1.4. Fuse Online の設定に使用するカスタムリソース属性の説明

インストールする前のみ指定できるカスタムリソース属性の他に、インストール前後に変更できるカスタムリソース属性が複数あります。

表 1 には、設定可能なカスタムリソース設定の簡単な説明が記載されています。また、インストール前のみ変更可能であるかどうかを示しています。適切に Fuse Online を設定するには、以下の表の情報を活用して、インストール前に default-cr.yml ファイルをどのように変更するか、またはインストール後に syndesis カスタムリソースをどのように変更するかを見極める必要があります。その後、該当する手順にしたがいます。

重要

Camel K ランタイム、Knative リソースへのアクセス、および Data Virtualization はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビューの機能は、Red Hat の本番環境のサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされず、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

表1.1 設定可能なカスタムリソース設定

機能/設定設定可能なタイミング仕様

Camel K ランタイム (テクノロジープレビュー)

Camel K ランタイムの追加情報はこの表の後に記載されています。

インストール前のみ設定

addons:
  camelk:
    enabled: true

強化されたアクティビティー追跡

強化されたアクティビティー追跡の追加情報はこの表の後に記載されています。

インストール前のみ設定

addons:
  jaeger:
    enabled: true

外部データベース

外部データベースの使用に関する追加情報はこの表の後に記載されています。

インストール前のみ設定

spec:
  components:
    database:
      externalDbURL: postgresql://custom-postgres:5432
      user: db-user-name
      name: db-name


custom-postgres:5432 を PostgreSQL データベースのホスト名およびポートに置き換えます。
db-user-name をそのデータベースにアクセス可能なユーザーアカウントの名前に置き換えます。
db-name をデータベースの名前に置き換えます。

コネクションおよびインテグレーションの 内部ストレージ容量

外部データベースも指定する場合は無視されます。

内部ストレージの増加に関する追加情報はこの表の後に記載されています。

インストール前のみ設定

spec:
  components:
    database:
      resources:
        volumeCapacity: 1Gi
        volumeName: my-volume


1Gi を必要なストレージ容量に置き換えます。デフォルトは 1Gi です。

my-volume を内部ストレージに使用するボリュームの名前に置き換えます。このパラメーターは任意です。

Knative リソースへのアクセス
(テクノロジープレビュー)

Knative リソースへのアクセスを有効にするには、Camel K ランタイムも有効にする必要があります。

インストール前のみ設定

addons:
  camelk:
    enabled: true
  knative:
    enabled: true

Fuse Online コンソールにアクセスするための OpenShift ルート

インストール前のみ設定

spec:
  routeHostname: project.route.com


project.route.com を Fuse Online コンソールにアクセスできる OpenShift ルートに置き換えます。
例: north-project.6a63.fuse-online.openshiftapps.com

3scale の検出

Red Hat 3scale による検出を可能にするため、Fuse Online API プロバイダーインテグレーションの API を公開します。

詳細は、Configuring Fuse Online to enable 3scale discovery of APIs を参照してください。

インストール前または後に設定

components:
    server:
      features:
        managementUrlFor3scale: https://url-for-3scale


3scale ユーザーインターフェイスの URL を指定します。

Backups

追加の設定ステップは、Fuse Online 環境のバックアップ を参照してください。

インストール前または後に設定

spec:
  backup:
    schedule: interval


interval を希望するバックアップの間隔に置き換えます。間隔 および 事前定義のスケジュール には cron ユーティリティーの形式を使用します。間隔の前に @ 記号を指定しないでください。

Data Virtualization
(テクノロジープレビュー)
Data Virtualization 機能の追加情報はこの表の後に記載されています。

インストール前または後に設定

addons:
  dv:
    enabled: true
      resources:
        memory: 1024Mi

インテグレーションの制限

稼働中のインテグレーションの最大数を指定します。デフォルトは 0 で、稼働中のインテグレーションの数を制限しません。

インストール前または後に設定

components:
    server:
      features:
        integrationLimit: 0

Maven

Fuse Online 環境がアクセスする必要がある外部 Maven リポジトリーを指定します。

インストール前または後に設定

components:
    server:
      features:
        mavenRepositories:
          customRepo1: https://customRepo1
          customRepo2: https://customRepo2


Replace customRepo をリポジトリーの名前に置き換えます。
各リポジトリーに URL を指定します。

メモリー

1 つ以上のコンポーネントが使用できるデフォルトのメモリー容量を増やします。各コンポーネントによって独自のメモリー要件が定義されるため、各 Pod には割り当てられるメモリー容量の制限があります。database コンポーネントはコネクションおよびインテグレーションの定義を格納する内部データベースです。meta コンポーネントはサーバーがロードするコネクターなどのビジネスロジックを提供します。

インストール前または後に設定

components:
  database:
    resources:
      memory: 270Mi
  meta:
    resources:
      memory: 300Mi
  server:
    resources:
      memory: 810Mi

監視

Prometheus を使用した OCP での Fuse Online インテグレーションの監視 も参照してください。

インストール前または後に設定

addons:
  ops:
    enabled: true

パブリック REST API

追加の設定ステップは 外部ツールによって使用される Fuse Online パブリック REST API の公開 を参照してください。

インストール前または後に設定

addons:
  publicApi:
    enabled: true
    routeHostname: public-syndesis.192.168.64.63.nip.io


routeHostname を Fuse Online REST API エンドポイントを呼び出すためのパブリックアドレスに設定します。クラスターのセットアップにより、指定する必要のあるパブリックアドレスが決定されます。この例では、ルートのホスト名は minishift クラスターに対して有効です。

ToDo app
サンプルインテグレーションのテスト向け。

インストール前または後に設定

addons:
  todo:
    enabled: true

アドオン機能と設定

  • Camel K ランタイムエンジン (テクノロジープレビュー)

    Apache Camel K ランタイムは、OCP でインテグレーションをデプロイおよび再デプロイするときに、ターンアラウンドタイムを短縮します。たとえば、1 - 2 分から数秒にパフォーマンスを改善できます。Camel K がランタイムエンジンとしてインストールされている場合、Camel インテグレーションの Spring Boot ランタイムが Camel K に置き換えられます。

    Apache Camel K は、エンタープライズ統合パターン (Enterprise Integration Patterns) の Apache Camel フレームワークをベースとしたライトウェイトなクラウド統合プラットフォームです。Camel K は Kubernetes、OpenShift、および Knative でネイティブに実行され、特にサーバーレスおよびマイクロサービスアーキテクチャー向けに設計および最適化されています。Camel K は、クラウドでのインテグレーションの実行時に、自動化およびパフォーマンスの最適化を提供します。Camel K では Kubernetes Operator SDK を使用してインテグレーションをデプロイします。たとえば、OCP で自動的にサービスおよびルートが作成されます。

    Camel K は Apache Camel オープンソースコミュニティーのサブプロジェクトです。詳細は Apache Camel K の GitHub Web サイト を参照してください。

    Camel K ランタイムが Fuse Online とインストールされている場合、以下の制限が適用されます。

    • Fuse Online エクステンションは Camel K ランタイムによってサポートされません。
    • エクステンションは、Fuse Online のユーザーインターフェイスの Customizations には表示されません。

    インストールの詳細は、OCP での Fuse Online のインストール を参照してください。

  • Data Virtualization (テクノロジープレビュー)

    Data Virtualization により、Fuse Online の開発者は複数の異なるソースからのデータを統合し、OpenShift でデプロイできる仮想データベースイメージを作成できます。詳細は、仮想データベースへの接続 を参照してください。

  • 強化されたアクティビティー追跡

    install_ocp.sh スクリプトを実行して Fuse Online をインストールした場合、Fuse Online 環境で強化されたアクティビティー追跡が有効になるのがデフォルトの動作です。OperatorHub を使用する場合は、Fuse Online をインストールする前に強化されたアクティビティー追跡を有効にすることが推奨されます。ユーザーインターフェイスを使用すると、有効にできます。

  • コネクションおよびインテグレーションを永続化するための外部データベース

    Fuse Online のデフォルトインストールは、コネクションおよびインテグレーション定義を永続化するために Fuse Online によって使用される内部 PostgreSQL データベースを提供します。この代わりに、Amazon RDS for PostgreSQL などの外部 PostgreSQL データベースの使用を選択できます。

  • 内部ストレージ容量

    ほとんどの Fuse Online 環境では、デフォルトの 1Gi で十分対応できます。Red Hat テクニカルサポートが推奨する場合のみ、新しい Fuse Online インストールのこの設定を増強することが想定されます。これは、稼働している別の Fuse Online 環境で Fuse Online のサーバーエラーが発生し、Red Hat テクニカルサポートが、デフォルトよりも容量が大きいデータベースボリュームで Fuse Online 環境をインストールする必要があると判断した場合です。

    Fuse Online がすでに稼働している OpenShift プロジェクトで Fuse Online の内部ストレージ容量を増やすには、最初に Fuse Online をアンインストールする必要があります。OCP プロジェクトからの Fuse Online のアンインストール を参照してください。