3.3. 作業ファイルへの設定変更の保存

クラスターを設定する際に、アクティブな CIB に影響を及ぼさずに、指定したファイルに設定変更を保存できます。これにより、個々の更新を使用して実行中のクラスター設定を直ちに更新することなく、設定の更新を指定できます。

CIB をファイルに保存する方法は、未編集のクラスター設定の表示 を参照してください。そのファイルを作成したら、pcs コマンドの -f オプションを使用したアクティブな CIB ではなく、ファイルに設定変更を保存できます。変更を完了し、アクティブな CIB ファイルへの更新が用意できたら、pcs cluster cib-push コマンドでファイルの更新をプッシュできます。

手順

以下は、CIB のファイルに変更をプッシュする際に推奨される手順です。この手順は、保存した CIB ファイルのコピーを作成し、そのコピーを変更します。アクティブな CIB にその変更をプッシュする場合は、ここで、pcs cluster cib-push コマンドの diff-against オプションを指定して、元のファイルと、変更したファイルの差異だけが CIB にプッシュされるようにします。これにより、ユーザーが互いを上書きしないように、並列に変更を加えることができます。ここでは、設定ファイル全体を解析する必要はないため、Pacemaker への負荷が減ります。

  1. ファイルへのアクティブな CIB を保存します。この例では、original.xml という名前のファイルに CIB が保存されます。

    # pcs cluster cib original.xml
  2. 設定の更新に使用する作業ファイルに、保存したファイルをコピーします。

    # cp original.xml updated.xml
  3. 必要に応じて設定を更新します。以下のコマンドは、updated.xml ファイルにリソースを作成しますが、現在実行しているクラスター設定にはそのリソースを追加しません。

    # pcs -f updated.xml resource create VirtualIP ocf:heartbeat:IPaddr2 ip=192.168.0.120 op monitor interval=30s
  4. 更新したファイルを、アクティブな CIB にプッシュします。元のファイルに加えた変更のみをプッシュするように指定します。

    # pcs cluster cib-push updated.xml diff-against=original.xml

もしくは、次のコマンドを使用して、CIB ファイルの現在のコンテンツ全体をプッシュできます。

pcs cluster cib-push filename

CIB ファイル全体をプッシュすると、Pacemaker はバージョンを確認して、クラスターにあるものよりも古い場合は CIB ファイルをプッシュしません。クラスターにあるものよりも古いバージョンで CIB ファイル全体を更新する必要がある場合は、pcs cluster cib-push コマンドの --config オプションを使用します。

pcs cluster cib-push --config filename