第5章 互換性レベルのバージョン
Red Hat Enterprise Virtualization Manager に接続している各ホストには、VDSM のバージョンの 1 つがインストールされています。VDSM は、Hypervisor またはホスト上で稼働し、仮想マシン、ネットワーク、ストレージをローカルで管理する機能を提供する仮想化インフラストラクチャー内のエージェントです。Red Hat Enterprise Virtualization Manager は、現行または旧バージョンの VDSM を使用して Hypervisor およびホストの制御を行います。
Manager は同じクラスター内のホスト間における仮想マシンの移行を行います。これは、同じクラスター内の全ホストに同じバージョンまたはより新しいバージョンの VDSM がインストールされるまで、Manager が 現行バージョンの VDSM から特定の機能を除外することを意味します。
API はこの概念を、インストールされている VDSM バージョンに対応した各ホストの
compatibility level
として表示します。version
要素には、互換性レベルを記述する major
および minor
の属性が含まれます。
管理者が単一のクラスター内の全ホストを一定のレベルにアップグレードする場合には、
version
レベルは supported_versions
要素の下に表示されます。これは、クラスターの version
が、現在そのレベルに更新可能であることを示しています。管理者がデータセンター内のクラスターをすべて一定のレベルに更新すると、そのデータセンターはそのレベルに更新できるようになります。
5.1. 互換性レベルのアップグレード
例5.1 互換性レベルのアップグレード
API は、Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.4 インスタンスの互換性レベルを以下のように報告します。
<host ...> ... <version major="4" minor="14" build="11" revision="0" full_version="vdsm-4.14.11-5.el6ev"/> ... </host> <cluster ...> ... <version major="3" minor="4"/> ... </cluster> <data_center ...> ... <version major="3" minor="4"/> </supported_versions> ... </data_center>
クラスター内の全ホストが VDSM
3.5
に更新されると、API は以下のように報告します。
<host ...> ... <version major="4" minor="16" build="7" revision="4" full_version="vdsm-4.16.7.4-1.el6ev"/> ... </host> <cluster ...> ... <version major="3" minor="4"/> <supported_versions> <version major="3" minor="5"/> </supported_versions> ... </cluster> <data_center ...> ... <version major="3" minor="4"/> <supported_versions/> ... </data_center>
これでクラスターを
3.5
に更新できるようになりました。 クラスターが更新されると、API は以下のように報告します。
<cluster ...> ... <version major="3" minor="5"/> <supported_versions/> ... </cluster> <data_center ...> ... <version major="3" minor="4"/> <supported_versions> <version major="3" minor="5"/> </supported_versions> ... </data_center>
API ユーザーがデータセンターを
3.5
に更新し、アップグレードが完了すると、API によりこのデータセンターで Red Hat Enterprise Virtualization 3.5 の機能が利用できるようになります。