F.6. RAM が認識されない

シナリオによっては、カーネルがすべてのメモリー (RAM) を認識しないため、システムが使用するメモリーが、インストールされているメモリーより少なくなる場合があります。システムが報告するメモリーの合計サイズが期待値と一致しない場合は、少なくとも 1 つのメモリーモジュールに問題がある可能性があります。BIOS ベースのシステムでは、Memtest86+ ユーティリティーを使用して、システムのメモリーをテストできます。

ハードウェアの設定によっては、システムの RAM の一部が予約されているため、システムが使用できなくなります。統合グラフィックスカードが搭載されている一部のラップトップコンピューターは、GPU 用のメモリーの一部を予約します。たとえば、4 GiB の RAM および統合 Intel グラフィックスカードを搭載したラップトップでは、約 3.7 GiB の使用可能なメモリーが表示されます。さらに、多くの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっている kdump クラッシュカーネルダンプメカニズムは、プライマリーカーネルに障害が発生した場合に使用されるセカンダリーカーネル用にメモリーの一部を予約します。この予約メモリーは、利用可能としては表示されません。

以下の手順を使用して、メモリー量を手動で設定します。

手順

  1. システムが現在報告しているメモリー容量を MiB 単位で確認します。

    $ free -m
  2. システムを起動し、ブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。

    起動タイムアウト期間が 0 に設定されている場合は、Esc キーを押してメニューにアクセスします。

  3. ブートローダーメニューからカーソルキーを使用して、起動するエントリーを強調表示し、Tab キー (BIOS ベースのシステムの場合)、または e キー (UEFI ベースのシステムの場合) を押して、選択したエントリーオプションを編集します。
  4. オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は linux というキーワードで始まります。以下のオプションをこの行の最後に追加します。

    mem=xxM
  5. xx の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。
  6. F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
  7. システムが起動するのを待ってログインし、コマンドラインを開きます。
  8. システムが報告するメモリー量を MiB 単位で確認します。

    $ free -m
  9. コマンドで表示される RAM の合計サイズが期待値と一致する場合は、変更を永続化します。

    # grubby --update-kernel=ALL --args="mem=xxM"