8.4. Data Warehouse サービスの別のマシンへの移行
Red Hat Enterprise Virtualization Manager 上にインストール/設定済みの Data Warehouse サービスを専用のホストマシンに移行します。別のマシン上で Data Warehouse サービスをホストすると、Manager マシンの負荷を軽減することができます。以下の手順では、Data Warehouse サービスのみを移行する点に注意してください。Data Warehouse サービスの移行前に、Data Warehouse データベース (別称
ovirt_engine_history
データベース) を移行する方法については、「Data Warehouse の別のマシンへの移行」を参照してください。
このシナリオでのインストール手順は、4 つの主要なステップで構成されます。
- 新規 Data Warehouse マシンの設定
- Manager マシン上の Data Warehouse サービスの停止
- 新規 Data Warehouse マシンの構成
- Manager マシンからの Data Warehouse パッケージの削除
前提条件
以下の前提条件が満たされていることを確認してください。
- Manager と Data Warehouse は同じマシン上にインストール/設定しておく必要があります。
- 新しい Data Warehouse のマシンを設定するには、以下が必要です。
- Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
Red Hat Enterprise Linux Server
およびRed Hat Enterprise Virtualization
のエンタイトルメントプールのサブスクリプション- Manager の
/etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-database.conf
ファイルに記載されているパスワード - Data Warehouse のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
- Manager の
/etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf
ファイルからのovirt_engine_history
データベースの認証情報。「Data Warehouse の別のマシンへの移行」の手順に従ってovirt_engine_history
データベースを移行した場合には、そのマシン上でデータベースの設定中に定義した認証情報を取得します。
手順8.4 ステップ 1: 新規 Data Warehouse マシンの設定
- コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
# subscription-manager register
Red Hat Enterprise Linux Server
およびRed Hat Enterprise Virtualization
のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。# subscription-manager list --available
- 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
# subscription-manager attach --pool=pool_id
- 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
# subscription-manager repos --disable=*
- 必要なチャンネルを有効にします。
# subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
- 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
# yum update
- rhevm-dwh-setup パッケージをインストールします。
# yum install rhevm-dwh-setup
手順8.5 ステップ 2: Manager マシン上での Data Warehouse の停止
- Data Warehouse サービスを停止します。
# service ovirt-engine-dwhd stop
ovirt_engine_history
データベース、Manager データベース、または両データベースが Manager マシンでホストされており、以前のバージョン (Red Hat Enterprise Virtualization 3.4 以前) で設定された後にアップグレードされている場合には、新規 Data Warehouse マシンがこれらのデータベースにアクセスできるようにする必要があります。/var/lib/pgsql/data/postgresql.conf
ファイルを編集して、以下のようになるようにlisten_addresses
の行を変更します。listen_addresses = '*'
この行が存在しない場合やコメントアウトされている場合には、手動で追加します。1 つまたは両データベースがリモートマシンでホストされている場合には、各マシンでpostgres.conf
ファイルを編集して、上記のようにpostgres.conf
の行を追加し、手動でアクセスを許可する必要があります。両データベースが Manager マシンでホストされており、Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.5 の新規セットアップで設定された場合には、デフォルトでアクセスが許可されています。- postgresql サービスを再起動します。
# service postgresql restart
手順8.6 ステップ 3: 新規 Data Warehouse マシンの構成
engine-setup
コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse の設定を開始します。# engine-setup
- Enter を押して Data Warehouse を設定します。
Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]:
- Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、
No
と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。Setup can automatically configure the firewall on this system. Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings. Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。 - Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
ovirt_engine_history
データベースの場所に関する以下の質問に回答します。Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: Remote
上記のようにもう一方のオプションを入力して Enter を押します。ovirt_engine_history
データベースのホストの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。DWH database host []: dwh-db-fqdn DWH database port [5432]: DWH database secured connection (Yes, No) [No]: DWH database name [ovirt_engine_history]: DWH database user [ovirt_engine_history]: DWH database password: password
- Manager のデータベースマシンの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
Engine database host []: engine-db-fqdn Engine database port [5432]: Engine database secured connection (Yes, No) [No]: Engine database name [engine]: Engine database user [engine]: Engine database password: password
- Enter を押して既存の Data Warehouse データベースのバックアップを作成します。
Would you like to backup the existing database before upgrading it? (Yes, No) [Yes]:
データベースのバックアップに必要な時間と領域は、そのデータベースのサイズにより異なります。完了まで数時間かかる場合もあります。ここでデータベースのバックアップを行わず、何らかの理由でengine-setup
が失敗した場合には、データベースまたはその中のデータを復元できません。バックアップファイルの場所は、設定スクリプトの最後に表示されます。 - Manager から既存の Data Warehouse サービスを完全に切断することを確定します。
Do you want to permanently disconnect this DWH from the engine? (Yes, No) [No]:
- インストールの設定を確認します。
Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
手順8.7 ステップ 4: Manager マシンからの Data Warehouse パッケージの削除
- Data Warehouse パッケージを削除します。
# yum remove rhevm-dwh
この手順は、Data Warehouse サービスが自動的に 1 時間後に再起動を試みないようにします。 - Data Warehouse ファイルを削除します。
# rm -rf /etc/ovirt-engine-dwh /var/lib/ovirt-engine-dwh
Data Warehouse サービスは、Manager がホストされているマシンとは別のマシンでホストされるようになりました。