8.8. IdM バックアップから復元する際の注意点

ipa-backup ユーティリティーでバックアップを作成した場合は、IdM サーバーまたは LDAP コンテンツをバックアップ実行時の状態に復元できます。

以下は、IdM バックアップからの復元時の主要な考慮事項です。

  • バックアップの作成元のサーバーの設定と一致するサーバー上でのみバックアップを復元できます。サーバーには以下の項目が 必要 です。

    • 同じホスト名
    • 同じ IP アドレス
    • 同じバージョンの IdM ソフトウェア
  • 多数サーバーがある中で IdM サーバーを復元すると、復元されたサーバーは、IdM の唯一の情報ソースになります。他のサーバーはすべて、復元されたサーバーをもとに再度初期化する必要があります
  • 最後のバックアップ後に作成されたデータはすべて失われるため、通常のシステムメンテナンスには、バックアップと復元のソリューションを使用しないでください。
  • サーバーが失われた場合は、バックアップから復元するのではなく、レプリカとしてサーバーを再インストールしてサーバーを再構築することが推奨されます。新規レプリカを作成すると、現在の作業環境のデータが保存されます。詳細は、サーバーでのレプリケーションによる損失の準備 を参照してください。
  • バックアップ機能および復元機能はコマンドラインからのみ管理でき、IdM Web UI では使用できません。
  • /tmp または /var/tmp ディレクトリーにあるバックアップファイルからは復元できません。IdM Directory Server は PrivateTmp ディレクトリーを使用しており、オペレーティングシステムで一般的に利用できる /tmp または /var/tmp ディレクトリーにはアクセスできません。
ヒント

バックアップから復元するには、バックアップの実行時にインストールされたものと同じバージョンのソフトウェア (RPM) がターゲットホストに必要になります。このため、Red Hat は、バックアップではなく、仮想マシンのスナップショットからの復元を行うことを推奨します。詳細は 仮想マシンスナップショットによるデータ損失からの復旧 を参照してください。