-7-rhs-3
    rhel-x86_64-server-sfs-7
    チャンネルにサブスクライブするには、以下のコマンドを実行します。
    # subscription-manager repos --enable=repo-name

7.2.1.2. インサービスソフトウェアアップグレードの制限

以下は、インサービスソフトウェアアップグレードの制限の一部を示しています。
  • NFS-Ganesha クラスターのサービスアップグレードは、Red Hat Gluster Storage 3.3 から Red Hat Gluster Storage 3.4 でのみサポートされます。Red Hat Gluster Storage 3.1 からアップグレードし、NFS-Ganesha を使用する場合は、代わりにオフラインアップグレード方法を使用してください。
  • disperse.optimistic-change-log オプションおよび disperse.eager-lock オプションが off に設定されている場合に限り、イレイジャーコード化されたボリューム(disperspersed)ボリュームを、サービス内(in-service)にアップグレードできます。これらのオプションを無効にしてから 2 分間待機してからアップグレードを試行し、これらの設定の変更が I/O 操作で有効になるようにします。
  • インサービスソフトウェアアップグレードの実行前のシステムのワークロードが少なくし、アップグレード時に自己修復プロセスで過剰なエントリーを修復する必要がないようにします。また、システムのワークロードが高くなると、修復に時間がかかることになります。
  • Red Hat Gluster Storage サーバーではボリューム操作を実行しないでください。
  • ハードウェア設定を変更しないでください。
  • Red Hat Gluster Storage の複数バージョンが混在した状態でそれらのバージョンを長期間実行しないでください。たとえば、Red Hat Gluster Storage 3.3 と Red Hat Gluster Storage 3.4 を混在させないでください。
  • 異なるアップグレード方法を組み合わせることはできません。
  • シンプロビジョニングされたボリュームへの移行にインサービスソフトウェアアップグレードを使用することは推奨されませんが、オフラインアップグレードシナリオで使用できます。詳細はを参照してください。 「Red Hat Gluster Storage 3.4 へのオフラインアップグレード」

7.2.1.3. ISO を使用してアップグレードするためのリポジトリーの設定

ISO を使用してアップグレードするようにリポジトリーを設定するには、以下の手順を実行します。
注記
ISO を使用した Red Hat Gluster Storage のアップグレードは、直前のリリースからのみ実行できます。つまり、ISO を使用して Red Hat Gluster Storage 3.4 にアップグレードすると、Red Hat Gluster Storage 3.3.1 からしか実行できません。サポートされる Red Hat Gluster Storage リリースの詳細な一覧は、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」を参照してください。
  1. 以下のコマンドを使用して、任意のディレクトリーに ISO イメージファイルをマウントします。
    # mount -o loop <ISO image file> <mount-point>
    以下に例を示します。
    # mount -o loop RHGS-3.4-RHEL-7-x86_64-dvd-1.iso /mnt
  2. 以下の場所にあるファイルにリポジトリーオプションを設定します。
     /etc/yum.repos.d/<file_name.repo>
  3. 以下の情報をリポジトリーファイルに追加します。
    [local]
    name=local
    baseurl=file:///mnt
    enabled=1
    gpgcheck=0

7.2.1.4. アップグレードアクティビティーの準備およびモニタリング

インサービスソフトウェアのアップグレードに進む前に、以下のプロセスを準備し、監視します。
  • ピアおよびボリュームの状態を確認して、すべてのピアが接続され、アクティブなボリュームタスクがないことを確認します。
    # gluster peer status
    # gluster volume status
  • 以下のコマンドを使用してリバランスのステータスを確認します。
    # gluster volume rebalance r2 status
    Node   Rebalanced-files  size      scanned   failures    skipped   status   run time in secs
    ---------   -----------    ---------   --------   ---------  ------  --------  --------------
    10.70.43.198         0       0Bytes       99       0           0    completed     1.00
    10.70.43.148         49      196Bytes    100       0           0    completed     3.00
  • イレイジャーコード(disperspersed)ボリュームをアップグレードする必要がある場合は、disperse.optimistic-change-log および disperse.eager-lock オプションを off に設定します。これらのオプションを無効にしてから 2 分間待機してからアップグレードを試行し、これらの設定の変更が I/O 操作で有効になるようにします。
    # gluster volume set volname disperse.optimistic-change-log off
    # gluster volume set volname disperse.eager-lock off
  • 以下のコマンドを使用して、保留中の自己修復がないことを確認します。
    # gluster volume heal volname info
    以下の例は、保留中の自己修復がないことを示しています。
    # gluster volume heal drvol info
    Gathering list of entries to be healed on volume drvol has been successful
    
    Brick 10.70.37.51:/rhs/brick1/dir1
    Number of entries: 0
    
    Brick 10.70.37.78:/rhs/brick1/dir1
    Number of entries: 0
    
    Brick 10.70.37.51:/rhs/brick2/dir2
    Number of entries: 0
    
    Brick 10.70.37.78:/rhs/brick2/dir2
    Number of entries: 0

7.2.2. インサービスアップグレードのサービスへの影響

インサービスソフトウェアアップグレードは、以下のサービスに影響を与えます。必要な予防策を講じるようにしてください。

SWIFT

移行中の REST リクエストは、サービスソフトウェアのアップグレード時に失敗します。したがって、以下のコマンドを使用してサービスソフトウェアをアップグレードする前に、swift サービスをすべて停止することが推奨されます。

# service openstack-swift-proxy stop
# service openstack-swift-account stop
# service openstack-swift-container stop
# service openstack-swift-object stop

Gluster NFS

Gluster NFS を使用してボリュームをマウントすると、そのファイルシステムで新しいファイルまたは未処理のファイル操作が、サーバーがアップグレードされるまでサービスソフトウェアのアップグレード中に中断されずにハングします。

Samba / CTDB

Samba 共有の継続中の I/O は、Samba 共有がインサービスソフトウェアアップグレード時に一時的に利用できなくなるために失敗します。そのため、以下のコマンドを使用して Samba サービスを停止することが推奨されます。

# service ctdb stop   ;Stopping CTDB will also stop the SMB service.

ボリュームの分散

インサービスソフトウェアアップグレードは、分散ボリュームではサポートされません。クラスターに分散ボリュームがある場合は、アップグレード期間中そのボリュームを停止します。

# gluster volume stop <VOLNAME>

仮想マシンストア

仮想マシンのイメージは常に変更される可能性があります。volume heal コマンドの出力に仮想マシンが一覧表示されている場合、仮想マシンの自己修復が完了していないことを示す訳ではありません。これは、仮想マシンの変更が継続的に行われていることを意味します。

したがって、仮想マシンイメージ(Red Hat Enterprise Linux、Red Hat Enterprise Virtualization、および Red Hat OpenStack)を保存するために gluster ボリュームを使用している場合は、サービスソフトウェアのアップグレード前にすべての仮想マシンインスタンスの電源を切りておくことを推奨します。
重要
インサービスアップグレード時に生じる変更を最小限に抑えるために、すべての仮想マシンインスタンスをオフにすることが推奨されます。仮想マシンインスタンスを稼働状態にする場合は、修復にかかる時間が長くなり、保留中の自己修復が一定の数値のままで、0 になるまでに長い時間を要することがあります。

7.2.3. インサービスソフトウェアアップグレード

xmvn 環境をお持ちの場合は、「「In-Service Software Upgrade for a inactive Setup Setup」」 を参照してください。
以下の手順は、レプリカのペアの各ノードで実行する必要があります。
  1. オペレーティングシステムパーティション上ではない場所に、設定ディレクトリーとファイルをバックアップします。
    • /var/lib/glusterd
    • /etc/swift
    • /etc/samba
    • /etc/ctdb
    • /etc/glusterfs
    • /var/lib/samba
    • /var/lib/ctdb
    • /var/run/gluster/shared_storage/nfs-ganesha
    NFS-Ganesha を使用する場合は、すべてのノードから以下のファイルをバックアップします。
    • /etc/ganesha/exports/export.*.conf
    • /etc/ganesha/ganesha.conf
    • /etc/ganesha/ganesha-ha.conf
  2. ノードが NFS-Ganesha クラスターの一部である場合には、ノードをスタンバイモードにします。
    # pcs cluster standby
  3. 保留中の自己修復操作がないことを確認します。
    # gluster volume heal volname info
  4. このノードが NFS-Ganesha クラスターの一部である場合は、以下を実行します。
    1. PCS クラスターを無効にして、これが停止していることを確認します。
      # pcs cluster disable
      # pcs status
    2. nfs-ganesha サービスを停止します。
      # systemctl stop nfs-ganesha
  5. ノード上のすべての gluster サービスを停止し、それらが停止していることを確認します。
    # systemctl stop glusterd
    # pkill glusterfs
    # pkill glusterfsd
    # pgrep gluster
  6. システムがレガシーの Red Hat Classic 更新ソフトウェアを使用していないことを確認します。
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --status
    システムでこのレガシーソフトウェアを使用している場合、Red Hat Subscription Manager に移行し、移行の完了時にステータスが変更されていることを確認します。
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --rhn-to-rhsm
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --status
  7. 以下のコマンドを使用してサーバーを更新します。
    # yum update
  8. ボリュームがシックプロビジョニングされ、スナップショットを使用する予定の場合は、以下の手順を実行してシンプロビジョニングされたボリュームに移行します。
    注記
    インサービスソフトウェアアップグレード時にシックプロビジョニングされたボリュームからシンプロビジョニングされたボリュームに移行するには、ブリックにあるデータに応じて長い時間がかかります。スナップショットを使用する予定がない場合は、この手順を省略できます。ただし、既存の環境でスナップショットを使用する場合は、オフラインでアップグレードする方法が推奨されます。オフラインアップグレードの詳細は、を参照してください。 「Red Hat Gluster Storage 3.4 へのオフラインアップグレード」
    インサービスソフトウェアアップグレードを使用してシックプロビジョニングされたボリュームからシンプロビジョニングされたボリュームに移行する前に、Red Hat サポート担当者にお問い合わせください。
    1. 以下のコマンドを実行して、ボリュームに関連付けられたブリックをすべてアンマウントします。
      # umount mount_point
    2. 以下のコマンドを実行して、ブリックに関連付けられた LVM を削除します。
      # lvremove logical_volume_name
      以下に例を示します。
      # lvremove /dev/RHS_vg/brick1
    3. 以下のコマンドを実行してボリュームグループを削除します。
      # vgremove -ff volume_group_name
      以下に例を示します。
      # vgremove -ff RHS_vg
    4. 以下のコマンドを実行して物理ボリュームを削除します。
      # pvremove -ff physical_volume
    5. 物理ボリューム (PV) が作成されていない場合は、以下のコマンドを実行して RAID 6 ボリュームの PV を作成します。それ以外の場合は、次の手順に進みます。
      # pvcreate --dataalignment 2560K /dev/vdb
      詳細は、『 『Red Hat Gluster Storage 3.4 管理ガイドhttps://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_gluster_Storage/3.4/html-single/administration_guide/#Formatting_and_Mounting_Bricks 』を』 参照してください。
    6. 以下のコマンドを実行して、PV から単一のボリュームグループを作成します。
      # vgcreate volume_group_name disk
      以下に例を示します。
      # vgcreate RHS_vg /dev/vdb
    7. 以下のコマンドを使用して、シンプールを作成します。
      # lvcreate -L size --poolmetadatasize md_size --chunksize chunk_size -T pool_device
      以下に例を示します。
      # lvcreate -L 2T --poolmetadatasize 16G --chunksize 256  -T /dev/RHS_vg/thin_pool
    8. 以下のコマンドを実行して、プールからシンボリュームを作成します。
      # lvcreate -V size -T pool_device -n thinvol_name
      以下に例を示します。
      # lvcreate -V 1.5T -T /dev/RHS_vg/thin_pool -n thin_vol
    9. 以下のコマンドを実行して、新規ボリュームにファイルシステムを作成します。
      # mkfs.xfs -i size=512 thin_vol
      以下に例を示します。
      # mkfs.xfs -i size=512 /dev/RHS_vg/thin_vol
      バックエンドがシンプロビジョニングされたボリュームに変換されるようになりました。
    10. シンプロビジョニングされたボリュームをブリックディレクトリーにマウントし、ブリックに拡張属性を設定します。以下に例を示します。
      # setfattr -n trusted.glusterfs.volume-id \ -v 0x$(grep volume-id /var/lib/glusterd/vols/volname/info \ | cut -d= -f2 | sed 's/-//g') $brick
  9. glusterd を無効にします。
    # systemctl disable glusterd
    これにより、これがシステムの起動時に起動されるのを防ぐことができ、ノードがクラスターに再度参加する前に正常であることを確認できます。
  10. サーバーを再起動します。
    # shutdown -r now "Shutting down for upgrade to Red Hat Gluster Storage 3.4"
  11. 重要
    この手順は、直前の手順でシンプロビジョニングされたボリュームに移行した各シックプロビジョニングボリュームに対してのみ実行します。
    Automatic File Replication 拡張属性を別のノードから変更し、修復プロセスがレプリカサブボリュームのブリックからシンプロビジョニングされたブリックに対して実行されるようにします。
    1. FUSE マウントポイントを作成して、拡張属性を編集します。
      # mount -t glusterfs HOSTNAME_or_IPADDRESS:/VOLNAME /MOUNTDIR
    2. マウントポイントに新しいディレクトリーを作成し、この名前のディレクトリーがまだ存在していないことを確認します。
      # mkdir /MOUNTDIR/name-of-nonexistent-dir
    3. ディレクトリーを削除し、拡張属性を設定します。
      # rmdir /MOUNTDIR/name-of-nonexistent-dir
      # setfattr -n trusted.non-existent-key -v abc /MOUNTDIR
      # setfattr -x trusted.non-existent-key /MOUNTDIR
    4. レプリカのサブボリューム内のブリックの拡張属性がゼロ (zero) に設定されていないことを確認します。
      # getfattr -d -m. -e hex brick_path
      以下の例では、/dev/RHS_vg/brick2 の拡張属性である trusted.afr.repl3-client-1 はゼロ (zero) に設定されていません。
      # getfattr -d -m. -e hex /dev/RHS_vg/brick2
      getfattr: Removing leading '/' from absolute path names
      # file: /dev/RHS_vg/brick2
      trusted.afr.dirty=0x000000000000000000000000
      trusted.afr.repl3-client-1=0x000000000000000400000002
      trusted.gfid=0x00000000000000000000000000000001
      trusted.glusterfs.dht=0x000000010000000000000000ffffffff
      trusted.glusterfs.volume-id=0x924c2e2640d044a687e2c370d58abec9
  12. glusterd サービスを起動します。
    # systemctl start glusterd
  13. Red Hat Gluster Storage の最新バージョンにアップグレードしていることを確認します。
    # gluster --version
  14. すべてのブリックがオンラインであることを確認します。
    # gluster volume status
    以下に例を示します。
    # gluster volume status
    Status of volume: r2
    
    Gluster process                                         Port    Online  Pid
    ------------------------------------------------------------------------------
    Brick 10.70.43.198:/brick/r2_0                          49152   Y       32259
    Brick 10.70.42.237:/brick/r2_1                          49152   Y       25266
    Brick 10.70.43.148:/brick/r2_2                          49154   Y       2857
    Brick 10.70.43.198:/brick/r2_3                          49153   Y       32270
    NFS Server on localhost                                 2049    Y       25280
    Self-heal Daemon on localhost                           N/A     Y       25284
    NFS Server on 10.70.43.148                              2049    Y       2871
    Self-heal Daemon on 10.70.43.148                        N/A     Y       2875
    NFS Server on 10.70.43.198                              2049    Y       32284
    Self-heal Daemon on 10.70.43.198                        N/A     Y       32288
    
    Task Status of Volume r2
    ------------------------------------------------------------------------------
    There are no active volume tasks
  15. ボリュームで自己修復を開始します。
    # gluster volume heal volname
  16. ボリューム上の自己修復が完了していることを確認します。
    # gluster volume heal volname info
    以下の例は、完了した自己修復操作を示しています。
     # gluster volume heal drvol info
    Gathering list of entries to be healed on volume drvol has been successful
    
    Brick 10.70.37.51:/rhs/brick1/dir1
    Number of entries: 0
    
    Brick 10.70.37.78:/rhs/brick1/dir1
    Number of entries: 0
    
    Brick 10.70.37.51:/rhs/brick2/dir2
    Number of entries: 0
    
    Brick 10.70.37.78:/rhs/brick2/dir2
    Number of entries: 0
  17. 共有ストレージがマウントされていることを確認します。
    # mount | grep /run/gluster/shared_storage
  18. このノードが NFS-Ganesha クラスターの一部である場合は、以下を実行します。
    1. システムが SELinux により管理されている場合は、ganesha_use_fusefs のブール値を on に設定します。
      # setsebool -P ganesha_use_fusefs on
    2. NFS-Ganesha サービスを起動します。
      # systemctl start nfs-ganesha
    3. クラスターを有効にし、起動します。
      # pcs cluster enable
      # pcs cluster start
    4. ノードをスタンバイモードからリリースします。
      # pcs cluster unstandby
    5. pcs クラスターが実行されており、ボリュームがアップグレード後に正しくエクスポートされていることを確認します。
      # pcs status
      # showmount -e
      上記の手順を実施した後、NFS-ganesha は短い猶予期間に入ります。I/O 操作はこの猶予期間に停止します。ganesha.log ファイルに NFS Server Now NOT IN GRACE が表示されるのを確認してから続行します。
  19. オプションで、システムの起動時に glusterd サービスが起動するようにします。
    # systemctl enable glusterd
  20. レプリカのペアの他のノードで上記の手順を繰り返します。分散レプリケーションの設定の場合、すべてのレプリカのペアで上記の手順を繰り返します。
  21. すべてのノードがアップグレードされたら、以下のコマンドを実行してクラスターの op-version を更新します。これにより、クラスター内の互換性の問題を防ぐことができます。
     # gluster volume set all cluster.op-version 31306
    注記
    31306 は、Red Hat Gluster Storage 3.4 Async Update の cluster.op-version の値に使用されます。他のバージョンの正しいcluster.op-version 値については、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 を参照してください。
    注記
    スナップショットを有効にする場合は、『 『Red Hat Gluster Storage 3.4 Administration Guide :https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_gluster_Storage/3.4/html-single/administration_guide/#Troubleshooting1』 を参照してください。
  22. アップグレード前にクライアント側のクォーラが無効にされている場合は、以下のコマンドを実行してこれをアップグレードします。
    # gluster volume set volname cluster.quorum-type auto
  23. ダミーノードを以前に作成している場合は、以下のコマンドを実行してそのノードの割り当てを解除します。
    # gluster peer detach <dummy_node name>
  24. アップグレード前にマスターとスレーブ間の geo レプリケーションセッションが無効になっている場合は、メタボリュームを設定してセッションを再起動します。
    # gluster volume set all cluster.enable-shared-storage enable
    # gluster volume geo-replication Volume1 example.com::slave-vol config use_meta_volume true
    # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL start
  25. イレイジャーコーディングされた(dispersed)ボリュームをアップグレードするために disperse.optimistic-change-log オプションおよび disperse.eager-lock オプションを無効にしている場合は、これらの設定を再度有効にします。
    # gluster volume set volname disperse.optimistic-change-log on
    # gluster volume set volname disperse.eager-lock on

7.2.4. インサービスソフトウェアアップグレードに関する特別な考慮事項

以下のセクションでは、CTDB 設定のインサービスソフトウェアアップグレード手順について説明します。

7.2.4.1. 「In-Service Software Upgrade for a inactive Setup Setup」

以下の手順に従い、Red Hat Gluster Storage サーバーをアップグレードする前に、必ず Red Hat Gluster Storage サーバーをアップグレードします。以下の手順は、レプリカペアの各ノードで実行する必要があります。
  1. 再起動後にこれが自動的に起動しないようにするには、iscsiadm クラスターの各ノードで以下のコマンドを実行します。
    # systemctl disable ctdb
  2. Red Hat Gluster Storage ノードの各ノードで以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage サービスを停止します。
    # systemctl stop ctdb
    1. xmvn サービスおよび SMB サービスが停止しているかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
      # ps axf | grep -E '(ctdb|smb|winbind|nmb)[d]'
  3. 以下のコマンドを使用して、ストレージサーバー上の gluster サービスを停止します。
    # systemctl stop glusterd
    # pkill glusterfs
    # pkill glusterfsd
  4. /etc/fstab で、以下の例のようにpid service に使用されるボリュームを含む行をコメントアウトします。
    # HostName:/volname  /gluster/lock glusterfs defaults,transport=tcp 0 0
  5. 以下のコマンドを使用してサーバーを更新します。
    # yum update
  6. SELinux サポートが必要な場合は、の手順に従い SELinux を有効にします。 10章SELinux の有効化
  7. SELinux を有効にしたら、以下のブール値を設定します。

    Samba の場合

    setsebool -P samba_load_libgfapi 1

    (402 の場合)

    setsebool -P use_fusefs_home_dirs 1

  8. 再起動後に glusterd サービスが自動的に起動しないようにするには、以下のコマンドを実行します。
    # systemctl disable glusterd
  9. サーバーを再起動します。
  10. 以下のスクリプトの gluster ボリューム情報を使用して META=all を更新します。
    /var/lib/glusterd/hooks/1/start/post/S29CTDBsetup.sh /var/lib/glusterd/hooks/1/stop/pre/S29CTDB-teardown.sh
  11. /etc/fstab で、以下の例のようにpid サービスに使用されるボリュームを含む行をコメント解除します。
    HostName:/volname /gluster/lock glusterfs defaults,transport=tcp 0 0
  12. システムの起動時に glusterd デーモンを自動的に起動するには、以下のコマンドを実行します。
    # systemctl enable glusterd
  13. システムの起動時に ctdb デーモンを自動的に起動するには、以下のコマンドを実行します。
    # systemctl enable ctdb
  14. 以下のコマンドを使用して glusterd サービスを起動します。
    # systemctl start glusterd
  15. NFS を使用してボリュームにアクセスする場合は、以下のコマンドを使用して gluster-NFS を有効にします。
    # gluster volume set <volname> nfs.disable off
    以下に例を示します。
    # gluster volume set testvol nfs.disable off
    volume set: success
  16. 以下のコマンドを実行して、pidgin ボリュームをマウントします。
    # mount -a
  17. 以下のコマンドを使用して、pidgin サービスを起動します。
    # systemctl start ctdb
  18. Hadoop が正常に実行されているかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
    # ctdb status
    # ctdb ip
    # ctdb ping -n all

Hadoop のアップグレード

Red Hat Gluster Storage サーバーをアップグレードしてから、以下の手順に従ってこれをアップグレードします。

注記
  • データの破損を避けるために、全ノードでこれを同時にアップグレードする必要があります。
  • 以下の手順は、pidgin を 1.x から 00:00:0 4.x にアップグレードするときにのみ実行する必要があります。
  1. 以下のコマンドを実行して、getfacl クラスターの全ノードでこれを停止します。これは、2 つの異なるバージョンのブリックを同時に実行できないため、すべてのノードで同時に実行するようにしてください。
    # systemctl stop ctdb
  2. samba サーバーとして使用するすべてのノードで、以下の操作を実行します。
    • 以下のソフトリンクを削除します。
      /etc/sysconfig/ctdb
      /etc/ctdb/nodes
      /etc/ctdb/public_addresses
    • clustering クラスターの各ノードで以下のコマンドを実行して、以下のファイルを対応する場所にコピーします。
      cp /gluster/lock/nodes /etc/ctdb/nodes
      cp /gluster/lock/public_addresses /etc/ctdb/public_addresses
  3. いずれかのノードで以下のコマンドを実行して、pid ボリュームを停止して削除します。
    # gluster volume stop volname
    # gluster volume delete volname
  4. アップデートするには、以下のコマンドを実行します。
    # yum update
Red Hat Gluster Storage サーバーでのこれに関する詳細情報は、『 『Red Hat Gluster Storage 管理ガイド』』の 『「Setting Up』 TEMPLATES」を参照してください。

7.2.4.2. インサービスソフトウェアアップグレードの検証

Red Hat Gluster Storage サーバーの最新バージョンにアップグレードしているかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
# gluster --version

7.2.4.3. ネイティブクライアントのアップグレード

すべてのクライアントは、同じバージョンの glusterfs-fuse を使用する必要があります。Red Hat では、クライアントをアップグレードする前にサーバーをアップグレードすることを強く推奨します。Red Hat Gluster Storage 3.1 Update 2 以前からアップグレードする場合は、サーバーとクライアントを同時にアップグレードする必要があります。ネイティブクライアントのアップグレードに関する詳細は、『 『Red Hat Gluster Storage Administration Guide』 』の「 Upgrading Native Client 」を参照してください。

第8章 Red Hat Gluster Storage の Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレード

本章では、Red Hat Enterprise Linux 6 ベースの Red Hat Gluster Storage から Red Hat Gluster Storage ベースの Red Hat Gluster Storage にアップグレードする方法を説明します。
重要
Gluster ノードを RHEL 6 から RHEL 7 にアップグレードする場合は、以下の点に注意してください。
  • RHEL 6 から RHEL 7 へのアップグレードを実行中にヘルプが必要な場合は、詳細について Red Hat サポートにご連絡ください。
  • RHEL 6 から RHEL 7 へのアップグレードはオフライン手順であり、アップグレードプロセス時にボリュームがオフラインであるため、Gluster ノードのダウンタイムが発生します。
  • クライアントをアップグレードする前に、サーバーをアップグレードする必要があります。

8.1. アップグレードのためのシステムの準備

  1. Red Hat Network Classic から Red Hat Subscription Manager に移行します。

    システムがレガシーの Red Hat Network Classic 更新システムにないことを確認します。
    # migrate-rhs-classic-to-rhsm --status
    システムが Red Hat Network Classic にない場合は、この手順を省略します。
    システムが Red Hat Network Classic にある場合は、「Migrating from RHN to RHSM in Red Hat Enterprise Linux」を参照して Red Hat Subscription Manager に移行します。
  2. システムをサブスクリプションマネージャーに登録します。

    重要
    Subscription Manager を使用してシステムがすでに登録されている場合は、登録の手順を省略して、Gluster 設定ファイルのバックアップを開始します。
    システムを Red Hat Network に登録するには、以下のコマンドを実行し、RHEL エンタイトルメントのある Red Hat Network ユーザー名およびパスワードを入力します。
    # subscription-manager register --username=user_name --password=password
  3. 利用可能なエンタイトルメントプールを特定します。

    RHEL 6 リポジトリーを含むエンタイトルメントプールを検索します。
    # subscription-manager list --available
  4. システムにエンタイトルメントプールをアタッチします。

    前の手順で特定したプール識別子を使用して、RHEL 6 のエンタイトルメントをシステムに割り当てます。
    # subscription-manager attach --pool=pool_ID
  5. リポジトリーを有効にする

    RHEL 6、scalefs、および Red Hat Gluster Storage リポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms --enable=rhel-scalefs-for-rhel-6-server-rpms --enable=rhs-3-for-rhel-6-server-rpms
  6. Gluster 設定ファイルのバックアップ

    注記
    システムを更新する前に、信頼できるバックアップソリューションを使用して完全バックアップを作成することが推奨されます。このナレッジベースソリューションでは、次のような方法があり https://access.redhat.com/solutions/1484053 ます。
    1. 以下の設定ディレクトリーとファイルがバックアップされていることを確認します。
      • /var/lib/glusterd
      • /etc/glusterfs
    2. samba-ctdb が有効にされたシステムの場合は、バックアップを保存する新しいディレクトリーを作成します。
      # mkdir backup_folder_name
      # cd backup_folder_name
    3. 以下のコマンドを実行して、samba-ctdb データのバックアップを作成します。
      for each in `ctdb getdbmap | grep PERSISTENT | cut -d" " -f2 | cut -d":" -f2`; do echo $each ; ctdb backup_folder_name $each ${each}.bak; done
  7. すべての Gluster サービス、ボリューム、およびプロセスを停止します。

    1. geo レプリケーションセッションを停止します。
      # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL stop
    2. Nagios プロセスを停止します。
      # service nrpe stop
    3. すべてのボリュームを停止します。
      # for vol in `gluster volume list`; do gluster --mode=script volume stop $vol; sleep 2s; done
    4. Gluster プロセスを停止します。
      # service glusterd stop
      # pkill glusterfs
      # pkill glusterfsd
    5. samba-ctdb が有効なシステムの場合は、ctdb サービスを停止します。
      # service ctdb stop
  8. システムを更新して再起動します。

    システムを RHEL 6 の最新のマイナーバージョンに更新し、更新の完了後に再起動します。
    # yum update
    # reboot
  9. バージョン番号を確認します。

    以下のコマンドを使用して、更新された RHEL 6 システムの現在のバージョン番号を確認します。
    # cat /etc/redhat-release
    重要
    バージョン番号は 6.10 である必要があります。

8.2. システム評価の実行

  1. preupgrade- Assistant のインストール

    preupgrade- Assistant は、既存の RHEL 6 システムをスキャンし、システムが RHEL 7 にアップグレードする方法と準備状態を判断するツールです。
    以下のコマンドを使用して、必要なリポジトリーにサブスクライブし、preupgrade-assistant ツールをインストールします。
    # subscription-manager repos --enable rhel-6-server-extras-rpms --enable rhel-6-server-optional-rpms
    # yum install preupgrade-assistant preupgrade-assistant-el6toel7
  2. preupgrade ツールを実行します。

    preupgrade ツールを起動します。
    # preupg -v
  3. 結果を評価します。

    1. ブラウザーで preupgrade ツールの結果を表示します。
      /root/preupgrade/result.html
    2. Failed および Needs Action とマークされているすべてのコンポーネントを書き留めます。
    3. アップグレードプロセスを支援する Red Hat のマネージメントにハイライトを共有してください。
  4. RHEL 7 の SELinux ポリシー

    RHEL 6 と RHEL 7 との間で SELinux ポリシーが変更になりました。RHEL 7 で作業中の SELinux ポリシーの場合は、以下のコマンドを実行します。
    # semodule -r sandbox
  5. クラスターおよび HA 関連パッケージのアンインストール

    重要
    システムにインストールされているクラスターおよび HA 関連のパッケージについては、移行ができません。
    以下のコマンドを実行して、クラスターおよび HA 関連パッケージをアンインストールします。
    # yum remove modcluster ricci openais corosync

8.3. RHEL 6.X から RHEL 7.X へのアップグレード

  1. 移行ツールのインストール

    ツールをインストールして、RHEL 6 から RHEL 7 への移行を実行します。
    # yum install redhat-upgrade-tool
    # yum install yum-utils
  2. すべてのリポジトリーを無効にします

    有効にされているすべてのリポジトリーを無効にします。
    # yum-config-manager --disable \*
  3. 最新の RHEL 7 ISO をダウンロードする

    Red Hat Customer Service Portal(https://access.redhat.com/downloads)の ソフトウェアおよびダウンロードセンター にアクセスし、最新の RHEL 7 ISO イメージファイル を取得します。有効な Red Hat サブスクリプションを使用して、完全なインストールファイルのダウンロードや、評価用の無料インストールの取得を行うか、またはこのページのリンクにアクセスして新規の Red Hat サブスクリプションを購入します。
    Red Hat サブスクリプションまたは Red Hat 評価サブスクリプションを使用して RHEL 7 インストールファイルをダウンロードするには、以下の手順を実行します。
    1. Red Hat カスタマーポータル (https://access.redhat.com/login) にアクセスし、ユーザー名およびパスワードを入力してログインします。
    2. Downloads をクリックし、 Software & Download Center に移動します。
    3. Red Hat Enterprise Linux エリアで Download Software をクリックして、最新バージョンのソフトウェアをダウンロードします。
  4. ISO を使用して RHEL 7 にアップグレードします。

    Red Hat アップグレードツールを使用して RHEL 7 にアップグレードし、アップグレードプロセスの完了後に再起動します。
    # redhat-upgrade-tool --iso RHEL7_ISO_filepath --cleanup-post
    # reboot
    重要
    アップグレードプロセスは、システムの設定やデータ量によって異なります。

8.4. Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード

  1. すべてのリポジトリーを無効にします

    # subscription-manager repos --disable=’*’
  2. RHEL 7 チャンネルへのサブスクライブ

    # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms
  3. 古い RHEL 6 パッケージの確認

    アップグレード後に、古い RHEL 6 パッケージをメモします。
    # rpm -qa | grep el6
  4. 更新および再起動

    RHEL 7 パッケージを更新し、更新が完了したら再起動します。
    # yum update
    # reboot
  5. バージョン番号を確認します。

    更新された RHEL 7 システムの現在のバージョン番号を確認します。
    # cat /etc/redhat-release
    重要
    バージョン番号は 7.5 である必要があります。
  6. 必要なチャンネルのサブスクライブ

    1. Gluster チャンネルへの従属:
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-for-rhel-7-server-rpms
    2. Samba が必要な場合は、そのリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
    3. NFS-Ganesha が必要な場合は、そのリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-nfs-for-rhel-7-server-rpms --enable=rhel-ha-for-rhel-7-server-rpms
    4. gdeploy が必要な場合は、Ansible リポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-ansible-2-rpms
    5. Nagios が必要な場合は、そのリポジトリーを有効にします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-nagios-for-rhel-7-server-rpms
  7. Gluster のインストールおよび更新

    1. 以下のコマンドを使用して Red Hat Gluster Storage 3.4 をインストールします。
      # yum install redhat-storage-server
    2. 以下のコマンドを使用して、Red Hat Gluster Storage を最新のパッケージに更新します。
      # yum update
  8. インストールおよび更新の確認

    1. 更新した Red Hat Gluster Storage システムの現行バージョンの番号を確認します。
      # cat /etc/redhat-storage-release
      重要
      バージョン番号は 3.4 である必要があります。
    2. RHEL 6 パッケージが存在するかどうかを確認します。
      # rpm -qa | grep el6
      重要
      コマンドの出力には、RHEL 6 バリアントのパッケージが記載されません。出力に RHEL 6 バリアントのパッケージを一覧表示するには、Red Hat サポートにお問い合わせください。
  9. firewalld のインストールと設定

    1. 以下のコマンドを使用して、ファイアウォールデーモンをインストールして起動します。
      # yum install firewalld
      # systemctl start firewalld
    2. Gluster プロセスをファイアウォールに追加します。
      # firewall-cmd --zone=public --add-service=glusterfs --permanent
    3. 必要なサービスとポートを firewalld に追加します。Red Hat Gluster Storage に関する考慮事項を参照してください。
    4. 以下のコマンドを使用してファイアウォールを再読み込みします。
      # firewall-cmd --reload
  10. Gluster プロセスの開始

    1. glusterd プロセスを開始します。
      # systemctl start glusterd
    2. Nagios を使用するシステムの場合は、以下のプロセスを開始して有効にします。
      # systemctl start glusterpmd
    3. Nagios プロセスを開始して有効にします。
      # systemctl start nrpe
    4. Nagios プロセスが起動できない場合は、以下のコマンドを実行します。
      # restorecon -Rv /etc/nagios/nrpe.cfg
      # systemctl start nrpe
  11. Gluster op-version の更新

    以下のコマンドを使用して Gluster op-version を必要な番号の大きいバージョンに更新します。
    # gluster volume get all cluster.max-op-version
    # gluster volume set all cluster.op-version op_version
    注記
    31306 は、Red Hat Gluster Storage 3.4 Async Update の cluster.op-version の値に使用されます。他のバージョンの正しいcluster.op-version 値については、「サポート対象の Red Hat Gluster Storage バージョン」 を参照してください。
  12. Samba および Hadoop の設定

    RHEL 6 の Gluster セットアップで Samba および Warehouse が設定されている場合は、更新された RHEL 7 システムで以下が利用可能でなければなりません。
    • CTDB ボリューム
    • /etc/ctdb/nodes ファイル
    • /etc/ctdb/public_addresses ファイル
    Samba および CTDB を再設定するには、以下の手順を実行します。
    1. Samba のファイアウォールを設定します。
      # firewall-cmd --zone=public  --add-service=samba --permanent
      # firewall-cmd --zone=public  --add-port=4379/tcp --permanent
    2. Samba チャンネルにサブスクライブします。
      # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-samba-for-rhel-7-server-rpms
    3. Samba を最新のパッケージに更新します。
      # yum update
    4. Samba の 設定 - Samba の場合は 『、「Red Hat Gluster Storage Server』 での Samba の設定」を参照 してください。ボリュームの作成は省略する必要があります。アップグレード後に存在するボリュームはアップグレード後も永続化するためです。
    5. 以下のファイルで、ステートメント META="all"all をボリューム名に置き換えます。
      /var/lib/glusterd/hooks/1/start/post/S29CTDBsetup.sh
      /var/lib/glusterd/hooks/1/stop/pre/S29CTDB-teardown.sh
      たとえば、ボリューム名は ctdb_volname であり、ファイル内の META="all"META="ctdb_volname" に変更される必要があります。
    6. 以下のコマンドを使用して CTDB ボリュームを再起動します。
      # gluster volume stop volume_name
      # gluster volume start volume_name
    7. CTDB プロセスを開始します。
      # systemctl start ctdb
    8. 必要に応じて Samba でボリュームを共有します。「 SMB でのボリュームの共有」 を参照してください。
  13. ボリュームと Geo レプリケーションの起動

    1. 以下のコマンドを使用して、必要なボリュームを起動します。
      # gluster volume start volume_name
    2. meta-volume をマウントします。
      # mount /var/run/gluster/shared_storage/
      このコマンドが機能しない場合は、/etc/fstab の内容を確認して、共有ストレージのエントリーが正しく設定されていることを確認して、mount コマンドを再実行します。/etc/fstab ファイルのメタボリュームの行は以下のようになります。
      hostname:/gluster_shared_storage   /var/run/gluster/shared_storage/   glusterfs   defaults   0 0
    3. geo レプリケーションセッションを復元します。
      # gluster volume geo-replication MASTER_VOL SLAVE_HOST::SLAVE_VOL start
      Geo レプリケーションの詳細は、「 Geo-replication のデプロイの準備」を 参照してください。

第9章 Red Hat Enterprise Virtualization-Red Hat Gluster Storage 環境における Red Hat Gluster Storage 3.3 から Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード

本セクションでは、Red Hat Gluster Storage と Red Hat Enterprise Virtualization の統合環境のアップグレード方法について説明します。ISO または yum を使用して、Red Hat Gluster Storage 3.3 を Red Hat Gluster Storage 3.4 にアップグレードできます。
警告
アップグレードする前に、Red Hat Gluster Storage 3.1.3 の後のバージョンに変更された要件があるかどうかを注意して確認してください。Red Hat Gluster Storage 3.1.3 以降のサーバーが提供するボリュームにアクセスする場合は、クライアントが Red Hat Gluster Storage 3.1.3 以降も使用している必要があります。他のクライアントのバージョンからボリュームにアクセスすると、データが利用不可となり、ディレクトリー操作に関する問題が生じる可能性があります。この要件は Red Hat Gluster Storage 3.1.3 に Distributed Hash Table の機能に影響を与える多数の変更が含まれるために存在します。これは、ディレクトリーの整合性を改善し、BZ#1115367 および BZ#1118762 に示される影響を取り除くことを目的としています。
重要
Red Hat Enterprise Linux 7 ベースの Red Hat Gluster Storage では、3.1 以上に更新するとファイアウォールのルールが再度読み込まれます。リロード前のランタイムのみの変更はすべて失われます。

9.1. 前提条件

  • 自己修復操作が進行中でないことを確認します。
    # gluster volume heal volname info
  • 以下のコマンドを実行して、 Glusterfs Storage Domain に対応する gluster ボリュームで保留状態の自己修復がないことを確認します。
    # gluster volume heal volname info summary

9.2. インサービス統合環境のアップグレード

以下の手順に従って、オンラインおよびインサービスの統合 Red Hat Virtualization および Red Hat Gluster Storage 環境をアップグレードします。
  1. Red Hat Gluster Storage ノードをアップグレードします。

    Red Hat Gluster Storage ノードごとに、一度に 1 つのノードに対して以下の手順を実行します。レプリカセットが複数ある場合は、別のレプリカセットに移動する前に、レプリカセットの各ノードをアップグレードします。
    1. アップグレードするストレージノードのすべての gluster サービスを、ノード上で以下のコマンドを root ユーザーで実行して停止します。
      # systemctl stop glusterd
      # pkill glusterfs
      # pkill glusterfsd
      # pgrep gluster
    2. 管理ポータルで StorageHosts をクリックし、アップグレードするストレージノードを選択します。
    3. ManagementMaintenance の順にクリックし、OK をクリックします。
    4. 「In-Service ソフトウェアの Red Hat Gluster Storage 3.3 から Red Hat Gluster Storage 3.4 へのアップグレード」 の手順を使用してストレージノードをアップグレードします。
    5. ストレージノードを再起動します。
    6. 管理ポータルで StorageHosts をクリックし、ストレージノードを選択します。
    7. ManagementActivate をクリックします。
    8. ストレージノードの名前 → Bricks をクリックし、すべてのブリックの Self-Heal Info 列が OK として一覧表示されていることを確認してから次のストレージノードをアップグレードします。
  2. Gluster クライアントソフトウェアを仮想化ホストでアップグレードします。

    すべてのストレージノードをアップグレードした後に、クライアントソフトウェアをすべての仮想化ホストで更新します。
    1. Red Hat Virtualization ホストの場合

      1. 管理ポータルで ComputeHosts をクリックし、更新するノードを選択します。
      2. 4.2 よりも前の Red Hat Virtualization バージョンでは、ManagementMaintenance をクリックし、OK をクリックします。
      3. InstallationUpgrade をクリックし、 OK をクリックします。
        ノードは最新パッケージで自動的に更新され、更新の完了時に再度アクティブになります。
    2. Red Hat Enterprise Linux ホストの場合

      1. 管理ポータルで ComputeHosts をクリックし、更新するノードを選択します。
      2. ManagementMaintenance の順にクリックし、OK をクリックします。
      3. ホストを正しいリポジトリーにサブスクライブし、更新を受信します。
      4. ホストを更新します。
        # yum update
      5. 管理ポータルで ManagementActivate をクリックします。

9.3. オフライン統合環境のアップグレード

以下の手順に従って、オフラインおよびサービス停止状態の Red Hat Virtualization および Red Hat Gluster Storage 環境をアップグレードします。

9.3.1. ISO を使用したアップグレード

  1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、仮想マシンインスタンスをすべて停止します。
    インスタンス上の Red Hat Gluster Storage ボリュームは、アップグレード時に停止します。
  2. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、データセンターのデータドメインを メンテナンス モードに切り替えます。
  3. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、データセンター内の Red Hat Gluster Storage ノードを含むボリューム (データドメインに使用されるボリューム) を停止します。
  4. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、すべての Red Hat Gluster Storage ノードを メンテナンス モードに切り替えます。
  5. 「ISO を使用してアップグレードするためのリポジトリーの設定」セクションで説明されているように ISO アップグレードを実行します。
  6. Red Hat Enterprise Virtualization Manager から Red Hat Gluster Storage ノードを再インストールします。
    注記
    • Red Hat Gluster Storage ノードの再インストールは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager から行う必要があります。新たにアップグレードした Red Hat Gluster Storage 3.4 ノードは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager にノードを追加している間にファイアウォール設定やその他の設定詳細を失います。ブートストラップを実行するために、Red Hat Gluster Storage ノードを再インストールします。
    • 図9.1「アップグレード前の Red Hat Gluster Storage ノード 」で説明されているように、Action Items で指定されるオプションを使用して Red Hat Gluster Storage ノードを再設定し、ブートストラップを実行できます。

    図9.1 アップグレード前の Red Hat Gluster Storage ノード

    アップグレード前の Red Hat Gluster Storage ノード
  7. すべての Red Hat Gluster Storage ノードで上記のステップを実行します。
  8. すべてのノードについて、Red Hat Enterprise Virtualization Manager で Up ステータスが確認されたら、ボリュームを起動します。
  9. 使用しているハイパーバイザーに応じて、Red Hat Enterprise Linux 6 または Red Hat Enterprise Linux 7 のネイティブクライアントの部分をアップグレードします。
    注記
    Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor をハイパーバイザーとして使用する場合は、最新のネイティブクライアントを含む Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の適切なビルドをインストールします。

    図9.2 アップグレード後の Red Hat Gluster Storage ノード

    アップグレード後の Red Hat Gluster Storage ノード
  10. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、データドメインをアクティブにし、データセンター内のすべての仮想マシンインスタンスを起動します。

9.3.2. yum を使用したアップグレード

  1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、データセンター内のすべての仮想マシンインスタンスを停止します。
  2. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、gluster ボリュームがサポートするデータドメインを メンテナンス モードに切り替えます。
  3. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して、すべての Red Hat Gluster Storage ノードを メンテナンス モードに切り替えます。
  4. Red Hat Gluster Storage ノードを再起動したら、Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用して Activate を実行します。
    注記
    ISO のアップグレードとは異なり、アップグレード前に行われたネットワーク設定およびブートストラップ設定は保持されるため、Red Hat Gluster Storage ノードの再インストールが必要です。
  5. Red Hat Enterprise Virtualization Manager を使用してボリュームを起動します。
  6. 使用する Red Hat Enterprise Linux サーバーハイパーバイザーに基づいて、Red Hat Enterprise Linux 6 または Red Hat Enterprise Linux 7 のネイティブクライアントの部分をアップグレードします。
    注記
    Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor をハイパーバイザーとして使用する場合は、最新バージョンの Red Hat Gluster Storage ネイティブクライアントを含む Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor を再インストールします。
  7. データドメインをアクティベートし、すべての仮想マシンインスタンスを起動します。

第10章 SELinux の有効化

Red Hat Gluster Storage 3.1 にアップグレードしたら、SELinux サポートに関する手順に従ってください。この手順は必須ではなく、SELinux サポートが必要な場合にのみ必要になります。
この手順では、selinux-policy-targeted、selinux-policy、libselinux、libselinux-python、libselinux-utils、policycoreutils、policycoreutils-python、setroubleshoot-server、setroubleshoot-plugins パッケージがインストールされていることを前提としています。パッケージがインストールされていることを確認するには、以下のコマンドを使用します。
# rpm -q package_name
重要
システムが最初に SELinux(とくに selinux-policy パッケージ) なしでインストールされている場合は、SELinux を有効にするために追加の手順が必要になります。システムの起動時に SELinux が初期化されるようにするには、dracut ユーティリティーを実行して、SELinux を initramfs ファイルシステムに認識させる必要があります。そうしない場合には、SELinux はシステムの起動時に起動しません。
  1. SELinux を有効にする前に、ファイルシステムの各ファイルに SELinux コンテキストでラベル付けする必要があります。その前に、制限のあるドメインではアクセスが拒否され、システムが正常に起動しなくなる可能性があります。これを防ぐには、/etc/selinux/configSELINUX=permissive を設定します。
    # This file controls the state of SELinux on the system.
    # SELINUX= can take one of these three values:
    #       enforcing - SELinux security policy is enforced.
    #       permissive - SELinux prints warnings instead of enforcing.
    #       disabled - No SELinux policy is loaded.
    SELINUX=permissive
    # SELINUXTYPE= can take one of these two values:
    #       targeted - Targeted processes are protected,
    #       mls - Multi Level Security protection.
    SELINUXTYPE=targeted
  2. Linux の root ユーザーとして、システムを再起動します。次回の起動時に、ファイルシステムにラベルが付けられます。ラベルプロセスでは、各ファイルに SELinux コンテキストのラベルを付けます。
    *** Warning -- SELinux targeted policy relabel is required.
    *** Relabeling could take a very long time, depending on file
    *** system size and speed of hard drives.
    ****
    一番下の行にある * (アスタリスク)文字は、ラベル付けされている 1000 ファイルを表します。上記の例では、4 つの * 文字は 4000 ファイルにラベルが付けられていることを表します。すべてのファイルにラベルを付けるのにかかる時間は、システムのファイル数とハードドライブの速度によって異なります。最新のシステムでは、このプロセスに 10 分程度かかる場合があります。
  3. Permissive モードでは、SELinux ポリシーは実行されませんが、Enforcing モードで拒否された可能性のあるアクションについての拒否メッセージがログに記録されます。Linux の root ユーザーとして Enforcing モードに切り換える前に、以下のコマンドを実行して、SELinux が最後の起動時にアクションを拒否していないことを確認します。
    # grep "SELinux is preventing" /var/log/messages
    SELinux が最後の起動時にアクションを拒否しなかった場合、このコマンドは出力を返しません。
  4. /var/log/messages に拒否メッセージがない場合は、/etc/selinux/config に SELINUX=enforcing を設定します。
    # This file controls the state of SELinux on the system.
    # SELINUX= can take one of these three values:
    #       enforcing - SELinux security policy is enforced.
    #       permissive - SELinux prints warnings instead of enforcing.
    #       disabled - No SELinux policy is loaded.
    SELINUX=enforcing
    # SELINUXTYPE= can take one of these two values:
    #       targeted - Targeted processes are protected,
    #       mls - Multi Level Security protection.
    SELINUXTYPE=targeted
  5. システムを再起動します。再起動後に、getenforce が Enforcing を返すことを確認します。
    ~]$ getenforce
    Enforcing

第11章 Gluster コマンドラインインターフェースの使用

Gluster コマンドラインインターフェース(CLI) は、ストレージ環境の設定および管理を簡素化します。Gluster CLI は LVM(論理ボリュームマネージャー)CLI または Mouse CLI と似ていますが、複数のストレージサーバー間で動作します。Gluster CLI は、ボリュームがマウントされている場合 (アクティブ) とマウントされていない場合 (非アクティブ)に使用できます。Red Hat Gluster Storage は、すべてのサーバーでボリューム設定情報を自動的に同期します。
Gluster CLI を使用して、新規ボリュームの作成、既存ボリュームの起動および停止、ボリュームへのブリックの追加、ボリュームからのブリックの削除、およびトランスレーター設定の変更を実行します。さらに、Gluster CLI コマンドは自動化スクリプトを作成し、コマンドを API として使用して、サードパーティーのアプリケーションとの統合を可能にします。
注記
CLI コマンドに --mode=script を追加すると、確認プロンプトなしにコマンドを実行できます。

Gluster CLI の実行

コマンドを呼び出すか、対話モードで Gluster CLI を実行して、任意の Red Hat Gluster Storage Server で Gluster CLI を実行します。gluster コマンドは、SSH 経由でリモートで使用できます。

COMMAND を必要なコマンドに置き換えた後に、以下のようにコマンドを直接実行します。
# gluster COMMAND
以下は、peer status コマンドを使用した例です。
# gluster peer status

Gluster CLI 対話モード

以下のコマンドを使用して、Gluster CLI を対話モードで実行することもできます。

# gluster
正常に実行されると、プロンプトが以下のように変更されます。
gluster>
プロンプトが表示されたら、以下のように CLI プロンプトで gluster コマンドを実行します。
gluster> COMMAND
たとえば、COMMANDpeer status などのコマンドに置き換え、ピアサーバーのステータスを表示します。
  1. Gluster CLI の対話モードを開始します。
    # gluster
  2. ピアサーバーの状態を要求します。
    gluster> peer status
  3. ピアサーバーのステータスが表示されます。
以下の例では、COMMANDhelp などのコマンドに置き換えて、gluster のヘルプオプションを表示します。
  1. Gluster CLI の対話モードを開始します。
    # gluster
  2. ヘルプオプションを要求します。
    gluster> help
  3. gluster コマンドおよびオプションの一覧が表示されます。

付録A 更新履歴

改訂履歴
改訂 3.4-4Wed Mar 27 2019Red Hat Gluster Storage Documentation Team
ユーザビリティーと正確性を向上させるためにファイアウォールドキュメントを更新(BZ#1565937, BZ#1614416)
コマンド、誤字エラーなど、さまざまな若干修正。
改訂 3.4-3Mon Feb 04 2019Red Hat Gluster Storage Documentation Team
BZ#1659944 - op-version の新しいデフォルト値を文書化。
BZ#1644480: glusterd crash に関する警告を追加。
改訂 3.4-2Wed Oct 31 2018Red Hat Gluster Storage Documentation Team
Red Hat Gluster Storage 3.4 Batch 1 Update のコンテンツ更新
改訂 3.4-1Tue Sep 04 2018Red Hat Gluster Storage Documentation Team
Red Hat Gluster Storage 3.4 リリースの更新