第11章 他のフォレストのサービスへのクライアントアクセスに関するトラブルシューティング

Identity Management (IdM) 環境と Active Directory (AD) 環境の間に信頼を設定した後、一方のドメインのクライアントがもう一方のドメインのサービスにアクセスできないという問題が発生する場合があります。次の図を使用して、問題のトラブルシューティングを行ってください。

11.1. AD フォレストルートドメイン内のホストが IdM サーバーのサービスをリクエストする場合の情報の流れ

次の図は、Active Directory (AD) クライアントが Identity Management (IdM) ドメインのサービスをリクエストする際の情報の流れを説明しています。

AD クライアントから IdM サービスにアクセスする際に問題が発生した場合は、この情報を使用してトラブルシューティングの作業を絞り込み、問題の原因を特定できます。

diagram showing how an AD client communicates with an AD Domain Controller and an IdM server

  1. AD クライアントは AD Kerberos Distribution Center (KDC) に接続して、IdM ドメインのサービスに対して TGS リクエストを実行します。
  2. AD KDC は、サービスが信頼された IdM ドメインに属していることを認識します。
  3. AD KDC は、信頼された IdM KDC への参照とともに、クライアントにレルム間のチケット保証チケット (TGT) を送信します。
  4. AD クライアントは、レルム間 TGT を使用して IdM KDC へのチケットをリクエストします。
  5. IdM KDC は、クロスレルム TGT で送信される特権属性証明書 (MS-PAC) を検証します。
  6. IPA-KDB プラグインは、LDAP ディレクトリーをチェックして、外部プリンシパルがリクエストされたサービスのチケットを取得できるかどうかを確認する場合があります。
  7. IPA-KDB プラグインは、MS-PAC をデコードし、データを検証およびフィルタリングします。LDAP サーバーで検索を行い、、ローカルグループなどの追加情報で MS-PAC を拡張する必要があるかどうかを確認します。
  8. 次に、IPA-KDB プラグインは PAC をエンコードして署名し、サービスチケットに添付して AD クライアントに送信します。
  9. AD クライアントは、IdM KDC によって発行されたサービスチケットを使用して IdM サービスに接続できるようになります。