第8章 iSCSI イニシエーターの設定

iSCSI イニシエーターは iSCSI ターゲットに接続するセッションを形成します。デフォルトでは、iSCSI サービスは起動に時間がかかり、iscsiadm コマンドの実行後にサービスが起動します。root が iSCSI デバイスにない場合や、node.startup = automatic でマークされたノードがない場合は、iscsiadm コマンドが実行するまで iSCSI サービスが起動しなくなります。これには、カーネルモジュール iscsid または iscsi の起動が必要になります。

root で systemctl start iscsid.service コマンドを実行し、iscsid デーモンを強制的に実行して、iSCSI カーネルモジュールを読み込みます。

8.1. iSCSI イニシエーターの作成

サーバー上のストレージデバイスにアクセスするために、iSCSI ターゲットに接続するための iSCSI イニシエーターを作成します。

前提条件

  • iSCSI ターゲットのホスト名と IP アドレスがあります。

    • 外部ソフトウェアが作成したストレージターゲットに接続している場合は、ストレージ管理者からターゲットのホスト名と IP アドレスを取得します。
    • iSCSI ターゲットを作成する場合は、iSCSI ターゲットの作成 を参照してください。

手順

  1. クライアントマシンに iscsi-initiator-utils をインストールします。

    # dnf install iscsi-initiator-utils
  2. イニシエーター名を確認します。

    # cat /etc/iscsi/initiatorname.iscsi
    
    InitiatorName=iqn.2006-04.com.example:888
  3. iSCSI ACL の作成 で ACL にカスタム名を指定した場合は、ACL と一致するようにイニシエーター名を更新します。

    1. /etc/iscsi/initiatorname.iscsi ファイルを開き、イニシエーター名を変更します。

      # vi /etc/iscsi/initiatorname.iscsi
      
      InitiatorName=custom-name
    2. iscsid サービスを再起動します。

      # systemctl restart iscsid
  4. ターゲットを検出し、表示されたターゲット IQN でターゲットにログインします。

    # iscsiadm -m discovery -t st -p 10.64.24.179
        10.64.24.179:3260,1 iqn.2006-04.example:444
    
    # iscsiadm -m node -T iqn.2006-04.example:444 -l
        Logging in to [iface: default, target: iqn.2006-04.example:444, portal: 10.64.24.179,3260] (multiple)
        Login to [iface: default, target: iqn.2006-04.example:444, portal: 10.64.24.179,3260] successful.

    10.64.24.179 を、target-ip-address に置き換えます。

    この手順では、iSCSI ACL の作成 で説明されているように、それぞれのイニシエーター名が ACL に追加されている場合は、同じターゲットに接続されている任意の数のイニシエーターに対してこの手順を使用できます。

  5. iSCSI ディスク名を確認して、この iSCSI ディスクにファイルシステムを作成します。

    # grep "Attached SCSI" /var/log/messages
    
    # mkfs.ext4 /dev/disk_name

    disk_name を、/var/log/messages ファイルに記載されている iSCSI ディスク名に置き換えます。

  6. ファイルシステムをマウントします。

    # mkdir /mount/point
    
    # mount /dev/disk_name /mount/point

    /mount/point を、パーティションのマウントポイントに置き換えます。

  7. システムの起動時にファイルシステムを自動的にマウントするように /etc/fstab を編集します。

    # vi /etc/fstab
    
    /dev/disk_name /mount/point ext4 _netdev 0 0

    disk_name を iSCSI ディスク名に置き換え、/mount/point を、パーティションのマウントポイントに置き換えます。

関連情報

  • man ページの targetcli(8) および iscsiadm(8)