第14章 Ansible を使用した信頼の削除

Ansible Playbook を使用して IdM 側の Identity Management (IdM)/Active Directory (AD) 信頼を削除するには、次の手順に従います。

前提条件

  • IdM 管理者として Kerberos チケットを取得している。詳細は Web UI で IdM にログイン: Kerberos チケットの使用 を参照してください。
  • 次の要件を満たすように Ansible コントロールノードを設定している。

    • Ansible バージョン 2.14 以降を使用している。
    • Ansible コントローラーに ansible-freeipa パッケージがインストールされている。
    • ~/MyPlaybooks/ ディレクトリーに、IdM サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用して Ansible インベントリーファイル を作成している (この例の場合)。
    • この例では、secret.yml Ansible ボールトに ipaadmin_password が保存されていることを前提としている。
  • ansible-freeipa モジュールが実行されるノードであるターゲットノードは、IdM クライアント、サーバー、またはレプリカとしての IdM ドメインの一部です。

手順

  1. ~/MyPlaybooks/ ディレクトリーに移動します。

    $ cd ~/MyPlaybooks/
  2. 以下の内容を含む del-trust.yml Playbook を作成します。

    ---
    - name: Playbook to delete trust
      hosts: ipaserver
    
      vars_files:
      - /home/user_name/MyPlaybooks/secret.yml
      tasks:
        - name: ensure the trust is absent
          ipatrust:
            ipaadmin_password: "{{ ipaadmin_password }}"
            realm: ad.example.com
            state: absent

    この例では、realm は AD レルム名の文字列を定義します。

  3. ファイルを保存します。
  4. Ansible Playbook を実行します。Playbook ファイル、secret.yml ファイルを保護するパスワードを格納するファイル、およびインベントリーファイルを指定します。

    $ ansible-playbook --vault-password-file=password_file -v -i inventory del-trust.yml
注記

信頼設定を削除しても、IdM が AD ユーザー用に作成した ID 範囲は自動的に削除されません。この場合、信頼を再度追加すると、既存の ID 範囲が再利用されます。また、AD ユーザーが IdM クライアントでファイルを作成した場合、その POSIX ID はファイルのメタデータに保持されます。

AD 信頼に関連するすべての情報を削除するには、信頼設定と信頼オブジェクトを削除した後、AD ユーザー ID 範囲を削除します。

# ipa idrange-del AD.EXAMPLE.COM_id_range
# systemctl restart sssd

検証手順

  • ipa trust-show を実行して、信頼が削除されたことを確認します。

    [root@server ~]# ipa trust-show ad.example.com
    ipa: ERROR: ad.example.com: trust not found

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