第16章 スワップの使用
スワップ領域を使用して、非アクティブなプロセスとデータに一時的なストレージを提供し、物理メモリーがいっぱいになった場合に発生するメモリー不足エラーを防ぎます。スワップ領域は物理メモリーの拡張として機能し、物理メモリーが使い果たされた場合でもシステムがスムーズに動作し続けることを可能にします。スワップ領域を使用するとシステムのパフォーマンスが低下する可能性があるため、スワップ領域を利用する前に物理メモリーの使用を最適化するほうが望ましい場合があることに注意してください。
16.1. スワップ領域の概要
Linux の スワップ領域 は、物理メモリー (RAM) が不足すると使用されます。システムに多くのメモリーリソースが必要で、RAM が不足すると、メモリーの非アクティブなページがスワップ領域に移動します。スワップ領域は、RAM が少ないマシンで役に立ちますが、RAM の代わりに使用しないようにしてください。
スワップ領域はハードドライブにあり、そのアクセス速度は物理メモリーに比べると遅くなります。スワップ領域の設定は、専用のスワップパーティション (推奨)、スワップファイル、またはスワップパーティションとスワップファイルの組み合せが考えられます。
過去数年、推奨されるスワップ領域のサイズは、システムの RAM サイズに比例して増加していました。しかし、最近のシステムには通常、数百ギガバイトの RAM が含まれます。結果として、推奨されるスワップ領域は、システムのメモリーではなく、システムメモリーのワークロードの機能とみなされます。
- スワップ領域の追加
以下は、さまざまな方法でスワップ領域を追加する方法です。
- LVM2 論理ボリュームでのスワップ領域の拡張
- スワップ用の LVM2 論理ボリュームの作成
たとえば、システムの RAM 容量を 1 GB から 2 GB にアップグレードするときに、スワップスペースが 2 GB しかないとします。メモリーを大幅に消費する操作を実行している場合や、大量のメモリーを必要とするアプリケーションを実行する場合は、スワップ領域を 4 GB に増やすことが有益となる可能性があります。
- スワップ領域の削除
スワップ領域を削除するには、以下の異なる方法を使用します。
- LVM2 論理ボリュームでのスワップ領域の縮小
- スワップ用の LVM2 論理ボリュームの削除
たとえば、システムの RAM 容量を 1 GB から 512 MB にダウングレードするとします。しかし、依然として 2 GB のスワップ容量が割り当てられています。ディスク領域が大きくなる (2 GB など) と無駄になる可能性があるため、スワップ領域を 1 GB に減らすことでメリットを得られることがあります。