2.2. SSSD を使用する利点

SSSD (System Security Services Daemon) を使用すると、ユーザー ID の取得とユーザー認証に複数の利点があります。

オフライン認証
SSSD は、必要に応じて、リモートプロバイダーから取得したユーザー ID および認証情報のキャッシュを保持します。この設定では、セッションの開始時にすでにリモートプロバイダーに対して一度認証されている場合は、リモートプロバイダーまたはクライアントがオフラインであってもリソースに対して正常に認証できます。
単一のユーザーアカウント: 認証プロセスの一貫性の向上

SSSD では、オフライン認証用に中央アカウントとローカルユーザーアカウントの両方を維持する必要はありません。条件は次のとおりです。

  • 特定のセッションでは、ユーザーが最低でも一度ログインしている必要があります。ユーザーが初めてログインしたときに、クライアントはリモートプロバイダーに接続する必要があります。
  • SSSD でキャッシュを有効にする必要があります。

    SSSD を使用しないと、リモートユーザーには、多くの場合、複数のユーザーアカウントが存在します。たとえば、仮想プライベートネットワーク (VPN) に接続するには、リモートユーザーが、ローカルシステム用のアカウントのほかに、VPN システム用の別のアカウントが必要になります。このシナリオでは、最初にプライベートネットワーク上で認証して、リモートサーバーからユーザーを取得し、ユーザー認証情報をローカルでキャッシュする必要があります。

    SSSD では、キャッシュおよびオフライン認証により、リモートユーザーはローカルマシンに認証することで、ネットワークリソースに接続できます。SSSD は次にネットワークの認証情報を維持します。

ID プロバイダーおよび認証プロバイダーへの負荷の軽減
情報をリクエストすると、クライアントはまずローカルの SSSD キャッシュを確認します。SSSD は、キャッシュで情報が利用できない場合に限り、リモートプロバイダーに問い合わせます。