7.2. NFS ストレージの準備と追加

7.2.1. NFS ストレージの準備

Red Hat Enterprise Linux 6 サーバー上でデータドメインおよびエクスポートドメインとして機能する NFS 共有を設定します。Red Hat Enterprise Virtualization Manager のインストールの工程で ISO ドメインを作成済みの場合には、作成する必要はありません。必要なシステムユーザーとグループについての詳しい情報は、「付録G システムアカウント」を参照してください。
  1. NFS ツールを提供する nfs-utils パッケージをインストールします。
    # yum install nfs-utils
  2. ブートスクリプトを設定して、システムのブート時に毎回共有が使用できるようにします。
    # chkconfig --add rpcbind
    # chkconfig --add nfs
    # chkconfig rpcbind on
    # chkconfig nfs on
  3. rpcbind サービスおよび nfs サービスを起動します。
    # service rpcbind start
    # service nfs start
  4. data および export の各ディレクトリーを作成します。
    # mkdir -p /exports/data
    # mkdir -p /exports/export
  5. 新規作成したディレクトリーを /etc/exports ファイルに追加します。/etc/exports に以下の内容を追記してください。
    /exports/data *(rw)
    /exports/export *(rw)
  6. ストレージドメインをエクスポートします。
    # exportfs -r
  7. NFS サービスを再読み込みします。
    # service nfs reload
  8. kvm というグループを作成します。
    # groupadd kvm -g 36
  9. ユーザー vdsm を作成してグループ kvm に追加します。
    # useradd vdsm -u 36 -g 36
  10. エクスポートディレクトリーの所有権を 36:36 に設定すると、vdsm:kvm に所有権が付与されます。これにより、Manager はこれらのエクスポートされたディレクトリーによって表示されるストレージドメイン内にデータを保管することができるようになります。
    # chown -R 36:36 /exports/data
    # chown -R 36:36 /exports/export
  11. 所有者に読み取り/書き込みアクセスを許可し、グループおよびその他のユーザーに読み取り/実行アクセスを許可するようにディレクトリーのモードを変更します。
    # chmod 0755 /exports/data
    # chmod 0755 /exports/export

7.2.2. NFS ストレージのアタッチ

NFS ストレージドメインを Red Hat Enterprise Virtualization 環境のデータセンターにアタッチします。このストレージドメインは、仮想化ゲストイメージおよび ISO 起動メディア用のストレージを提供します。以下の手順は、エクスポート共有がすでに用意されていることを前提としています。エクスポートドメインを作成する前に、データドメインを作成しておく必要があります。エクスポートドメインの作成にも同じ手順を使用しますが、その場合は、ドメイン機能/ストレージタイプ の一覧で Export / NFS を選択します。
  1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager 管理ポータルで ストレージ リソースタブをクリックします。
  2. 新規ドメイン をクリックします。
    新規ドメインウィンドウ

    図7.1 新規ドメインウィンドウ

  3. ストレージドメインの 名前 を入力します。
  4. データーセンタードメイン機能ストレージタイプ形式、および 使用するホスト の一覧のデフォルト値を受け入れます。
  5. ストレージドメインに使用する エクスポートパス を入力します。
    エクスポートパスは、192.168.0.10:/data または domain.example.com:/data の形式にする必要があります。
  6. オプションで、詳細パラメーターを設定することが可能です。
    1. 詳細パラメーター をクリックします。
    2. 容量不足の警告 のフィールドに、パーセンテージ値を入力します。ストレージドメインの空き容量がこの値を下回ると、ユーザーに警告のメッセージが表示され、ログに記録されます。
    3. アクションをブロックする深刻な容量不足 のフィールドに GB 単位で値を入力します。ストレージドメインの空き容量がこの値を下回ると、ユーザーにエラーメッセージが表示され、ログに記録されます。容量を消費する新規アクションは、一時的であってもすべてブロックされます。
    4. 削除後にワイプするオプションを有効にするには、削除後にワイプ チェックボックスを選択します。このオプションは、ドメインの作成後に編集することが可能ですが、その場合にはすでに存在していたディスクの「削除後にワイプ」プロパティーは変更されません。
  7. OK をクリックします。
    新規 NFS データドメインが ストレージ タブに表示されます。ディスクの準備が完了するまでステータスが Locked と表示され、その後には自動的にデータセンターにアタッチされます。

7.2.3. NFS ストレージの拡張

NFS ストレージの容量を拡張するには、新規ストレージドメインを作成して既存のデータセンターに追加するか、NFS サーバー上の使用可能な空き容量を増やします。最初のオプションについては、「NFS ストレージのアタッチ」を参照してください。以下の手順は、既存の NFS サーバーで使用可能な空き容量を増やす方法について説明します。

手順7.1 既存の NFS ストレージドメインの拡張

  1. ストレージ リソースタブをクリックして、NFS ストレージドメインを選択します。
  2. 詳細ペインで データセンター タブをクリックし、メンテナンス ボタンをクリックしてストレージドメインをメンテナンスモードに切り替えます。これにより、既存の共有がアンマウントされ、ストレージドメインのサイズ変更が可能となります。
  3. NFS サーバーで、ストレージをリサイズします。 Red Hat Enterprise Linux 6 システムの場合は、『Red Hat Enterprise Linux 6 ストレージ管理ガイド』を参照してください。Red Hat Enterprise Linux 7 システムの場合は、『Red Hat Enterprise Linux 7 ストレージ管理ガイド』を参照してください。
  4. 詳細ペインで データセンター タブをクリックし、アクティブ化 ボタンをクリックしてストレージドメインをマウントします。