17.2. crash ユーティリティーの実行および終了

crash ユーティリティーを実行および終了するために必要なパラメーターと手順を説明します。crash は、システムの実行中、またはカーネルクラッシュが発生してコアダンプファイルが作成された後に、システムの状態を対話的に分析するツールです。コアダンプファイルは、vmcore ファイルとも呼ばれます。

前提条件

  • 現在実行しているカーネルを特定します (5.14.0-1.el9.x86_64 など)。

手順

  1. crash ユーティリティーを起動するには、2 つの必要なパラメーターをコマンドに渡す必要があります。

    • debug-info (圧縮解除された vmlinuz イメージ) (特定の kernel-debuginfo パッケージに含まれる /usr/lib/debug/lib/modules/5.14.0-1.el9.x86_64/vmlinux など)
    • 実際の vmcore ファイル (例: /var/crash/127.0.0.1-2021-09-13-14:05:33/vmcore)

      その結果の crash コマンドの以下のようになります。

      # crash /usr/lib/debug/lib/modules/5.14.0-1.el9.x86_64/vmlinux /var/crash/127.0.0.1-2021-09-13-14:05:33/vmcore

      kdump で取得したのと同じ <kernel> のバージョンを使用します。

      例17.1 crash ユーティリティーの実行

      以下の例は、5.14.0-1.el9.x86_64 カーネルを使用して 2021 年 9 月 13 日の 14:05 PM に作成されたコアダンプを分析する方法を示しています。

      ...
      WARNING: kernel relocated [202MB]: patching 90160 gdb minimal_symbol values
      
            KERNEL: /usr/lib/debug/lib/modules/5.14.0-1.el9.x86_64/vmlinux
          DUMPFILE: /var/crash/127.0.0.1-2021-09-13-14:05:33/vmcore  [PARTIAL DUMP]
              CPUS: 2
              DATE: Mon Sep 13 14:05:16 2021
            UPTIME: 01:03:57
      LOAD AVERAGE: 0.00, 0.00, 0.00
             TASKS: 586
          NODENAME: localhost.localdomain
           RELEASE: 5.14.0-1.el9.x86_64
           VERSION: #1 SMP Wed Aug 29 11:51:55 UTC 2018
           MACHINE: x86_64  (2904 Mhz)
            MEMORY: 2.9 GB
             PANIC: "sysrq: SysRq : Trigger a crash"
               PID: 10635
           COMMAND: "bash"
              TASK: ffff8d6c84271800  [THREAD_INFO: ffff8d6c84271800]
               CPU: 1
             STATE: TASK_RUNNING (SYSRQ)
      
      crash>
  2. 対話型プロンプトを終了して crash を停止するには、exit または q と入力します。

    例17.2 crash ユーティリティーの終了

    crash> exit
    ~]#
注記

crash コマンドは、ライブシステムをデバッグする強力なツールとして使用することもできます。ただし、システムを破損しないように注意してください。