14.2. CLI を使用した仮想マシンストレージプールの管理

CLI を使用して、ストレージプールの次の側面を管理し、仮想マシン (VM) にストレージを割り当てることができます。

14.2.1. CLI を使用したストレージプール情報の表示

CLI を使用して、ストレージプールに関する詳細の一部またはすべてが含まれるストレージプールのリストを表示できます。また、リスト表示されているストレージプールにフィルターをかけることもできます。

手順

  • virsh pool-list コマンドを使用して、ストレージプール情報を表示します。

    # virsh pool-list --all --details
     Name                State    Autostart  Persistent    Capacity  Allocation   Available
     default             running  yes        yes          48.97 GiB   23.93 GiB   25.03 GiB
     Downloads           running  yes        yes         175.62 GiB   62.02 GiB  113.60 GiB
     RHEL-Storage-Pool   running  yes        yes         214.62 GiB   93.02 GiB  168.60 GiB

関連情報

  • virsh pool-list --help コマンド

14.2.2. CLI を使用したディレクトリーベースのストレージプールの作成

ディレクトリーベースのストレージプールは、マウントされている既存のファイルシステムのディレクトリーを基にしています。これは、たとえば、ファイルシステムの残りの領域を他の目的で使用する場合に役立ちます。virsh ユーティリティーを使用して、ディレクトリーベースのストレージプールを作成できます。

前提条件

  • ハイパーバイザーがディレクトリーのストレージプールをサポートしていることを確認します。

    # virsh pool-capabilities | grep "'dir' supported='yes'"

    コマンドの出力が表示される場合には、ディレクトリープールはサポートの対象です。

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドを使用し、ディレクトリータイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、 /guest_images ディレクトリーを使用する guest_images_dir という名前のストレージプールを作成するには以下を実行します。

    # virsh pool-define-as guest_images_dir dir --target "/guest_images"
    Pool guest_images_dir defined

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Directory-based storage pool parameters を参照してください。

  2. ストレージプールのターゲットパスの作成

    virsh pool-build コマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。

    # virsh pool-build guest_images_dir
      Pool guest_images_dir built
    
    # ls -la /guest_images
      total 8
      drwx------.  2 root root 4096 May 31 19:38 .
      dr-xr-xr-x. 25 root root 4096 May 31 19:38 ..
  3. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                 State      Autostart
      -----------------------------------------
      default              active     yes
      guest_images_dir     inactive   no
  4. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_dir
      Pool guest_images_dir started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  5. (必要に応じて) 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_dir
      Pool guest_images_dir marked as autostarted

検証

  • virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_dir
      Name:           guest_images_dir
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB

14.2.3. CLI を使用したディスクベースのストレージプールの作成

ディスクベースのストレージプールでは、プールはディスクパーティションに基づいています。これは、たとえば、ディスクパーティション全体を仮想マシン (VM) ストレージ専用にする場合に便利です。virsh ユーティリティーを使用して、ディスクベースのストレージプールを作成できます。

前提条件

  • ハイパーバイザーがディスクベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。

    # virsh pool-capabilities | grep "'disk' supported='yes'"

    コマンドの出力が表示される場合には、ディスクベースのプールはサポートの対象です。

  • ストレージプールのベースとなるデバイスを準備します。この目的のために、パーティション (/dev/sdb1 など) または LVM ボリュームを優先します。ディスク全体またはブロックデバイス (/dev/sdb など) への書き込みアクセスを仮想マシンに提供すると、その仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストでシステムエラーが発生する可能性があります。

    ただし、ストレージプールにブロックデバイス全体を使用する必要がある場合、Red Hat は、デバイス上の重要なパーティションを GRUB の os-prober 機能から保護することを推奨します。これを行うには、/etc/default/grub ファイルを編集して、次のいずれかの設定を適用します。

    • os-prober を無効にします。

      GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true
    • os-prober が特定のパーティションを検出しないようにします。以下に例を示します。

      GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"
  • ストレージプールを作成する前に、選択したストレージデバイス上のデータをバックアップします。使用されている libvirt のバージョンに応じて、ディスクをストレージプール専用にすると、現在ディスクデバイスに格納されているすべてのデータが再フォーマットされて消去される可能性があります。

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドを使用し、ディスクタイプのストレージプールを定義して作成します。次の例では、/dev/sdb デバイスを使用する guest_images_disk という名前のストレージプールを作成します。

    # virsh pool-define-as guest_images_disk disk --source-format=gpt --source-dev=/dev/sdb --target /dev
    Pool guest_images_disk defined

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Disk-based storage pool parameters を参照してください。

  2. ストレージプールのターゲットパスの作成

    virsh pool-build コマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。

    # virsh pool-build guest_images_disk
      Pool guest_images_disk built
    注記

    ターゲットパスの構築は、ディスクベース、ファイルシステムベース、論理ストレージプールにのみ必要です。libvirt は、overwrite オプションが指定されている場合を除き、ソースストレージデバイスのデータフォーマットが、選択したストレージプールタイプと異なることを検出すると、ビルドに失敗します。

  3. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                 State      Autostart
      -----------------------------------------
      default              active     yes
      guest_images_disk    inactive   no
  4. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_disk
      Pool guest_images_disk started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  5. (必要に応じて) 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_disk
      Pool guest_images_disk marked as autostarted

検証

  • virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_disk
      Name:           guest_images_disk
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB

14.2.4. CLI を使用したファイルシステムベースのストレージプールの作成

マウントされていないファイルシステムにストレージプールを作成する場合は、ファイルシステムベースのストレージプールを使用します。このストレージプールは、指定のファイルシステムのマウントポイントを基にしています。virsh ユーティリティーを使用すると、ファイルシステムベースのストレージプールを作成できます。

前提条件

  • ハイパーバイザーがファイルシステムベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。

    # virsh pool-capabilities | grep "'fs' supported='yes'"

    コマンドの出力が表示される場合には、ファイルベースのストレージプールはサポートの対象です。

  • ストレージプールのベースとなるデバイスを準備します。この目的のために、パーティション (/dev/sdb1 など) または LVM ボリュームを優先します。ディスク全体またはブロックデバイス (/dev/sdb など) への書き込みアクセスを仮想マシンに提供すると、その仮想マシンはそれをパーティション分割するか、その上に独自の LVM グループを作成する可能性があります。これにより、ホストでシステムエラーが発生する可能性があります。

    ただし、ストレージプールにブロックデバイス全体を使用する必要がある場合、Red Hat は、デバイス上の重要なパーティションを GRUB の os-prober 機能から保護することを推奨します。これを行うには、/etc/default/grub ファイルを編集して、次のいずれかの設定を適用します。

    • os-prober を無効にします。

      GRUB_DISABLE_OS_PROBER=true
    • os-prober が特定のパーティションを検出しないようにします。以下に例を示します。

      GRUB_OS_PROBER_SKIP_LIST="5ef6313a-257c-4d43@/dev/sdb1"

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドを使用し、ファイルシステムタイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、/dev/sdc1 パーティションを使用し、/guest_images ディレクトリーにマウントされるストレージプールに guest_images_fs という名前を指定して作成するには以下を実行します。

    # virsh pool-define-as guest_images_fs fs --source-dev /dev/sdc1 --target /guest_images
    Pool guest_images_fs defined

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Filesystem-based storage pool parameters を参照してください。

  2. ストレージプールのターゲットパスの定義

    virsh pool-build コマンドを使用して、フォーマット済みファイルシステムのストレージプール用のストレージプールターゲットパスを作成し、ストレージソースデバイスを初期化し、データのフォーマットを定義します。

    # virsh pool-build guest_images_fs
      Pool guest_images_fs built
    
    # ls -la /guest_images
      total 8
      drwx------.  2 root root 4096 May 31 19:38 .
      dr-xr-xr-x. 25 root root 4096 May 31 19:38 ..
  3. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                 State      Autostart
      -----------------------------------------
      default              active     yes
      guest_images_fs      inactive   no
  4. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_fs
      Pool guest_images_fs started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  5. オプション: 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_fs
      Pool guest_images_fs marked as autostarted

検証

  1. virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_fs
      Name:           guest_images_fs
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB
  2. ファイルシステムのターゲットパスに lost+found ディレクトリーがあることを確認します。これは、デバイスがマウントされていることを示しています。

    # mount | grep /guest_images
      /dev/sdc1 on /guest_images type ext4 (rw)
    
    # ls -la /guest_images
      total 24
      drwxr-xr-x.  3 root root  4096 May 31 19:47 .
      dr-xr-xr-x. 25 root root  4096 May 31 19:38 ..
      drwx------.  2 root root 16384 May 31 14:18 lost+found

14.2.5. CLI を使用した iSCSI ベースのストレージプールの作成

iSCSI (Internet Small Computer Systems Interface) は、データストレージ施設をリンクするための IP ベースのストレージネットワーク標準です。iSCSI サーバーにストレージプールを置く場合は、virsh ユーティリティーを使用して、iSCSI ベースのストレージプールを作成できます。

前提条件

  • ハイパーバイザーが iSCSI ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。

    # virsh pool-capabilities | grep "'iscsi' supported='yes'"

    コマンドの出力が表示される場合には、iSCSI ベースのストレージプールはサポートの対象です。

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドを使用し、iSCSI タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、server1.example.comiqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest IQN を使用し、/dev/disk/by-path パスにマウントされるストレージプールに guest_images_iscsi という名前を指定して作成するには、以下を実行します。

    # virsh pool-define-as --name guest_images_iscsi --type iscsi --source-host server1.example.com --source-dev iqn.2010-05.com.example.server1:iscsirhel7guest --target /dev/disk/by-path
    Pool guest_images_iscsi defined

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、iSCSI-based storage pool parameters を参照してください。

  2. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                 State      Autostart
      -----------------------------------------
      default              active     yes
      guest_images_iscsi   inactive   no
  3. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_iscsi
      Pool guest_images_iscsi started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  4. (必要に応じて) 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_iscsi
      Pool guest_images_iscsi marked as autostarted

検証

  • virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_iscsi
      Name:           guest_images_iscsi
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB

14.2.6. CLI を使用した LVM ベースのストレージプールの作成

LVM ボリュームグループに含まれるストレージプールが必要な場合は、virsh ユーティリティーを使用して LVM ベースのストレージプールを作成できます。

推奨事項

LVM ベースのストレージプールを作成する前に、以下の点に注意してください。

  • LVM ベースのストレージプールは、LVM の柔軟性を完全には提供しません。
  • libvirt は、シン論理ボリュームに対応しますが、シンストレージプールの機能は提供しません。
  • LVM ベースのストレージプールは、ボリュームグループです。virsh ユーティリティーを使用してボリュームグループを作成できますが、この方法では、作成したボリュームグループには 1 つのデバイスしか作成できません。複数のデバイスを持つボリュームグループを作成する場合は、代わりに LVM ユーティリティーを使用します。詳細は、How to create a volume group in Linux with LVM を参照してください。

    ボリュームグループの詳細は、Red Hat Enterprise Linux Logical Volume Manager Administration Guide を参照してください。

  • LVM ベースのストレージプールには、完全なディスクパーティションが必要です。virsh コマンドを使用して新しいパーティションまたはデバイスをアクティブにすると、パーティションがフォーマットされ、すべてのデータが消去されます。この手順で説明しているように、ホストの既存のボリュームグループを使用している場合は、何も消去されません。

前提条件

  • ハイパーバイザーが LVM ベースのストレージプールをサポートしていることを確認します。

    # virsh pool-capabilities | grep "'logical' supported='yes'"

    コマンドの出力が表示される場合には、LVM ベースのストレージプールはサポートの対象です。

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドを使用して、LVM タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、次のコマンドは、lvm_vg ボリュームグループを使用し、/dev/lvm_vg ディレクトリーにマウントされている guest_images_lvm という名前のストレージプールを作成します。

    # virsh pool-define-as guest_images_lvm logical --source-name lvm_vg --target /dev/lvm_vg
    Pool guest_images_lvm defined

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、LVM-based storage pool parameters を参照してください。

  2. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                   State      Autostart
      -------------------------------------------
      default                active     yes
      guest_images_lvm       inactive   no
  3. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_lvm
      Pool guest_images_lvm started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  4. (必要に応じて) 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_lvm
      Pool guest_images_lvm marked as autostarted

検証

  • virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_lvm
      Name:           guest_images_lvm
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB

14.2.7. CLI を使用した NFS ベースのストレージプールの作成

ネットワークファイルシステム (NFS) サーバーにストレージプールを置く場合は、virsh ユーティリティーを使用して、NFS ベースのストレージプールを作成できます。

前提条件

  • ハイパーバイザーが NFS ベースのストレージプールに対応していることを確認します。

    # virsh pool-capabilities | grep "<value>nfs</value>"

    コマンドの出力が表示される場合には、NFS ベースのストレージプールはサポートの対象です。

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドを使用し、NFS タイプのストレージプールを定義して作成します。たとえば、ターゲットディレクトリー /var/lib/libvirt/images/nfspool を使用してサーバーディレクトリー /home/net_mount にマウントされ、IP が 111.222.111.222 の NFS サーバーを使用するストレージプールを、guest_images_netfs という名前で作成するには、以下を実行します。

    # virsh pool-define-as --name guest_images_netfs --type netfs --source-host='111.222.111.222' --source-path='/home/net_mount' --source-format='nfs' --target='/var/lib/libvirt/images/nfspool'

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、NFS-based storage pool parameters を参照してください。

  2. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                 State      Autostart
      -----------------------------------------
      default              active     yes
      guest_images_netfs   inactive   no
  3. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_netfs
      Pool guest_images_netfs started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  4. (必要に応じて) 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_netfs
      Pool guest_images_netfs marked as autostarted

検証

  • virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_netfs
      Name:           guest_images_netfs
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB

14.2.8. CLI で vHBA デバイスを使用した SCSI ベースのストレージプールを作成する手順

Small Computer System Interface (SCSI) デバイスにストレージプールを設定する場合は、ホストが、仮想ホストバスアダプター (vHBA) を使用して SCSI デバイスに接続できる必要があります。その後、virsh ユーティリティーを使用して、SCSI ベースのストレージプールを作成できます。

前提条件

  • ハイパーバイザーが SCSI ベースのストレージプールをサポートしている。

    # virsh pool-capabilities | grep "'scsi' supported='yes'"

    コマンドの出力が表示される場合には、SCSI ベースのストレージプールはサポートの対象です。

  • 先に vHBA を作成し、vHBA デバイスで SCSI ベースのストレージプールを作成できるようにしてある。詳細は、Creating vHBAs を参照してください。

手順

  1. ストレージプールを作成します。

    virsh pool-define-as コマンドで、vHBA を使用して SCSI ストレージプールを定義して作成します。たとえば、以下は、guest_images_vhba という名前のストレージプールを作成します。このストレージプールは、親アダプター (scsi_host3)、ワールドワイドポート番号 (5001a4ace3ee047d)、ワールドワイドノード番号 (5001a4a93526d0a1) で識別される vHBA を使用します。ストレージプールは /dev/disk/ ディレクトリーにマウントされます。

    # virsh pool-define-as guest_images_vhba scsi --adapter-parent scsi_host3 --adapter-wwnn 5001a4a93526d0a1 --adapter-wwpn 5001a4ace3ee047d --target /dev/disk/
    Pool guest_images_vhba defined

    作成するストレージプールの XML 設定がすでにある場合は、XML を基にプールを定義することもできます。詳細は、Parameters for SCSI-based storage pools with vHBA devices を参照してください。

  2. プールが作成されたことを確認します。

    virsh pool-list コマンドを使用して、プールが作成されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    
      Name                 State      Autostart
      -----------------------------------------
      default              active     yes
      guest_images_vhba    inactive   no
  3. ストレージプールを起動します。

    virsh pool-start コマンドを使用して、ストレージプールをマウントします。

    # virsh pool-start guest_images_vhba
      Pool guest_images_vhba started
    注記

    virsh pool-start コマンドは、永続ストレージプールにのみ必要です。一時的なストレージプールは、作成時に自動的に起動します。

  4. (必要に応じて) 自動起動をオンにします。

    デフォルトでは、virsh コマンドで定義されたストレージプールは、仮想化サービスが起動するたびに自動的に起動するようには設定されていません。virsh pool-autostart コマンドを使用して、ストレージプールが自動的に起動するように設定します。

    # virsh pool-autostart guest_images_vhba
      Pool guest_images_vhba marked as autostarted

検証

  • virsh pool-info コマンドを使用して、ストレージプールが running 状態であることを確認します。報告されるサイズが期待どおりであるか、また、自動開始が正しく設定されているかを確認してください。

    # virsh pool-info guest_images_vhba
      Name:           guest_images_vhba
      UUID:           c7466869-e82a-a66c-2187-dc9d6f0877d0
      State:          running
      Persistent:     yes
      Autostart:      yes
      Capacity:       458.39 GB
      Allocation:     197.91 MB
      Available:      458.20 GB

14.2.9. CLI を使用したストレージプールの削除

ホストシステムからストレージプールを削除するには、プールを停止して、その XML 定義を削除する必要があります。

手順

  1. virsh pool-list コマンドを使用して、定義済みストレージプールをリスト表示します。

    # virsh pool-list --all
    Name                 State      Autostart
    -------------------------------------------
    default              active     yes
    Downloads            active     yes
    RHEL-Storage-Pool   active     yes
  2. virsh pool-destroy コマンドを使用して、削除するストレージプールを停止します。

    # virsh pool-destroy Downloads
    Pool Downloads destroyed
  3. 任意: ストレージプールの種類によっては、virsh pool-delete コマンドを使用して、ストレージプールが含まれるディレクトリーを削除できます。これを実行するには、ディレクトリーが空である必要があります。

    # virsh pool-delete Downloads
    Pool Downloads deleted
  4. virsh pool-undefine コマンドを使用して、ストレージプールの定義を削除します。

    # virsh pool-undefine Downloads
    Pool Downloads has been undefined

検証

  • ストレージプールが削除されたことを確認します。

    # virsh pool-list --all
    Name                 State      Autostart
    -------------------------------------------
    default              active     yes
    rhel-Storage-Pool   active     yes