第4章 Google Cloud Platform での Red Hat High Availability クラスターの設定

Google Compute Engine (GCE) 仮想マシン (VM) インスタンスをクラスターノードとして使用して、Google Cloud Platform (GCP) で Red Hat High Availability (HA) クラスターを設定するには、以下のセクションを参照してください。

これらは、次の情報を提供します。

  • GCP 用の環境を設定するための前提手順。環境を設定したら、仮想マシンインスタンスを作成および設定できます。
  • 個別のノードを GCP の HA ノードのクラスターに変換する HA クラスターの作成に固有の手順。これには、各クラスターノードに高可用性パッケージおよびエージェントをインストールし、フェンシングを設定し、ネットワークリソースエージェントをインストールする手順が含まれます。

前提条件

  • Red Hat Enterprise Linux 9 Server: rhel-9-server-rpms/8Server/x86_64
  • Red Hat Enterprise Linux 9 Server (High Availability): rhel-9-server-ha-rpms/8Server/x86_64

    • アクティブな GCP プロジェクトに属し、プロジェクトでリソースを作成するのに十分なパーミッションを持っている必要があります。
    • プロジェクトには、個別ユーザーではなく、仮想マシンインスタンスに属する サービスアカウント が必要です。別のサービスアカウントを作成する代わりに、デフォルトのサービスアカウントを使用する方法は、Using the Compute Engine Default Service Account を参照してください。

またはプロジェクト管理者がカスタムサービスアカウントを作成する場合、サービスアカウントは以下のロールに設定する必要があります。

  • クラウドトレースエージェント
  • コンピュート管理者
  • コンピュートネットワーク管理者
  • クラウドデータベースユーザー
  • ロギング管理者
  • 監視エディター
  • 監視メトリックライター
  • サービスアカウント管理者
  • ストレージ管理者

4.1. パブリッククラウドプラットフォームで高可用性クラスターを使用する利点

高可用性 (HA) クラスターは、特定のワークロードを実行するためにリンクされた一連のコンピューター (ノード と呼ばれます) です。HA クラスターの目的は、ハードウェアまたはソフトウェア障害が発生した場合に備えて、冗長性を提供することです。HA クラスター内のノードに障害が発生しても、Pacemaker クラスターリソースマネージャーがワークロードを他のノードに分散するため、クラスター上で実行されているサービスに顕著なダウンタイムが発生することはありません。

HA クラスターはパブリッククラウドプラットフォームで実行することもできます。この場合、クラウド内の仮想マシン (VM) インスタンスを個々のクラスターノードとして使用します。パブリッククラウドプラットフォームで HA クラスターを使用すると、次の利点があります。

  • 可用性の向上: VM に障害が発生した場合、ワークロードがすぐに他のノードに再分散されるため、実行中のサービスが中断されません。
  • スケーラビリティー: 需要が高いときに追加のノードを起動し、需要が低いときにノードを停止することができます。
  • 費用対効果: 従量課金制の料金設定では、実行中のノードに対して料金を支払うだけで済みます。
  • 管理の簡素化: 一部のパブリッククラウドプラットフォームでは、HA クラスターの設定を容易にする管理インターフェイスが提供されています。

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムで HA を有効にするために、Red Hat は High Availability Add-On を提供しています。High Availability Add-On は、RHEL システム上で HA クラスターを作成するために必要なすべてのコンポーネントを提供します。コンポーネントには、高可用性サービス管理ツールとクラスター管理ツールが含まれます。