2.3. ARM 64 での仮想化の有効化
RHEL 9 を実行している ARM 64 システムで仮想マシン (VM) を作成するために KVM ハイパーバイザーをセットアップするには、以下の手順に従ってください。
ARM 64 での仮想化は、RHEL 9 で テクノロジープレビュー としてのみ提供されるため、サポートされていません。
前提条件
最低でも、以下のシステムリソースが利用できる。
- ホスト用に 6 GB と、各ゲスト用に 6 GB の空きディスク容量
- ホスト用に 4 GB の RAM と、対象のゲストごとにさらに 4 GB。
手順
仮想化パッケージをインストールします。
# dnf install qemu-kvm libvirt virt-install
仮想化サービスを起動します。
# for drv in qemu network nodedev nwfilter secret storage interface; do systemctl start virt${drv}d{,-ro,-admin}.socket; done
検証
システムが仮想ホストとして準備されていることを確認します。
# virt-host-validate [...] QEMU: Checking if device /dev/vhost-net exists : PASS QEMU: Checking if device /dev/net/tun exists : PASS QEMU: Checking for cgroup 'memory' controller support : PASS QEMU: Checking for cgroup 'memory' controller mount-point : PASS [...] QEMU: Checking for cgroup 'blkio' controller support : PASS QEMU: Checking for cgroup 'blkio' controller mount-point : PASS QEMU: Checking if IOMMU is enabled by kernel : WARN (Unknown if this platform has IOMMU support)
virt-host-validate のすべての項目で
PASS
値が返された場合は、システムに 仮想マシンを作成 できます。いずれかの項目で
FAIL
が返された場合は、表示される指示に従って問題を解決してください。いずれかの項目で
WARN
が返された場合は、表示される指示に従って仮想化機能を向上させることを検討してください。
トラブルシューティング
KVM 仮想化がホスト CPU でサポートされていない場合は、virt-host-validate は以下の出力を生成します。
QEMU: Checking for hardware virtualization: FAIL (Only emulated CPUs are available, performance will be significantly limited)
ただし、このようなホストシステムにある仮想マシンは、パフォーマンス上の問題が発生するのではなく、起動に失敗します。
これを回避するには、仮想マシンの XML 設定の
<domain type>
値をqemu
に変更します。ただし、Red Hat はqemu
ドメインタイプを使用する仮想マシンに対応していないため、実稼働環境ではこれを設定しないことを強く推奨している点に注意してください。
次のステップ