12.2. kdump ターゲットの設定
クラッシュダンプは通常、ローカルファイルシステムにファイルとして保存され、デバイスに直接書き込まれます。または、NFS
プロトコルまたは SSH
プロトコルを使用して、ネットワーク経由でクラッシュダンプを送信するように設定できます。クラッシュダンプファイルを保存するオプションは、一度に 1 つだけ設定できます。デフォルトの動作では、ローカルファイルシステムの /var/crash/
ディレクトリーに保存されます。
前提条件
- システムの root 権限がある。
-
kdump
設定とターゲットの要件をすべて満たしている。詳細は 対応している kdump 設定とターゲット を参照してください。
手順
ローカルファイルシステムの
/var/crash/
ディレクトリーにクラッシュダンプファイルを保存するには、/etc/kdump.conf
ファイルを変更して、パスを指定します。path /var/crash
path /var/crash
オプションは、kdump
がクラッシュダンプファイルを保存するファイルシステムへのパスを表します。注記-
/etc/kdump.conf
ファイルでダンプターゲットを指定すると、path は指定されたダンプ出力先に対する相対パスになります。 -
/etc/kdump.conf
ファイルでダンプターゲットを指定しない場合、パスはルートディレクトリーからの 絶対 パスを表します。
現在のシステムにマウントされている内容に応じて、ダンプターゲットと調整されたダンプパスが自動的に適用されます。
例12.1
kdump
ターゲット設定# grep -v ^# /etc/kdump.conf | grep -v ^$ ext4 /dev/mapper/vg00-varcrashvol path /var/crash core_collector makedumpfile -c --message-level 1 -d 31
ここでは、ダンプターゲットが指定されているため (
ext4/dev/mapper/vg00-varcrashvol
)、/var/crash
にマウントされます。path
オプションも/var/crash
に設定されているため、kdump
はvmcore
ファイルを/var/crash/var/crash
ディレクトリーに保存します。-
クラッシュダンプを保存するローカルディレクトリーを変更するには、
root
として/etc/kdump.conf
設定ファイルを編集します。-
#path /var/crash
の行頭にあるハッシュ記号 (#
) を削除します。 値を対象のディレクトリーパスに置き換えます。以下に例を示します。
path /usr/local/cores
重要Red Hat Enterprise Linux 9 では、失敗を避けるために、
path
ディレクティブを使用してkdump
ターゲットとして定義されたディレクトリーがkdump
systemd
サービスの起動時に存在していなければなりません。この動作は、サービスの起動時にディレクトリーが存在しなかった場合はディレクトリーが自動的に作成されていた RHEL の以前のバージョンとは異なります。
-
ファイルを別のパーティションに書き込むには、
/etc/kdump.conf
設定ファイルを編集します。必要に応じて
#ext4
の行頭にあるハッシュ記号 (#
) を削除します。-
デバイス名 (
#ext4 /dev/vg/lv_kdump
行) -
ファイルシステムラベル (
#0ext4 LABEL=/boot
行) -
UUID (
#ext4 UUID=03138356-5e61-4ab3-b58e-27507ac41937
の行)
-
デバイス名 (
ファイルシステムタイプとデバイス名、ラベル、または UUID を必要な値に変更します。UUID 値を指定するための正しい構文は、
UUID="correct-uuid"
とUUID=correct-uuid
の両方です。以下に例を示します。ext4 UUID=03138356-5e61-4ab3-b58e-27507ac41937
重要LABEL=
またはUUID=
を使用してストレージデバイスを指定することが推奨されます。/dev/sda3
などのディスクデバイス名は、再起動した場合に一貫性が保証されません。IBM Z ハードウェアで Direct Access Storage Device (DASD) を使用する場合は、
kdump
に進む前に、ダンプデバイスが/etc/dasd.conf
で正しく指定されていることを確認してください。
クラッシュダンプを直接書き込むには、
/etc/kdump.conf
設定ファイルを修正します。-
#raw /dev/vg/lv_kdump
の行頭にあるハッシュ記号 (#
) を削除します。 値を対象のデバイス名に置き換えます。以下に例を示します。
raw /dev/sdb1
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NFS
プロトコルを使用してクラッシュダンプをリモートマシンに保存するには、次の手順を実行します。-
#nfs my.server.com:/export/tmp
の行頭にあるハッシュ記号 (#
) を削除します。 値を、正しいホスト名およびディレクトリーパスに置き換えます。以下に例を示します。
nfs penguin.example.com:/export/cores
-
SSH プロトコルを使用してクラッシュダンプをリモートマシンに保存するには、次の手順を実行します。
-
#ssh user@my.server.com
の行頭にあるハッシュ記号 (#
) を削除します。 - 値を正しいユーザー名およびホスト名に置き換えます。
SSH キーを設定に含めます。
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#sshkey /root/.ssh/kdump_id_rsa
の行頭にあるハッシュ記号 ("#") を削除します。 値を、ダンプ先のサーバー上の正しいキーの場所に変更します。以下に例を示します。
ssh john@penguin.example.com sshkey /root/.ssh/mykey
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