4.7. High Availability Add-On のポートの有効化

クラスターコンポーネントの理想的なファイアウォール設定は、ローカル環境によって異なります。ここでは、ノードに複数のネットワークインターフェイスがあるかどうか、オフホストのファイアウォールがあるかどうかを検討しないといけない場合があります。

firewalld デーモンを実行している場合は、次のコマンドを実行して、Red Hat High Availability Add-On で必要なポートを有効にします。

# firewall-cmd --permanent --add-service=high-availability
# firewall-cmd --add-service=high-availability

ローカルの状況に合わせて開くポートを変更することが必要になる場合があります。

注記

firewalld デーモンがシステムにインストールされているかどうかを確認する場合は、rpm -q firewalld コマンドを実行します。firewalld デーモンをインストールしている場合は、firewall-cmd --state コマンドを使用して、そのデーモンが実行しているかどうかを確認できます。

以下の表は、Red Hat High Availability Add-On で有効にするポートとポートの使用目的を説明します。

表4.1 High Availability Add-On で有効にするポート

ポート必要になる場合

TCP 2224

すべてのノードに必要なデフォルトの pcsd ポートで必須 (pcsd Web UI で必要、ノード間通信で必須) です。/etc/sysconfig/pcsd ファイルの PCSD_PORT パラメーターを使用して pcsd を設定できます。

ポート 2224 を開いて、任意のノードの pcs が、それ自体も含め、クラスター内のすべてのノードに通信できるようにする必要があります。Booth クラスターチケットマネージャーまたはクォーラムデバイスを使用する場合は、Booth Arbiter、クォーラムデバイスなどのすべての関連ホストで、ポート 2224 を開く必要があります。

TCP 3121

クラスターに Pacemaker リモートノードがある場合に、すべてのノードで必須です。

完全なクラスターノードにある Pacemaker の pacemaker-based デーモンは、ポート 3121 で Pacemaker リモートノードの pacemaker_remoted デーモンへの通信を行います。クラスター通信に別のインターフェイスを使用する場合は、そのインターフェイスでポートを開くことのみが必要になります。少なくとも、ポートは、Pacemaker リモートノードの全クラスターノードに対して開いている必要があります。ユーザーは完全なノードとリモートノード間でホストを変換する可能性があるか、ホストのネットワークを使用してコンテナー内でリモートノードを実行する可能性があるため、すべてのノードにポートを開くと便利になる場合があります。ノード以外のホストにポートを開く必要はありません。

TCP 5403

corosync-qnetd で、クォーラムデバイスを使用するクォーラムデバイスホストで必須です。デフォルト値は、corosync-qnetd コマンドの -p オプションで変更できます。

UDP 5404-5412

ノード間の通信を容易にするために corosync ノードで必須です。ポート 5404-5412 を開いて、任意のノードの corosync が、それ自体も含め、すべてのノードと通信できるようにする必要があります。

TCP 21064

DLM が必要なリソースがクラスターに含まれる場合に、すべてのノードで必須です (例: GFS2)。

TCP 9929、UDP 9929

Booth チケットマネージャーを使用してマルチサイトクラスターを確立する場合に、同じノードから接続するために、すべてのクラスターノードと、Booth 仲裁ノードで開いている必要があります。