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第2章 OCP 3.11 での Fuse Online のインストール
OCP 3.11 に Fuse Online をインストールするには、クラスター管理者が Fuse Online のカスタムリソース定義を登録して、適切なユーザーにインストール権限を付与する必要があります。Fuse Online をインストールするユーザーは、デフォルトの Fuse Online 環境またはカスタマイズされた Fuse Online 環境のどちらをインストールするかを決定する必要があります。Fuse Online カスタマイズ環境を使用する場合には、デフォルトのカスタムリソースファイルを編集する必要があります。
Fuse Online の各インストールは Fuse Online 環境と呼ばれます。OpenShift プロジェクトには、必ず 1 つの Fuse Online 環境があります。各 Fuse Online 環境には独自の URL があります。単一の OpenShift クラスターに、複数の Fuse Online 環境が存在することがあります。
Fuse Online インストールプロセスでは、コンテナーイメージの Red Hat カタログである registry.redhat.io にアクセスする必要があります。Fuse Online は、外部コンテナーレジストリー、カスタムレジストリー、または非接続環境でのレジストリーの使用をサポートせず、テストもしません。
Fuse Online のインストールに関する詳細は、以下を参照してください。
- 「OCP 3.11 に Fuse Online をインストールするために必要な手順の概要」
- 「Fuse Online リソースをデプロイするためのカスタムリソース定義の登録」
- 「Fuse Online のインストール前にデフォルトのカスタムリソースファイルを編集する必要がある場合」
- 「Fuse Online の設定に使用するカスタムリソース属性の説明」
- 「Fuse Online をインストールする前にデフォルトのカスタムリソースファイルを編集」
- 「Jaeger 監視用の Fuse Online の設定」
- 「外部データベースで Fuse Online をインストールするためのシークレットの作成」
- 「OCP 3.11 に Fuse Online をインストールするスクリプトの実行」
2.1. OCP 3.11 に Fuse Online をインストールするために必要な手順の概要
オンサイトで OCP に Fuse Online をインストールするには、クラスター管理者がタスクを実行してから、特定の OpenShift プロジェクトで Fuse Online のインストール権限があるユーザーがタスクを実行して、インストールスクリプトを実行します。以下の図では、ワークフローを紹介します。

OCP 3.11 に Fuse Online をインストールするためのワークフローイメージ (概要)
Fuse Online を OCP にインストールする場合の主な手順は次のとおりです。
クラスター管理者権限を持つユーザーが、以下を実行します。
- インストールスクリプトと関連ファイルをダウンロードします。
- クラスターレベルでカスタムリソース定義 (CRD) を登録します。
- 1 名または複数のユーザーに、プロジェクトで Fuse Online をインストールするための権限を付与します。
Fuse Online をインストールする権限が付与されたユーザーは、Fuse Online をインストールする各 OpenShift プロジェクトに対して以下を行います。
- デフォルトの Fuse Online 環境またはカスタマイズされた Fuse Online 環境をインストールするかどうかを決定します。カスタマイズされた Fuse Online 環境では、1 つ以上のアドオン機能を有効にすることができ、1 つ以上のカスタム設定を実装できます。
- インストールスクリプトと関連ファイルをダウンロードします。
- 任意手順:カスタマイズされた Fuse Online 環境が必要な場合は、Fuse Online ダウンロードパッケージで提供される default-cr.yml ファイルを編集します。
- 任意手順:コネクションおよびインテグレーション定義を永続化するための外部データベースが必要な場合は、OpenShift シークレットを作成します。
- インストールスクリプトを実行します。
- Fuse Online が稼働中であることを確認します。
クラスター管理者は、Fuse Online のインストール先の OpenShift プロジェクトごとに、特定のプロジェクトで Fuse Online をインストールする権限をユーザーに割り当てる必要があります。
デフォルトの Fuse Online 環境をインストールするには、Fuse Online のインストール権限のあるユーザーがインストールスクリプトをダウンロードして実行します。上記以外の手順を実行する必要はありません。
その他のリソース
2.2. Fuse Online リソースをデプロイするためのカスタムリソース定義の登録
Fuse Online のインストールを可能にするため、クラスター管理者はカスタムリソース定義を登録します。管理者は、OpenShift クラスターに対して 1 度だけこれを実行する必要があります。その後、管理者は Fuse Online を該当のプロジェクトにインストールする権限をユーザーに付与します。これは、Fuse Online をインストールする各プロジェクトに対して行います。
前提条件
- クラスターの管理者権限を持っている必要があります。
-
oc
クライアントツールがインストール済みであり、Fuse Online をインストールする OCP クラスターに接続されている必要があります。 OCP 環境では、Fuse Online が使用できる永続ボリュームが少なくとも 3 つ必要です。すべての永続ボリュームには、以下の設定要件が必要です。
-
capacity.storage:
1Gi
-
accessMode:
ReadWriteOnce
-
capacity.storage:
手順
以下の場所から Fuse Online インストールスクリプトが含まれるパッケージをダウンロードします。
https://github.com/syndesisio/fuse-online-install/releases/tag/1.11
-
ファイルシステムの任意の場所で、ダウンロードしたアーカイブを展開します。
fuse-online-install-1.11
ディレクトリーには、Fuse Online をインストールするためのスクリプトとサポートファイルが含まれます。 以下のコマンドを実行して、このクラスターにすでに登録されているカスタムリソース定義を一覧表示し、適切に接続されたことを確認します。
oc get crd
エラーメッセージが表示されなければ、正しく接続されています。
fuse-online-install-1.11
ディレクトリーに移動して以下のコマンドを実行し、クラスターレベルでカスタムリソース定義を登録します。bash install_ocp.sh --setup
以下のコマンドを再度実行して、登録が成功したことを確認します。
oc get crd
登録したカスタムリソース定義の出力一覧には、
syndesis
が含まれているはずです。Fuse Online をインストールする各プロジェクトで、ユーザーにインストールできる権限を付与します。各プロジェクトに対して以下を行います。
ユーザーが Fuse Online をインストールするプロジェクトに切り替えます。以下に例を示します。
oc project fuse-online-project
そのプロジェクトに Fuse Online をインストールする権限をユーザーに付与します。たとえば、以下のコマンドは、
developer
ユーザーに Fuse Online のインストール権限を付与します。このコマンドの実行後、developer
ユーザーは現在のプロジェクトfuse-online-project
に Fuse Online をインストールできます。bash install_ocp.sh --grant developer
Fuse Online のインストール権限を割り当てる OpenShift プロジェクトごとに、上記の 2 つのコマンドを繰り返します。ユーザーは、クラスターの複数のプロジェクトに Fuse Online をインストールできます。これを有効にするには、別のプロジェクトに切り替え、以下のように同じユーザーを指定します。
oc project another-fuse-online-project
bash install_ocp.sh --grant developer
結果
syndesis
カスタムリソース定義がクラスターに登録されます。
次のステップ
Fuse Online をインストールする権限があるユーザーは、デフォルトの Fuse Online 環境またはカスタマイズされた Fuse Online 環境のどちらをインストールするかを決定する必要があります。
2.3. Fuse Online のインストール前にデフォルトのカスタムリソースファイルを編集する必要がある場合
Fuse Online のインストールには、設定可能な Fuse Online 環境アドオン機能およびパラメーター設定のデフォルトを指定するデフォルトカスタムリソースが含まれています。
インストール後の Fuse Online 環境が以下に該当する場合は、Fuse Online をインストールする前に、デフォルトのカスタムリソースを編集する必要があります。
- Fuse Online コンソールにアクセスできる OpenShift ルートのために指定する URL を使用する場合。デフォルトでは、インストールプロセスによってこのルートが算出されます。
- 外部データベースを使用して、コネクションおよびインテグレーション定義を保存する場合。デフォルトでは、内部データベースが使用されます。
-
コネクションやインテグレーション定義の永続化に使用できる内部ストレージの容量を増やす場合。ほとんどの Fuse Online 環境では、デフォルトの
1Gi
で十分対応できます。
上記のいずれかが該当する場合に Fuse Online 環境を設定するには、Fuse Online のインストール時にカスタムリソースを編集する必要があります。つまり、インストール後に Fuse Online 環境の設定を変更して、上記を実装することはできません。また、上記の設定を適用して Fuse Online 環境をインストールした場合、その設定を変更することはできません。
2.4. Fuse Online の設定に使用するカスタムリソース属性の説明
インストール前のみに指定できるカスタムリソース属性の他に、インストール前または後に変更できるカスタムリソース属性が複数あります。
表 1 には、設定可能なカスタムリソース設定の簡単な説明が記載されています。また、インストールの前または後、あるいは両方で変更可能であるかどうかを示しています。適切に Fuse Online を設定するには、以下の表の情報を活用して、インストール前にカスタムリソースをどのように変更する必要があるのか、またはインストール後にカスタムリソースをどのように変更するのかを見極める必要があります。その後、該当する手順にしたがいます。
OCP 4.x の場合:
OCP 3.11 の場合:
表2.1 設定可能なカスタムリソース設定
機能/設定 | 設定可能なタイミング | 指定内容 |
---|---|---|
強化されたアクティビティー追跡 | インストール前のみ設定 |
強化されたアクティビティー追跡はデフォルトで有効になっています。Jaeger 設定をカスタマイズする場合は、 |
外部データベース | インストール前のみ設定 |
|
コネクションおよびインテグレーションの 内部ストレージ容量。 | インストール前のみ設定 |
|
Fuse Online コンソールにアクセスするための OpenShift ルート | インストール前のみ設定 |
|
Memory および CPU 各コンポーネントによって独自のメモリー要件が定義されるため、各 Pod には割り当てられるメモリー容量の制限があります。制限および要求設定の詳細は、OpenShift ドキュメントの「Configuring cluster memory to meet container memory and risk requirements」セクションを参照してください。
| インストール前のみ設定 |
|
3scale の検出 | インストール前または後に設定 |
|
バックアップ | インストール前または後に設定 |
|
ノードのアフィニティー と 許容 (Toleration) Fuse Online インフラストラクチャーコンポーネントおよびインテグレーション Pod のクラスター内のノードへの配置を決定します。 ノードのアフィニティーを使用すると、配置先のノードのグループに対して Fuse Online Pod のアフィニティーを指定できます。 許容 (Toleration) を使用すると、Fuse Online Pod が実行されるノードを制御し、他のワークロードがそれらのノードを使用しないようにすることができます。 「Fuse Online Pod の設定」も参照してください。 | インストール前または後に設定 |
注記: Fuse Online インフラストラクチャーコンポーネントのデプロイメントには
|
インテグレーションの制限 | インストール前または後に設定 |
|
データベースコネクションプール サーバーコネクションプール設定を調整して、データベースへのコネクションを管理できます。 データベースプール設定の追加情報は、この表の後に記載されています。 | インストール前または後に設定 |
|
Java Options
Java オプションに応じて、コンポーネントに異なる値を指定できます。たとえば、JVM 関連のパラメーターは | インストール前または後に設定 |
HTTP プロキシーを設定する場合 (例): components:+ server: |
Maven 引数 | インストール前または後に設定 |
|
Maven リポジトリー | インストール前または後に設定 |
|
インストール前または後に設定 |
| |
パブリック REST API | インストール前または後に設定 |
|
ToDo app | インストール前または後に設定 |
|
アドオン機能と設定
強化されたアクティビティー追跡
Fuse Online のインストール時に、Jaeger を使用したアクティビティー追跡はデフォルトで有効になっています。(OperatorHub またはコマンドラインスクリプトを使用して) Fuse Online をインストールする場合、OperatorHub の存在を検出し、OperatorHub のサブスクリプション機能を使用して Jaeger をインストールします。OperatorHub が利用できないという制限された状況では、Fuse Online は独自のインストール機能を使用して Jaeger をインストールします。任意で、「Jaeger 監視用の Fuse Online の設定」のセクションで説明されているように、Fuse Online をインストールする前に Jaeger 設定をカスタマイズできます。
コネクションおよびインテグレーションを永続化するための外部データベース
Fuse Online のデフォルトインストールは、コネクションおよびインテグレーション定義を永続化するために Fuse Online によって使用される内部 PostgreSQL データベースを提供します。この代わりに、Amazon RDS for PostgreSQL などの外部 PostgreSQL データベースの使用を選択できます。
内部ストレージ容量
ほとんどの Fuse Online 環境では、デフォルトの
1Gi
で十分対応できます。Red Hat テクニカルサポートが推奨する場合のみ、新しい Fuse Online インストールのこの設定を増強することが想定されます。これは、稼働している別の Fuse Online 環境で Fuse Online のサーバーエラーが発生し、Red Hat テクニカルサポートが、デフォルトよりも容量が大きいデータベースボリュームで Fuse Online 環境をインストールする必要があると判断した場合です。Fuse Online がすでに稼働している OpenShift プロジェクトで Fuse Online の内部ストレージ容量を増やすには、最初に Fuse Online をアンインストールする必要があります。「OCP プロジェクトからの Fuse Online のアンインストール」を参照してください。
データベースコネクションプールの設定
以下の
syndesis-server
データベースコネクションプールプロパティーを設定できます。-
connectionTimeout
:syndesis-server
がプールからのコネクションを待機する最大時間 (ミリ秒単位)。許可される最小コネクションタイムアウトは 250 ミリ秒です。デフォルトは 30000 (30 秒) です。 -
idleTimeout
: コネクションが削除されるまで、プールでアイドル状態にすることができる最大時間 (ミリ秒単位)。0 の値は、アイドルコネクションがプールから削除されないことを意味します。許可される最小値は 10000 (10 秒) です。デフォルトは 600000 (10 分) です。 -
leakDetectionThreshold
: コネクションリークの可能性を示すメッセージがログに記録される前に、コネクションがプール外にある時間 (ミリ秒単位)。0 を値として指定すると、リーク検出が無効になります。リーク検出の有効化で許容される最小値は 2000 (2 秒) です。デフォルトは 0 です。 -
maxLifetime
: プール内のコネクションの最大有効期間 (ミリ秒単位)。許可される最小値は 30000 (30 秒) です。デフォルトは 1800000 (30 分) です。 -
maximumPoolSize
: アイドルコネクションと使用中のコネクションの両方を含む、プールが到達できる最大サイズ。デフォルトは 10 です。 -
minimumIdle
: プールに保持されるアイドルコネクションの最小数。デフォルト値はmaximumPoolSize
です。
-
2.5. Fuse Online をインストールする前にデフォルトのカスタムリソースファイルを編集
デフォルトの Fuse Online 環境をインストールする場合、デフォルトのカスタムリソースファイルを編集する必要はありません。「OCP 4.x での Fuse Online のインストール」または「OCP 3.11 での Fuse Online のインストール」を参照してください。
Fuse Online のカスタマイズ環境をインストールする場合は、Fuse Online をインストールする前に、default-cr.yml
ファイルを編集する必要があります。このファイルは、Fuse Online のダウンロードパッケージに含まれます。Fuse Online のインストール前にのみ指定できるカスタムリソース設定がいくつかあります。「インストール前にデフォルトのカスタムリソースを編集する必要がある場合」を参照してください。
Fuse Online のインストール前または後に指定できる、その他のカスタムリソース設定があります。「Fuse Online の設定に使用するカスタムリソース属性の説明」を参照してください。
Fuse Online のインストールプロセスでは default-cr.yml
ファイルに指定された設定を使用して syndesis
カスタムリソースを作成します。syndesis
カスタムリソース設定によって、インストールされた Fuse Online 環境の設定が決定されます。
前提条件
- オンサイトで OCP に Fuse Online をインストールし、実行する計画があります。
-
oc
クライアントツールがインストール済みであり、Fuse Online をインストールする OCP クラスターに接続されている必要があります。 - クラスター管理者権限を持つユーザーは、該当ユーザーがクラスターでアクセス権限を持つプロジェクトに Fuse Online をインストールするための権限を付与済みである必要があります。
手順
Fuse Online のインストールスクリプトが含まれるパッケージをダウンロードしていない場合は、以下を行います。
以下の場所からダウンロードします。
https://github.com/syndesisio/fuse-online-install/releases/tag/1.11
-
ファイルシステムの任意の場所で、ダウンロードしたアーカイブを展開します。
fuse-online-install-1.11
ディレクトリーには、Fuse Online をインストールするためのスクリプトとサポートファイルが含まれます。
Fuse Online をインストールする権限を持つアカウントで OpenShift にログインします。以下に例を示します。
oc login -u developer -p developer
-
エディターで
fuse-online-install-1.11/default-cr.yml
ファイルを開きます。 -
必要な機能を有効にし、必要なパラメーターを設定するために、
default-cr.yml
ファイルを編集します。指定が必要な項目を判断するには、「Fuse Online の設定に使用するカスタムリソース属性の説明」を参照してください。 -
default-cr.yml
ファイルを保存します。
結果
default-cr.yml
ファイルに新しい Fuse Online インストールの設定が指定されます。
次のステップ
default-cr.yml
ファイルを編集し、外部データベースを指定した場合は、Fuse Online をインストールする前に「外部データベースで Fuse Online をインストールするためのシークレットの作成」の手順にしたがいます。それ以外の場合は、「OCP 3.11 での Fuse Online のインストール」の手順にしたがいます。
2.6. Jaeger 監視用の Fuse Online の設定
Jaeger は、分散サービス間のトランザクションをトレースするためのオープンソースソフトウェアです。これは、複雑なマイクロサービス環境の監視およびトラブルシューティングで特に役立ちます。
OperatorHub またはコマンドラインスクリプトを使用して Fuse Online をインストールする場合、Fuse Online インストールは OperatorHub の存在を検出し、OperatorHub のサブスクリプション機能を使用して Jaeger をインストールします。OperatorHub が利用できないという制限された状況では、Fuse Online は独自のインストール機能を使用して Jaeger をインストールします。
デフォルトの Fuse Online 環境では、必要な Jaeger コンポーネントがすべて設定されます。任意で、Fuse Online カスタムリソースを編集して、クライアントのみ/非依存のサーバー設定、またはハイブリッド Jaeger クライアントおよび Jaeger Operator 設定を指定できます。
デフォルトの Jaeger 設定
基本的な追加設定なしの設定には、すべての Jaeger コンポーネントが含まれます。Jaeger の監視機能を試して、Jaeger の動作について学ぶことができます。デフォルト設定では、メモリーのみの制限されたバックエンドストレージ機能を提供します。
デフォルトの Jaeger 設定で Fuse Online をインストールすると、以下のような結果になります。
- Fuse Online コンポーネントには Jaeger 通信 URL があります。
- Jaeger Operator がインストールされます。
- Jaeger カスタムリソースは、アクティビティー監視のデフォルト設定で設定されます。
デフォルトの Jaeger 設定を使用した Fuse Online インストールには、以下の syndesis
カスタムリソース仕様があります。
apiVersion: syndesis.io/v1beta2 kind: Syndesis metadata: name: app spec: addons: jaeger: enabled: true
clientOnly
および operatorOnly
が指定されていない場合 (デフォルトで false
に設定されている場合)、Fuse Online は提供される Jaeger バックエンドだけでなく、Jaeger サーバー設定によって提供されるデフォルトのメモリーのみのストレージも使用します。
クライアントのみ/非依存のサーバー設定
クライアントのみ/非依存のサーバー設定では、Fuse Online と外部に設定された Jaeger バックエンドとの間の通信用にクライアント URL コネクションのみが設定されます。Jaeger バックエンドのすべての要素は外部にあり、Fuse Online 環境および syndesis-operator
には依存しません。これには、Jaeger Operator および Jaeger カスタムリソースが含まれます。
クライアントのみの Jaeger 設定をインストールするには、以下のように Fuse Online をインストールする前にカスタムリソースを編集します。
-
clientOnly
をtrue
に設定して、Jaeger エージェント機能 を追加します。 -
queryUri
を、個別にインストールされた Jaeger バックエンドの query コンポーネント の URI に設定します。 -
collectorUri
を、個別にインストールされた Jaeger バックエンドの collector コンポーネント の URI に設定します。
以下に例を示します。
apiVersion: syndesis.io/v1beta2 kind: Syndesis metadata: name: app spec: addons: jaeger: enabled: true clientOnly: true queryUri: http://jaeger-query-hostname:443/api collectorUri: http://jaeger-collector-hostname:14268/api/traces
ハイブリッド Jaeger クライアントおよび Operator の設定
ハイブリッド Jaeger クライアントおよび Jaeger Operator 設定では、Fuse Online は Jaeger Operator と Jaeger クライアント機能をインストールします。Jaeger カスタムリソースがインストールされていない。Jaeger サーバー設定を定義する独自の Jaeger カスタムリソースをインストールする必要があります。これにより、Fuse Online が提供する機能を利用し、独自の環境用に Jaeger 設定をカスタマイズすることができます。たとえば、データストレージに Elasticsearch または Cassandra を使用できます。
ハイブリッド Jaeger クライアントと Jaeger Operator 設定をインストールするには、以下を行います。
Fuse Onlineをインストールする前に、以下の例のようにカスタムリソースを編集します。
apiVersion: syndesis.io/v1beta2 kind: Syndesis metadata: name: app spec: addons: jaeger: enabled: true operatorOnly: true
以下の例のように、Jaeger カスタムリソース
syndesis-jaeger
に名前を付けます。apiVersion: jaegertracing.io/v1 kind: Jaeger metadata: name: syndesis-jaeger ... spec: ....
注記: Jaeger カスタムリソースに別の名前を使用する場合は、Client-only/independent サーバー設定セクションに記述されているように、Syndesis カスタムリソースで
queryUri
およびcollectorUri
を設定します。
syndesis-jaeger
という名前の Jaeger カスタムリソースが作成されると、Jaeger インスタンスは Fuse Online インテグレーションからデータを収集します。デフォルトでは、このデータは Fuse Online のアクティビティーログに記録されません。Fuse Online アクティビティーログにこのデータを表示するには、次のサービスを作成します。
oc create -f - <<EOF apiVersion: v1 kind: Service metadata: labels: app: syndesis syndesis.io/app: syndesis syndesis.io/type: infrastructure syndesis.io/component: jaeger name: noauth-syndesis-jaeger-query spec: ports: - name: query port: 443 protocol: TCP targetPort: 16686 selector: app: jaeger app.kubernetes.io/name: syndesis-jaeger EOF
2.7. 外部データベースで Fuse Online をインストールするためのシークレットの作成
外部データベースを使用してコネクションおよびインテグレーションの定義を永続化する Fuse Online 環境をインストールする場合は、Fuse Online をインストールする前に、OpenShift シークレットである syndesis-global-config
を作成します。
前提条件
-
OCP 3.11 の場合のみ、
default-cr.yml
ファイルを編集し、コネクションおよびインテグレーションの定義を永続化するために外部データベースの使用を指定する必要があります。 - Fuse Online がインストールされていない必要があります。
-
oc
クライアントツールがインストール済みであり、Fuse Online をインストールする OCP クラスターに接続されている必要があります。 - クラスター管理者権限を持つユーザーは、該当ユーザーがクラスターでアクセス権限を持つプロジェクトに Fuse Online をインストールするための権限を付与済みである必要があります。
手順
Fuse Online をインストールする権限を持つアカウントで OpenShift にログインします。以下に例を示します。
oc login -u developer -p developer
以下が含まれるリソースファイル (例:
my-fuse-onling-secret-cr.yml
) を作成および保存します。apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: syndesis-global-config namespace: my-fuse-online-project type: Opaque data: POSTGRESQL_PASSWORD: base64-encoded-value
my-fuse-online-project
を、外部データベーであるスを指定する Fuse Online 環境をインストールする予定である OpenShift プロジェクトの名前に置き換えます。base64-encoded-value
を、外部データベースにアクセスするためのパスワードとして使用する base64 でエンコードされた値に置き換えます。OpenShift シークレットについての詳細は「シークレット」を参照してください。
以下のように、シークレットをクラスターに追加します。
oc apply -f my-fuse-online-secret-cr.yml
結果
クラスターでは、外部データベースを指定するカスタムリソースとインストールされた Fuse Online 環境で syndesis-global-config
シークレットを利用できます。
次のステップ
OCP 4.x の場合、Operator を使用して Fuse Online をインストールする際は、カスタムリソースを編集してコネクションおよびインテグレーションの定義を永続化するために外部データベースの使用を指定します。詳細は、「OperatorHub からの Fuse Online Operator のインストール」を参照してください。
OCP 3.11 の場合は、「Fuse Online をインストールする前にデフォルトのカスタムリソースファイルを編集」の手順にしたがいます。
2.8. OCP 3.11 に Fuse Online をインストールするスクリプトの実行
Fuse Online インストールスクリプトを実行すると、Fuse Online ダウンロードパッケージに含まれる default-cr.yml
ファイルの仕様にしたがって、Fuse Online 環境がインストールされます。デフォルトの環境をインストールする場合は、このファイルを編集する必要はありません。カスタマイズされた環境をインストールする場合は、インストールスクリプトを実行する前に default-cr.yml
ファイルを編集する必要があります。
前提条件
- OCP がオンサイトで稼働している必要があります。
-
oc
クライアントツールがインストール済みであり、Fuse Online にインストールする OCP クラスターに接続されている必要があります。 - クラスター管理者権限を持つユーザーが、プロジェクトで Fuse Online をインストールする権限を該当ユーザーに付与済みである必要があります。
-
インストール前に
default-cr.yml
ファイルを編集する必要があると判断した場合は、編集が完了済みである必要があります。(Fuse Online のインストール前にデフォルトのカスタムリソースファイルを編集する必要がある場合) -
編集された
default-cr.ym
ファイルにコネクションおよびインテグレーション定義を永続化するための外部データベースが指定された場合、外部データベースにアクセスするための OpenShift シークレットが作成されたことになります。(「外部データベースで Fuse Online をインストールするためのシークレットの作成」) -
ユーザー名とパスワードを知っている Red Hat Developer のアカウントが必要です。
https://developers.redhat.com
に対して認証できるよう、インストールスクリプトによってこれらのクレデンシャルが要求されます。アカウントの作成に関する詳細は、「Red Hat レジストリーへのアクセスおよびその設定」を参照してください。
手順
Fuse Online のインストールスクリプトが含まれるパッケージをダウンロードしていない場合は、以下を行います。
以下の場所からダウンロードします。
https://github.com/syndesisio/fuse-online-install/releases/tag/1.11
-
ファイルシステムの任意の場所で、ダウンロードしたアーカイブを展開します。
fuse-online-install-1.11
ディレクトリーには、Fuse Online をインストールするためのスクリプトとサポートファイルが含まれます。
Fuse Online をインストールする権限を持つアカウントで OpenShift にログインします。以下に例を示します。
oc login -u developer -p developer
以下のように、Fuse Online をインストールする OpenShift プロジェクトに切り替えます。
oc project my-fuse-online-project
または、インストールスクリプトの実行時に
--project my-fuse-online-project
のように指定することもできます。インストールスクリプトをダウンロードしたディレクトリーで、インストールスクリプトを実行します。
bash install_ocp.sh
インストールスクリプトのオプションの詳細については
bash install_ocp.sh --help
コマンドを実行してください。Fuse Online をインストールするために
syndesis-operator
によって使用されたsyndesis
カスタムリソースに、必要な内容が適切に含まれていることを確認します。以下のコマンドを実行して、
syndesis
カスタムリソースの内容を表示します。oc describe syndesis/app
カスタムリソースの内容を確認します。
含まれていない更新がある場合は、カスタムリソースに構文エラーがある可能性があります。有効なカスタムリソースを定義するには、Fuse Online をアンインストールし、再インストールする必要があります。「OCP プロジェクトからの Fuse Online のアンインストール」を参照してください。
インストールに成功したことを確認します。
https://openshift-route
で OpenShift OAuth プロキシーログインページを表示します。インストールスクリプトによる OpenShift ルートの算出を選択した場合、実行の最後あたりで算出されたルートが表示されます。
openshift-route
をスクリプトが提供する値に置き換えます。default-cr.yml
ファイルを編集して Fuse Online にrouteHostname
を指定した場合は、openshift-route
を指定したルートに置き換えます。- OpenShift コンソールにログインしていない場合は、ログインページが表示されます。OpenShift ユーザー名およびパスワードを入力してログインします。
Fuse Online のホームページが、すぐに、もしくはOpenShift コンソールへのログイン後に表示されます。
その他のリソース