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2.4. RHEL システムの AD ドメインへの参加
Samba Winbind は、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)システムを Active Directory(AD)に接続するための System Security Services Daemon(SSSD)の代替手段です。本セクションでは、realmd
を使用して Samba Winbind を設定して、RHEL システムを AD ドメインに参加させる方法を説明します。
手順
AD で Kerberos 認証に非推奨の RC4 暗号化タイプが必要な場合は、RHEL でこの暗号のサポートを有効にします。
# update-crypto-policies --set DEFAULT:AD-SUPPORT
以下のパッケージをインストールします。
# dnf install realmd oddjob-mkhomedir oddjob samba-winbind-clients \ samba-winbind samba-common-tools samba-winbind-krb5-locator
ドメインメンバーでディレクトリーまたはプリンターを共有するには、
samba
パッケージをインストールします。# dnf install samba
既存の Samba 設定ファイル
/etc/samba/smb.conf
をバックアップします。# mv /etc/samba/smb.conf /etc/samba/smb.conf.bak
ドメインに参加します。たとえば、ドメイン
ad.example.com
に参加するには、以下のコマンドを実行します。# realm join --membership-software=samba --client-software=winbind ad.example.com
上記のコマンドを使用すると、
realm
ユーティリティーが自動的に以下を実行します。-
ad.example.com
ドメインのメンバーシップに/etc/samba/smb.conf
ファイルを作成します。 -
ユーザーおよびグループの検索用の
winbind
モジュールを、/etc/nsswitch.conf
ファイルに追加します。 -
/etc/pam.d/
ディレクトリーの PAM (プラグ可能な認証モジュール) 設定ファイルを更新します。 -
winbind
サービスを起動し、システムの起動時にサービスを起動できるようにします。
-
-
必要に応じて、
/etc/samba/smb.conf
ファイルの別の ID マッピングバックエンド、またはカスタマイズした ID マッピングを設定します。
詳細は「 Samba ID マッピングの概要」を参照してください。
/etc/krb5.conf
ファイルを編集し、以下のセクションを追加します。[plugins] localauth = { module = winbind:/usr/lib64/samba/krb5/winbind_krb5_localauth.so enable_only = winbind }
winbind
サービスが稼働していることを確認します。# systemctl status winbind ... Active: active (running) since Tue 2018-11-06 19:10:40 CET; 15s ago
重要Samba がドメインのユーザーおよびグループの情報をクエリーできるようにするには、
smb
を起動する前にwinbind
サービスを実行する必要があります。samba
パッケージをインストールしてディレクトリーおよびプリンターを共有している場合は、smb
サービスを有効化して開始します。# systemctl enable --now smb
検証手順
AD ドメインの AD 管理者アカウントなど、AD ユーザーの詳細を表示します。
# getent passwd "AD\administrator" AD\administrator:*:10000:10000::/home/administrator@AD:/bin/bash
AD ドメイン内のドメインユーザーグループのメンバーをクエリーします。
# getent group "AD\Domain Users" AD\domain users:x:10000:user1,user2
オプションで、ファイルやディレクトリーに権限を設定する際に、ドメインのユーザーおよびグループを使用できることを確認します。たとえば、
/srv/samba/example.txt
ファイルの所有者をAD\administrator
に設定し、グループをAD\Domain Users
に設定するには、以下のコマンドを実行します。# chown "AD\administrator":"AD\Domain Users" /srv/samba/example.txt
Kerberos 認証が期待どおりに機能することを確認します。
AD ドメインメンバーで、
administrator@AD.EXAMPLE.COM
プリンシパルのチケットを取得します。# kinit administrator@AD.EXAMPLE.COM
キャッシュされた Kerberos チケットを表示します。
# klist Ticket cache: KCM:0 Default principal: administrator@AD.EXAMPLE.COM Valid starting Expires Service principal 01.11.2018 10:00:00 01.11.2018 20:00:00 krbtgt/AD.EXAMPLE.COM@AD.EXAMPLE.COM renew until 08.11.2018 05:00:00
利用可能なドメインの表示:
# wbinfo --all-domains BUILTIN SAMBA-SERVER AD
関連情報
- 非推奨の RC4 暗号化を使用しない場合は、AD で AES 暗号化タイプを有効にすることができます。GPO を使用した Active Directory で AES 暗号化タイプの有効化を参照してください。
-
man ページの
realm(8)