11.3. IdM クライアントが AD サーバーのサービスをリクエストする場合の情報の流れ

次の図は、Identity Management (IdM) と Active Directory (AD) の間に双方向の信頼を設定した場合に、IdM クライアントが AD ドメインでサービスをリクエストする場合の情報の流れを説明しています。

IdM クライアントから AD サービスにアクセスする際に問題が発生した場合は、この情報を使用してトラブルシューティングの取り組みを絞り込み、問題の原因を特定できます。

注記

デフォルトでは、IdM は AD への一方向の信頼を確立します。つまり、AD フォレスト内のリソースに対してレルム間のチケット保証チケット (TGT) を発行することはできません。信頼された AD ドメインからサービスへのチケットをリクエストできるようにするには、双方向の信頼を設定します。

diagram showing how an IdM client communicates with an IdM server and an AD Domain Controller

  1. IdM クライアントは、接続する AD サービスの IdM Kerberos Distribution Center (KDC) にチケット保証チケット (TGT) を要求します。
  2. IdM KDC は、サービスが AD レルムに属していることを認識し、レルムが既知で信頼されていること、およびクライアントがそのレルムからサービスをリクエストできることを確認します。
  3. IdM Directory Server からのユーザープリンシパルに関する情報を使用して、IdM KDC は、ユーザープリンシパルに関する特権属性証明書 (MS-PAC) レコードを使用してレルム間 TGT を作成します。
  4. IdM KDC は、レルム間 TGT を IdM クライアントに送り返します。
  5. IdM クライアントは AD KDC に接続して、AD サービスのチケットをリクエストし、IdM KDC によって提供される MS-PAC を含むレルム間 TGT を提示します。
  6. AD サーバーは PAC を検証およびフィルタリングし、AD サービスのチケットを返します。
  7. これで、IPA クライアントは AD サービスに接続できます。