第11章 スケジューラーの設定

プロセスの設定と監視には、コマンドラインユーティリティーと Tuna グラフィカルツールの 2 つの方法があります。このセクションではコマンドラインツールを使用しますが、Tuna を使用してすべてのアクションも実行できます。

11.1. chrt を使用したスケジューラーの設定

chrt は、スケジューラーポリシーおよび優先順位の確認および調整に使用されます。希望するプロパティーで新しいプロセスを開始するか、実行中のプロセスのプロパティーを変更できます。
特定のプロセスの属性を確認するには、--pid または -p オプションのみを使用してプロセス ID (PID) を指定します。
~]# chrt -p 468
pid 468's current scheduling policy: SCHED_FIFO
pid 468's current scheduling priority: 85

~]# chrt -p 476
pid 476's current scheduling policy: SCHED_OTHER
pid 476's current scheduling priority: 0
プロセスのスケジューリングポリシーを設定するには、適切なコマンドオプションを使用します。

表11.1 chrt コマンドのポリシーオプション

短いオプション 長いオプション 詳細
-f --fifo スケジュールを SCHED_FIFO に設定します。
-o --other スケジュールを SCHED_OTHER に設定します。
-r --rr スケジュールを SCHED_RR に設定します。
プロセスの優先度を設定するには、変更しているプロセスの PID の前に値を指定します。以下のコマンドは、PID 1000 のプロセスを SCHED_FIFO に、優先度 50 で設定します。
~]# chrt -f -p 50 1000
以下のコマンドは、同じプロセス (PID 1000) を SCHED_OTHER に、優先度 0 で設定します。
~]# chrt -o -p 0 1000
指定されたポリシーおよび優先度で新しいアプリケーションを起動するには、属性とともにアプリケーションの名前 (および必要な場合はパス) を指定します。以下のコマンドは、ポリシー SCHED_FIFO および優先度が 36 で /bin/my-app を起動します。
~]# chrt -f 36 /bin/my-app

注記

詳細は、以下の man ページは本セクションに記載の情報に関連しています。
  • chrt(1)