2.5.5. 列挙型の定義

概要

XML スキーマの列挙型は、制限による定義の特殊なケースです。これらは、すべての XML スキーマのプリミティブ型でサポートされる enumeration ファセットを使用して記述されます。最新のプログラミング言語の列挙型と同様に、この型の変数は、指定された値の 1 つのみを持つことができます。

XML スキーマでの列挙型の定義

列挙型を定義するための構文を 例2.16「列挙型の構文」 に示します。

例2.16 列挙型の構文

<simpleType name="EnumName">
  <restriction base="EnumType">
    <enumeration value="Case1Value"/>
    <enumeration value="Case2Value"/>
    ...
    <enumeration value="CaseNValue"/>
  </restriction>
</simpleType>

EnumName は、列挙型の名前を指定します。EnumType は、ケース値のタイプを指定します。CaseNValue (N は 1 以上の任意の数値) は、列挙の特定の各ケースの値を指定します。列挙型は任意の数のケース値を持つことができますが、単純型から派生しているため、一度に有効なケース値は 1 つだけです。

たとえば、列挙 widgetSize で定義された要素を持つ XML ドキュメントは、例2.17「widgetSize 列挙型」 のように、<widgetSize>big</widgetSize> が含まれている場合に有効ですが、<widgetSize>big,mungo</widgetSize> が含まれている場合は有効になりません。

例2.17 widgetSize 列挙型

<simpleType name="widgetSize">
  <restriction base="xsd:string">
    <enumeration value="big"/>
    <enumeration value="large"/>
    <enumeration value="mungo"/>
  </restriction>
</simpleType>