10.4. ストレージドメインの制限事項

ストレージドメインは、仮想マシンのディスクイメージや ISO イメージ用のストレージおよび仮想マシンのインポート/エクスポート用のスペースを提供します。任意のデータセンター内に多数のストレージドメインを作成することができますが、各ストレージドメインには複数の制限事項および推奨事項が適用されます。

表10.2 ストレージドメインの制限事項

項目制限
ストレージタイプ
  • サポートされているストレージタイプ
    • Fibre Channel Protocol (FCP)
    • Internet Small Computer System Interface (iSCSI)
    • Network File System (NFS)
  • 1 つのデータセンター内のデータストレージドメインはすべて同じタイプである必要があります。タイプはストレージドメインを作成する際に指定します。
    • データストレージドメインは FCP、iSCSI、NFS のいずれかを使用することが可能です。
    • Red Hat Enterprise Virtualization 2.2 環境で使用していたレガシーの FCP または iSCSI エクスポートストレージドメインは、Red Hat Enterprise Virtualization 3.0 のデータセンターにアタッチすることができます。新規 ISO ストレージドメイン/エクスポートストレージドメインの場合は NFS で提供する必要があります。
論理ユニット番号 (LUN)
  • iSCSI または FCP で提供される場合は、各ストレージドメインに許可される LUN は 300 以下。
論理ボリューム (LV)
Red Hat Enterprise Virtualization では、論理ボリュームは仮想マシン、テンプレート、および仮想マシンのスナップショット用の仮想ディスクを指します。
  • iSCSI または FCP によって提供されるストレージドメインの論理ボリューム数は、1 ドメインにつき 350 以下とすることを推奨します。1 つのストレージドメインで論理ボリュームがこの数を上回る場合には、使用可能な記憶域を別々のストレージドメインに分割し、それぞれの論理ボリューム数が 350 以下となるようにすることをお勧めします。
この制限の根本的な原因は、LVM メタデータのサイズです。論理ボリュームの数が増加すると、その論理ボリュームに関連付けられている LVM メタデータも増加します。このメタデータのサイズが 1 MB 超過すると、新規ディスクやスナップショットの作成などのプロビジョニング操作のパフォーマンスが低下し、QCOW ディスク実行時の論理ボリュームのシンプロビジョニングのための lvextend 操作の実行時間が長くなります。

注記

ストレージドメインについての詳しい説明は 『Red Hat Enterprise Virtualization 管理ガイド』を参照してください。