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第6章 Atomic Host の管理

6.1. Atomic Host

atomic コマンドラインツールを使用すると、Atomic Host システムのステータスを確認し、アップグレードおよびロールバックを実行したり、特定のオペレーティングシステムツリーをデプロイしたりできます。

atomic host status を使用して、システムにダウンロードしたオペレーティングシステムのツリーを一覧表示し、現在実行中のバージョンを確認します。アスタリスク(*)は、現在実行中のツリーをマークします。

# atomic host status
State: idle
Deployments:
* rhel-atomic-host-ostree:rhel-atomic-host/7/x86_64/standard
       Version: 7.3 (2016-09-27 17:53:07)
    BaseCommit: d3fa3283db8c5ee656f78dcfc0fcffe6cd5aa06596dac6ec5e436352208a59cb
        Commit: f5e639ce8186386d74e2558e6a34f55a427d8f59412d47a907793e046875d8dd
        OSName: rhel-atomic-host

  rhel-atomic-host-ostree:rhel-atomic-host/7.2/x86_64/standard
       Version: 7.2.7 (2016-09-15 22:28:54)
    BaseCommit: dbbc8e805f0003d8e55658dc220f1fe1397caf80221cc050eeb1bbf44bef56a1
        Commit: 5cd426fa86bd1652ecd8f7d489f89f13ecb7d36e66003b0d7669721cb79545a8
        OSName: rhel-atomic-host

システムをアップグレードするには、atomic host upgrade を使用します。このコマンドは、利用可能な最新の ostree をダウンロードし、システムを再起動した後にデプロイします。再びアップグレードすると、新たにダウンロードした ostree が最も古いものを置き換えます。アップグレードには数分かかる場合があります。

# atomic host upgrade
# systemctl reboot

システムのダウンロードした他のツリーに戻すには、atomic host rollback を使用します。このコマンドは、アップグレード後に問題が発生した場合(たとえば、新しいパッケージが設定したサービスを壊すなど)場合に特に便利です。これは、すぐに以前の状態に切り替えることができます。-r オプションを使用して、直ちに再起動を開始できます。

# atomic host rollback -r

ostree の特定バージョンをデプロイするには、atomic host deploy を使用します。バージョンまたはコミット ID が分かっている場合は、それを指定できます。

# atomic host deploy <version/commit ID>

--preview オプションを使用して、指定したバージョンと現在実行中のツリー間のパッケージの違いを確認します。

# atomic host deploy 7.3 --preview

詳細なタスクについては、ostree ツールを使用して Atomic Host を管理できます。たとえば、ツリーのバージョン番号が不明な場合は、以下のコマンドを使用して ostree ログを取得し、利用可能なバージョンを一覧表示できます。

# ostree pull --commit-metadata-only --depth -1 rhel-atomic-host-ostree:rhel-atomic-host/7/x86_64/standard
# ostree log rhel-atomic-host/7/x86_64/standard

以下のコマンドのいずれかを使用して、ostree デプロイメントを削除できます。

# rpm-ostree cleanup -r
# rpm-ostree cleanup -p

-p オプションを使用すると、保留中のデプロイメントが削除されますが、-r はロールバックデプロイメントを削除します。

一時ファイルとキャッシュされたデータを消去するには、次のいずれかのコマンドを使用します。

# rpm-ostree -m
# rpm-ostree -b

-m オプションはキャッシュされた RPM リポジトリーメタデータを削除しますが、-b は一時ファイルをクリアしますが、デプロイメントはそのまま残されます。

atomic および ostree ツールにはどちらも詳細な --help オプションがあり、システムで利用可能なすべてのコマンドを確認するには、atomic host --help または ostree --help を使用します。