第11章 外部プロバイダー
11.1. Red Hat Enterprise Virtualization の外部プロバイダーについて
Red Hat Enterprise Virtualization では、Red Hat Enterprise Virtualization Manager 自体によって管理されるリソースに加えて、外部のソースによって管理されるリソースを活用することも可能です。このようなリソースのプロバイダーは、外部プロバイダーとして知られ、仮想化ホスト、仮想マシンイメージ、ネットワークなどのリソースを提供することができます。
Red Hat Enterprise Virtualization は現在以下の外部プロバイダーをサポートしています。
- Red Hat Satellite を使用したホストのプロビジョニング
- Satellite は、物理/仮想ホストの両方のライフサイクルの全側面を管理するためのツールです。Red Hat Enterprise Virtualization では、Satellite によって管理されるホストを Red Hat Enterprise Virtualization Manager に仮想化ホストとして追加して使用することができます。Satellite のインスタンスを Manager に追加した後には、その Satellite インスタンスによって管理されるホストは、新規ホストの追加時に、その Satellite インスタンスで利用可能なホストを検索して追加することができます。
- OpenStack Image Service (Glance) によるイメージ管理
- OpenStack Image Service は、仮想マシンイメージのカタログを提供します。Red Hat Enterprise Virtualization では、これらのイメージを Red Hat Enterprise Virtualization Manager にインポートして、フローティングディスクとして使用したり、仮想マシンにアタッチしてテンプレートに変換したりすることができます。OpenStack Image Service を Manager に追加した後には、どのデータセンターにもアタッチされていないストレージドメインとして表示されます。また、Red Hat Enterprise Virtualization 環境内の仮想マシンディスクを仮想マシンディスクイメージとして OpenStack Image Service にエクスポートすることも可能です。
- OpenStack Networking (Neutron) インスタンスによるネットワークプロビジョニング
- OpenStack Network は、ソフトウェア定義ネットワークを提供します。Red Hat Enterprise Virtualization では、OpenStack Networking によって提供されるネットワークを Red Hat Enterprise Virtualization Manager にインポートして、全タイプのトラフィックを伝送し、複雑なネットワークトポロジーを作成するのに使用することができます。OpenStack Networking を Manager に追加した後には、OpenStack Networking によって提供されるネットワークを手動でインポートしてアクセスすることができます。
- OpenStack Volume (Cinder) によるストレージ管理
- OpenStack Volume は、仮想ハードドライブ用の永続ブロックストレージの管理を提供します。OpenStack Cinder ボリュームは、Ceph Storage によってプロビジョニングされます。Red Hat Enterprise Virtualization では、フローティングディスクとして使用するためのディスクや、仮想マシンにアタッチするディスクを OpenStack Volume ストレージ上に作成することができます。OpenStack Volume を Manager に追加した後には、OpenStack Volume によって提供されるストレージを作成することが可能となります。
- VMware による仮想マシンのプロビジョニング
- VMware で作成された仮想マシンは、V2V (virt-v2v) を使用して変換してから Red Hat Enterprise Virtualization 環境にインポートすることができます。VMware プロバイダーを Manager に追加した後に、そのプロバイダーが提供する仮想マシンをインポートすることができます。V2V の変換は、指定したプロキシーホストで、インポート操作の一貫として実行されます。
注記
Red Hat Enterprise Virtualization 環境に外部プロバイダーを追加するには、それらの外部プロバイダーをあらかじめ設定しておく必要があります。Foreman インスタンスの設定および外部プロバイダーとして使用できるようにする Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform コンポーネントのプロビジョニングの方法については 『OpenStack のデプロイメント: エンタープライズ環境 (Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform Installer)』を参照してください。