Dell Storage Center バックエンドガイド
Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7 の環境における Dell Storage Center ストレージの使用についてのガイド
OpenStack Documentation Team
rhos-docs@redhat.com概要
第1章 はじめに
本ガイドは、OpenStack で単一または複数の Dell Storage Center バックエンドを使用するための設定方法を記載します。以下の章では、次の事項を前提としています。
- Block storage のバックエンドに Dell Storage Center デバイスとドライバーのみを使用予定であること
- OpenStack が正しく設定された Block Storage Service ですでにデプロイされていること
- Enterprise Manager および Dell Storage Center Group に接続する際に必要な認証情報があること
- Dell Storage Center デバイス以外に設定されているバックエンドがないこと
- OpenStack デプロイメントの管理アカウントのユーザー名とパスワードがあること (詳細情報は、『ユーザーおよびアイデンティティー管理ガイド』 の「ユーザーとロール管理」の項または 「Creating additional OpenStack admin users」の記事を参照)
第2章 単一の Dell Storage Center バックエンドの使用
本項には、OpenStack で単一の Dell Storage Center バックエンドを使用するための設定方法を記載します。
2.1. バックエンドの定義
openstack-cinder-volume サービスをホストするノードの /etc/cinder/cinder.conf ファイルに、バックエンド用のセクションを作成することから開始します。以下のスニペットは、[backend] というバックエンドを定義します。このスニペットには、Dell Storage Center SAN デバイスを使用するのに必要な設定が記載されています。
[backend] volume_driver=cinder.volume.drivers.dell_storagecenter_iscsi.DellStorageCenterISCSIDriver 1 san_ip=10.1.1.1 2 san_login=Admin 3 san_password=password 4 iscsi_ip_address=192.168.0.20 5 dell_sc_ssn=64702 6 dell_sc_api_port=3033 7 dell_sc_server_folder=server_folder 8 dell_sc_volume_folder=volume_folder 9 iscsi_port=3260 10
- 1
- volume_driver: Dell Storage Center バックエンドに必要なボリュームドライバー (
cinder.volume.drivers.dell_storagecenter_iscsi.DellStorageCenterISCSIDriver) - 2
- san_ip: SSH を介して Dell Enterprise Manager にアクセスするのに使用する IP アドレス。このフィールドにはデフォルト値はありません。
- 3
- san_login:
san_ipで Dell Enterprise Manager にログインする際のログイン名。デフォルトのユーザー名はAdminです。 - 4
- san_password:
san_loginのパスワード。デフォルトのパスワードはpasswordです。 - 5
- iscsi_ip_address: ボリュームとスナップショットを作成するために使用する Dell Storage Center の ISCSI IP アドレス
- 6
- dell_sc_ssn: 使用する Dell Storage Center のシリアル番号。デフォルトは
64702です。 - 7
- dell_sc_api_port: Dell Enterprise Manager API ポート (任意)。デフォルトは
3033です。 - 8
- dell_sc_server_folder: 新規サーバーの定義を指定する Dell Storage Center の
Serverフォルダー - 9
- dell_sc_volume_folder: 新規ボリュームを作成する先の Dell Storage Center の
Serverフォルダー - 10
- iscsi_port: Dell Storage Center アレイの ISCSI ポート。このパラメーターはオプションで、デフォルトは
3036です。
Dell Storage Center のボリューム設定に関する詳しい情報は、『Configuration Reference Guide』を参照してください。
バックエンドの定義が完了したら、/etc/cinder/cinder.conf の [DEFAULT] セクションの volume_backend_name 設定で有効化します。
# openstack-config --set /etc/cinder/cinder.conf DEFAULT volume_backend_name backend
/etc/cinder/cinder.conf の編集後には、Block Storage Service を再起動して、新規設定を適用します。
# openstack-service restart cinder
2.2. 必要な管理者の認証情報の読み込み
これ以降は管理機能を実行するので、認証をスムーズに行うために必要な環境変数を読み込む必要があります。これには、以下のコマンドを実行してください。
# export OS_USERNAME=ADMIN_USER
# export OS_TENANT_NAME=admin
# export OS_PASSWORD=ADMIN_PW
# export OS_AUTH_URL=http://KEYSTONE_IP:35357/v2.0/
# export PS1='[\u@\h \W(keystone_admin)]\$
ここで、
- ADMIN_USER と ADMIN_PW は OpenStack 環境内で管理者権限を持つユーザーアカウントのユーザー名とパスワードに置き換えます。
- KEYSTONE_IP は、Identity Service の IP アドレスまたはホスト名に置き換えます。
OpenStack の管理者アカウントに関する情報は、「Creating additional OpenStack admin users」の記事を参照してください。
2.3. ボリューム種別の作成
バックエンドを定義した後には、そのバックエンド用のボリューム種別を作成します。以下のコマンドは、ボリューム種別 dell_sc_backend を作成して、バックエンド dell_sc_iscsi (「バックエンドの定義」) にマッピングします。
# cinder type-create dell_sc_backend
# cinder type-key dell_sc_backend set volume_backend_name=dell_sc_iscsi
2.4. 設定のテスト
test_backend という名前の 1 GB のボリュームを作成して、設定を検証します。これには、以下のコマンドを実行します。
# cinder create --volume_type dell_sc_backend --display_name test_backend 1
第3章 複数の Dell Storage Center バックエンドの使用
本項には、OpenStack で複数の Dell Storage Center バックエンドを使用するための設定方法を記載します。
3.1. 各バックエンドの定義
openstack-cinder-volume サービスをホストするノードの /etc/cinder/cinder.conf ファイルに、バックエンドごとにセクションを作成することから開始します。以下のスニペットは、[backend1] と [backend2] の 2 つのバックエンドを定義します。
[backend1] volume_driver=cinder.volume.drivers.dell_storagecenter_iscsi.DellStorageCenterISCSIDriver 1 volume_backend_name=backend1 2 san_ip=10.1.1.1 3 san_login=Admin 4 san_password=password 5 iscsi_ip_address=192.168.0.20 6 dell_sc_ssn=64702 7 dell_sc_api_port=3033 8 dell_sc_server_folder=server_folder 9 dell_sc_volume_folder=volume_folder 10 iscsi_port=3260 11 [backend2] volume_driver=cinder.volume.drivers. dell_storagecenter_iscsi.DellStorageCenterISCSIDriver 12 volume_backend_name=backend1 13 san_ip=10.1.1.1 14 san_login=Admin 15 san_password=password 16 iscsi_ip_address=192.168.0.20 17 dell_sc_ssn=64702 18 dell_sc_api_port=3033 19 dell_sc_server_folder=server_folder 20 dell_sc_volume_folder=volume_folder 21 iscsi_port=3260 22
- 1 12
- volume_driver: Dell Storage Center バックエンドに必要な ISCSI ボリュームドライバー (
cinder.volume.drivers.dell_storagecenter_iscsi.DellStorageCenterISCSIDriver) - 2 13
- volume_backend_name: 各バックエンドの名前を定義します。それぞれのバックエンドに一意の名前を付ける必要があります。
- 3 14
- san_ip: SSH を介して Dell Enterprise Manager にアクセスするのに使用する IP アドレス。このフィールドにはデフォルト値はありません。
- 4 15
- san_login: san_ip で Dell Enterprise Manager にログインする際のログイン名。デフォルトのユーザー名は
Adminです。 - 5 16
- san_password: san_login のパスワード。デフォルトのパスワードは
passwordです。 - 6 17
- iscsi_ip_address: ボリュームとスナップショットを作成するための Dell Storage Center の ISCSI IP アドレス
- 7 18
- dell_sc_ssn: 使用する Dell Storage Center のシリアル番号。デフォルトは
64702です。 - 8 19
- dell_sc_api_port: Dell Enterprise Manager API ポート。このパラメーターは任意で、デフォルト値は
3033です。 - 9 20
- dell_sc_server_folder: 新規サーバーの定義を指定する Dell Storage Center の
Serverフォルダー - 10 21
- dell_sc_volume_folder: 新規ボリュームを作成する先の Dell Storage Center の
Serverフォルダー - 11 22
- iscsi_port: Dell Storage Center アレイの ISCSI ポート。このパラメーターはオプションで、デフォルトは
3036です。
Dell Storage Center のボリューム設定に関する詳しい情報は、『Configuration Reference Guide』を参照してください。
3.2. 必要な管理者の認証情報の読み込み
これ以降は管理機能を実行するので、認証をスムーズに行うために必要な環境変数を読み込む必要があります。これには、以下のコマンドを実行してください。
# export OS_USERNAME=ADMIN_USER
# export OS_TENANT_NAME=admin
# export OS_PASSWORD=ADMIN_PW
# export OS_AUTH_URL=http://KEYSTONE_IP:35357/v2.0/
# export PS1='[\u@\h \W(keystone_admin)]\$
ここで、
- ADMIN_USER と ADMIN_PW は OpenStack 環境内で管理者権限を持つユーザーアカウントのユーザー名とパスワードに置き換えます。
- KEYSTONE_IP は、Identity Service の IP アドレスまたはホスト名に置き換えます。
OpenStack の管理者アカウントに関する情報は、「Creating additional OpenStack admin users」の記事を参照してください。
3.3. Volume Service の設定
各バックエンドを定義した後には、Volume Service が各バックエンドを使用するように設定します。これには、定義したバックエンドを
/etc/cinder/cinder.confの[DEFAULT]セクションのenabled_backendsにコンマ区切りの一覧として設定します。たとえば、「各バックエンドの定義」で定義したbackend1とbackend2をバックエンドとしてを設定するには、以下のコマンドを実行します。# openstack-config --set /etc/cinder/cinder.conf DEFAULT enabled_backends backend1,backend2Block Storage Service を再起動して、新規バックエンドの設定を適用します。
# openstack-service restart cinder次に、各バックエンドの ボリューム種別 を宣言します。後で、ボリュームを作成する際に、このボリューム種別を使用して、ボリュームの作成時に Block Storage Service がどのバックエンドを使用するかを指定することができます。以下のコマンドにより、
dell_sc_iscsi1とdell_sc_iscsi2の 2 つのボリューム種別を作成できます。# cinder type-create dell_sc_iscsi1# cinder type-create dell_sc_iscsi2ボリューム種別
dell_sc_iscsi1はbackend1に、ボリューム種別dell_sc_iscsi2はbackend2にマッピングします (backend1およびbackend2はいずれも、「各バックエンドの定義」 に定義された異なるバックエンドです)。# cinder type-key dell_sc_iscsi1 set volume_backend_name=backend1# cinder type-key dell_sc_iscsi2 set volume_backend_name=backend2Block Storage Service が特定の要求にどのバックエンドを使用するかをインテリジェントに決定できるように設定します。
# openstack-config --set /etc/cinder/cinder.conf DEFAULT scheduler_default_filters CapacityFilterこのコマンドでは、Block Storage Service は、それぞれのキャパシティーに応じて、設定したバックエンドから選択します。
3.4. 設定のテスト
backend2 でバッキングされた、test_backend2 という名前の 1 GB のボリュームを作成して、設定を検証します。これには、以下のコマンドを実行します。
# cinder create --volume_type dell_sc_iscsi2 --display_name test_backend2 1