5.5. ホストとネットワーク

5.5.1. ホストの機能のリフレッシュ

ホストにネットワークインターフェースカードを追加した場合は、Manager でそのネットワークインターフェースカードを表示するには、そのホストの機能をリフレッシュする必要があります。

手順5.19 ホストの機能をリフレッシュする手順

  1. リソースタブ、ツリーモード、または検索機能を使用して、結果一覧に表示された候補の中から対象のホストを選択します。
  2. 機能をリフレッシュ ボタンをクリックします。
選択したホストの詳細ペインの ネットワークインターフェース タブのネットワークインターフェースの一覧が更新され、Manager で新しいネットワークインターフェースカードを使用できるようになりました。

5.5.2. ホストネットワークインターフェースの編集とホストへの論理ネットワークの割り当て

物理ホストのネットワークインターフェースの設定を変更して、物理ホストのネットワークインターフェース間で管理ネットワークを移動し、物理ホストのネットワークインターフェースに論理ネットワークを割り当てることができます。ブリッジおよび ethtool のカスタムプロパティーもサポートされています。

重要

外部プロバイダーによって提供されている論理ネットワークは、物理ホストのネットワークインターフェースには割り当てることはできません。そのようなネットワークは、仮想マシンの要求に応じて、ホストに動的に割り当てられます。

手順5.20 ホストネットワークインターフェースの編集とホストへの論理ネットワークの割り当て

  1. ホスト リソースタブをクリックして、対象のホストを選択します。
  2. 詳細ペインにある ネットワークインターフェース タブをクリックします。
  3. ホストネットワークを設定 ボタンをクリックすると ホストネットワークの設定 ウィンドウが開きます。
  4. 論理ネットワークを物理ホストに割り当てるには、その論理ネットワークを選択して、その物理ホストのネットワークインターフェースの横にある 割り当て済み論理ネットワーク のエリアにドラッグします。
    もしくは、論理ネットワークを右クリックしてドロップダウンメニューからネットワークインターフェースを選択します。
  5. 論理ネットワークを設定します。
    1. 割り当てられた論理ネットワークの上にマウスを移動し、鉛筆のアイコンをクリックすると、管理ネットワークの編集 ウィンドウが開きます。
    2. NoneDHCPStatic の中から ブートプロトコル を選択します。Static を選択した場合には、IPネットマスク / ルーティングプレフィックスゲートウェイ を入力してください。
    3. デフォルトのホストネットワーク QoS を上書きするには、QoS を上書き を選択して、以下のフィールドに必要な値を入力します。
      • 加重シェア: 特定のネットワークに割り当てる論理リンクのキャパシティーを、同じ論理リンクにアタッチされた他のネットワークに対して相対的に示します。シェアの具体的な値は、そのリンク上の全ネットワークのシェアの和によって異なります。デフォルトでは、これは、1-100 の範囲内の数値です。
      • 速度の上限 [Mbps]: ネットワークが使用する最大帯域幅
      • コミット速度 [Mbps]: ネットワークに必要な最小の帯域幅。要求されるコミット速度は保証されず、ネットワークインフラストラクチャーや同じ論理リンク上の他のネットワークに要求されるコミット速度によって異なります。
      ホストネットワーク QoS の設定に関する詳しい情報は、「ホストネットワークの QoS」を参照してください。
    4. ネットワークブリッジを設定するには、カスタムプロパティー のドロップダウンメニューをクリックして bridge_opts を選択します。有効なキーと値を [key]=[value] の構文で入力します。エントリーが複数ある場合は、空白文字で区切ります。以下のキーが有効です (値は例として提示しています)。これらのパラメーターに関する詳しい説明は、「bridge_opts パラメーター」を参照してください。
      forward_delay=1500 
      gc_timer=3765 
      group_addr=1:80:c2:0:0:0 
      group_fwd_mask=0x0 
      hash_elasticity=4 
      hash_max=512
      hello_time=200 
      hello_timer=70 
      max_age=2000 
      multicast_last_member_count=2 
      multicast_last_member_interval=100 
      multicast_membership_interval=26000 
      multicast_querier=0 
      multicast_querier_interval=25500 
      multicast_query_interval=13000 
      multicast_query_response_interval=1000 
      multicast_query_use_ifaddr=0 
      multicast_router=1 
      multicast_snooping=1 
      multicast_startup_query_count=2 
      multicast_startup_query_interval=3125
    5. ethtool のプロパティーを設定するには、カスタムプロパティー のドロップダウンメニューをクリックして ethtool_opts を選択します。有効なキーと値を [key]=[value] の構文で入力します。エントリーが複数ある場合は、空白文字で区切ります。ethtool_opts オプションはデフォルトでは使用できないので、engine 設定ツールを使用して追加する必要があります。詳しくは、「Red Hat Enterprise Virtualization Managerで Ethtool を使用するための設定方法」を参照してください。ethtool のプロパティーに関する詳しい情報は、『Red Hat Enterprise Linux 6 Deployment Guide』 または man ページを参照してください。
    6. 論理ネットワークの定義がホスト上のネットワーク設定と同期されていない場合には、ネットワークを同期 のチェックボックスを選択します。論理ネットワークが同期されるまでは、その論理ネットワークを編集したり、他のインターフェースに移動したりすることはできません。

      注記

      以下のいずれかの条件が該当する場合には、ネットワークは同期されていると見なされません。
      • 仮想マシンネットワーク が物理ホストのネットワークと異なる場合。
      • VLAN ID が物理ホストネットワークと異なる場合。
      • カスタムMTU が論理ネットワークで設定済みで、かつ物理ホストのネットワークと異なる場合。
  6. ネットワーク接続をチェックするには、ホストと Engine 間の接続を検証 のチェックボックスを選択します。この操作は、ホストがメンテナンスモードに入っている場合のみに機能します。
  7. 環境をリブートした時に変更が維持されるようにするには、ネットワーク設定を保存 のチェックボックスを選択します。
  8. OK をクリックします。

注記

ホストの全ネットワークインターフェースカードが表示されない場合には、機能をリフレッシュ ボタンをクリックして、そのホストで利用可能なネットワークインターフェースカードの一覧を更新します。

5.5.3. 論理ネットワークを使用した単一ネットワークインターフェースへの複数の VLAN 追加

単一のネットワークインターフェースに複数の VLAN を追加することにより、1 台のホスト上のトラフィックを分離することができます。

重要

そのためには、あらかじめ複数の論理ネットワークを作成しておく必要があります。それらの論理ネットワークにはすべて、新規論理ネットワーク または 論理ネットワークの編集 のウィンドウで VLAN タグ付けを有効にする のチェックボックスにチェックを入れてください。

手順5.21 論理ネットワークを使用した、ネットワークインターフェースへの複数の VLAN 追加

  1. ホスト リソースタブをクリックして、VLAN タグ付きの論理ネットワークが割り当てられたクラスターに関連付けられているホストを結果一覧から選択します。
  2. 詳細ペインにある ネットワークインターフェース タブをクリックし、データセンターにアタッチされた物理ネットワークインターフェースを一覧表示します。
  3. ホストネットワークを設定 をクリックすると ホストネットワークの設定 ウィンドウが開きます。
  4. VLAN タグの付いた論理ネットワークを物理ネットワークインターフェースの横にある 割り当て済み論理ネットワーク のエリアにドラッグします。VLAN タグ付けにより、物理ネットワークインターフェースに複数の論理ネットワークを割り当てることができます。
  5. 割り当て済み論理ネットワークの上にマウスを移動し、鉛筆のアイコンをクリックすると、ネットワークの編集 ウィンドウが開きます。
    論理ネットワークの定義がホスト上のネットワーク設定と同期されていない場合には、ネットワークを同期 のチェックボックスを選択します。
    次のいずれかの ブートプロトコル を選択します。
    • None
    • DHCP
    • Static
      IP アドレスサブネットマスク を入力します。
    OK をクリックします。
  6. ネットワークのチェックを実行するには、ホストと Engine 間の接続を検証 のチェックボックスを選択します。この検証は、ホストがメンテナンスモードに入っている場合のみに機能します。
  7. ネットワーク設定を保存 チェックボックスを選択します。
  8. OK をクリックします。
クラスター内のホストの NIC を編集して、各ホストに論理ネットワークを追加します。この作業が完了すると、ネットワークが稼働するようになります。
単一のインターフェースに VLAN タグの付いた論理ネットワークを複数追加しました。この手順を繰り返して、各ホストで同じネットワークインターフェースを選択/編集し、単一のネットワークインターフェースに異なる VLAN タグの付いた論理ネットワークを追加することができます。

5.5.4. ホストネットワークインターフェースへのネットワークラベルの追加

ネットワークラベルを使用することによって、ホストネットワークインターフェースへの論理ネットワーク割り当てに伴う管理ワークロードを大幅に簡素化することができます。

手順5.22 ホストネットワークインターフェースへのネットワークラベルの追加

  1. ホスト リソースタブをクリックして、VLAN タグ付きの論理ネットワークが割り当てられたクラスターに関連付けられているホストを結果一覧から選択します。
  2. 詳細ペインにある ネットワークインターフェース タブをクリックし、データセンターにアタッチされた物理ネットワークインターフェースを一覧表示します。
  3. ホストネットワークを設定 をクリックすると ホストネットワークの設定 ウィンドウが開きます。
  4. ラベル をクリックして [新規ラベル] を右クリックします。ラベルを付ける物理ネットワークインターフェースを選択します。
  5. ラベル のテキストフィールドにネットワークラベル名を入力します。
  6. OK をクリックします。
ホストネットワークインターフェースにネットワークラベルが追加されました。同じラベルで新規作成される論理ネットワークはいずれも、そのラベルが付いたホストネットワークインターフェースに自動的に割り当てられます。また、論理ネットワークからラベルを削除すると、その論理ネットワークは、そのラベルが付いた全ホストネットワークインターフェースから自動的に削除されます。

5.5.5. ボンディング

5.5.5.1. Red Hat Enterprise Virtualization におけるボンディングロジック

Red Hat Enterprise Virtualization Manager 管理ポータルでは、グラフィカルインターフェースを使用してボンディングデバイスを作成することができます。ボンディング作成には複数の異なるシナリオがあり、それぞれに独自のロジックが適用されます。
ボンディングロジックに影響を及ぼす 2 つの要因:
  • いずれかのデバイスが論理ネットワークをすでに伝送しているかどうか。
  • デバイスは、互換性のある論理ネットワークを伝送しているかどうか。

表5.7 ボンディングシナリオとその結果

ボンディングシナリオ結果
NIC + NIC
新規ボンディングの作成 ウィンドウが表示され、新規ボンディングデバイスを設定することができます。
ネットワークインターフェースが互換性のない論理ネットワークを伝送している場合には、新規ボンディングを形成するデバイスから互換性のない論理ネットワークをデタッチするまで、ボンディング操作は失敗します。
NIC + Bond
NIC がボンディングデバイスに追加されます。NIC とボンディングデバイスが伝送する各論理ネットワークに互換性がある場合には、それらの論理ネットワークはすべて、この操作で作成されるボンディングデバイスに追加されます。
ボンディングデバイスが互換性のない論理ネットワークを伝送している場合には、新規ボンディングを形成するデバイスから互換性のない論理ネットワークをデタッチするまで、ボンディング操作は失敗します。
Bond + Bond
ボンディングデバイスが論理ネットワークにアタッチされていない場合、または互換性のある論理ネットワークにアタッチされている場合には、新規ボンディングデバイスが作成されます。これには、すべてのネットワークインターフェースが含まれ、ボンディングを構成するデバイスの全論理ネットワークを伝送します。新規ボンディングの作成 ウィンドウが表示され、新規ボンディングの設定を行うことができます。
ボンディングデバイスが互換性のない論理ネットワークを伝送している場合には、新規ボンディングを形成するデバイスから互換性のない論理ネットワークをデタッチするまで、ボンディング操作は失敗します。

5.5.5.2. ボンディング

ボンディング とは、複数のネットワークインターフェースを ソフトウェアで定義したデバイス 1 つに集約することです。ボンディングされたネットワークインターフェースは、ボンディングで含まれているネットワークインターフェースカード (NIC) の伝送機能を統合して、1 つのネットワークインターフェースとして機能するため、単一の NIC よりも伝送速度が早くなります。また、ボンディング内の NIC すべてに障害が発生しない限り、ボンディング自体には障害が発生しないため、ボンディングすることでフォールトトレランスが向上します。ただし、一点制約があり、ボンディング内のすべてのネットワークインターフェースカードが同じオプションやモードをサポートするように、ネットワークインターフェースをボンディングする NIC は、必ず同じメーカーおよびモデルでなければなりません。
ボンディングのパケット分散アルゴリズムは、使用するボンディングモードによって決定されます。

重要

モード 1、2、3、4 は、仮想マシン (ブリッジ) および物理マシン (ブリッジなし) のネットワークタイプをサポートします。モード 0、5、6 は、物理マシン (ブリッジなし) のネットワークのみをサポートします。
ボンディングモード
Red Hat Enterprise Virtualization は、デフォルトでモード 4 を使用しますが、以下にあげる一般的なボンディングモードに対応しています。
モード 0 (round-robin ポリシー)
このモードは、ネットワークインターフェースカードを順番に使用してパケットを送信します。パケットの送信は、ボンディングで最初に利用可能なネットワークインターフェースカードから、最後に利用可能なネットワークインターフェースカードまでループで使用をくり返します。それ以降のループでもすべて、最初に利用可能なネットワークインターフェースカードから使用されます。モード 0 では、ネットワークに対して耐障害性や負荷分散が提供されていますが、ブリッジと併用できないため、仮想マシンの論理ネットワークとの互換性はありません。
モード 1 (active-backup ポリシー)
このモードは、すべてのネットワークインターフェースカードをバックアップ状態に設定して、1 つだけアクティブなカードを残します。アクティブなネットワークインターフェースカードで障害が発生すると、バックアップに設定されていたネットワークインターフェースカードの 1 つが、障害の発生したインターフェースに代わって、ボンディング内で唯一のアクティブインターフェースになります。1 つ以上のポートでアドレスが表示されていると、有効なネットワークインターフェースカードの MAC アドレスを反映するためにボンディングの MAC アドレスが変更された場合に混乱が生じる可能性があり、このような混乱を避ける目的で、モード 1 のボンディングの MAC アドレスは、1 つのポートだけで表示されます。モード 1 は耐障害性を提供し、Red Hat Enterprise Virtualization でサポートされています。
モード 2 (XOR ポリシー)
このモードは、送信元と送信先の MAC アドレスの XOR (排他的理論和) をネットワークインターフェースカードのスレーブ数で除算した剰余に基づいて、パケット送信に用いるネットワークインターフェースカードを選択します。この計算により、各送信先の MAC アドレスに必ず同じネットワークインターフェースカードが選択されるようにします。モード 2 は耐障害性と負荷分散を提供し、Red Hat Enterprise Virtualization でサポートされています。
モード 3 (broadcast ポリシー)
このモードは、全パケットをすべてのネットワークインターフェースカードに送信します。モード 3 は耐障害性を提供し、Red Hat Enterprise Virtualization でサポートされています。
モード 4 (IEEE 802.3ad ポリシー)
このモードは、任意の集約グループを作成し、このグループ内のインターフェースが速度およびデュプレックスの設定を共有します。モード 4 は、IEEE 802.3ad 仕様に従ってアクティブな集約グループ内のネットワークインターフェースカードをすべて使用します。このモードも、Red Hat Enterprise Virtualization でサポートされています。
モード 5 (adaptive transmit load balancing ポリシー)
このモードは、ボンディング内の各ネットワークインターフェースカードの負荷に応じて発信トラフィックが分散され、現在のネットワークインターフェースカードが全着信トラフィックを受信するようにします。トラフィックの受信に割り当てられているネットワークインターフェースカードに障害が発生した場合には、着信トラフィックの受信ロールは別のネットワークインターフェースカードに割り当てられます。モード 5 はブリッジと併用できないため、仮想マシンの論理ネットワークとの互換性はありません。
モード 6 (adaptive load balancing ポリシー)
このモードは、モード 5 (adaptive transmit load balancing ポリシー) に IPv4 トラフィックの受信負荷分散を組み合わせたポリシーで、特別なスイッチ要件はありません。ARP ネゴシエーションを使用して受信負荷の分散を行います。モード 6 はブリッジと併用できないため、仮想マシンの論理ネットワークとの互換性はありません。

5.5.5.3. 管理ポータルを使用したボンディングデバイスの作成

互換性のある複数のネットワークデバイスをボンディングしてまとめることができます。このタイプの設定を使用することで帯域幅と信頼度が高まります。ボンディングは、複数のネットワークインターフェース、既存のボンディングデバイス、この 2 つを組み合わせたものに対して適用することができます。ボンディングは VLAN タグ付きのトラフィックと、VLAN タグなしのトラフィックの両方を伝送することができます。

手順5.23 管理ポータルを使用したボンディングデバイスの作成

  1. ホスト リソースタブをクリックして、結果一覧でホストを選択します。
  2. 詳細ペインにある ネットワークインターフェース タブをクリックし、ホストにアタッチされた物理ネットワークインターフェースを一覧表示します。
  3. ホストネットワークを設定 をクリックすると ホストネットワークの設定 ウィンドウが開きます。
  4. 一方のデバイスを選択して、他方のデバイスの上にドラグアンドドロップすると、新規ボンディングの作成 ウィンドウが開きます。または、一方のデバイスを右クリックして、他方のデバイスをドロップダウンメニューから選択します。
    デバイスに互換性がない場合には、ボンディングの操作は失敗して、互換性問題の解決方法を示したメッセージが表示されます。
  5. ドロップダウンメニューから ボンディング名 および ボンディングモード を選択します。
    ボンディングモード 1、2、4、5 を選択することができます。その他のモードを設定するには、カスタム オプションを使用します。
  6. OK をクリックしてボンディングを作成し、新規ボンディングの作成 ウィンドウを閉じます。
  7. 新規作成したボンディングデバイスに論理ネットワークを割り当てます。
  8. オプションとして、ホストと Engine 間の接続を検証 および ネットワーク設定を保存 を選択することができます。
  9. OK をクリックして変更を受け入れ、ホストネットワークの設定 ウィンドウを閉じます。
複数のネットワークデバイスが 1 つのボンディングデバイスにリンクされ、単一のインターフェースとして編集できるようになりました。このボンディングデバイスは、選択したホストの詳細ペインにある ネットワークインターフェース タブに表示されます。
ホストが使用するスイッチのポートには、ボンディングを有効にする必要があります。ボンディングを有効化する手順は、スイッチによって若干異なります。ボンディング有効化に関する詳しい情報は、そのスイッチのメーカーが提供しているマニュアルを参照してください。

5.5.5.4. ホストインターフェースのカスタムボンディングオプションの使用例

新規ボンディングの作成 ウィンドウで ボンディングモード から カスタム を選択すると、カスタマイズされたボンディングデバイスを作成することができます。以下の例は、必要に応じて適用してください。ボンディングオプションとその説明をまとめた包括的なリストは、Kernel.org のLinux Ethernet Bonding Driver HOWTOを参照してください。

例5.1 xmit_hash_policy

このオプションは、ボンディングモード 2 および 4 の送信負荷分散ポリシーを定義します。たとえば、多数の異なる IP アドレス間のトラフィックが大半の場合には、IP アドレス別に負荷分散するようにポリシーを設定することができます。この負荷分散ポリシーを設定するには、カスタム ボンディングモードを選択して、テキストフィールドに以下の値を入力します。
mode=4 xmit_hash_policy=layer2+3

例5.2 ARP モニタリング

ARP モニターは、ethtool を介して適切にリンク状態を報告できない、もしくは報告しないシステムに有用です。ホストのボンディングデバイスに arp_interval を設定するには、カスタム ボンディングモードを選択して、テキストフィールドに以下の値を入力します。
mode=1 arp_interval=1 arp_ip_target=192.168.0.2

例5.3 プライマリー

ボンディングデバイス内のプライマリーインターフェースとして、特定の NIC により高いスループットを指定する必要がある場合があります。プライマリーとなる NIC を指定するには、カスタム ボンディングモードを選択して、テキストフィールドに以下の値を入力します。
mode=1 primary=eth0

5.5.6. ホストの完全修飾ドメイン名の変更

ハイパーバイザーホストの完全修飾ドメイン名を変更するには、以下の手順に従ってください。

手順5.24 ハイパーバイザーホストの完全修飾ドメイン名の更新

  1. ハイパーバイザーをメンテナンスモードに切り替えて、仮想マシンが別のハイパーバイザーにライブマイグレーションされるようにします。詳しい説明は、「ホストのメンテナンスモードへの切り替え」を参照してください。または、全仮想マシンを手動でシャットダウンして、別のハイパーバイザーに移行します。詳しくは、『仮想マシン管理ガイド』の「手動での仮想マシン移行」のセクションを参照してください。
  2. 削除 をクリックしてから OK をクリックし、管理ポータルからホストを削除します。
    • RHEL ベースのホストの場合
      • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
        /etc/sysconfig/network ファイルを編集し、ホスト名を更新して保存します。
        # vi /etc/sysconfig/network
        HOSTNAME=NEW_FQDN
      • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
        ホスト名を更新するには、hostnamectl ツールを使用します。その他のオプションについては、『Red Hat Enterprise Linux 7 ネットワークガイド』の「ホスト名の設定」の章を参照してください。
        # hostnamectl set-hostname NEW_FQDN
    • Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisors (RHEV-H) の場合
      テキストユーザーインターフェースで Network の画面を選択して右矢印キーを押し、Hostname フィールドに新規ホスト名を入力します。<Save> を選択して Enter を押します。
  3. ホストをリブートします。
  4. Manager にホストを再登録します。詳しくは、『インストールガイド』の「管理ポータルからハイパーバイザーを手動で追加する方法」のセクションを参照してください。

5.5.7. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor (RHEV-H) の IP アドレスの変更

手順5.25

  1. ハイパーバイザーをメンテナンスモードに切り替えて、仮想マシンが別のハイパーバイザーにライブマイグレーションされるようにします。詳しい説明は、「ホストのメンテナンスモードへの切り替え」を参照してください。または、全仮想マシンを手動でシャットダウンして、別のハイパーバイザーに移行します。詳しくは、『仮想マシン管理ガイド』の「手動での仮想マシン移行」のセクションを参照してください。
  2. 削除 をクリックしてから OK をクリックし、管理ポータルからホストを削除します。
  3. admin ユーザーとして Hypervisor にログインします。
  4. F2 を押して OK を選択し、Enter を押してレスキューシェルに入ります。
  5. /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ovirtmgmt ファイルを編集して、IP アドレスを変更します。以下に例を示します。
    # vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ovirtmgmt
    ...
    BOOTPROTO=none	
    IPADDR=10.x.x.x
    PREFIX=24
    ...
  6. ネットワークサービスを再起動して、IP アドレスが更新されたことを確認します。
    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
      # service network restart
      # ifconfig ovirtmgmt
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
      # systemctl restart network.service
      # ip addr show ovirtmgmt
  7. exit と入力してレスキューシェルを終了し、テキストユーザーインターフェースに戻ります。
  8. Manager にホストを再登録します。詳しくは、『インストールガイド』の「管理ポータルからハイパーバイザーを手動で追加する方法」のセクションを参照してください。