38.10. Identity Management クライアントシステムの名前の変更
ここでは、Identity Management クライアントシステムのホスト名を変更する方法を説明します。
クライアントの名前は手動で変更します。ホスト名の変更が絶対に必要である場合のみ実行してください。
Identity Management クライアントの名前を変更するには、以下を行う必要があります。
- ホストを準備します。詳細は、名前を変更するための IdM クライアントの準備 を参照してください。
- ホストから IdM クライアントをアンインストールします。詳細は、Identity Management クライアントのアンインストール を参照してください。
- ホストの名前を変更します。詳細は、ホストシステムの名前変更 を参照してください。
- 新しい名前でホストに IdM クライアントをインストールします。詳細は、Identity Management のインストール の Identity Management クライアントのインストール を参照してください。
- IdM クライアントのインストール後にホストを設定します。詳しくはサービスの再追加、証明書の再生成、およびホストグループの再追加 を参照してください。
38.10.1. 名前を変更するための IdM クライアントの準備
現在のクライアントをアンインストールする前に、クライアントの設定を書き留めます。新しいホスト名のマシンを再登録した後にこの設定を適用します
マシンで実行しているサービスを特定します。
ipa service-find
コマンドを使用して、証明書のあるサービスを特定して出力します。$ ipa service-find old-client-name.example.com
-
さらに、各ホストには ipa service-find の出力に表示されないデフォルトの
host service
があります。ホストサービスのサービスプリンシパルは ホストプリンシパル とも呼ばれ、host/old-client-name.example.com
になります。
ipa service-find old-client-name.example.com
により表示されるすべてのサービスプリンシパルは、old-client-name.example.com
上の対応するキータブの場所を決定します。# find / -name "*.keytab"
クライアントシステムの各サービスには、
ldap/old-client-name.example.com@EXAMPLE.COM
のように service_name/host_name@REALM の形式を取る Kerberos プリンシパルがあります。マシンが所属するすべてのホストグループを特定します。
# ipa hostgroup-find old-client-name.example.com
38.10.2. Identity Management クライアントのアンインストール
クライアントをアンインストールすると、クライアントは Identity Management ドメインから削除され、SSSD (System Security Services Daemon) などのシステムサービスの Identity Management 設定もすべて削除されます。これにより、クライアントシステムの以前の設定が復元します。
手順
ipa-client-install --uninstall
コマンドを実行します。[root@client]# ipa-client-install --uninstall
クライアントホストの DNS エントリーを、手動でサーバーから削除します。
[root@server]# ipa dnsrecord-del Record name: old-client-client Zone name: idm.example.com No option to delete specific record provided. Delete all? Yes/No (default No): yes ------------------------ Deleted record "old-client-name"
/etc/krb5.keytab
以外のキータブについては、古いプリンシパルを削除します。[root@client ~]# ipa-rmkeytab -k /path/to/keytab -r EXAMPLE.COM
IdM サーバーで、ホストエントリーを削除します。これにより、すべてのサービスが削除され、そのホストに発行されたすべての証明書が無効になります。
[root@server ~]# ipa host-del client.example.com
38.10.3. ホストシステムの名前変更
必要に応じてマシンの名前を変更します。以下に例を示します。
[root@client]# hostnamectl set-hostname new-client-name.example.com
これで、新しいホスト名で、Identity Management クライアントを Identity Management ドメインに再インストールできるようになります。
38.10.4. サービスの再追加、証明書の再生成、およびホストグループの再追加
手順
Identity Management (IdM) サーバーで、名前を変更するための IdM クライアントの準備 に定義された各サービスに新しいキータブを追加します。
[root@server ~]# ipa service-add service_name/new-client-name
名前を変更するための IdM クライアントの準備 で割り当てた証明書のあるサービスに対して証明書を生成します。これには、以下を行います。
- IdM 管理ツールの使用
-
certmonger
ユーティリティーの使用
- 名前を変更するための IdM クライアントの準備 で特定されたホストグループにクライアントを再追加します。